ユネスコ「世界の記憶」事業における国際登録(2022-2023登録サイクル)への登録申請案件の決定について

 本日、ユネスコ「世界の記憶」関係省庁連絡会議が開催され、我が国から、ユネスコ「世界の記憶」における国際登録(2022-2023登録サイクル)に、以下の登録申請案件(2件)を推薦することが決定されましたので、お知らせいたします。
 なお、ユネスコへの推薦案件の審査にあたっては、文部科学省国際統括官の下に置かれた「世界の記憶」国内案件に関する審査委員会において、専門的・技術的観点から、申請のあった11件について調査審議されました。

     じょうどしゅう だいほんざん ぞうじょうじ さんだいぞう
○浄土宗大本山増上寺三大蔵(申請者:浄土宗、大本山増上寺)
     ちしょうだいし  えんちん かんけい もんじょ てんせき
○智証大師円珍関係文書典籍― 日本・中国のパスポート― (申請者:園城寺、東京国立博物館)

 今回の決定を受け、本年11月末までにユネスコに申請書の提出を行い、その後、記録保存等の専門家による審査等を経て、2023年のユネスコ執行委員会において登録の可否が審議される予定です。

[登録申請案件の概要]

(1)「浄土宗大本山増上寺三大蔵」(申請者:浄土宗、大本山増上寺)
17 世紀初頭に徳川家康が日本全国から収集し、浄土宗の大本山である増上寺に寄進した、三部の木版印刷の大蔵経(※)。現代の仏教研究の基礎を為すという文化史上はもとより、漢字文化、印刷文化の観点からも貴重な史料。全て国指定重要文化財。 ※「大蔵経」…5,000 巻を超える仏教聖典の叢書。
浄土宗大本山増上寺三大蔵(『菩提行経』)
浄土宗大本山増上寺三大蔵(『菩提行経』)


(2)「智証大師円珍関係文書典籍― 日本・中国のパスポート― 」(申請者:園城寺、東京国立博物館)
中国・唐に渡り、日本に密教の教えをもたらした智証大師・円珍に関連する史料群で、日本と中国の文化交流の歴史や、当時の唐の法制度・交通制度を知ることができるほか、円珍が唐から持ち帰った唐代の通行許可書の原本が含まれるなど、非常に貴重な史料。 全て国宝。
智証大師円珍関係文書典籍(円珍が越州から長安に向う時に発給された過所)
智証大師円珍関係文書典籍(円珍が越州から長安に向う時に発給された過所)

[参考]
1 ユネスコ「世界の記憶」について
 世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的に、ユネスコが1992年に開始した事業の総称。本事業を代表するものとして、人類史において特に重要な記録物を国際的に登録する制度が1995年より実施されている。
 登録にかかる審査は2年に1回で、1か国からの申請は2件以内とされている。

2 登録状況について
 現時点で429件が国際登録、56件が地域登録されている。日本からは国際登録に7件、地域登録に1件が登録されている。

Memory of the World (UNESCO HP)
https://en.unesco.org/programme/mow

「世界の記憶」(文部科学省HP)
https://www.mext.go.jp/unesco/006/1354664.htm

<担当>
文部科学省 国際統括官付 企画係
 (電話:03-5253-4111(代表)、4734 (内線))





 

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