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(3)科学館・博物館・コーディネート機関に望む

 科学館・博物館は、企画や活動手法を十分に工夫し、科学技術の魅力を伝えて欲しい。また、学校や企業、科学館・博物館など様々な機関や人々が結びつき、活動を広げ深めていくためのコーディネート機関を育成し充実させよう。

1. 科学館・博物館における企画や活動手法の工夫
 科学館・博物館においては、展示に体験や遊びの要素を取り入れたり、展示内容をわかりやすく解説するインタープリターやボランティアを配置するなど、人々が科学技術に興味を持ち理解できるような様々な工夫を行ってきている。
 しかしながら、そもそも科学技術分野に関心を示さず、科学館・博物館に足を運ぼうとしない人々がいることも事実であり、今後は、このような人々にも科学技術の魅力を伝えていく努力を進める必要がある。
 このため、近代・現代芸術、伝統工芸・芸能など、人々の関心が比較的高く、豊かな表現方法を有する分野の要素をうまく取り入れつつ、企画や活動手法を十分に工夫していくことが大切である。
 たとえば、比較的女性が好むものとして、様々な色の鉱物の特性を生かしたアクセサリー作り、草木と人工着色料による染色技術、伝統工芸・ロボット制御技術・現代アートが結合した動く人形展、男性や子どもが好むものとして、恐竜の生態・進化や特撮映画の怪獣の動作技術を解き明かす企画展、IT技術を駆使した企業の顧客情報管理技術といった内容の活動が考えられる。
 このように、人々の趣味、仕事、社会的問題意識などを的確に捉え、活動の対象者を明確に意識して、様々な分野の要素を取り入れながら、人々を引きつけるテーマの工夫、展示等活動の工夫を行っていくことが重要である。

2. コーディネート機関の育成・充実
 昨今、学校と、大学・研究機関、企業、科学館・博物館等が連携して、理科・数学(算数)教育に関する取組を行うことが増えてきている。しかしながら、様々な取組を行う上では、個人的なつながりに頼ることも少なくない状況にある。今後、一層効果的に連携活動を進めていくためには、学校や企業等からの相談への対応や関係機関の橋渡し(コーディネート)役を果たしていくことができる機関を育成していくことが重要であり、また、これらの役割を担う人材を育成・充実していくことが必要である。こうした取組を、地域の科学館・博物館、学協会等が担うことが期待される。
 一例として、企業が学校の教育活動に協力する意向を持っており、他方、学校として協力してくれる企業を探しているが、お互いの情報をうまく知ることができず連携活動が思うように進まない、といった状況がある。このような状況を打開していくためには、双方が情報を提供することにより、マッチングを行ってくれる機関が存在することが重要である。たとえば科学技術館が、産業界の出資により設立された沿革を活かして紹介機能を果たしたり、企業の協力を得て実験教室・教員研修などの取組を充実していくことが期待される。
 また、日本科学未来館や国立科学博物館は、全国の科学館・博物館を結び展示物の貸し出しを行ったり、学校に対して、科学館・博物館を利用した教育プログラムを提示しその実施に協力していくなど、支援機関としての機能を今後とも一層充実していくことが望まれる。
 さらに、科学技術振興機構は、地域のモデルとなる学校や科学館などを支援し、当該モデル機関の活動内容を他機関に広げたり、優れた教育コンテンツを開発し、地方自治体の教員研修の場で紹介したりするなど、優れた取組を全国に普及させていく活動を進めていくことが望まれる。

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