県立特別支援学校と市立小学校の併設による円滑な交流及び共同学習の場の創出

神奈川県立秦野養護学校・秦野市立末広小学校(神奈川県秦野市)

県立特別支援学校の知的障害教育部門小中学部を市立小学校の空き校舎に新たに開設。小学校の敷地内にある学校であることを活かし、小学校との交流及び共同学習を推進している。
 

インクルーシブな教育環境 余裕教室の活用 特別支援学校 小学校

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事例概要

神奈川県立秦野養護学校は昭和33年に病気療養児のための学校として秦野市落合に開校され、平成22年に知的障害教育部門高等部が設置された。平成28年度に秦野市内の知的障害教育ニーズの高まりにより、市の『「はだの」の子は「はだの」へ』との願いと、県の「ともに生きる社会」の願いが合わさり、県立特別支援学校の知的障害教育部門小中学部を市立末広小学校の空き校舎に新たに開設した。
 
校舎は末広小学校の第2校舎内にある、6つの余裕教室などを活用することとし、開設にあたっては、トイレなど必要な改修を実施した。両校の校舎及び屋内運動場は屋根付きの通路を介して上履きのまま行き来できるようになっており、秦野養護学校の子どもたちが小学校校舎内の多目的室や屋内運動場を授業で利用しているほか、行事等を合同で実施するなど、日頃から交流を図っている。

改修ポイント1

養護学校・小学校の交流

小学校の屋内運動場における秦野養護学校の授業

屋外運動場における秦野養護学校・⼩学校合同の避難訓練
配置図

末広小学校校舎と渡り廊下でつながって、秦野養護学校校舎がある。養護学校校舎には、屋内運動場が隣接しており、市道を挟んだ向かいには末広ふれあいセンター、末広自由広場が位置している。
 

改修ポイント2

秦野養護学校(知的障害教育部門小中学部)開設に伴う施設整備

簡易シャワー
      
洗濯機置き場の様子
      
児童・生徒が安全安心に過ごすため、出入口や階段手すりなどの施設改修が必要であった。残っていた和式トイレは洋式に改修し、身体を洗うための簡易シャワーや汚れた服の洗濯機置き場を整備した。
併せて、2階ベランダ部分に転落防止柵を設置。また、秦野養護学校末広校舎には事務室がないためインターフォンを設置した。さらに、校舎全体に声が届くよう放送設備を職員室に設置した。
 

 

学校概要

※令和4年5月1日当時

(1)学校名
神奈川県立秦野養護学校(知的障害教育部門小中学部)
建物面積
817㎡
児童・生徒数
小学部 20人、中学部 9人
竣工年
昭和56年(末広小学校校舎として)
(2)学校名
神奈川県秦野市立末広小学校
建物面積
5,806㎡
児童数
523人
竣工年
昭和52年
 

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