実話に基づいているこの絵本を開いた瞬間から、このテーマを伝えるやり方と可愛い絵に魅了されました。障害がある兄弟が社会のバリアに立ち向かうことを‟妖怪バリャー”という形をとって、陽気に、そして力強く描いてます。こうした魅力的なキャラクターを描いて、そして楽しくわかりやすく読者へ教えてくれるのは大切なこと。
大人が読みながらお子さんともコミュニケーションが持てるのと、想像を働かせるのには完璧過ぎるツールにもなる本。例えば、黄色い点字タイルに自転車を止めようとする男性の行動を「これどうしたらいいと思う?」と先に聞いたり、ヤスユキとコウゾウが妖怪バリャーに立ち向かう前にみんなが先に考える力にもなる。言葉の選び方も陽気で、ヤスユキとコウゾウは勇気を持って強く闘うことの大切さを教えてくれている一冊。
メッセージ
中高校生のみんな〜、ヤスユキとコウゾウから学ぶことはたくさんあります。
みんなにとっての‟普通”は人によってはとても困難。自分にいつ何が起こるのかはわかりません。他人事と思わずに、もし下に兄弟がいたらこの本でコミュニケーションをとってほしい。若いときから他人への思いやりを持つことは何よりの心の宝もの。障害がある方と最初はどう接したら良いのか気を遣ってしまうかもしれないけど、こうした本から、どんな風に社会のバリアを無くすのかをちゃんと自分で考えられる人になります。どんどん広めて、そして読んだときの気持ちを忘れないことが何よりも大事。大人の方へのあとがきも理解出来る年齢です。強さの向こう側にある切なさも感じ取れるはず。
まずは心のバリアを無くそう!