日本のユネスコ加盟75周年記念フォーラムを開催しました

 日本が1951年に、戦後初の国連機関としてユネスコに加盟してから、本年で75周年という記念すべき節目の年を迎えました。
この節目の年にあたり、文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコの理念と活動の意義を広く社会に発信し、国内のユネスコ活動の更なる発展につなげることを目的として、様々な記念事業を展開しています。その中心となるイベントとして、「日本のユネスコ加盟75周年記念フォーラム」を開催しました。
 
 当日は、来日中のハーリド・エルアナーニーユネスコ事務局長をはじめ、松本洋平文部科学大臣、茂木敏充外務大臣、日比谷潤子日本ユネスコ国内委員会会長、チリツィ・マルワラ国際連合大学学長・国際連合事務次長、女優・ミュージシャンの松下奈緒さんなど、多彩な登壇者が一堂に会しました。国内外から200名を超える参加者が集い、日本のユネスコ加盟75周年を共に祝い、これまでの歩みを振り返るとともに、今後の国内ユネスコ活動の展望を共有する貴重な機会となりました。

フォーラムVIP集合写真

 フォーラム概要
主催:文部科学省・日本ユネスコ国内委員会、外務省、国際連合大学
日時:令和8(2026)年5月20日(水曜日)
場所:国際連合大学(東京都渋谷区)

各登壇者による挨拶
 開催に当たり、日比谷日本ユネスコ国内委員会会長より、75年にわたり日本のユネスコ活動を支えてきた多様な関係者への感謝と、今後の更なる発展への期待が述べられました。
  続いて登壇した茂木外務大臣は、「ユネスコと連携し、教育・文化・科学を通じて国際社会の平和と発展に貢献していく。」と、日本の国際協力の姿勢を力強く示しました。
 松本文部科学大臣からは、エルアナーニー事務局長の来日を歓迎し、「『人の心の中に平和の砦を築く』というユネスコの理念は、国際情勢が厳しさを増す今こそ、その重要性を一層高めています。日本は、事務局長の下で進められるユネスコの活動を引き続き力強く支えてまいります。」 と、日本のユネスコ活動の歴史と未来への決意が明確に示されました。
  マルワラ 国際連合大学学長・国際連合事務次長からは教育・科学・文化を通じた国際協力の深化に向けた力強いメッセージが寄せられました。
  最後に登壇したエルアナーニーユネスコ事務局長は、東京到着時に目にした「日本のユネスコ加盟75周年」の看板に触れ、「これは、私たちの長い歴史と、日本がユネスコに寄せる思いの強さを物語っています。」 と述べ、日本との信頼関係の深さを強調しました。 さらに、「日本との信頼あるパートナーシップを基盤に、ユネスコの理念を具体的な成果として世界に広げていく。」と未来に向けた力強い決意を示しました。

フォーラム登壇者による挨拶1
登壇者による挨拶2

ハーリド・エルアナーニーユネスコ事務局長挨拶文(全文)(日本語訳付)(PDF: 167KB)
松本洋平文部科学大臣挨拶文(全文)(PDF: 80KB)

トークセッション
 松下奈緒さんを迎えたトークセッションでは、記念動画への出演を通じて学んだユネスコの多岐にわたる活動や、文化・自然に触れる体験の価値、そして人と人とのつながりが平和につながること等、幅広い話題について語っていただきました。あわせて、ユネスコ活動の継続と未来への継承に向けた温かいエールが送られました。

松下奈緒さんトークショーの写真

エルアナーニー事務局長と国内ユネスコ関係者のパネルディスカッション
 パネルディスカッションでは、日本ユネスコ国内委員会教育小委員会の北村委員長をモデレーターに、教育・科学・文化・地域・民間団体・ユースなど多様なパネリストを迎え、これまでの成果と課題を振り返るとともに、今後の方向性について意見交換が行われました。
 議論では、日本がESD(持続可能な開発のための教育)、IOC(ユネスコ政府間海洋学委員会)、世界の記憶など、教育・科学・文化の幅広い分野でユネスコを通じた世界平和の構築に貢献してきたことが確認されました。一方で、今後の課題として、分野横断的な連携、多様な主体による協働、若者の参画拡大、ユネスコ活動の可視化・発信強化などが共有されました。
 特に、多様な主体の参画によるユネスコ活動の活性化については、ユネスコ世界ジオパークなど地域に根ざした取組、ユネスコ協会による草の根活動、民間企業による社会課題解決への参画など、具体的な事例が紹介され、こうした連携の意義と効果が強調されました。
エルアナーニー事務局長は、政治的合意や経済的調整だけでは持続的な平和は実現できず、人々のつながり(bring people together)こそが平和を支える基盤であり、ユネスコのレゾンデートル(存在意義)であると強調しました。そして、そのつながりは、教育・科学・文化の取組を通じて育まれるのであり、まさにそのためにユネスコが設立されたことが改めて述べられました。
 さらに、ユネスコの活動を一層強化するためには、水文学と海洋学、文化とAIといった分野横断的な取組、ユネスコの強みであるフィールドを生かし、現場に根ざした実践、多様な主体の関わりが重要であるとの考えが示されました。
 
パネルディスカッション登壇者(敬称略)

  • 北村友人 日本ユネスコ国内委員会 教育小委員会委員長
  • 道田豊 日本ユネスコ国内委員会 科学小委員会委員長代理(日本ユネスコ国内委員会副会長)、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)議長
  • 松田陽 日本ユネスコ国内委員会 文化・コミュニケーション小委員会委員長
  • 佐藤美樹 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟会長
  • シェルバ英子 株式会社ユニクロ グローバルマーケティング部長
  • 篠田洋司 美祢市長(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会会長)
  • 小林真緒子 次世代ユネスコ国内委員会委員長

パネルディスカッション

感謝状授与
 以下の5つの企業・団体の、ユネスコの活動への多大なる御支援に対し、エルアナーニーユネスコ事務局長より感謝状が贈呈されました。今回の表彰は、2021年以降の過去5年間に遡り、ユネスコと協定を締結し、ユネスコに対して直接的な貢献実績を有する日本の企業・団体を対象としています。

  • ANAホールディングス株式会社
  • 株式会社TBSテレビ
  • 株式会社ユニクロ
  • 公益財団法人日本財団
  • 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

閉会
 本フォーラムは、松浦晃一郎元ユネスコ事務局長からの挨拶で締めくくられました。

交流会
 「未来を切り開く」という縁起の良い意味が込められた日本の伝統的な儀式である「鏡開き」で始まった交流会は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている「伝統的酒造り」によって生み出された日本酒での乾杯とともに和やかに幕を開けました。その後、参加者は分野や立場を越えて交流を深め、互いの知見や思いを共有する意義深いひとときとなりました。

交流会の様子

日本のユネスコ加盟75周年記念関連動画

お問合せ先

国際統括官付(日本ユネスコ国内委員会事務局)
メール:jpnatcom@mext.go.jp
電話:03-5253-4111(代表)