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第2章 キャリア教育の推進のための方策

2  キャリア教育の推進体制
提言5(学校)
  キャリア教育を推進するための校内体制作りと外部との連携組織
 キャリア教育を学校において円滑に実施するためには、各部や各学年の代表者等を構成員とした委員会等、全校的な組織を設けるなど、組織的、系統的にキャリア教育を推進する体制の改善・充実が必要である。このことにより、一部の教職員だけでなく、すべての教職員に指導計画等の作成・立案に当たっての情報の共有化が図られ、学校が一体となってキャリア教育の推進を目指すことにつながる。また、キャリア教育を効果的に進めるためには、地域・関係機関や家庭との連携・協力は欠かすことはできないため、全校的な委員会に当該関係者を含むことや別組織を設置することも考えられる。

提言6(国・教育委員会・学校)
  すべての教職員を対象としたキャリア教育研修の充実
 キャリア教育を推進する上で、教職員の資質や専門性の向上が極めて重要である。このため、国におけるキャリア教育にかかわる研修の充実が求められる。また、各都道府県教育委員会等においては、国の研修を受講した者を講師として活用するなど、すべての教職員を対象にしたキャリア教育研修を積極的に取り入れていくことを期待したい。
 各学校においても、各学校の状況、生徒の実態、また、現行の学習指導要領においてキャリア教育に関連する事項は関係教科・科目、特別活動、総合的な学習の時間などに位置付けられていることを踏まえ、すべての教職員に対し、キャリア教育の理解の深化、資質・能力、実践力の向上を図る必要がある。このため、各学校においてキャリア教育の研修を計画的に実施することを求めたい。また、保護者の理解を得るためPTAと協力又は対象にした研修も考えられる。さらに、教職員が地域への理解を深めることが必要であり、例えば、教職員が他の職業を体験する機会や研修を設けることも考えられる。

提言7(国・教育委員会)
  キャリア教育を推進するための中核となる教職員等の養成と配置
 社会的自立の具体化が迫られる高等学校においては、生徒のキャリア発達を支援するためには、生徒一人一人に対するきめ細かな指導・援助を行うキャリア・カウンセリングの充実が極めて重要である。キャリア・カウンセリングには、カウンセリング技法やキャリア発達等の専門的知識や技能が求められるため、専門性を身に付けた中核的な教職員を養成していく必要がある。このため、国及び都道府県教育委員会等においては、キャリア教育を実践していく上で、その中核となる教職員のための専門研修を充実することを求めたい。
 その上で、進路指導を含むキャリア教育は、学校の教育活動を通じ、すべての教職員が指導に当たることが望ましいが、中でも重要な役割を果たす学級担任や進路指導主事については、コーディネート(調整)やカウンセリングに関する専門的知識や技術を身に付けた教職員を配置できるよう、教育委員会には積極的な対応を求めたい。
 また、キャリア教育の中核としてコーディネートやカウンセリングを担当する教職員等については、必要な能力、適性(資格等)、養成方法、配置及び役割等を、現在の進路指導主事の在り方とも含めて検討していく必要がある。その職務としては、1学校・学年等全体のキャリア教育計画の立案、2担任等への助言、3生徒に対するキャリア・カウンセリング、4キャリア教育に関する校内研修の実施、5保護者に対する相談、援助、6地域、学校間、諸機関等との連携協力、7卒業生からの相談への対応、などが考えられる。
 さらに、今後、教員養成において、大学の教員養成課程におけるキャリア教育の在り方についても検討が求められよう。

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