ユネスコ「世界の記憶」 国際登録と地域登録について

1.国際登録と地域登録について

  ユネスコ「世界の記憶」の登録制度には、「世界の記憶」国際諮問委員会が運営・管理する「国際登録」と、「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会が運営・管理する「地域登録」があります。

 両者は、ユネスコが実施する「世界の記憶」事業の下で行われている別々の登録制度ですが、登録にあたっての審査基準は地理的範囲以外に大きな区別はありません。また、それぞれのカテゴリー間に上下関係はなく、「ユネスコにとって等しく重要である」(「『世界の記憶』事業にかかる一般指針」)とされています。

 

2. 制度上の主な違い

国際登録

  1. 1国からの申請可能件数:2件
  2. 募集サイクル:偶数年に募集し、奇数年に登録
  3. 審査基準:世界的重要性があるもの
  4. 推薦後の選考プロセス:登録小委員会が審査 → 国際諮問委員会が審査 → ユネスコ執行委員会が承認

地域登録

  1. 1国からの申請可能件数:3件
  2. 募集サイクル:奇数年に募集し、偶数年に登録
  3. 審査基準:(アジア・太平洋地域における)地域的重要性があるもの
  4. 推薦後の選考プロセス:MOWCAP登録小委員会が審査 → MOWCAP総会にて投票で決定
 

FAQ

Q1:国際登録と地域登録、どちらにしか申請できないのでしょうか。

 A1:いいえ。国際登録、地域登録の両方に申請することができます。実際に、MOWCAP地域登録と国際登録の両方に登録されている記録物は17件あります。

 例)「黄帝内経」(中国)、「マニュエル・ケソン大統領文書」(フィリピン)、阮朝の帝室アーカイブ(1802-1943)(ベトナム)など


Q2:「世界的重要性」(国際登録)と「地域的重要性」(地域登録)の違いとは、具体的にどのようなことでしょうか。

 A2:国際登録の登録基準において「一義的基準」とされる「世界的重要性」については、たとえば「『世界の記憶』に関する一般指針」には、 
 「世界史に関連して、(中略)政治的或いは経済的発展、または社会的あるいは精神的活動」について伝えるもの、関係するものであるかどうか
 等が問われるとあります。

 一方で、地域登録における「MOWCAP地域登録プロセス」には、「地域的重要性」は、
 「アジア・太平洋地域全体、あるいは中央・南・東南・東アジアやメラネシア、ミクロネシア、ポリネシア、オーストラレイジアのような準地域内の歴史に関連して」政治的、社会的発展等を伝えるもの、関係するものであるかどうか
 等が問われています。

 地域登録の登録基準は、国際登録において「世界史において」とされる部分を、「アジア太平洋地域史において」と読み替えたものとなっており、それ以外はほぼ同内容の基準が記載されていると言えます。


Q3:国際登録と地域登録、それぞれどのような記録遺産が登録されていますか。

 A3:以下の一覧表をご参照ください。
   ・「世界の記憶」国際登録案件一覧:単独申請案件(PDF:1,246KB)
   ・「世界の記憶」国際登録案件一覧:共同申請案件(PDF:1,059KB)
   ・「世界の記憶」地域登録案件一覧(PDF:355KB)
 

お問合せ先

国際統括官付
Eーmail:
mow-secretariat@mext.go.jp 

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