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資料4−3

3. 試験研究用原子炉施設(軽水炉、重水炉、高速炉)及び核燃料使用施設(照射済燃料及び材料を取り扱う施設)のクリアランスレベル検認に用いる重要放射性核種の再評価

 
3−1 評価条件
   試験研究用原子炉施設等について、IAEA安全指針に示されたクリアランスレベルを基に、試験研究用原子炉施設(軽水炉、重水炉、高速炉)及び核燃料使用施設(照射済燃料及び材料を取り扱う施設)に対する重要放射性核種の再評価を行った。
 重要放射性核種の再評価に際しては、クリアランスレベルにIAEAの安全指針RS-G-1.7の値を用いる以外は、原子力安全委員会が示した方法に従った。具体的には以下の通り。

 
(1) 評価対象核種
   評価対象核種は、原子力安全委員会において我が国の原子炉施設等で想定される核種として抽出されていることから、以下の報告書に記載された58核種とする(施設によっては重複している核種が存在するため、合計で58核種となる)。
 
「主な原子炉施設におけるクリアランスレベルについて」(平成11年3月)、「重水炉、高速炉等におけるクリアランスレベルについて」(平成13年7月)に記載された重要放射性核種及び重要放射性核種以外の核種(計21核種)
「原子炉施設におけるクリアランスレベル検認のあり方について」(平成13年7月)に記載された、上記報告書で示された放射性核種以外に参考として計算された放射性核種(計12核種)
「核燃料使用施設(照射済燃料及び材料を取り扱う施設)におけるクリアランスレベルについて」(平成15年4月)に記載された49核種。

(2) 重要放射性核種の評価方法
   クリアランスレベル(C)と主な原子炉施設の廃止措置等に伴い発生する廃棄物等の推定濃度(D)との比(DパーC)を計算し、炉型等、対象物及び汚染経路毎に最大となった放射性核種のDパーCを1にして、他の放射性核種のDパーCを規格化する。その結果、規格化されたDパーCが0.01以上(2桁の範囲に入る)の放射性核種を重要放射性核種として抽出する。
 なお、核燃料使用施設から発生する物のうち、運転に伴って発生する廃棄物等については、当該廃棄物等より抽出される放射性核種は、その物量が廃止措置に伴って発生する物量に比べて極めて少ないため相対的に重要度が小さくなることから、原子力安全委員会の考え方と同様に対象物毎に最重要となる核種を重要放射性核種とした。

3−2 評価結果
   試験研究用原子炉施設(軽水炉、重水炉、高速炉)及び核燃料使用施設(照射済燃料及び材料を取り扱う施設)に対する重要放射性核種及びクリアランスレベルを表1表2にそれぞれ示す。また、具体的な評価結果については、参考資料3に添付した。再評価の結果、重要放射性核種として、試験研究用原子炉施設については11核種、核燃料使用施設については15核種が抽出された。なお、これらの核種については、試験研究用原子炉施設については、原子力安全委員会が選定した核種と同じ核種となった。また、核燃料使用施設については、原子力安全委員会が選定した重要放射性核種のうち、ジルコニウム-95とセリウム-144は対象とならない結果となった。

 
表1  試験研究用原子炉施設(軽水炉、重水炉、高速炉)に対する重要放射性核種及びクリアランスレベル(単位ベクレル毎グラム
 
重要放射性核種 クリアランスレベル
H−3
(トリチウム)
100
C−14注1)
(炭素)
1
Mn−54
(マンガン)
0.1
Co−60
(コバルト)
0.1
Sr−90
(ストロンチウム)
1
Ba−133注2)
(バリウム
0.1注3)
Cs−134
(セシウム)
0.1
Cs−137
(セシウム)
0.1
Eu−152
(ユーロピウム)
0.1
Eu−154
(ユーロピウム)
0.1
全α核種注4) 全α核種注4) 0.1
Pu−239
(プルトニウム)
0.1
Am−241
(アメリシウム)
0.1

 
注1)   炭素−14は、放射化された黒鉛遮へい対の場合のみに選定される放射性核種
注2)   バリウム−133は、放射化された粗骨材に重晶石(BaSO4)を含むコンクリートの場合のみ選定される放射性核種
注3)   IAEAの安全レポート(Derivation of Activity Concentration Levels for Exclusion, Exemption and Clearance, Safety Report Series ナンバー44「規制除外、規制免除及びクリアランスのための放射能濃度値の算出」)の値を用いた。
注4)   原子力安全委員会の評価に準じ、プルトニウム−239,アメリシウム−241については、全α核種としてまとめた値を記載した。


 
表2  核燃料使用施設(照射済燃料及び材料を取り扱う施設)に対する重要放射性核種及びクリアランスレベル(単位ベクレル毎グラム
 
重要放射性核種 クリアランスレベル
H−3
(トリチウム)
100
C−14
(炭素)
1
Mn−54
(マンガン)
0.1
Co−60
(コバルト)
0.1
Zn−65
(亜鉛)
0.1
Sr−90
(ストロンチウム)
1
Nb−94
(ニオブ)
0.1
Nb−95
(ニオブ)
1
Ru−106
(ルテニウム)
0.1
Sb−125
(アンチモン)
0.1
Cs−134
(セシウム)
0.1
Cs−137
(セシウム)
0.1
Eu−154
(ユーロピウム)
0.1
Pu−241
(プルトニウム)
10
全α核種注1) 全α核種注1) 0.1
Pu−238
(プルトニウム)
0.1
Pu−239
(プルトニウム)
0.1
Pu−240
(プルトニウム)
0.1
Am−241
(アメリシウム)
0.1
Cm−244
(キュリウム)
1
 
注1)   原子力安全委員会の評価に準じ、プルトニウム−238,239,240,アメリシウム−241,キュリウム−244については、全α核種としてまとめた値を記載した。

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