未来の技術と人を育てる「GEAR 5.0」って?
~高専発・Society 5.0時代の人づくり~
令和2年度から、全国の高専が一丸となって進めているのが「Society 5.0型未来技術人財」育成プロジェクト、GEAR 5.0です。
この取り組みは、AIやIoT、ロボティクスなど、未来をつくる技術を“社会でどう使うか”を考えた若い技術者育成のための実践型研究教育プロジェクトであり、変化する社会や地域の課題を、全国の高専とネットワークを組み、企業・自治体等と手を取り合い地域密着型で進めていることが特徴です。
展示では、学生たちが実際に取り組んだプロジェクトや、社会実装につながった技術などをご紹介しています。
未来をつくるのは、教室の中だけじゃない。
GEAR 5.0の現場には、地域と社会に根ざした“本気の学び”があります。
ぜひ、展示でその息づかいを感じてください。
【展示物の背景】
モディアクリエイト(株)が開発した積層式発電機は,樹木や外灯など既存の構造物に巻き付けることのできる発電機であり,それに翼を付けることで風力発電装置となる(図1).また,この発電機の利点としては,取り外しが容易であることに加え,組み立てが容易になるように設計されている。この設計はパーツの取り替えなどメンテナンス性に優れ,動作原理も単純であるため,一般家庭への風力発電装置の普及に貢献できると考えられる.一方で,積層式発電機を利用するにあたり,地面に対して垂直に設置することになるため,風力発電装置の風車もまた垂直に設置する必要がある.これは垂直軸型風車と呼ばれているが,航空機のプロペラの様な水平軸型風車を用いたものよりも研究が遅れており,より効率の良い垂直軸型風車の研究開発を行なう必要があった.
【展示物の概要】
本研究では,積層式発電機を使った風力発電システムの実用化に向けた取り組み,および発電効率の良い垂直軸型風車の研究開発を行なっている.今回開発した複合式垂直軸型風車は,外側が揚力型風車,内側が抗力型風車であり,それぞれが独立して動く風車であるが,内側の抗力型風車に円環を取り付けたことで,抗力型風車が回転すると同時に円環も動き,その円環から発生するマグヌス効果や表面効果などの影響により,外側に取付けられた揚力型風車の揚力を向上させ,結果的にトルクや回転力の向上を行う事ができるようになっている(図2).これにより低風速から高風速までの領域で発電することが期待できるだけでなく,風力エネルギーの電力変換率の向上が期待できる.そのため積層式発電機を使った風力発電システムの実用化が進めば,一般家庭への普及,ひいては災害時におけるライフライン確保の貢献(国土強靱化)に繋げられる.
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