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社会教育士ってなに?

社会教育士が活躍する街のイラスト
私たちのまち、暮らしには、さまざまな課題が山積しています。たとえば、コミュニティの希薄化、空き店舗が増える商店街、子育てや介護が生む孤立、居場所や出番がない子ども・若者、災害から命を守る防災の備え、国籍の違いや障害の有無などによる分断など・・・。地域全体で、地域の抱える課題を解決し続けていくためには、○地域の課題に対する当事者意識を持って、○より多くの人々や活動が協働しながら、○これまでの経験や学んだ成果を活かし、工夫しながら参加できる地域活動や市民活動を豊かにしていくことが求められています。地域を面白くしたい、新たな人ともっと出会いたい、多様な人ともっとつながりながら活動したい、という前向きな気持ちになれるきっかけが、地域にたくさん存在していなければ、大人も子どもも、そして地域も成長していくことはできません。

このきっかけにあたる取組を、人々の自由で自発的な学習活動を支援する社会教育という分野では、「学び」と呼んでいます。こうした「学び」を社会のいたるところにたくさん仕掛け、豊かな地域づくりへの展開を支援する専門人材が、社会教育士です。

社会教育士は、社会教育の制度や仕組み、基礎的な知識に加え、下記の専門性の習得をねらいとした課程や講習を修了した人たちの称号です。

  • ファシリテーション能力

    人のやる気に火をつけたり、ものごとを自分事化していくプロセスを支えたりというような、活動への意欲・自発性を引き出しながら意識・行動の変化を促していく「学び」を支援するための基礎的な知識と技能

  • プレゼンテーション能力

    地域のヒト、コト、モノや、地域で共有したい想いや願いなどの情報を、より多くの人に、わかりやすく、共感しやすい方法で積極的に伝えていくための基礎的な知識と技能

  • コーディネート能力

    人どうし、活動どうし、組織どうしなど、異なる他者どうしが相互理解を深め、信頼し合い、互いを支え合うことができる関係(協働)へと調整するための基礎的な知識と技能

社会教育士は、このような専門性を活かしながら、地域の思いに寄り添った長期的な地域づくりのビジョンを持ち、地域活動や市民活動が持続的に展開していく支援をします。今後、社会教育士は、社会教育施設や教育委員会事務局だけでなく、地域、社会、世界で解決が目指される多様な課題に取り組む地方公共団体の各部局や、NPO、企業、学校などの他、地域活動やボランティア活動などにおいても、活躍することが期待されています。

これまでの社会教育主事となにが違うの?

社会教育士は令和2年度から始まった制度ですが、もともと「社会教育主事」という、社会教育を行う者に対する専門的技術的な助言・指導に当たる専門的教育職員の制度があり、社会教育法に基づいて教育委員会に置くこととされています。社会教育士制度は、この社会教育主事になるために修得すべき科目等を定めた社会教育主事講習等規程の一部改正によってできた制度です。

社会教育主事講習・養成課程で学ぶ内容が変わった!

社会教育主事が、これまで以上に人づくりや地域づくりの中核的な役割を担うことができるよう、その職務遂行に必要となる基礎的な資質・能力を養成するため、社会教育主事講習及び大学等における社会教育主事養成課程の科目の改善が図られました。

  • ● 社会教育主事講習・養成課程に「生涯学習支援論」と「社会教育経営論」の2科目を新設
  • ● 社会教育主事養成課程において「社会教育実習」が必修化

発令を受けていなくても名乗れる称号ができた!

社会教育主事は,都道府県・市町村教育委員会から「社会教育主事」として発令されなければ、その職務に就くことができません。そのため、これまでもNPOや社会教育関係団体、企業、学校教職員、PTAなどの方々が講習や養成課程を受講し、さまざまな場で活躍していましたが、「社会教育主事」とは名乗ることができませんでした。そこで、講習や養成課程における学習成果がさらに広く社会における教育活動に生かされるよう、定められた科目を修了した者は「社会教育士」と称することができるようになりました。

社会教育主事が、教育的専門職員として都道府県及び市町村の教育委員会に置かれなくてはならないことは、これからも変わりありません。地域における様々な分野で活躍する社会教育士が増えるにつれ、「学びのオーガナイザー」としての総合的な視点に立った地域全体の社会教育振興に取り組む社会教育主事の役割はますます重要になります。