文化分野(ユネスコ文化局)では、加盟国や多様なパートナーとの密接な協力を通じて、平和、持続可能な発展及び人間の安全保障・幸福に貢献するため、文化の推進を行っております。
ユネスコによる文化政策に関するメキシコ宣言(1982年)は、文化を「特定の社会または社会集団に特有の、精神的、物質的、知的、感情的特徴をあわせたもの」と定義しており、紛争、気候変動等の世界的かつ複雑な課題に直面している今、文化を保存することは重要であることを強調しています。世界遺産を含む史跡の保護や創造性の促進、多様性の保存、文化セクターへの支援等の取組は、現代の課題解決の基礎となります。
主に次の事業を行っています。
1.危機的状況における文化の保護
・武力紛争と遺産
・緊急時の文化
・災害リスクの軽減
・文化財の不正取引 等
2.文化における現代の課題への適応
・文化と持続可能な開発
・文化と気候変動
・文化と生物多様性
・文化と教育
・文化とアフリカ
3.世界文化遺産等の遺産の保存
・世界遺産
・無形文化遺産
・水中文化遺産
・世界の記憶
・博物館
4.持続可能な社会のための取組
・文化的表現の多様性
・ユネスコ創造都市ネットワーク
・小島嶼開発途上国の文化 等
上記の事業を実施するために、文化局(CLT)には次の部が置かれています。
■文化緊急対応部(Culture and Emergencies:CLT/CEM)
・武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(通称1954年ハーグ条約)
・文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約(通称ユネスコ条約、1970年)
・文化財原保有国返還促進政府間委員会(ICPRCP)
・水中文化遺産保護条約(2001年)
・博物館及びその収集品並びにこれらの多様性及び社会における役割の保護及び促進に関する勧告(2015年)
■文化政策・開発部(Cultural Policies and Development:CLT/CPD)
・2030アジェンダ
・文化と教育
■文化的表現の多様性部(Diversity of Cultural Expressions:CLT/DCE)
・文化表現の多様性の保護及び促進に関する条約(2005年)
・芸術家の地位に関する勧告(1980年)
・ユネスコ創造都市ネットワーク
■生きた遺産部(Living Heritage:CLT/LHE)
・無形文化遺産の保護に関する条約(2003年)
■世界遺産センター(World Heritage Centre:CLT/WHC)
【独自の予算(ユネスコ総予算の1パーセント相当)、委員会(年1回)を持つ】
・世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(1972年)
・歴史的都市景観に関する勧告(2011年)
■事務部(Executive Office:CLT/EO)
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2024年~2025年の2年間においては、中期戦略目標に基づき、文化創造産業、文化遺産、自然遺産等の「文化の促進と保護」に関する取組がさらに強化されています。ユネスコの優先課題及びグループにおいても、1.アフリカにおける文化財・博物館の保護や、2.文化セクターへの女性の平等な参加、3.文化遺産保護におけるユースの参加、4.SIDSにおける強靭性等における能力強化等、様々な支援がされています。
Output1:有形遺産の特定・保護・管理のための加盟国の能力強化
Output2:文化財の不法取引への対抗とその返還・賠償の促進、水中文化遺産の保護、社会に向けた博物館の役割の促進のための加盟国の能力強化
Output3:武力紛争や災害下を含め、文化に影響する緊急事態への準備・対応等に向けた加盟国の能力強化
Output4:現存の遺産の特定・保護・促進のための加盟国及びコミュニティの能力強化
Output5:ダイナミックで包括的な文化創造産業を通じた文化的表現の多様性の保護と促進のための加盟国及び市民社会の能力強化
Output6:ローカル・ナショナル・リージョナルレベルでの2030アジェンダの実施に向けた文化の貢献を促進・検証・評価するための加盟国の能力強化
<関連リンク>
・2022年-2029年中期戦略(41/C5)概要