学校バリアフリーの進め方(学校バリアフリーガイドのご紹介)
近年では、障害の有無や性別、国籍の違い等に関わらず、分け隔てのない社会の実現を基本理念として、物理的・心理的なバリアフリー化を進め、インクルーシブな社会環境を整備していくことが求められています。学校施設においても、障害等の有無に関わらず、誰もが支障なく学校生活を送り、互いに支えあう中で、共に学び、育つことができるインクルーシブな学校環境を整備していく必要があります。
そうした中で、令和2年5月に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)の改正により、公立の小中学校等が新たにバリアフリー基準の適合義務の対象となる特別特定建築物に位置づけられました。また、既存施設についてもバリアフリー基準の適合の努力義務が課せられていることから、文部科学省において、バリアフリー化に関する整備目標を設定し、バリアフリー化を推進しています。
【バリアフリー法等における学校施設のバリアフリー化の位置づけについてはこちらをご参照ください】
現状、各学校設置者において、バリアフリー化に取り組んでいただいているところですが、残念ながら、その取り組みの進捗は、以下の表のとおり、十分ではありません。
| 対象 | 令和 2年度 |
令和 4年度 |
令和 6年度 |
整備目標 (令和8年度~令和12年度末) |
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|---|---|---|---|---|---|---|
| バリアフリートイレ | 校舎 | 65.2% | 70.4% | 74.4% | 避難所に指定されている全ての学校※に整備 ※令和6年度調査時点で総学校数の約97%に相当 |
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| 屋内運動場 | 36.9% | 41.9% | 47.9% | |||
| スロープ等に よる段差解消 |
門から建物の前まで | 校舎 | 78.5% | 82.2% | 84.7% | 全ての学校に整備 |
| 屋内運動場 | 74.4% | 77.9% | 80.7% | |||
| 昇降口・玄関等から 教室等まで |
校舎 | 57.3% | 61.1% | 65.2% | ||
| 屋内運動場 | 57.0% | 62.1% | 65.5% | |||
| エレベーター (1階建ての建物のみ保有する学校を含む) |
校舎 | 27.1% | 29.0% | 31.2% | 要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校※に整備 ※令和6年度調査時点で総学校数の約43%(校舎)、約78%(屋内運動場)に相当 |
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| 屋内運動場 | 65.9% | 70.5% | 72.1% | |||
また、整備目標の達成が難しい要因について、多くの学校設置者が、
- 域内の学校の統廃合の予定が決まらず計画が立てられない
- 大規模改修と合わせた整備を予定しており、早期のバリアフリー化の整備の実施が困難
- 配慮が必要な児童生徒の入学が確定しないと整備が困難
といった計画上の課題を挙げています。一方で、学校設置者におけるバリアフリー化に関する整備計画の策定率は32%(令和6年度調査より)と低調となっており、計画的な検討ができていない学校設置者も多くみられます。
児童生徒の分け隔てのない学びの環境を保障するためには、なにより、域内の学校について、計画的に着実にバリアフリー化を進めていくことが必要です。
【計画の策定等についての詳細は、「整備計画はなぜ必要か?」をご参照ください】
「学校バリアフリープラットフォーム」では、障害者の方等へのインタビュー動画を公開しています。学校生活で困ったこと等についてお話を伺いましたので、ぜひ当事者の方の声を聞いてみてください。
【インタビューの動画は、「当事者インタビュー」よりご覧ください】
また、バリアフリー化を進めていくためには、教育環境としての整備の観点だけでなく、地域の公共施設としてのまちづくりの観点や、災害時に避難所として機能する地域防災の観点からも、関係者と連携して、取り組んでいく必要があります。
【まちづくり等との連携についての詳細は、「#まちづくり」の記事をご参照ください】
更に、学校施設のバリアフリー化を行う際には、地域のイベントなど多様な場面で学校を利用する高齢者、障害者等の当事者との意見交換等を通して、バリアフリー化の完成度を高めていく当事者参画に取り組むことも重要です。
【当事者参画についての詳細は、「当事者参画とは?」をご参照ください】
このような状況を踏まえて、文部科学省では、各学校設置者により迅速にバリアフリー化に取り組んでいただけるよう、今後の取組の際に必要となる情報を集約して、それらを各設置者の状況に応じて組み合わせて参照できるよう「学校バリアフリーガイド」を開設しました。
この「学校バリアフリーガイド」では、学校設置者がバリアフリー化を進めるために参考となるバリアフリー化のポイントやその整備事例を掲載しているほか、学校設置者における域内学校のバリアフリー化の計画的な進め方や、今後、積極的な取り組みが求められている当事者参画について、留意してほしい点の解説や実践例なども掲載しております。
また、「学校バリアフリーガイド」に掲載している各記事には、整備フェーズ(新築・改築、改修、単独工事)や建物の各部位の整備、考え方等に関するハッシュタグを設定しています。ハッシュタグをクリックすると、そのハッシュタグに関係する事例だけを抽出して表示させることもできますので、ぜひご活用ください。
更に、実際に取り組まれる際の検討の判断材料になるよう、各記事には、学校生活における当事者の困り事やバリアフリー化に関する有識者からのコメントなども合わせて掲載しておりますので、それぞれの観点もご参照ください。
障害の有無に関わらず、誰もが楽しく学校生活を送れるようインクルーシブな学校環境を実現していきましょう。
