関係者が主体的に関わりつくる施設一体型の小中一貫校

角鹿小中学校(福井県敦賀市)

角鹿小中学校は、3小学校1中学校を統合し、公立では県内初の施設一体型小中一貫校として令和3年に開校。
利用者協働型の設計プロセスが実践され、多くの関係者との関わりの中で新校舎が整備された。
小中一貫 対話型設計 メディアセンター 柔軟な学習空間

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事例概要

角鹿小中学校は、旧角鹿中学校の校舎の老朽化への対応や児童生徒のより良い学習環境の実現等を目的に、角鹿中学校区内の4校(敦賀北小学校、赤崎小学校、咸新小学校、角鹿中学校)を統合して令和3年度に開校した。公立学校では福井県内初となる施設一体型の小中一貫校である。
敦賀市では、敦賀市教育振興基本計画に基づき、中学校区での小中一貫教育を全市的な取組として進めている。角鹿小中学校の開設に向けては、設計者と行政のみならず、地域住民や教職員、児童生徒といった利用者が共にワークショップを実施し、この地区の学校がどのようにあるべきか、小中一貫校の利点を生かした計画とはどのようなものか検討を重ねた。そして、その検討結果を踏まえ、「ソフト(教育)」と「ハード(建築)」の両面から、敦賀市ならではの「施設一体型の小中一貫校」を目指して校舎の整備を進めた。
完成した校舎は、敦賀港からはじまる広大な海の水平線をイメージした水平基調の外観デザイン。内部には県産材をふんだんに使い、温かみを感じる学習・生活空間を実現。学びの拠点となる「天筒メディアセンター」を1階中央に配置し、本を介した児童生徒の日常的な交流を促す。階段状の床に音響設備等を備えた「角鹿ホール」や、異学年で交流ができる「木の芽ホール」など、活動に合わせて選択できるスペースが充実。小中一貫校となることで多忙化する教職員の負担を減らす職場環境づくりにも配慮している。

事例のポイント等はPDFをご参照ください。

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