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第2のビジョン:「科学技術リテラシー」向上のために

 日本人の科学技術への関心や科学技術リテラシーは世界的にみても低く、極めて憂慮されるべき現状にある。科学技術理解増進の意義にかんがみて、広く人々が科学技術リテラシーを有していくことが重要である。またこの上に、我が国は、独自の価値や文化を大事にしながら科学技術リテラシーを深め、いわば科学技術文化として定着するような時代の形成を目指す必要がある。
 こうした将来の姿を表すものとして、科学技術リテラシー像の策定を進めていくことを提言する。

 人々の科学技術に関する関心は低下傾向にあり、また大人の科学技術に関する知識や能力(科学技術リテラシー)は、国際比較調査(参考資料4 資料3.科学技術基礎概念の理解度の各国比較)において、科学技術に関する基礎概念の理解度を測る11問への正答率が13位であるなど、世界的に低い状況にある。科学技術理解増進の意義にかんがみて、科学技術リテラシーは、科学技術に携わる者だけでなく、広く人々が有すべきものであり、前出の調査対象となった世代の子どもの頃の学力が世界最高水準であったことを踏まえると、現状は、極めて憂慮されるべきである。このため、人々の科学技術リテラシーを高めるための取組みを強化していかなければならない。この上に、我が国は、独自の価値や文化を大事にしながら科学技術リテラシーを深め、いわば科学技術文化として定着するような時代を形成することを目指すべきである。
 こうした将来の姿を表すものとして、科学技術リテラシー像の策定を進めていくことを提言する。
 「科学技術リテラシー像」とは、成人段階を念頭において、全ての人々に少なくとも身につけて欲しい科学・数学・技術に関係した知識・技能・物の見方の理想像をわかりやすく具体化し、文章化したものをいう。
 科学技術リテラシー像策定の意義は、次のとおりである。
  1 人々にとって、身につけるべき基礎的知識・考え方の指針となる。また、科学館・博物館・学校等で活動内容を検討する際の指針となる。
  2 人々の科学技術への理解・関心を高める素材となり、人々が科学技術の内容・重要性・必要性を理解しやすく、また教員・科学者等も説明しやすくなる。
  3 リテラシー像を策定する過程で、科学技術の意義や科学技術と社会の関係について人々の関心が高まり、理解が進む。
 また、科学技術リテラシー像の策定にあたっては、たとえば、以下のことに留意することが求められる。
  1 日本人の自然観、生物観なども踏まえること。
  2 倫理観や価値観、人の生き方なども踏まえること。
  3 策定作業には、科学者や教育学者、小学校・中学校・高等学校・大学の教員をはじめとする人々が広く参画すること。
  4 策定していくプロセスをオープンにすることにより、国民的運動につなげていくこと。
  5 メディアの協力を得て、効果的に人々に働きかけていくこと。
  6 有効な活用方策の検討も並行して進めていくこと。

 我が国の科学技術リテラシー像としてどのようなものがふさわしいのか、平成17年度から検討が開始されることとなっているが、関係者の英知を集めて、人々の支持を得られるものが策定されることを、大いに期待したい。

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