2019年ユネスコ/日本ESD賞の国内公募の結果について

このたび、2019年ユネスコ/日本ESD賞(※1)について、日本からユネスコへ推薦する3件を決定しましたので、お知らせします。

1. 推薦案件

事業名:農村指導者養成研修(学校法人アジア学院農村指導者養成専門学校)
事業概要:世界中から集められた農村指導者が、9ヶ月間の共同生活での密接な人間関係の構築を通じて、社会的弱者に奉仕する「仕える指導者」に成長し、「環境に優しく、公平で平和な世界を創る」推進者への変容を目指す。また日本各地の関係者からの学びを通じて、実践的かつ自己の内面に作用する深い学びとする。
評価のポイント:
・社会的弱者に奉仕する農業指導者を育成し、公正で平和な持続可能な社会の実現を図るこの活動はまさにESDと言える。
・長年にわたり、公正で持続可能な社会づくりのため、国際ネットワークで活動し多くの人材を輩出してきた。
      
事業名:児童生徒と市民の協働によるHappy Townプロジェクト~ESDによる持続可能なまちづくり~(福岡県大牟田市教育委員会)
事業概要:高齢者も安心して暮らせて元気なまちづくりを目指した、ユネスコスクールの子どもたちを中心として地域の企業や団体、市民と一緒に行う、「大牟田版SDGs」という独自の指標を基に実施するESD活動。黒いダイヤモンドと言われた「石炭」産業を中心に発展してきた大牟田市が、市をあげてESDの推進に取り組むことで、一人一人が輝き、結束強固な新しいダイヤモンドの市を目指す。
評価のポイント:
・子どもの主体的な取組がESDとSDG17(パートナーシップによる目標達成)に基づく持続可能な地域の実現に繋がることを示した。
・ESD自体を市の再生理念とすることが革新的であり、多くの好事例を生み出している。

事業名:未来パレット~17色の輝く未来へ~Palette for Future~To the shining future of 17 colors~(北九州ESD協議会)
事業概要:市民団体、学生、行政、企業が協力し、ESDの啓発、ESD推進のための研修・情報交換会、ESD教材開発、ESDに係る国内外の交流を実施。また、地域のESD推進強化のために独自のESD賞を創設。ESD活動拠点「まなびとESDステーション」の運営に参画する17名の大学生が、会員等が気楽に相談できるハブ的役割を果たす。
評価のポイント:
・1960年代の公害問題の経験を基にしたESD活動は広く共感される。独自のESD賞を設け、多数の応募があるなど、市民の意識が高い。

※順番は受付順

2. 今後のスケジュール

平成31年7月(予定)      国際審査会
       9月末(予定)    受賞者の発表
       11月(予定)      表彰式

ユネスコ/日本ESD賞について(※ユネスコのウェブサイトにリンク)

※1 ユネスコ/日本ESD賞
世界中のESDの実践者にとってより良い取組に挑戦する動機付けと、優れた取組を世界中に広めることを目的として、2015年に日本政府の財政支援により創設されたもの。
期 間:グローバル・アクション・プログラムが実施される2015年-2019年の5年間
奨励金:1件当たり5万米ドル
公募・選考:ユネスコ加盟国又はユネスコと公式な協力関係にあるNGOの推薦(最大3件まで)に基づき、外部有識者から成る審査会による選考を経て、ユネスコ事務局長が決定
主な選考基準:
1 ESDが持続可能な開発を支える変容をもたらす教育として行われており、個人及び社会の変化につながっていること
2 持続可能な開発に関係する社会、経済、環境の三つの側面を統合的に取り扱って
いること
3 ESDに対するイノベーティブなアプローチを実証していること
4 その他、ユネスコが示す、応募する際の必須条件を満たすこと

<担当>
文部科学省国際統括官付
国際統括官補佐   植村 正樹(内線2595)
ユネスコ第二係長   田中 洋美(内線3402)
電話:03-5253-4111(代表)
    03-6734-3402(直通)
FAX:03-6734-3679

お問合せ先

国際統括官付