ア. |
原作、小品等
ドラマや舞台中継における原作(小説等)の利用や、番組中における詩又は短歌、俳句等の小品の利用については、当該著作物が社団法人日本文芸家協会(以下「日文協」という)において管理されているものの場合には、日文協に利用許諾を求めることとなる。日文協は著作権等管理事業法に基づく著作権等管理事業者(以下「管理事業者」という)であることから、日文協から利用許諾を得て、文化庁に届出た著作物使用料規程に基づき使用料を支払うことになる。なお、使用料規程では、番組の放送に限らず、当該番組の様々な利用形態について使用料額が定められている。
日文協において管理されていないものの場合には、直接に個々の著作者と交渉し契約を結ぶこととなる。
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イ. |
脚本
脚本の執筆を依頼する際には、依頼しようとする脚本家が、例えば協同組合日本脚本家連盟(以下「日脚連」という)に属している場合には、NHK・民放連と日脚連との間で結ばれている団体協約書に定める契約条件に従い、放送事業者と脚本家との間で執筆委嘱契約を結ぶこととなる。脚本家に支払われる脚本料には当初の放送に関する使用料が含まれているため、日脚連は使用料を徴収しないが、番組を改めて再放送する際には、放送事業者は管理事業者である日脚連に利用の許諾を得て、団体協約に基づく使用料を支払うこととなる。なお、使用料規程では、番組のビデオ化やCATVへの番組供給などについても使用料額が定められている。
日脚連や同様の団体である協同組合日本シナリオ作家協会(以下「シナリオ作協」という)に属していない脚本家とは、直接に交渉し契約を結ぶこととなる。
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ウ. |
音楽
我が国では既成楽曲の多くが管理事業者である社団法人日本音楽著作権協会(以下「JASRAC(ジャスラック)」という)によって管理されているため、音楽著作物の利用に関するほとんどの契約は、JASRAC(ジャスラック)との間で行われることとなる。なお、JASRAC(ジャスラック)の使用料規程では、音楽の放送に限らず、様々な利用形態について使用料の額が定められている。
なお、放送番組のテーマ音楽や主題歌等として作詞・作曲を委嘱して楽曲を作成する場合には、当該楽曲の利用の独占性を確保する観点から、これをJASRAC(ジャスラック)の管理からはずし、番組の製作者に著作権を譲渡したり、JASRAC(ジャスラック)の利用許諾なしに音楽を利用できる範囲を定めたりすることが可能となっている。
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エ. |
実演
番組への出演契約は、通常は、実演家の所属するプロダクション等と放送事業者との二者契約、あるいは、実演家個人を加えた三者契約により行われ、この契約において、実演家の放送権に関する契約が行われる。ただし、事前の番組の収録については、原則として放送のための固定制度(第93条)により行われ、実演家から録音・録画の許諾を得ていないので、当該番組の二次利用については、原則として改めて実演家の許諾を得なければならない。なお、放送のための固定制度を用いて作成した録音物又は録画物を用いた放送等を行う場合には、実演家に相当の報酬を支払うことを条件として実演家から許諾を得た放送以外の放送が認められている(第94条)。NHK・民放連と社団法人日本芸能実演家団体協議会(以下「芸団協」という)・実演家著作隣接権センターの間では、再放送について協定書が結ばれており、これらの協定に基づき報酬が支払われることになっている。
また、商業用レコードを使用して番組の放送を行う場合においては、放送事業者が歌手等の実演家に対して、商業用レコードの二次使用に関する指定団体(第95条第5項)である芸団協を通じて二次使用料を支払うこととなる。具体的な使用料については、NHK・民放連と芸団協とが協議して定めることになっている。
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オ. |
レコード
放送事業者が放送番組中のBGMや挿入曲として商業用レコードの音源(レコード)を使う場合には、放送のための一時的固定制度(第102条)を用いて当該レコードの複製が行われ、当該番組を二次利用する場合には改めてレコード製作者の許諾が必要となる。なお、一定範囲の二次利用については、NHK・民放連とレコード協会との間で契約がある。
また、商業用レコードを使用して番組の放送を行う場合においては、レコード製作者に対して、商業用レコードの二次使用に関する指定団体(第97条第3項)である社団法人日本レコード協会(以下「レコード協会」という)を通じて二次使用料を支払うこととなる。具体的な使用料については、NHK・民放連とレコード協会とが各々協議して定めることになっている。 |