資料3‐4 各国の学術研究推進体制及びファンディングシステム

学術分科会
学術研究推進部会(第9回)
平成17年5月31日

米国 英国 ドイツ 日本
学術研究システムの特徴 ○ 大学数は約6割が私立、学生数は州立に約8割。
○ カーネギー教育振興財団の分類による博士号授与大学が261機関(2000年)。
○ 運営費における国費支援の割合が高く(約6割)、実質的にほぼ全てが国立大学に相当。
○ リサーチ・カウンシルなどの中に設けられている研究所においても高度な学術研究を実施。
○ 州立大学が高等教育機関の約7割を占め(学生数では95パーセント以上)、大学における研究活動の中心的役割を果たしている。
○ 州立大学が高等教育機関の約7割を占め(学生数では95パーセント以上)、大学における研究活動の中心的役割を果たしている。
○ 非政府・非営利研究機関(マックス・プランク学術振興協会等)が高度な学術研究を実施。
○ 大学数は約8割が私立大学。
○ 大学数は約8割が私立大学。
○ 高度な学術研究の推進には国立大学が中核的な役割。
 ・国立大学では自然科学系教員の占める割合が約80パーセント。
 ・20国立大学に59附置研究所を設置。
 ・科研費の採択件数上位30機関のうち24が国立大学。
○ 学術研究の中核的研究拠点として、4つの大学共同利用機関を設置。
教育研究支援の基本的考え方 【各大学の主たる財源】
○ 州立大学では、学生納付金や事業収入と州政府資金。
○ 私立大学では、学生納付金や事業収入、寄付。
○ 各州により非常に多様な制度設計がなされている。
【各大学の主たる財源】
○ 授業料収入や寄付、研究収入に加え、基盤的経費は高等教育財政カウンシルが支援。
【各大学の主たる財源】
○ 管理行政収入(病院収入等)、外部資金及び基本的資金からなるが、州(一部連邦)からの支援である基本的資金が約60パーセントを占める。
○ 建築物、大規模設備経費は州と連邦が50パーセントづつ負担する。
○ 授業料は原則として課していないが、学生負担を求める州が増加し、授業料の導入が議論されている。
【各大学の主たる財源】
○ 国立大学法人は自己収入(授業料、病院収入等)と国からの運営費交付金及び施設整備費補助金。
○ 公立大学は地方公共団体が基盤的経費を措置。
○ 私立大学は学校法人が基盤的経費を措置。なお、教育研究水準の維持向上等を図るため、国が私立学校に助成。
○ 大学の自主的・自律的な取組みを支援するため、国公私を問わない競争的なファンディングが導入されつつある。
【研究費】
○ 連邦政府各省からの多種多様な競争的資金が研究者及び研究機関を支援。
○ 民間財団からの支援、産学連携等も活発。
【研究費】
○ 「デュアルサポートシステム」の考え方に基づき、基盤的経費(研究補助)は高等教育財政カウンシル、特定の研究プロジェクト経費はリサーチ・カウンシルを通じてそれぞれ支援。
○ 特に医学分野では民間研究助成財団(charity)の役割が重要。
【研究費】
○ 連邦政府による「プロジェクト助成」と連邦及び州政府の共同による特定の研究機関(マックス・プランク協会等)への一般的な「機関助成」により支援。
○ 連邦・州政府が共同で財政支援するドイツ研究協会(DFG)が、大学の研究を支援。
【研究費】
○ 基盤的経費が研究組織の存立を支えることを前提として、国からの競争的資金が研究プロジェクトを支援(科学研究費補助金、21世紀COE等)。
★デュアルサポートシステム
主たるファンディング機関と研究支援プログラム ○ 州立大学の一部では一般経費として研究費を措置。(1996年)
○ 大学の研究開発費のうち約6割は連邦政府の各機関が負担。
○ 大学における基礎研究は全米科学財団(NSF)が支援。
○ 厚生省下の国立保健衛生研究機構(NIH)、農務省、国防総省、商務省、エネルギー省などが政策目的に基づく研究を支援。
○ 間接経費が措置されるとともに、研究者の人件費にも使用可能。
○ 民間研究団体が多数存在。研究助成のみならず、教育プログラムの支援、自らの施設・研究者による研究の実施など、様々な方法で研究を支援。
○ 基盤的経費は教育技能省(イングランド)等の下の「高等教育財政カウンシル」(4つの地域別)が配分。
○ 高等教育財政カウンシルは、教育補助と研究補助を別々に算定して措置。
○ 研究プロジェクト経費は科学技術庁(OST)の下の「リサーチ・カウンシル」(7つの分野別)が配分。
○ 直接研究に係る人件費の46パーセント相当額を間接経費として措置。
○ 州立大学の基礎的経費は州が措置。
 基礎的経費は、法律に基づき費目の流用などが禁止されていたが、柔軟化を図る動きがある。
○ 大学の研究プロジェクトは、連邦政府(教育研究省他、大学等への第3者資金中約25パーセント)のプロジェクト助成のほか、DFG(同、約3割)等が助成。
○ 間接経費は一部で措置されている(10パーセント程度)が、連邦教育研究省、DFGの資金については措置されていない。
○ 国立大学は国(文部科学省)が運営費交付金(使途限定なし)・施設整備費補助金で支援。
○ 私立大学は国(文部科学省)が私学助成(一般補助・特別補助)で支援。
○ 学術研究プロジェクトは、文部科学省及び関係独立行政法人が支援(科学研究費補助金等)。
○ 産業技術振興、医療高度化等の政策的観点から、大学において経済産業省、厚生労働省等の研究プロジェクトを実施。
○ 間接経費は一部措置されている(~30パーセント)が、全体的には不十分。
○ 民間研究支援財団からの支援は国の支援との比較で少額。
各国独自の取組み ○ FFRDE(Federally Funded Researchand Development Centers)
連邦各省が民間セクターとの契約により設置する、特定の長期的な研究を実施するGOCO(連邦政府が所有し、非連邦政府機関が運営する)の研究センター。各センターは連邦政府の資金で運用されるが、実際の運営は設置された大学や企業等に任される。
国防、エネルギー、宇宙等の分野で37センター(2005年2月現在)。
○ STC(Science and Technology Centers, NSF)
大学等の複数の研究機関のパートナーシップにより世界的な研究と教育を最大10年間支援。11センター(2004年)。
○ 学術研究投資基金(SRIF, Science Research Investment Fund)
デアリング報告で学術研究基盤の老朽化、陳腐化が指摘されたことを受け1999年に創設された「基盤整備共同基金」が前身。2001年度以降、科学技術庁(OST)と教育技能省が共同運営。
○ デュアルサポート改革
 ・基盤的経費と競争的資金の双方の相当規模の拡充。
 ・フル・エコノミック・コストの導入。
2005年9月から当該研究プロジェクトの遂行に係る全ての経費を4つに分けて応募。
フル・エコノミック・コストの支援比率を2010年までに80パーセントから100パーセントにすることが目標
 ・SRIFからの追加投資によるインフラ整備の推進。
○ フトゥール(futur)
教育研究省による将来の社会的需要に基づいた研究開発を実施するためのプログラム。
○ エリート大学プログラム国際的なトップ大学と競合できる大学を育成するため、2006年から2011年までに、総額19億ユーロ(約2,565億円)の助成を最大10の大学等に配分することを計画中。
○ 非政府・非営利研究機関(マックス・プランク協会等)
学際的な分野やコスト面から大学では実施困難な新分野の基礎研究を実施。
○ 21世紀COEプログラム
世界最高水準の大学づくりを推進するために、研究上のポテンシャルの高い研究教育拠点(大学)に対し、高度な人材育成機能を加味した重点支援を平成14年度から実施。5年間。現在、274拠点を支援。
○ 国立大学法人化
大学の運営の自主性・自律性を高め、自己責任を明確化し、大学相互の競争的な環境の醸成と大学の個性化に資するため、平成16年度から国立大学を各大学毎に法人化。

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研究振興局振興企画課学術企画室

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