日本大学「N.U Cosmic Campus」は,芸術学部と理工学部の共同プロジェクトであり,さらに付属高等学校の生徒と一緒に取り組む宇宙エンターテイメントミッションです。アーティスト・クリエイターと科学者・エンジニアの視点を融合させ,宇宙をまるで一つのキャンパスと捉え,世界中の人々をメンバーとして歓迎し,新しい宇宙開発を実現して行きます。
現在,理工学部が開発している超小型衛星「てんこう2」が,JAXAの新型国際宇宙ステーション補給機(HTV-X)に搭載され,新型のH3ロケットで打ち上げられる予定です。この「てんこう2」のプロジェクトの一つが「N.U Cosmic Campus」であり,具体的なミッションは「イラスト・音楽・映像データのダウンリング(宇宙から地上への通信)」です。「てんこう2」には芸術学部の学生がデザインからアニメーション,キャラクターボイスの制作までを手掛けたバーチャル宇宙飛行士「キャプテンヒカル」が搭乗しており,宇宙放射線の観測や新しい通信技術の構築を行います。また日本大学習志野高等学校と目黒日本大学高等学校の吹奏楽部が演奏した『We are the world』の音楽データを搭載し,特殊処理してデータ化した音楽を世界中の多くの場所へ届けます。宇宙開発が加速度的に進む2020年代においては「開かれた宇宙利用・開発」がより重要となり,エンターテイメントの宇宙参入を実現する本プロジェクトは,大学衛星運用のこれからの雛形を作る新たな試みになります。幅広い学問領域を擁する日本大学ならではの取り組みを,模型や映像,パネルを用いて紹介します。
日本における理工系女性人材の育成は急務となっています。社会で活躍する理工系女性を多く輩出していくためには、理工系で学びたいという女性を増やす必要があります。理工系女性の裾野を広げる取組として、女子中学生・高校生を対象とする、理工系分野への進路選択に向けた支援活動を継続して行うことが重要です。
お茶の水女子大学は、これまで8年間にわたり、女子生徒の理工系への進路選択の支援活動を行なってきました。2015年に奈良女子大学と連携し理系女性教育開発共同機構を設置し、組織として女子中高生の理系への進路選択の支援を開始いたしました。2022年4月からは、総合知開発研究機構の下に理系女性育成啓発研究所として新たな活動を展開しています。
本企画展示では、日本の理工系女性人材の育成を加速させるために、お茶の水女子大学が行ってきた女子中高生の理系への進路選択に向けた支援の取組を紹介いたします。
放送大学は、日本で最初かつ唯一のテレビ・ラジオ放送による正規の四年制大学として、 1983(昭和58)年に設立され、2023(令和5)年、創立40周年を迎えました。「学びたい人が、いつでも、どこでも、学べる開かれた大学」を目指し、BSチャンネルによるテレビ・ラジオの放送授業のほか、インターネットを利用したオンライン授業科目などをあわせ、毎学期約400科目に及ぶ授業を提供しています。
また、全国57箇所の学習センター、サテライトスペースにおいて年間約3000科目の面接授業を実施するとともに、令和4年度からはインターネットを利用して全国から受講できる同時双方向のライブWeb授業が始まりました。これまでに累計約182万人の学生が本学で学び、約13.8万人が卒業・修了しています。
2022年3月、放送大学は今後6年間の新たな取り組みに関する宣言「教学Vision2027」を発表し、社会の変化あるいは科学技術のめざましい進歩に後れることなく対応していくという目標を明らかにしました。「教学Vision2027」では「ひとりひとりに最適な学びを放送大学から」を基本理念とし、アクションプランとして「リカレント教育の拡充による学び直し支援」、「教育のデジタル化・ICT化の促進」、「メディア教育研究開発機能の充実」、「学び合いと地域連携の場としての学習センター機能の充実」そして「国際化の推進」などを掲げました。創立以来のチャレンジ精神を糧に、「教学Vision2027」の実現に向け全学一丸となって新たな努力を続けて参ります。
本展示では、放送大学のこれまでの歩みとこれからについて、ご紹介します。
日本の屋根と言われる3つのアルプスを有する高山地帯、信州。過日、上高地で日本猿の魚の捕食活動が初めて確認され、信州大学理学部の研究論文と衝撃的な記録写真が世界中をかけめぐりました。
この大自然をテーマにした「自然科学」の調査、研究、施設、フィールドでの多彩な教育活動、環境保全活動は、信州大学の前身、長野県師範学校や旧制松本高等学校の時代から脈々と受け継がれている資産として、永い歴史と伝統を誇り、今日に至ります。
日本屈指の山岳図書コレクション「小谷コレクション」、前身校から受け継がれた希少動物の剥製や植物標本などの貴重な実物資料が見られる「信州大学自然科学館」、理学部や農学部でのフィールド教育や、山岳科学研究拠点での先端研究…。信州での「自然科学」は、長野県で唯一の国立大学である信州大学ならではの独自性を確立した価値ある高等教育、研究ブランドとなっています。
今回の展示は、その原点となりそうな資料や、受け継がれた貴重な“お宝”の一部をご紹介しています。
「りんご」と「さくら」は弘前市の主要な観光資源であるが,その剪定枝は薪などの燃料として利用されるほかはほとんど有効活用されておらず,多くが廃棄処分されていた。
こうした中「りんご/さくら和紙研究会」は,「りんご」と「さくら」の新しい活用方法として剪定枝を原料とした和紙の作製に取り組み,ねぷたや津軽凧といった伝統工芸をはじめ,お酒のラベルや絵はがき,商品パッケージなどの紙製品の研究開発に取り組んでいる。研究会ではこうした活動を通じ,産学官連携による新しい製品やサービスの開発など,青森県の魅力再発見,価値向上等による地域活性化を目指している。
鳥取大学の特徴ある研究の一つに菌類きのこ研究があります。きのこはカビの仲間で菌類に分類されますが、その中でも「子実体」と呼ばれる大きな器官を作る菌類です。日本国内には数千種ものきのこが存在していますが、一般にはシイタケ・マイタケ、えのきなどわずかなきのこが知られているだけで多くは未知です。きのこは食用のほか、漢方薬としての利用が知られていますが、資源としての価値はほとんど調査されていません。
鳥取大学では、国内の菌類きのこの遺伝資源の収集・分類・保存する技術開発と収集した遺伝資源を研究機関へ提供するための研究基盤整備を行っています。また食用品種の新しい栽培技術の開発、機能性成分を使った医農薬開発、栽培後の廃棄物のリサイクル化研究を通じて、きのこを核とした循環型資源利用システム開発ができる次世代を担う人材育成に取り組んでいます。
企画展示では、鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センターが、ナショナルバイオリソースプロジェクト中核拠点整備事業の支援を受けて取り組んでいる遺伝資源の収集・保存・分譲の取り組みと遺伝資源を使った活用研究の成果の一部を紹介します。
東京水産大学、その後継の国立大学法人東京海洋大学での深海・超深海調査は、1958年のフランスの潜水艇「バチスカーフFNRSⅢ」との共同調査から始まりました。その後も深海・超深海調査は引き継がれ、昨年8月には、伊豆・小笠原海溝の水深8,336メートルで、スネイルフィッシュ(クサウオ科)の泳ぐ姿をカメラがとらえました。これは、世界で最も深い場所で確認された魚です。今回の企画展示では、これまでの深海・超深海調査のハイライトを展示します。
豊橋技術科学大学は、愛知県の委託事業「知の拠点あいち重点研究プロジェクト」を基に、大学保有の研究シーズの活用と産学官連携オープンイノベーションにより、開発・実用化した新たな技術を提供することで、愛知県内主要産業の農業が有する課題の解決に取り組んでいます。具体的には、現代農業が抱える人手不足や高齢化、海外との競争激化などの諸問題に対応するため、大学保有のロボティクス、AI、IoTなどの先端知能化技術を農業分野へ応用する研究開発だけでなく、地域企業や農業協同組合、自治体との連携による社会実装を進めています。特に、地元愛知県で盛んな施設園芸を対象に、つまもの(大葉)、花き(バラ)、キュウリなどの特産品で検証を行っており、農業の省人化、効率化による収益性向上と競争力強化を目指した高度な生産システムの構築を推進しています。
見て、聴いて、触れて、味わう。私たちはさまざまな感覚を通して世界を知覚し、認識しています。知覚心理学は、ものを見る仕組み、音を聴く仕組みなど、知覚と認識のありかたを研究する心理学の一分野です。
知覚心理学の中でも、科学的な錯視研究は、19世紀中葉に始まり、IT技術の進展に伴い、20世紀末から再び新たな発見と発展の時代に入りました。
今回の企画展示では、新しい錯視の発見とその研究の進展について、立命館大学総合心理学部の北岡明佳教授と高橋康介教授の貢献を紹介しています。
「世界トップレベル研究拠点プログラム(World Premier International Research Center Initiative=WPI)」は、平成19年度に文部科学省の事業として始まりました。
高いレベルの研究者を中核とした「世界トップレベル研究拠点」の形成を目指す構想に対して政府が集中的な支援を行うことにより、システム改革の導入等の自主的な取り組みを促し、第一線の研究者が是非そこで研究したいと集うような、高度に国際化された研究環境と世界トップレベルの研究水準を誇る、世界から「目に見える研究拠点」の形成を目指しています。
令和4年度までに計14の国立大学、私立大学、国立研究開発法人、大学共同利用機関法人をホスト機関として全国の11都市に計17のWPI拠点が誕生しています。
本企画展示では、パネル掲出や映像上映、研究に関連する機器や標本等の実物展示など多角的な手法で、WPIという事業やWPIによって誕生した研究拠点について解説します。
展示のメーンとなるパネルは文章だけでなく、国際化が進み、ダイバーシティーに富んだWPI拠点の日常を切り取った写真や最先端の研究環境が生んだ成果を表現したイラスト、インフォグラフィックを多用して、簡潔で読みやすい情報を提供します。
日本学術振興会では、世界トップレベル研究拠点プログラム委員会を設け、審査・評価・進捗管理及びプログラム成果の最大化に向けた活動支援に係る業務を行っています。
科学技術に関し、広く一般国民の関心と理解を深め、我が国の科学技術の振興を図ることを目的に、令和5年4月17日(月曜日)~23日(日曜日)に第64回科学技術週間が実施されます。全国の大学や研究機関、科学館等で、オンラインも活用した研究施設公開や講演会など、多くの関連イベントが開催される予定です。
文部科学省では、この科学技術週間にあわせ、平成17年より、国民に科学技術に触れる機会を増やし、基礎的・普遍的な科学知識の普及を目的とした学習資料「一家に1枚」を制作しています。
第19弾となる令和5度版学習資料「一家に1枚 ウイルス ~小さくて大きな存在~」(企画:国立研究開発法人理化学研究所、製作監修:「一家に1枚 ウイルス」製作チーム)及び第64回科学技術週間告知ポスターのダウンロード用画像を、文部科学省の科学技術週間のページ(https:/www.mext.go.jp/stw/)に公開しています(3月24日)。
今回の学習資料「一家に1枚」では、昨今の新型コロナウイルス感染症を始め、我が国の社会・経済全体に大きな影響をもたらしてきた「ウイルス」をテーマに、ウイルスが地球上でどのような存在であるのかを人間社会や自然環境の観点で多角的に紹介しています。
日本がG7の議長国となる本年、G7広島サミットが5月19日~21日に開催されます。この広島での首脳会議にあわせて、富山県・石川県の共同開催により、G7教育大臣会合が5月12日~15日に開催されます。
本展示では、G7富山・金沢教育大臣会合の開催を広く周知するとともに、会合開催の機運醸成を図るため、開催までの残り日数をカウントダウン表示します。合わせて、開催地である富山・石川の魅力を映像等で紹介します。