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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 原子力安全規制等懇談会 > 試験研究用原子炉施設等の安全規制のあり方について(案) > 5−2


海外における自然放射性物質の規制状況

 基本部会報告書によれば、自然放射性物質に対する規制免除に関する方針としてまとめられたものとして、欧州委員会の報告書(RP−122)「規制免除とクリアランスの概念の自然放射線への適用」(2001年)がある。欧州連合加盟国では、2002年11月現在でポルトガルを除く14か国でBSSの免除と同様の内容を盛り込んだ欧州原子力共同体指令書(1996年5月採択)を受けて国内法の改正が実施され、人工放射性核種については、一部の例外を除き、BSS免除レベルと同じ値を導入している。自然放射性物質についても、ほとんどの加盟国においてすでに自然放射性物質の規制制度を取り入れているが、免除レベルの設定やその線量規準、規制方法については、国によって異なる対応がとられている。
 BSS免除レベルは、米国では、取り入れられておらず、カナダでは、一部取り入れられている。また、これらの国やBSS免除レベルを導入した中国についても規制制度は一部を除き取り入れられていない。(以上、表−1参照

 現在、自然放射性物質の規制への取り組みについて、日本、オーストラリア、中国、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、IAEAオブザーバーが参加している「アジア原子力協力フォーラム」(以下「FNCA」という。)では、2002年の韓国ワークショップにおいて、「TENORM(技術的に濃度が高められた自然起源の放射性物質)廃棄物」を新たなテーマとしてタスクグループを設置することが合意され、(1)FNCA参加国におけるTENORM問題の現状把握、(2)IAEAのクリアランスレベルの妥当性評価、(3)国境を越えたTENORM廃棄物の移送に関する調査、(4)統一されたTENORM廃棄物管理基準や規制の検討などが行われている。
 文部科学省は、平成16年度のFNCAワークショップ等(中国、タイ、マレーシア)に参加し、FNCA参加各国における自然放射性物質の規制等の最新の情報として、タイの自然放射性物質含有鉱石等使用産業においては、今後線量評価を行うための調査が実施されることなどを得ている。

 IAEAにおいては、ウラン及びトリウム鉱以外の自然放射性物質残渣(リン酸採鉱、希土類生産及び金属精錬のような産業工程からの廃棄物)に対して勧告もなく、整合性のある規制上のアプローチがないことから、安全指針として環境中の天然起源の放射性物質を含む残渣の管理に係る安全と管理の基準を向上させることを目的にDS352「天然起源の放射性物質(NORM)の安全管理」の検討が行われている。

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