4.次代の文化の土台となるアーカイブの円滑化について(1)課題の整理
(2)コンテンツ提供者が自ら行うアーカイブ活動に関する課題
(3)コンテンツ提供者以外が行うアーカイブ活動の円滑化(アーカイブワーキングチーム報告)
国会図書館における所蔵資料のデジタル化について
国会図書館でデジタル化された資料の利用について
a 国会図書館内の利用について)閲覧 現行法では、図書館資料の原資料を閲覧させることについては、そもそも権利が及ばず、CDやDVDを館内視聴させることについては、非営利・無料の演奏、上映等として権利が制限されている(第38条第1項)。書籍等をデジタル化したものを端末機器の画面に映して閲覧させる場合も上映と同様に考えられ、権利者の許諾なく行うことができる。 )コピーサービス 現行法では、デジタル化された資料からのコピーサービスについても、原資料と同様に、図書館利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分の複製物を一人につき一部提供する場合には、権利者の許諾なく行うことができる。
b 国会図書館以外での利用について)他の図書館等において閲覧できるようにすること 国会図書館以外の図書館等で、国会図書館においてデジタル化を行った資料を閲覧するためには、DVD等にデータを入れ、郵送等で他の図書館に送る、メール等を使ってデータを送信する、インターネットを活用してアクセスに応じてデータを送信する、のいずれかによることが考えられる。これらについては、の場合には複製権が、の場合は複製権及び公衆送信権が働くこととなり、現行法上は、権利者の許諾なく行うことはできない。
)他の図書館等の利用者に対するコピーサービス 現行法では、図書館利用者に対するコピーサービスについては、当該図書館の図書館資料を用いて行うこととされているため、国会図書館から他の図書館等が借り受けた資料について図書館利用者がコピーサービスを希望する場合については、当該図書館利用者が国会図書館に別途申し込むこととなっている。 国会図書館以外の図書館等での所蔵資料のデジタル化について 国会図書館以外の図書館等であっても、現行法上認められている「保存のため必要な場合」(第31条第2号)に該当するのであれば、その所蔵する資料を複製することができる。例えば、損傷、紛失の防止等のためにマイクロ化をしたのであれば、同様の目的の範囲でそれをデジタル化することも不可能でないと考えられる。
おわりに 図書館等におけるアーカイブ事業の円滑化方策としては、ひとまず国会図書館において納本された後にデジタル化できるよう、法的な措置を講じることが必要である。 【参考】諸外国の図書館に関する著作権法の規定例ドイツ(注11)
アメリカ(注12)
カナダ(注13)図書館、資料館及び博物館
韓国(注14)
中国(注15)
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