全体
私たちは全国約6千名のプロの音楽家と音楽関連業務に従事する会員（組合員）による日本唯一の全国組織の労働組合です。
今回の問題は私たちにとって極めて重要な問題ですので以下の意見を述べさせていただきます。
私たちは「私的録音録画補償金制度」の存続と現状に合った制度への見直しを強く要望します。理由は以下の通りです。
著作権法第30条では、私的使用目的であれば一定の条件をつけてユーザーが複製することを認めており、これにより著作物を広く一般に公開し流通させる結果となれば、権利者の保護及びユーザーの利便性にも繋がると考えられます。しかし、如何に私的使用目的であろうとこれらの複製による権利者への被害を皆無とすることはできず、これらを補填する意味で本補償金制度があると考えます。従って、本制度を円滑に運用し、実態に見合う形にして存続するこそ本来あるべき姿でありましょう。
本制度の運用に当たっては、録音録画可能な全ての機器を補償金の対象とすべきです。
現在この制度の対象になる機器等を政令で指定する方法では制度実施に時間がかかり過ぎます。メーカー側、権利者、消費者など関係者の話し合いで対象の機器等や補償金の額を決定するようにしていただきたい。
本制度では、ユーザー、権利者、及び複製機器メーカーの三者が密接に関わり運用されています。前述のようにユーザー及び権利者は既に双方の利益均衡を保っており、この意味では諸外国のように複製機器メーカーが応分の負担と共に補償金徴収の任を担うべきと考えます。
現在、私たち権利者に対する補償金は個々の権利者にも見合った形で一定の額が分配されています。その他に共通目的助成事業として使われ、その助成金を私たち日本音楽家ユニオンでは、毎年プロの音楽家による演奏を僻地の子どもたちに生音楽を届けるなど有効に使われています。この補償金制度を今まで以上に広く世の中に広報し、消費者、メーカーそして私たち権利者それぞれの制度存続の理解を得て、健全な著作権思想が発展することを望みます。