司書は都道府県や市町村の公共図書館等で図書館資料の選択、発注及び受け入れから、分類、目録作成、貸出業務、レファレンス、読書案内などを行う専門的職員です。司書補は司書の職務を補助する役割を担います。
司書・司書補になるための資格は司書講習を受講するほか大学・短大で図書館に関する科目の単位を履修することで取得できますが、司書・司書補として活躍するには当該自治体等の採用試験を受けて図書館に配属されないといけません。
1.司書になるためには
【司書になるための資格の取得方法について】
図書館法第五条第一項参照
(以下のうちどれかひとつを充足すれば資格があることになります。)
1) |
大学を卒業した者(専門職大学の前期課程を修了した者を含む。次号において同じ。)で大学において文部科学省令で定める図書館に関する科目を履修したもの
(→これには通信制・夜間・科目等履修を含みます)
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2) |
大学又は高等専門学校を卒業した者で司書の講習を修了したもの
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3) |
次に掲げる職にあつた期間が通算して三年以上になる者で司書の講習を修了したもの
イ 司書補の職
ロ 国立国会図書館又は大学若しくは高等専門学校の附属図書館における職で司書補の職に相当するもの
ハ ロに掲げるもののほか、官公署、学校又は社会教育施設における職で社会教育主事、学芸員その他の司書補の職と同等以上の職として文部科学大臣が指定するもの
→具体的なことは、平成20年6月11日文科省告示第90号を参照のこと。
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(注) |
大学は、短期大学を含みます。 |
【1 司書講習について】
司書講習の概要: |
講習は概ね毎年7月~9月にかけて全国5大学程度で実施される集中講習。
参照→「講習実施大学一覧」 |
司書講習の受講資格:図書館法施行規則第三条参照
(以下のうちどれかひとつを充足すれば資格があることになります。)
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1) |
大学に二年以上在学して、六十二単位以上を修得した者又は高等専門学校若しくは法附則第十項の規定により大学に含まれる学校を卒業した者
→短期大学卒業者を含みます。
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2) |
法第五条第一項第三号イからハまでに掲げる職にあつた期間が通算して二年以上になる者
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3) |
法附則第八項の規定に該当する者
→旧国立図書館附属図書館職員養成所又は旧文部省図書館講習所を卒業した者及び旧公立図書館司書検定試験規程による検定試験に合格した者は、第六条の規定による司書の講習を受けた場合においては、第五条の規定にかかわらず、司書となる資格を有するものとする。
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4) |
その他文部科学大臣が前三号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者
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(注1) |
講習の受講に際し在学している(していた)学部学科及び履修した科目は問いません。また年齢制限もありません。 |
(注2) |
上記のいずれかを満たせば講習の受講・修了はできますが、図書館法第五条第一項第二号、第三号のとおり、大学又は高等専門学校を卒業すること、または司書補等としての経験年数が3年以上になることを満たさなければ、司書となる資格は成立しません。 |
(注3) |
1)の法附則第十項の規定により大学に含まれる学校を卒業した者に、専修学校の専門課程を修了した者や,外国において学校教育における14年の課程を修了した者等も含まれる
→図書館法施行規則の一部を改正する省令及び博物館法施行規則の一部を改正する省令等の施行について(平成21年4月30日21文科生第6175号)参照 |
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司書講習受講の手続き: |
講習実施大学は「講習実施大学一覧」のとおりです。受講を希望する大学から募集要項を取り寄せ、書類を準備したあと申し込みを直接大学で行ってください。 |
【2 大学における司書養成課程について】
大学(短期大学を含む)で開設している司書資格取得に必要な「図書館に関する科目」を履修できる課程。資格を取得するには、必要科目を履修するとともに、大学(短期大学を含む)を卒業することが必要。
なお、司書養成課程を開設している大学については、
「司書養成課程(図書館に関する科目)開設大学一覧」参照
大学在学中に履修する場合 |
:卒業と同時に資格を得られます。(大学によっては)資格証明書を得られる場合が多い(学長が発行)。 |
一度大学を卒業した後、
通信制・夜間・科目履修など
として履修する場合 |
:基本、資格の証明書は発行されませんので、大学が発行する卒業証明書及び図書館に関する科目の単位修得証明書を提出することで資格を持っていることを証明することになります。参照→昭和42年1月24日文社社第47号社会教育局長通知による |
2.司書補になるためには
【司書補になるための資格の取得方法について】
図書館法第五条第二項参照
(以下のうちどれかひとつを充足すれば資格があることになります。)
1) |
司書の資格を有する者
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2) |
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項の規定により大学に入学することのできる者で司書補の講習を修了した者
→高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者。または、高等学校卒業程度認定試験を合格した者。
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【 司書補の講習について】
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司書補の講習の概要: |
講習は概ね毎年7月~9月にかけて全国3大学程度で実施される集中講習。
参照→「講習実施大学一覧」
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司書補の講習の受講資格: |
図書館法施行規則第四条参照
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学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項の規定により大学に入学することのできる者(法附則第十項の規定により大学に入学することのできる者に含まれる者を含む。)
→高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者。または、高等学校卒業程度認定試験を合格した者。
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司書補の講習受講の手続き: |
講習実施大学は「講習実施大学一覧」のとおりです。受講を希望する大学から募集要項を取り寄せ、書類を準備したあと申し込みを直接大学で行ってください。 |
3.図書館職員になるためには
図書館には公共図書館、大学図書館、学校図書館や国立国会図書館、専門図書館等があります。それぞれの図書館には以下に記した様な職務に従事する専門的職員が勤務しており、図書館法上、公共図書館に配置される専門的職員を司書及び司書補といいます。
(公共図書館とは、地方公共団体が設置する公立図書館及び民法法人が設置する私立図書館の総称です。)
1.司書・司書補の主な職務内容
【司書の主な職務内容】
1 |
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図書館資料の選択、発注及び受け入れ |
2 |
受け入れ図書館資料の分類及び蔵書目録の作成 |
3 |
目録からの検索、図書館資料の貸出及び返却 |
4 |
図書館資料についてのレファレンスサービス、読書案内 |
5 |
読書活動推進のための各種主催事業の企画、立案と実施 |
6 |
自動車文庫による巡回等の館外奉仕活動の展開など |
【司書補の主な職務内容】
上記のような司書の専門的職務を助ける事務に従事。
2.図書館に専門的職員として勤務するための方法
Q: |
公立図書館や公立の大学、高等専門学校の附属図書館に
勤務したい場合どのようにすればよいのですか。 |
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公立図書館や公立学校の職員は、身分上は地方公務員となります。したがって、
図書館に専門的職員として勤務を希望する場合は、それぞれの地方公共団体が実施する採用試験を受験する必要があります。
採用形態については、一般の行政、事務職員として採用し、図書館に配属する場合と、初めから司書(補)として採用する場合がありますので、勤務を希望する自治体の採用制度を確認する必要があります。
具体的な、試験に関する内容や手続きの方法については、各地方公共団体の採用試験の担当課か各図書館にお問い合わせください。
Q: |
国立国会図書館に勤務したい場合どうすればよいのですか。 |
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国立国会図書館では独自の職員採用試験を実施しております。
試験についての照会先は次のとおりです。
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〒100-8924 |
東京都千代田区永田町1丁目10番1号
国立国会図書館総務部人事課
電話03(3581)2331 |
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Q: |
国立大学及び高等専門学校の附属図書館に
勤務したい場合どのようにすればよいのですか。 |
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国立大学の法人化・高等専門学校の行政法人化により、2004年から制度が改正され、
従来の国家公務員試験Ⅱ種試験の「図書館学」は廃止になりました。
2004年からの採用試験は、北海道、東北、関東甲信越、東海・北陸、近畿、中国・四国、九州の7つの地区実施委員会により実施されます。第1次試験は上記の地区単位で行う筆記試験、第2次試験は各大学等により行われる面接考査等を予定しています。
第1次試験では特に司書としての専門的な試験は行われませんが、第2試験で専門的な試験が行われることが多いです。また採用の区分のなかに「図書」があります。詳しくは試験案内をご覧ください。
Q: |
私立の大学等の附属図書館に勤務したい場合どうすればよいのですか。 |
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私立の各大学等については、各大学等が独自に採用試験を実施します。採用については、直接各大学等へお問い合わせください。
Q: |
学校図書館に勤務したい場合はどうすればよいのですか。 |
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小・中・高・盲・聾・養護の各学校に設置される学校図書館には、学校図書館の専門的職務を掌る「司書教諭」を置くこととされており、この「司書教諭」は、主幹教諭、指導教諭又は教諭をもって充てることとされています。
このほか、各地方自治体等において、学校図書館を担当する事務職員を募集している場合もありますが、要件等は地域によってさまざまです。
4.関係法令・通知など