ここからサイトの主なメニューです

6.今後の展開について

6.2  千葉県生涯学習情報提供システム(ちばりすネット) −都道府県の生涯学習情報提供システムの一例として−
   千葉県における生涯学習情報の収集と提供について、千葉県生涯学習情報提供システムの成り立ちと運営について整理し、今後の千葉県における生涯学習情報の収集・提供について考える。

1  千葉県生涯学習情報提供システムの成り立ち
   千葉県生涯学習情報提供システムは、「さわやかちば県民プラザ」が開所した平成8年11月から稼動、県及び各市町村の生涯学習施設等から得られた生涯学習情報を「さわやかちば県民プラザ」内で一元管理し千葉県民に提供している。当初は、専用端末を用いたパソコン通信による情報提供を行っていたが、平成11年4月に情報提供の一部インターネット化が図られ、平成13年4月にはインターネットに一本化、名称を『ちばりすネット』(千葉県生涯学習情報提供システムの英訳「Chiba Long life learning Information System」の略)とした。
 平成15年9月、利便性向上、文書での情報提供依頼や郵便物また冊子等による回答及び入力作業などの軽減を目指し、
 各機関による情報登録のインターネット化。
 文字検索及びカテゴリ検索が行えるシステムへの移行。
 千葉県の生涯学習情報を網羅したポータルサイト化。
 サーバーの一部を無償で貸し出す「レンタルディレクトリ」機能の付加。
 インターネット上で学習できる「オンライン講座」の設置。
のバージョンアップを行い現在の形態に至っている。現在インターネット上で提供している情報は以下の6分野である。
 講座・講演・イベントなど学習の場を紹介する、学習・イベント情報。
 講座・講演などの講師やサークル活動の指導者を紹介する、講師情報。
 グループ・サークルの情報を収集し、学習や交流の場を紹介する、団体・サークル情報。
 国家資格・公的資格・民間資格など各種資格の内容と取得方法を紹介する、資格情報。
 学習活動やサークル活動、スポーツなどで利用できる施設を紹介する、施設情報。
 県内・県外の観光施設や名所旧跡などを紹介する、観光情報。
 学習機会情報の収集は4月と9月の年2回。調査の対象は県庁知事部局各課、教育庁各課、水道局、企業庁、警察本部、各教育事務所、生涯学習関連機関、高等学習機関及び各市町村教育委員会の約300ヶ所である。回答された情報のすべてをシステムに登録して『ちばりすネット』の情報として提供している。インターネット上では、有効期間内の5,000件程度の情報が常時提供される。
 講師情報、団体・サークル情報は、システム設置当初に千葉県教育委員会及び各市町村教育委員会から推薦された講師、団体・サークルの情報を登録。登録された情報を対象に年一回の更新調査のみを行い、新規登録については申し出があった場合のみ検討する。インターネット上では、指導者約1,600件、団体約1,100件の情報が提供される。
 施設情報・資格情報・観光情報については、定期的な一斉の調査は行わずに担当者が変更等を調べて更新する。それぞれ施設情報1,572件、資格情報1,294件、観光情報880件がインターネットで提供される。

2  『ちばりすネット』の現状と今後の課題
   現在、学習・イベント情報の収集は、前述の調査対象に文書で依頼して行っている。回答は平成15年の現システムへの移行後、指定のファイルをダウンロードして回答を書き込みメールに添付する方法を基本とし、ワープロソフト・表計算ソフトで作成されたファイルでの回答も受け付けている。印刷物での回答も依然多く、これらの場合はシステム入力の作業負担が大きいが、情報提供側の負担を軽減し、積極的な情報提供につながるよう申し出のまま受け付けている。寄せられた情報はシステム内のデータベースと公開用のHTMLの2種類にまとめて整理され、データベースには個人情報を含む詳細な情報を保存し、インターネットで公開できる部分をHTML化している。HTMLでは個人情報等は公開されず、問合せ先は「さわやかちば県民プラザ」になるため、利用者の問い合わせに対しては内部でデータベースを参照して連絡先等の具体的な内容を説明する。平成15年のバージョンアップでは、公開するHTML部分に情報提供側のホームページを利用する予定であったが、情報提供側にホームページがない場合や、あっても『ちばりすネット』側のシステムが対応できない技術的な問題があり、HTMLを『ちばりすネット』側で作成する場合が多かった。しかし、最近では情報提供側でホームページが整備されて『ちばりすネット』のHTML部分に利用できるケースが増えつつある。
 これらを踏まえて、今後は収集した情報のすべてをシステムに登録して『ちばりすネット』の情報として提供する現在の方法から、『ちばりすネット』の情報として提供する場合と、情報提供先へリンクすることで情報を提供する場合に分ける方法に移行する前提で情報の収集を行う予定である。都道府県の生涯学習情報提供システムの役割を、一次情報の収集と提供だけと考えるのではなく、利用者と情報の中継点とも考える時期に来ている。今回の「生涯学習情報収集・提供検討会」での検討内容やそれを受けて構築される国による生涯学習情報の提供システムが市町村や都道府県の生涯学習情報提供システムの役割をより明確化するものと期待している。実際、情報について電話で問い合わせる利用者は、こちらに十分な情報があると考えている場合が多いが、情報の内容が不十分で満足していただけない場合もあり、情報の中継点としての位置づけが明確である必要を感じる。次年度の学習機会の調査では情報提供者がどのような情報提供の手段を持つかも併せて調査し、インターネットでの提供手段を持つ場合はリンクで対応して収集・提供を行う。特に市町村で生涯学習情報提供システムを持っている場合についてはリンクを最大限に活用し、利用者が情報提供者に近いところに直接コンタクトできる体制を整えたい。
 具体的な市町村との連携について検討するため、昨年度末には当事業所で実施する「まなびシステムちばネット・ネットワーク会議」(市町村等の生涯学習情報担当者の参加によるネットワーク作りの会議)で
  1 生涯学習情報収集・提供の市町村での実施の有無
2 収集・提供する生涯学習情報の分類
3 情報登録の基準(特に民間学習機関の取り扱い)
4 基準の内容
5 情報の整理・保存方法
6 情報の提供方法
インターネットで提供している場合は711
  口頭・書面等の場合は10
7 『ちばりすネット』とのリンクの可能性
8 予想される問題点
9 リンク時のURL
10 その他
について調査した。情報の収集・提供をシステムで行っているケースはまだ少ないがいくつかあり、今後はテストケースとして『ちばりすネット』との具体的なリンク活用による連携の方法を検討する予定である。
 また、今年度より講師情報、団体・サークル情報については情報提供者の同意が得られた場合に限り個人情報をインターネットで公開、利用者が直接コンタクトできる形態として情報の中継点としての位置づけを明確にした。
 今後も継続して、情報収集方法の効率化とそれによる情報量の拡大(ユーザー登録による情報登録の効率化、情報項目の細分化、市町村保有の情報とのリンク等)。多様な切り口での情報提供(日付別、開催場所別、対象年齢別、対象性別別、講師別、講座形式別、更新状況別、市町村保有の情報との融合提供等)等、従来の情報収集・提供を深めながら、「オンライン講座」によってスタートしたインターネットによるオンデマンド学習環境の整備の継続、ユーザー登録制(施設予約・講座参加申し込みとの連携、ユーザーによるサークル・講師新規登録・応募、ユーザーによる情報評価等)などについて検討を継続したい。

 平成16年度の『ちばりすネット』のアクセス数は284,268件(月平均23,689件)、平成17年度もほぼ同様に推移して一定レベルの定着をみている。
 生涯学習情報提供システムの運営の最重要課題は利用者にとって有用な情報をどれだけ多く提供できるかであり、情報収集の手段について常に最善の方法を模索し続ける必要がある。今回の「生涯学習情報収集・提供検討会」により、国・都道府県・市町村の情報の流れについて認識を新たにし、都道府県の持つ生涯学習情報提供システムの役割について意識しながら、千葉県生涯学習情報提供システム『ちばりすネット』も柔軟に進化しなければならない。

  さわやかちば県民プラザ情報相談課主査 金田 一幸

前のページへ 次のページへ


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ