改修概要
京都教育大学附属桃山小学校は、明治41年(1908年)に開校し、100年以上の歴史を持つ国立学校である。京都教育大学や附属学校園と連携をはかり、「子どもの側から教育を発想する」ことを理念に掲げて「創造性教育研究」「情報教育研究」「伝統教育研究」「外国語教育」など、教育における様々な研究、取組を行っている。特に教育の情報化については全国に先駆けて研究を行い、約10年前より新教科「メディア・コミュニケーション科」を設立し、情報活用能力の育成と同時に、ネットワークインフラの整備を進め、一人一台の端末環境を実現してきた。
4学年以上の普通教室のある南校舎は老朽化が進んでいたため、多様な学習空間に可変できる「未来型教室」として内部改修が行われた。可動式のロッカーが配置され、空間を学習の形態に合わせて設置することが可能となり、教師が学習に合わせて空間をマネジメントできるようになった。
附属桃山小学校では、教育現場の「当たり前」にあるものを見直し、教室の作り方や学習机、椅子、通学鞄に至るまで、多くの改善を重ね、児童に寄り添った快適な学習環境を整えている。
改修ポイント1
家具の配置の工夫による連続した空間


普通教室と多目的スペースの仕切りを、ホワイトボード付きロッカーの可動式の壁とし、教室の連続したフレキシブルな利用が可能な空間としている。教師が学習に合わせて空間をマネジメントしている。窓側は、カウンターテーブルとしても使うことができる。
4年生以上の教室は、大型モニターが2台設置され、360度全てがホワイトボードに囲まれており、子ども達はデジタルとアナログの両方を使い、自由にアウトプットできるように工夫している。
改修ポイント2
協働的な学びと使いやすさに配慮した机・椅子

4年生以上の机は、固定式の新JIS企画よりも一回り大きい、W700/D500のサイズでオリジナルの天板のみを作成し、古い机に付け替えて使用している。
椅子はビジネスチェアを採用し、自由に身体の向きを変えられ、いつでも好みの高さに調整することができるように。
協働的な学びへの対応として、教室机の高さは統一し、椅子で高さを調整している。
改修ポイント3
工夫が施された家具や設備


運動場は人工芝を用い、一年中トラックが引いてあることにより、ラインパウダーを一切使わなくなるようになった。
音楽室の椅子はカホンを使用。木琴や鉄琴などの音楽教育楽器のみならず、和楽器や海外の伝統的楽器を導入して、子どもたちが世界の多様な音楽文化に触れられるように整備している。
学校概要
※令和4年4月当時
- 学校名
- 京都教育大学附属桃山小学校
- 所在地
- 京都府 京都市伏見区
- 完成
- 令和2年12月
- 学校規模
- 12学級、420名
- 校舎面積
- 5,771㎡
