事例概要
つくば市は、昭和52年(1977年)にICT教育を開始し、個別最適で協働的な学びを実現するためのICT活用を推進してきた。平成30年(2018年)に開校した、つくば市立みどりの学園義務教育学校では、発達段階に応じた系統的カリキュラムを通して、9年間の学びの連続性を生かした小中一貫教育を行なっている。Society5.0時代の実現を促進する「21世紀型スキル」を育成するための教育を展開し、プログラミング教育やSTEAM教育などを取り入れた、先進的ICT教育に対応する学校施設の整備・活用に取り組んでいる。
児童生徒が、ICTを活用したアクティブラーニングやプレゼンテーションといった学習スタイルを実践できるよう、ワクワクする学びを実現する最先端ICT環境からコミュニケーションを生み出し、その効果を最大限に発揮する学習環境を計画した。また、児童生徒だけでなく教職員がICTを活用することで、校内の連携や密なコミュニケーションを促進している。
事例ポイント1
コミュニケーションを誘発するための工夫

様々な機器を活用してコミュニケーションが取れる教室

コミュニケーションをとる場所としての廊下

学校の中心に配置されている
円形テーブルが配置されたメディアセンター

1年生~9年生までの職員が一緒になっている
意見交換しやすい職員室
普通教室では一人一台端末、大型提示装置を活用した学習を行い、さらに学習活動が廊下にまで拡張できるようなデザインとなっている。
メディアセンターでは、円形テーブルを採用するなど、児童生徒がディスカッションやプレゼンがしやすいようにコミュニケーションを誘発する工夫が見受けられる。また、メディアセンターは図書・英語絵本・PC・ロボットといった機器や物品を自由に活用できるように、学校の中心に配置されている中庭の隣に位置していることで、全学年が利用できる空間となっており、児童生徒のアクティブラーニングの場となっている。
コミュニケーションを誘発する工夫は児童生徒のスペースだけでなく、職員室にも取り入れられている。前期課程と後期課程(9学年すべて)の教職員が一緒になれる職員室をつくり、視線を妨げる書棚等を設けないようフラットな机を配置することで職員間でコミュニケーションを取りやすくしつつ、教師1人1台公務用PCを持つことによりペーパーレス会議を実施することができ、職員室も整理されている。
事例ポイント2
校舎全体で多様な学びの場を実現
図工や総合、理科の実験など創造的・探求的な学習は、校内のあらゆる場所で、学習スタイルに制限をかけずに実施している。例えば、プログラミングの授業では、友達と協力しながらロボットカーを走行させるための協働的な活動のための場所として多目的ホールを使っている。また、学校施設どこでもWi-Fi回線が機能しており、体育館ではタブレットを使って動作を映像として記録し、児童生徒同士でよかったところを話し合ったり、ゲームの疑似体験のためVRゴーグルを用いたイメージトレーニングも可能で、実践に生かすことができる。

ロボットカーを使ったプログラミング学習

体育のイメージトレーニング

タブレットを使ったゴーヤの観察記録

学校概要
※令和5年11月当時
- 学校名
- みどりの学園義務教育学校
茨城県つくば市
- 全体工期
- 平成28年7月~平成30年2月
- 学校規模
- 67(+19)学級、2,274人※学級数のカッコ内の19は特別支援学級数を表す。
- 敷地面積
- 42,388㎡
- 【本校舎・屋体】
- 保有面積
- 校舎 10,239㎡ / 屋体 2,334㎡
- 構造
- 校舎 RC造3階建 / 屋体 RC造一部S造1階建
- 【西校舎(R2.3月完成)】
- 保有面積
- 校舎 1,490㎡
- 構造
- 校舎 S造2階建
- 【南校舎(R4.2月完成)】
- 保有面積
- 校舎 2,094㎡
- 構造
- 校舎 S造3階建