香川大学は、精密かつ高感度に手触りの違いを知覚・認知可能とする最新の「半導体ナノ触覚センサとセンシングシステム」を科学技術振興機構CRESTプロジェクト「触覚の価値を創造する深化型マルチフィジックスセンシングシステム」で開発しています。本システムは、繊細な指先構造を模倣して開発した高感度な半導体触覚センサとAIの一分野である深層学習(ディープラーニング)を組み合わせることで、人間の指先を大きく上回る識別力を実現し、極微小な違いまで正確に検出・数量化することを可能にする技術です。遠隔医療や内視鏡手術、日常の肌や毛髪の健康管理、工業製品の品質評価や異常の早期発見など、さまざまな分野での応用が期待されています。
今回の特別展示では、研究の内容と最新成果を説明する展示パネルをはじめ、歴代ナノ触覚センサのチップや、なぞることで対象から指先への触覚刺激を可視化する「手触り感スキャナ」の実物を展示しています。また、これらがAIと協働して人間以上の識別能力を発揮する「AI協働型ナノ触覚センシングシステム」のデモンストレーションを含む最新の研究成果の紹介する動画も常時放映しています。
最先端の触覚技術とAIの融合が、私たちの感覚をどこまで拡張できるのか。この展示から想像を巡らせ、皆様にも感じ取っていただければと思います。
内閣府ムーンショット型研究開発制度 目標3研究開発プロジェクト「未知未踏領域における拠点建築のための集団共有知能をもつ進化型ロボット群」が、月探査AI群ロボットと月ミッション構想を紹介します。
企画展示テーマは「月面居住圏拡大に向けた溶岩洞窟のAI・ロボット群による探査技術」で、中央大学に加えて(株)竹中工務店、兵庫県立大学、(株)デジタル・スパイス、(国研)宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所、(国研)産業技術総合研究所、東京農工大学の7機関により研究開発している月探査AI群ロボット「RED」(実機展示)を中心とした研究開発状況や月面探査拠点の構築向けた2050年までの月ミッション構想などを紹介します。また、このREDに技術成果と実績を受け継いでいる、2024年1月に実際に月で活動した超小型月面探査ローバ「LEV-1」(地上モデル実機)も展示します。さらに、AIやロボットの研究開発用シミュレーターにより月探査の疑似体験もしていただけます。
科学技術に関し、広く国民の皆様の関心と理解を深め、その振興を図ることを目的に、令和7年4月14日(月曜日)~20日(日曜日)に第66回科学技術週間を実施します。全国の大学や研究機関、科学館等で研究施設公開や講演会など、多くの関連イベントが開催される予定です。
文部科学省では、この科学技術週間にあわせ、平成17年より、科学技術に触れていただく機会を増やし、科学に対する興味・関心を高めていただくことを目的として、学習資料「一家に1枚」を制作しています。
この度、第21弾となる学習資料「一家に1枚 量子と量子技術~量子コンピュータまでの100年!~」(企画・監修:「一家に1枚 量子技術」監修チーム、制作協力:株式会社エーフォース「一家に1枚 量子技術」制作チーム)及び第66回科学技術週間告知ポスターを制作し、科学技術週間ホームページ(https://www.mext.go.jp/stw/)に公開しました。
今回の「一家に1枚」では、量子力学の基礎理論が誕生してからちょうど100年という節目を迎えた「量子」をテーマに、量子の性質やこれまでの発展の歴史、量子コンピュータ、量子通信、量子センサなどの「量子技術」について紹介しています。
自然科学研究機構 核融合科学研究所は、カーボンニュートラルに向けた革新技術である核融合(フュージョン)エネルギーの実現を加速するため、1億度のプラズマを生成できる大型ヘリカル装置(LHD)、スーパーコンピュータ等を用いて、超高温プラズマを総合的に理解する学術研究を推進しています。
本企画展示では、核融合科学研究所の研究成果について分かりやすく紹介するため、プラズマを体感できる体験型展示物、LHDの複雑な内部構造が分かる模型などを展示します。また、物質の第4の状態であるプラズマの性質、プラズマと核融合エネルギーの関連などを分かりやすくまとめたパネルとビデオを掲示します。