平和、人権、国際理解、協力、基本的自由、グローバル・シチズンシップ及び持続可能な開発のための教育に関する勧告(仮訳)
2023年11月20日 第42回ユネスコ総会採択
国際連合教育科学文化機関(以下「ユネスコ」という。)の総会は、二千二十三年十一月七日から二十二日までパリにおいて会合し、
全ての者の教育を受ける権利を尊重し、保護し、及び促進し、また、教育が他の全ての権利の実現に貢献することを考慮し、全ての人にとって質の高い包摂的かつ利用する機会が与えられるものとし、衡平であることを確保する各国の責務を認め、
国際連合憲章、国際連合教育科学文化機関憲章、世界人権宣言その他全ての人権についての関連する国際文書(難民の地位に関する条約、市民的及び政治的権利に関する国際規約、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、児童の権利に関する条約、教育における差別を禁止する条約、千九百四十九年のジュネーヴ諸条約及び同条約の追加議定書、武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書、障害者の権利に関する条約、人権教育及び研修に関する国際連合宣言、先住民族の権利に関する国際連合宣言、普遍的に認められている人権及び基本的自由を促進し、及び保護するための社会の個人、集団及び機関の権利及び責任に関する国際連合宣言等)に掲げられている諸目的を、教育を通じて各国が達成する責務に留意し、
平和とは、戦争又は武力紛争がないことを必要とするのみならず、人間の安全保障、各国の主権及び領土に対する尊重、並びに対話及び連帯が奨励され、国内及び国際的な紛争が相互理解及び協力を通して解決され、持続可能な開発がその全ての領域において達成され、生涯教育及び生活全体にわたる教育への普遍的なアクセス(緊急事態及び武力紛争におけるものを含む。)が提供され、あらゆる形態及び要因の貧困(極度の貧困を含む。)が撲滅され、全ての者のあらゆる人権及び基本的自由が、いかなる例外もなしに、支持され、及び行動的なグローバル・シチズンシップが奨励される、包摂的で民主的な及び参加型の手続が必要であることを認識し、
教育と平和、人権及び基本的自由、国際理解、協力、民主主義、法の支配、グローバル・シチズンシップ並びに持続可能な開発の達成との重要なつながりを再確認し、
人権教育及び研修に関する国際連合宣言及び平和への権利に関する国際連合宣言に述べられている人権教育を促進し、及び確保する各国の責務を想起し、
持続可能な開発の達成、民主主義及び平和を脅かす偽情報、誤情報及びヘイトスピーチ並びにオンラインハラスメントの世界的な増加に留意し、また、人々のメディア情報リテラシーの向上のために世界的に取組の強化が必要であることを認識し、
さらに、世界的な課題に対処し、持続可能な開発を確保するために個人、共同体及び社会が変革的な行動をとれるようになるための教育の重要な役割及び「平和なくしては持続可能な開発はあり得ず、持続可能な開発なくして平和もあり得ない」ことを認め、各国が「各国内及び各国間の不平等と闘い、平和で公正かつ包摂的な社会を構築し、人権を保護し、ジェンダー平等及び若者並びに全ての女性及び女児の自律的な力の育成を促進し、及び地球とその天然資源の永続的な保護を確保する」ことを約束する国際連合の持続可能な開発のための二千三十アジェンダ、教育二千三十のためのインチョン宣言及び持続可能な開発目標4(SDG4)の実施のための行動の枠組み、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC、以下「気候変動枠組条約」という。)の教育に関する第六条、「気候変動に関する教育及び訓練を強化する」ことを各国に求める気候変動枠組条約に基づいて採択されたパリ協定、及び「持続可能な開発のための教育(ESD)は、自然の他、人権、民主主義、法の支配、無差別、衡平性及びジェンダー平等の尊重に基づき、これらを推進しなければならない」と述べ、全ての持続可能な開発目標の達成を可能にするESDの重要な役割を強調した持続可能な開発のための教育に関するベルリン宣言を実施するに当たっての教育の重要な役割を認識し、
また、「全ての学習者が持続可能な開発を促進するために必要な知識と技能を習得することを確保する(特に、持続可能な開発及び持続可能な生活様式、人権、ジェンダー平等、平和で暴力的ではない文化を促進し、グローバル・シチズンシップ並びに文化の多様性及び持続可能な開発への文化の貢献を尊重するための教育を通じたものを含む。)」ことに対する各国の約束を再確認し、
さらに、女性及び女児の和平プロセスへの参画の支持、ジェンダーに関する専門知識の向上、及び女性及び女児の教育に紛争が及ぼす特有の具体的な影響の認識において、「女性・平和・安全保障」アジェンダ及び国際連合安全保障理事会決議に関する約束を再確認し、
若者・平和・安全保障アジェンダに沿って、紛争の防止及び解決において、若者が果たすことができる重要な役割を再確認し、また、平和維持及び平和構築活動の持続可能性、包摂性及び成功の重要な側面として、
知的及び道徳的な連帯を呼びかけるユネスコ憲章に留意しつつ、正義、無差別、社会開発、国際協力、法の支配、人権及び基本的自由の普遍的な尊重を一層促進するために、全ての人に対する平和促進のための教育を確保することを目的としたあらゆる活動に加盟国が取り組むことを奨励し、及び支援することがユネスコに課された責務であることを考慮し、
また、教育は、人権であって生涯にわたる過程であり、かつ、世界人権宣言第二十六条に述べられているとおり、それは、「人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重の強化を目的としなければならない。教育は、すべての国又は人種的若しくは宗教的集団の相互間の理解、寛容及び友好関係を増進し、かつ、平和の維持のため、国際連合の活動を促進するものでなければならない」ことを再確認し、
情報の自由な流れ、情報及び知識へのアクセス、表現及び言論の自由、学問及び科学の自由、職業上の責任並びに機関の自律性は、学習及び教授の中核であり、国際理解、協力、平和、人権、基本的自由、民主主義、グローバル・シチズンシップ及び持続可能な開発の達成においても重要であることを認め、
各国は、教育における社会内において、全ての関係する利害関係者(地方及び地域の当局、教育機関、市民社会組織、民間部門、独立した国内人権機構、メディア並びに全ての子供、若者及び成人、また、有意義かつ効果的な参加においてその家族を含む。)を関与させることにより、全ての関係者及びコミュニティのために、いかなる形態の暴力もない配慮に満ちた包摂的な学習条件を構築すべきことを認識し、
さらに、教育は、社会の固有の特性として、文化の多様性に対する尊重を促進し、並びに国際理解及びグローバル・シチズンシップ、寛容、多元主義、人権及び基本的自由の尊重、並びに全ての国の間及び諸国民の間の連帯を促進させ、また、多数国間外交及び国際連合憲章や国際法の原則及び目的を助長させるように方向づけられるべきであることを再確認し、
また、著しい進展を遂げたにもかかわらず、特に、教育を受ける権利が奪われているために、無数の人々が尊厳及び機会のある生活を否定されていることに留意し、
さらに、環境の悪化、気候変動、生物多様性の喪失及び砂漠化が、クリーンで健康的で持続可能な環境の享受を妨げ、現在及び将来の世代があらゆる人権及び基本的自由を実際に享受すること、平和で尊厳が保たれた人生を送り、機会(学習機会を含む。)及びウェルビーイングを確保する環境にアクセスする能力を脅かすことに留意し、
法的及び政治的約束の実施及び肯定的かつ具体的な変化の実現から宣明された理想を隔てる格差を埋めるための行動をとることの緊急性を意識し、
平和的な、公正な、平等な、衡平な、協力的な、包摂的な、民主的な、健全かつ持続可能な社会を形成するためには、教育環境が包摂性、正義、配慮、妥当性及び適応性のモデルとなり、全ての人の利益のために展開されるべきであることを了解し、
また、全ての人、特に武力紛争、占領、災害及び他の危機的な状況によって悪影響を受ける児童及び学習者の教育を受ける権利を保護することの重要性(難民並びに国内避難民及びその他の集団並びにぜい弱な立場にある人々を含む。)、またこの文脈において、質の高い教育の継続を確保し、教育機関及びこれらに従事する民間人を攻撃やその脅威から守ることの必要性を認識し、武力紛争下においても教育の継続を促進することを目指す努力(安全な学校宣言を支持している国の取組を含む。)に留意しつつ、関連する国際連合安全保障理事会決議(決議第二千六百一号(二千二十一年)を含む。)に沿った措置の履行を確保する必要性を確認し、
付表に記載したユネスコ及びその他の国際連合機関が採択した国際文書、並びに関連の政府間の取組に留意し、
規範に関する状況の拡大に留意しつつ、平和、国際理解、協力、人権及び基本的自由、グローバル・シチズンシップ及び持続可能な開発の推進における教育の役割を確実に根付かせることを目的に、世界及び教育の情勢において新たな進展や課題を考慮するため、千九百七十四年の国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告を改定する必要があることを第四十一会期の決議第十七号において決定して、
1 二千二十三年十一月二十日に、千九百七十四年の国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告に代わるこの平和、人権、国際理解、協力、基本的自由、グローバル・シチズンシップ及び持続可能な開発のための教育に関する勧告を採択する。
2 この勧告は一般に「平和、人権及び持続可能な開発のための教育に関する勧告」と称することができることを示唆する。
3 加盟国が自国の管轄内においてこの勧告の原則を実施するため、各国の憲法上の実践及び統治体制に従って適当な措置(立法措置又はその他の措置のいかんを問わず必要とされるものを含む。)をとることによってこの勧告の規定を適用することを勧告する。
4 また、加盟国が、この勧告について、幼児期の保育及び教育から、初等及び中等教育を通じて、高等教育、技術教育及び訓練並びに職業教育及び訓練、教員養成・研修、成人教育及び生涯学習に至る正規の教育、正規でない教育及び形式によらない教育に責任を有する者、そして、子供、若者及び成人の間で教育活動を行う全ての主要な利害関係者及びその他の関心を有する者に注意を喚起することを勧告する。
5 さらに、加盟国が、この勧告に従ってとった措置について、総会により決められた期日及び様式により、総会に報告することを奨励する。
1 この勧告の適用上、
(a) 「教育」は、不可侵の人権である。これは、生涯にわたる及び社会全体の過程であり、それを通じて、地方、国、地域及び世界全体でのコミュニティ並びにエコシステムにおける利益のために、全ての人々が学習し、全人格、尊厳についての意識、才能並びに精神的及び身体的な能力を最大限発達させることである。
(b) 「平和」、「国際理解」及び「協力」は、人権及び基本的自由を尊重しつつ、諸国民間の友好関係の原則、広範な利害関係者との協力、並びに、各国が異なる社会的及び政治的制度を有するとの理解に基づく不可分の全体として考慮されるべきである。
(c) 「平和の文化」は、平和の文化に関する宣言及び行動計画(国際連合総会決議第二百四十三号(第五十三会期))が定義するものと理解される。
(d) 「人権」及び「基本的自由」は、人権に関する国際文書(主として国際連合憲章、世界人権宣言、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約、その他の人権に関する条約)によって承認され、かつ、定義される。これらは、人間の固有の尊厳に由来し、普遍的で、不可分で、不可侵であり、及び相互に関連する。
(e) 「人権教育」は、人権教育及び研修に関する国際連合宣言(国際連合総会決議第百三十七号(第六十六会期))に定義するものと理解される。
(f) 「持続可能な開発のための教育」は、教育二千三十行動枠組に定義する「学習者が、現在及び将来世代のために、環境保全、経済的継続性及び公正な社会を実現するために、文化の多様性を尊重しつつ、十分な情報に基づいた意思決定及び責任ある行動をとることができるよう育成する」ものをいう。
(g) 「グローバル・シチズンシップ教育」は、教育二千三十行動枠組に記載されているものと理解される。
(h) 「包摂」は、ユネスコ「包摂のための指針」に記載するものをいう。
(i) 「変革的教育」は、教育環境における学習者の尊厳及び多様性を認識し、尊重し、学習のあらゆる障壁を取り除き、学習者が批判的に考察し、変革の主体となり、自らの将来についてその主人公となれるよう動機付けし、及び自律的な力を育成する共創的な教育及び学習を伴い、個人、コミュニティ、地方、国内的、地域的及び世界的な規模で十分な情報に基づいた意思決定及び行動を可能にする。これには、平和な、公正な、包摂的な、平等な、衡平な、健康的な、及び持続可能な社会の構築を支える、とりわけグローバル・シチズンシップ教育、持続可能な開発のための教育及び人権教育等の取組方法を通じたものが含まれる。
2 この勧告の包括的な目的は、国際連合憲章、国際連合教育科学文化機関憲章、国際的な人権の憲章及びその他の人権についての関連する国際文書に定められた目的を、多面的な利害関係者を巻き込む取組方法をとることによって、加盟国が、教育に浸透するよう努力するための指針を与えることである。
3 これには、教育を通じて人権、基本的自由、グローバル・シチズンシップ及び持続可能な開発の完全な享受を確保するために、全ての人々が、生涯全体を通じて平和を推進し、国際理解、協力、貧困撲滅及び寛容を促進するコミュニティ、地方、国内的、地域的及び世界的な規模での民主的な意思決定の過程、経済的に自律的な力の育成、意識向上並びに個人的及び集団的行動に効果的に参加するために必要な知識、技能(社会情動的技能を含む。)、価値観、態度及び行動を身に付け、及びその力を与えられるよう確保することを含む。
4 また、この勧告は、同様の目的のために社会全体で教育活動に関与する国以外の主体の行動、取組及び計画を動員し、指導し、及び支援することを目標とする。
5 教育は、戦争、侵略、あらゆる形態の暴力及び人権侵害を防止し、並びにこれらに対処することの重要性を強調すべきであり、全ての人及び社会が平和を維持し、促進し、希求する責任を理解し、及び前提とすべきである。また、教育は、人種主義、外国人排斥及び憎悪を扇動するあらゆる行動及び思想、あらゆる形態の不寛容、差別及び暴力の防止に関する諸活動にも貢献すべきである。
6 具体的には、教育は変革的で、読み書き及び計算能力の強固な基礎を築くべきであり、また、次の事項を含む知識、技能、価値、態度及び行動の育成を可能にすべきである。
(a) 分析的及び批判的な思考:規範、慣行及び意見に疑問を持ち、複雑な制度及び多文化的な環境を批判的に分析し、及び理解し、また、各国、国民及び自然環境並びに地方、国内的、地域的及び世界的な規模における力関係及び相互のつながりを理解する能力。
(b) 予測技能:全ての人々にとって平和な、公正な、平等な、衡平な、包摂的な、健康的な、及び持続可能な未来を促進するために、変化の主体として行動し、新たに生じる将来の機会及び脅威を評価し、理解し、並びに新たな可能性に適応する能力。
(c) 多様性の尊重:人種、皮膚の色、世系、ジェンダー、年齢、言語、宗教、政治的な意見、国民的出身、民族的出身又は社会的出身、出生時の経済的又は社会的条件、障害その他のいかなる理由にかかわらず、全ての者の平等な尊厳及び権利、ニーズ、展望並びに平和的な行動を理解し、評価し、及び尊重する能力並びに多様な知識体系や学習活動について評価すること。
(d) 自己認識:個人の価値、認識及び行動を認め、及び批判的に省みるとともに、自己を知り、評価し、平和を保ち、感情を理解し、及び制御し、並びに共感するとともに共感を示し、かつ、他者並びに地方、国、地域及び世界的なコミュニティにおける自己の役割を尊重する能力。
(e) 共通であり多様な人類及び地球とのつながり及び帰属意識:人類は、健全な地球への責任並びに人類相互の、他の生物の、及び自然そのもののニーズ及び権利を尊重する責任を共有する世界的なコミュニティであると理解すること。
(f) 自律的な力の育成、主体性及び強靱性:地方、国内的、地域的及び世界的な規模の課題に対して、リスク、目標相反及び不確実性に対処しながら、効果的、積極的、意識的かつ責任を持って行動し、対応する意欲、自信及び能力。
(g) 意思決定の技能:多様な及び信頼できる情報源からの利用可能な情報を用いて、行動の影響を評価し、及び決定する能力。
(h) 協働する技能:建設的な方法により、感情及び意見を効果的に伝え、並びに責任及び敬意のある行動によって示された、協働的交流、参加型計画及び共有型問題解決に関与する能力。
(i) 適応型及び創造的技能:新たな考えを行動に転換できるよう、急速に変化する環境及び多様であり、かつ、変化の多い状況において、適応し、関与し、創造し、変革し、及び繁栄する能力。
(j) シチズンシップに関する技能:デジタル時代において、及び地方、国内的又は世界的な文脈において、倫理的に責任を持って行動し、市民社会生活に全面的に参加する能力。
(k) 平和的な紛争解決及び変革に関する技能:平和的、建設的及び交渉による方法で紛争に対処し、その防止、調停及び解決に貢献し、並びに暴力及び敵意の連鎖を終わらせる能力。
(l) メディア情報リテラシー、コミュニケーション及びデジタル技能:様々な手段及び技術を通じて情報や知識を効果的に検索し、これにアクセスし、批判的に評価し、倫理的に作成し、使用し、及び普及させる能力。また、それは、オンライン及びオフラインでの権利及び責任を理解しながら、及びデジタルセキュリティを強化し、及びプライバシーを保護する安全かつ効果的で識別力のある丁寧な方法でデジタル環境に関与しながら、強靭性があり、偽情報及び誤情報、ヘイトスピーチ、あらゆる形態の暴力(ジェンダーに基づく暴力行為を含む。)、有害なコンテンツ、並びにオンラインにおける虐待及び搾取を検出し、並びに対処することができることを意味する。
7 この勧告それ自体は、生涯にわたる、衡平な及び包摂的な視点を適用するものであって、次の教育活動を対象とする。
(a) 全ての人々のためのもの。
(b) あらゆる状況における、正規の環境、正規でない環境及び形式によらない環境で提供されるもの。
(c) 様々な様式と教授法を用いたもの。
(d) 全ての段階における、全ての種類及び全ての規定のもの(多面的な利害関係者及び他の連携を通じたものを含む。)。
8 この勧告の目的に向けた教育は、変革的で、質の高いものでなければならず、次の原則に導かれるべきである。
(a) 質の高い教育は公共財及び共有財であり、全ての人々にとって利用可能であるべきことを認識すること。
(b) 国際法及び国際人権法にうたう権利とそれに対応する義務(全ての市民的、文化的、経済的、政治的及び社会的権利並びに開発の権利を含む。)に基づいて人権の促進及び保護を目的として運用されること。
(c) 権利の保持者として学習者の能力を高めつつ、国際人権法に定めるところにより、人種、皮膚の色、世系、ジェンダー、年齢、言語、宗教、政治的意見、国民的出身、民族的出身又は社会的出身、出生時の経済的又は社会的条件、障害その他の理由のいかんを問わず、教育における、また、教育を通じた無差別、包摂性及び衡平性を確保すること。
(d) 友好関係、隣人への親切心、帰属意識を高めるために、互恵性及び思いやりを培うことを通じて、配慮及び連帯の倫理を促進すること。
(e) 教育における、また、教育を通じた、ジェンダー平等を促進すること。全ての人の教育を受ける権利の実現及び女性及び女児の自律的な力の育成が重要である。
(f) 全ての人が教育を受ける権利を有しており、いかなる種類の差別もなく、自らのアイデンティティを尊重し、自身と他者の歴史、伝統、言語及び文化を知ることを奨励する、包摂的かつ質の高い教育を受ける機会が衡平なものとなることが保障されるべきであることを認識すること。文化の多様性に関するユネスコの世界宣言で述べられているように、文化の多様性の擁護は、「人権と基本的自由を守る義務があることを意味している。いかなる者も、文化の多様性を口実として、国際法によって保障される人権を侵害したり人権の範囲を制限したりすることはできない」。
(g) 全ての学習者、教員及び教育職員の安全、健康及びウェルビーイングが保護され、促進されることを確保すること。
(h) 教育及び学習は、継続的で、生涯にわたり、生活網羅的、全体的、人道的及び変革的な過程であるものとして認識すること。
(i) 全ての学習者が差別なく積極的に知識を創造し、及び共創するという意識を、全ての教育政策立案者、教育指導者、教員及び教育職員の間で認識、評価及び推進すること。
(j) 関連する国際人権法が定める、差別又は暴力の扇動となるあらゆる理由に基づく憎悪の唱道を一切禁止し、思想、良心、信条及び信教の自由並びに表現及び意見の自由を確保すること。これには、あらゆる形態及び媒体において、情報や考え方を求め、受け取り、及び伝える権利を確保することが含まれる。
(k) 特に現在及び未来のテクノロジーを倫理的かつ責任を持って利用することにより、コミュニティ、地方、国内的、地域的及び世界的な規模での問題解決に積極的に関与しようとする個人の意欲を奨励し、これに力を与え、支援し、及びその能力を構築すること。
(l) 地域と世界との間の相互の連携を強調しつつ、教育における国際的及び世界的な展望を可能にすること。
(m) 協力及び連帯のための異文化間及び世代間の対話を促進し、人々、社会及び国家間の友好関係の構築に役立つ効果的なコミュニケーションを強化すること。
(n) 個人、コミュニティ、社会、国、天然資源及び生態系の相互依存関係が増大していることについて意識を向上し、及びプラネタリー・バウンダリー内における全ての者の利益に資するよう、グローバル・シチズンシップ並びに平和、人権及び持続可能な開発のための共同の責任に関する倫理を啓発すること。
9 次の行動分野は、既に述べられている指導原則に沿って、この勧告の目的を推進するために行うべき事項を規定する。
Ⅴ1 制度全体的な要件
法令、政策及び戦略
10 加盟国及び全ての利害関係者は、組織全体及び社会全体の取組方法を通じて、教育における上述の指導原則を主流化すべく、教育指導者、教育機関、教員及び教育職員を積極的に支援すべきである。そのために、加盟国は、全ての利害関係者と協力して次のことを行うべきである。
(a) あらゆる必要な措置を採用し、及びこの勧告の目的及び指導原則を支える教育活動が、特に、全ての段階における質の高い教育を受ける機会及びその享受に関して、明らかな不平等が存在する緊急事態及び危機の影響を受けている状況においては、妥当な注意が払われ、及び資源が供与されるよう確保すること。
(b) 発展的な教育上のニーズ及び科学の進展及び証拠に従って、定期的に更新され、並びに学際的、多分野的、超学際的及び分野横断的な取組方法の最大限の可能性を利用して、情報に基づく参加型の意思決定過程を通じて、世界的な課題の複雑性を十分に考慮した上で、個別の状況に応じた科学、研究及び証拠に基づく法令、政策及び戦略を創出すること。
(c) 学習者が責任ある地域及び世界の市民として、生涯にわたり世界において従事することを可能とする、柔軟で、かつ、文脈に関連した正規の学習及び正規でない学習の道筋を支援する政策の仕組みを創出すること。当該仕組みは、国境を越えた資格並びに従前の正規の学習又は正規でない学習の採用、承認、認証及び認定を通じ、強化することができる。
(d) 特に占領又は武力紛争の影響を受けている社会において、法令、政策及び戦略があらゆる偏見と不平等に対処し、及び教育制度における、また、教育制度を通じたあらゆる形態の差別の防止に寄与することを目標とすることを確保すること。
(e) 差別のない非暴力及び平和への約束を促進するために、心身の健康及びウェルビーイングを促進する学校制度の能力を強化すること。これは、良質な学校保健サービス、学校給食、健康及びウェルビーイングのための教育を通じて達成され得る。
(f) 教員の専門的、教育学的及び教訓的能力開発並びに教育分野における研究を指導し、及び参加する能力を向上するために、教員のための能力開発及び向上の手段を支援するための制度及び戦略を構築すること。
ガバナンス、説明責任及び連携
11 加盟国は、教育における良い統治及びその他の社会的説明責任に関する措置(定期的な監視、実施及び反省的な見直しを含む。)を確保すべきである。説明責任及び透明性を強化する方法が設けられるべきである。
12 加盟国は、国際的な義務及び約束に沿ってこの勧告を実施するために、必要なあらゆる支援(財政的、行政的、技術的、人的資源及び物的資源を含む。)を提供すべきである。
13 加盟国は、全ての関係する利害関係者との開かれた対話(世代間の交流を含む。)を通じて作成されたこの勧告に基づく教育計画を、教育当局、教育機関、教員及び教育職員が提供できるようにすべきである。
14 加盟国は、変革的教育及び平和の文化の促進に関する重要な局面として、地方、地域的な、国際的な及び異文化間の協力、対話並びに交流に関与し、及びこれを奨励すべきである。
15 加盟国は、能力開発活動に取り組み、全ての関係者(他の加盟国及び非政府組織を含む。)と教育における持続可能な連携を確立し、かつ、機関間の差異を考慮しつつ、良い事例を共有すべきである。
16 個人及び団体は教育機関を自由に設立し運営することができるが、加盟国は、その国際的な約束と教育に関する公の責任に従った上で、これらの機関が国によって定められた又は承認された最低基準に適合するよう確保すべきである。
17 加盟国及びその他の利害関係者は、互いの責務、役割及び相互説明責任を十分に尊重しつつ、ガバナンス、政策立案、監視、評価及び報告に協力して取り組むべきである。
18 加盟国は、子供、若者及び家族の健康及びウェルビーイング並びに心身の良好な発達を確保するために、個々の学習者、地域社会、親、保護者及び家族に対する情報及び教育の提供並びにこれらへのアクセスを支援すべきである。
カリキュラム及び教授法
19 加盟国は、平和、人権、国際理解、協力、基本的自由、グローバル・シチズンシップ及び持続可能な開発のための教育に関するこの勧告の目的に資する教育活動が、様々な段階や種類の教育、知識、規律、学習及び訓練のカリキュラム内において調整され、並びに全体として一貫性のあるものとなることを確保すべきである。
20 加盟国は、あらゆる科目及び項目において、学習者が日常生活で直面する懸念や問題、並びに多様な知識体系に結び付く包摂的な方法で作成された、状況に応じたカリキュラムの開発を支援すべきである。その目的は、学習者がこの勧告の目的と指導原則を積極的に支援し前進させるような方法でこれらの問題に対応する際に、自らの知識及び技能を活用できる力を与えることにある。
21 平和、人権、国際理解、協力、基本的自由、グローバル・シチズンシップ及び持続可能な開発のための教育は、全ての学習者、教員、教育職員及び教育コミュニティに対して提供され、普遍的価値、人権及び基本的自由の侵害及び濫用の防止、普遍的な平和の文化を推進することに貢献するとともに、全ての人が自身の権利を行使し、他者の権利を促進し、教育機関、地域社会及び公共の場における文化的及び社会的生活に民主的に参加できるようにすべきである。
22 教育への変革的な取組方法は、カリキュラム、あらゆる学習分野及び教育の全ての段階に組み込まれるべきである。これには、教科及び学習領域並びにそれらの多様な分野との関係を探究するために、全体的で多様な領域にわたる、異なる分野間の学際的な取組方法を採用することが含まれる。
23 体育及びスポーツの実践並びにスポーツを通じた学習は、全ての年代の学習者に尊重、衡平性、協力及び団結心、包摂性並びに無差別に関する価値を浸透させ、健康的な生活様式を推進し、並びに協働及び相互理解に役立つ認知的、社会情動的、精神運動的及び行動的な技能を発達させるべきである。
24 歴史、社会科学及び関連分野の教授及び学習は、過去、現在及び将来の間の複雑な関係並びに暴力、排除及びあらゆる形態の差別の遺産並びにその影響について批判的理解を構築する機会を学習者に提供すべきである。そのためには、歴史的客観性を追求すること、科学、研究及び証拠に基づく複数の視点を促進すること、あらゆる形態及び表現の植民地主義及び新植民地主義に対する批判的な見方を育成し、これらとの闘いを支援すること、記憶する義務を継続すること、証明された歴史上の出来事の否認や歪曲を拒否すること、歴史及び社会における女性の役割を強調すること、並びに国家間や国内において、時間とともに、暴力や緊張を助長し得る要因、又は和解、平和及び連帯を促進し得る要因を探究することが必要である。
25 自然科学、技術、工学及び数学(STEM)の教育は、未開拓の分野の境界を越えること及び、コミュニティと知識の体系との間に架け橋を築くことに役立つべきである。全ての学習者がこの勧告の目的を推進し、現代的課題に対する持続可能な解決方法の探究に役立てるよう、科学及び科学的手法並びに科学的知識と技術の倫理を学ぶための技能を身に付けるべきである。STEMの分野への平等なアクセス及びSTEMのキャリアにおける女性のより一層の代表性を確保するため、特に女性及び女児に注意を払うべきである。
26 加盟国は、全ての段階及び分野を通じて、異なる文化及びその相互に与える影響についての学習が含まれる教育を推進すべきである。これらの学習は、多様な視点、生活様式、世界観、宗教、信条及び人生哲学の理解や尊重を促すべきであり、理解の欠如に基づく衝突を減らす可能性がある。とりわけ、人権及び基本的自由を尊重する環境において、学習者が豊富な知識を有する地域及び世界の市民となることを手助けできるよう、言語教育及び異文化理解能力を促進することに相応の重点を置くべきである。文化芸術教育は、創造的学習及び新たな市民的能力の獲得を推進する。これは、文化遺産への理解を高め、帰属意識及び文化の多様性の尊重を育む社会情動的学習を強化する。
27 相互理解、連帯及び社会的結束を高めるため、加盟国は、特に言語的多様性の認識、異文化間対話の推進、多言語技能の育成及び全ての言語、特に、先住民族の言語及び母語への価値の付与及び多様な視点の評価を通じて、知識体系の多様性、表現方法、無形文化遺産の伝承及び保護の価値を認め、尊重し、及び向上させるべきである。
28 この勧告の目的に向けた教育の最大限の可能性を引き出すために、全ての学習者に対してジェンダー平等を推進する安価な、包摂的な、持続可能な、差別のない、年齢相応の、及び個別の状況に応じたアプローチが必要である。持続可能な開発のための教育に認知的、社会的、情動的及び行動的要素を組み込むために、研究に基づく学習、適切な教授法及び革新的な取組方法(能動的かつ協働的な教授法を含む。)が活用されるべきである。
29 デジタルコンピテンシーは、相互に接続した世界への社会的、経済的及び政治的な参加に不可欠のものとして促進されるべきである。デジタル技術へのアクセスは、学習の成果を改善し、学習者間の協働及び関与を促進し、並びにより動的な学習環境を創出することに役立つべきである。メディア情報リテラシーは、学習者の批判的思考を養うとともに、ネットいじめ、ヘイトスピーチ、ハラスメント、サイバー詐欺、誤情報及び偽情報等の脅威と闘うために不可欠である。
30 気候変動に関する教育は、持続可能な開発のための教育の一環として、気候危機の影響を理解し、及び対処することに役立つとともに、気候正義を促進し、及び学習者が変化をもたらす主体として行動するために必要な知識、技能、価値及び態度を身に付けるよう、カリキュラムに組み込まれ、及び教科の枠を超えて行われるべきである。それは、学習者中心の、体験的な、状況に応じた、課題解決志向の、及び行動志向のものであるべきである。教育提供者は、模範を示して導くために、気候対策に関し組織全体での取組方法を採用すべきである。
評定及び評価
31 協働、協力及び相互理解を強化し、並びに学習者の継続的かつ総合的な発達及びウェルビーイングを支援するためには、全ての学習者及び学習を支える評定、評価及び証拠に基づく手法が優先されるべきである。教育政策立案者、教育指導者、教員及び教育職員は、評定及び評価が文化的偏見やその他のあらゆる偏見の対象とならないよう確保し、学習者及びその学習過程の利益のためにのみ設計されるよう努力すべきである。この一環として、建設的なフィードバックを行うことで学習に貢献する評定過程に学習者を含めるべきである。
32 全ての学習者(障害者、マイノリティ及び弱い立場にある人を含む。)の個別の状況に応じた、差別化された評定及び評価の取組方法に特段の注意が払われるべきである。
33 加盟国は、また、学習者及び教員の衡平なアクセスの保護並びに学習者及び教員の人権及び基本的自由(プライバシー等)の尊重の観点から、ハイブリッド型学習に関する法的及び倫理的な課題の特定の要件(学習者及び教員の個人データの保護に関するものを含む。)に注意を払うべきである。
34 あらゆる学習の場における成績評価は、確実性、信用性及び透明性があり、また、信頼できるものであるべきであり、指導の段階に適応した、客観的な、個別の状況に適応した、及び包摂的なものであるべきである。それは、この勧告に合致した体系的かつ学際的な知識だけでなく、認知的、社会情動的、行動的及び精神運動的な能力を含むべきである。これには、この勧告の目的を推進する方法で知識を評価し、及び適用する能力も含まれる。
学習及び教育の資料及び資源
35 加盟国は、全ての教員及び学習者が、質の高い教育及び学習の資料及び資源(この勧告の指導原則が盛り込まれたマルチメディアコンテンツを含む。)にアクセスすることの確保に向けて努力すべきである。これら有形の様式及びデジタルフォーマットの資料へのアクセスは、オープン教育資源の共有を奨励することによって、並びに資料及び助言(教育及び生涯学習を通じてこの勧告の目的を支援する人材又は研修を含む。)を提供する有形又はデジタル情報資源に関するセンターを設立することによって、促進され得る。
36 加盟国は、これらの資料及び資源が、多言語技能(先住民の言語及び母語を含む。)の開発を奨励し、及び、適用可能な法令に従って、可能な限り、公共共有財のための知識の共有を促進するために、プライバシー及びデータの保護に関して最高水準を適用するオープン教育資源として利用可能なものとすることの確保に向けて努力すべきである。
37 加盟国は、あらゆる能力の学習者がアクセス可能で、いかなる状況においても教育への革新的な取組方法を支援し、双方向、体験型及び世代間の学習を促進することを確保するため、機材及び接続用インフラの保守管理及び更新並びに最新の資料及び質の高いデジタル資料の制作、適応、再利用、普及及び共有に投資し、並びにこれを促進すべきである。加盟国は、新たなデジタル機会を活用するとともに、リスクを緩和するために研究による根拠に頼るべきである。デジタルによる開かれた学習環境、デジタルの資料及びツール並びにこれらを活用するために必要な技能を学習者に身に付けさせることで、学習者が責任を持ってデジタル学習に取り組み、デジタル格差を軽減することができる。
38 全ての資料及び資源は、学習者の状況及び背景に関連付けられており、その教育水準並びに発達上及び学習上のニーズに適合したものであるべきである。教員及び学習者は、関連性を高めるために教材開発に関与すべきである。資料及び資源は包摂的で、ジェンダー平等を取り入れたものであって、定型化された観念、あらゆる形態の差別的偏見及び憎悪に満ちた偏見、あらゆる個人、集団又は人民に対する差別、人種主義、外国人排斥、並びに敵意又は暴力の扇動となる要素を含んではならない。また、資料及び資源は、根底にある偏見及び定型化された観念を疑い、及び根絶すること、並びにその影響の克服に貢献することを積極的に目指すべきである。
学習環境
39 教室や職場、文化的な空間又は自然の空間等の物理的な空間並びにデジタルプラットフォーム又は物理的要素及びデジタル要素の両方を組み合わせた融合空間等の仮想空間を含む学習環境は、教育の質及び積極的なシチズンシップに大きく寄与するものである。そして、全ての学習者、教員及び教育職員の権利、保護、安全及びウェルビーイングを強化するように設計され、維持され及び更新されるべきである。
40 加盟国は、教育経験の機会を拡大して、これを豊かなものとし、及び誰一人取り残さないよう確保し、様々な教育環境(体験学習及びソーシャル・インターンシップ含む。)において、幼少期からの生活全体にわたる学習及び生涯学習の機会を支援すべきである。
41 このために加盟国が行動をとることが奨励される。その行動には、次のことによるものを含む。
(a) 学習環境及びその設備が、全ての学習者にとって差別なく、かつ、より広義にはこの勧告の指導原則に沿って、包摂的な、利用可能かつアクセス可能な、受入れ可能な、及び適合可能なものであり、並びに安全かつ安心であることを確保するためのあらゆる努力を払うことを支持する。さらに、教育環境は、あらゆる形態の偏見を疑い、反差別及び反人種主義の実践を包含し、及び文化の多様性を推進し、及び尊重すべきである。
(b) 全ての子供、若者、成人が教育及び学習計画、教育行政、政策立案及び意思決定活動に十分に、平等に、衡平に、及び有意義に参加できるよう支援すること。これには、影響を受けやすい又は不利な立場に置かれた集団(ジェンダー、先住民族、障害、マイノリティの地位、難民、移民又は避難民の地位にあることによるものを含む。)の構成員として伝統的に除外されてきた人々、又は占領若しくは危機による影響を受けた人々に特別な注意を払いつつ、この勧告の原則をモデルとする安全な空間を共創する際に、親及び学習者に対して、発言する機会を与え、また、貢献することを奨励する民主的な学習環境を促進することを含む。
(c) 基盤及び技術の支援、適切な職員配置、職員の訓練及び支援、学習者のニーズに応じた専門サービス(保育サービス及び青少年団体等)、奨学金を通じた資金上の支援、学校給食、栄養、精神の健康並びにその他の学校保健サービスを通じた支援を、可能な限り提供することを約束すること。
(d) 安全かつ包摂的なデジタル学習のシステム及び環境の開発を通じて、教育へのデジタルアクセスを拡大し、デジタル格差を防ぐことにより、包摂のための技術の可能性を活用すること。デジタルツールの開発は、個人データ及び機密データの保護並びにオンライン暴力(ネットいじめ等(ジェンダーに基づくものを含む。))からの児童及び若者の保護のための措置を伴うべきであり、また、児童がオンライン上で直面する危険を認識し、児童が自身の権利を完全に行使することを支援するために、教員や親に対する支援を伴うべきである。
(e) 学校において指導的役割及び管理的立場にある者、教員、教育職員に対して伝統的な教室空間の外で学ぶことの利点を活用するとともに、社会、文化及び環境に関する意識及び持続可能性に対する約束を奨励するため、自然の景勝地及び文化的遺跡、その他の公共スペースを学習環境として利用することを支援し、及び奨励すること。
教員及び教育職員の育成
42 教員及び教育職員は、正規の学習環境及び正規でない学習環境においてその教育的責任を遂行することから、この勧告の目的を推進する上で重要な役割を果たす。加盟国は、この勧告の目的を支援するために、社会における教員の役割を価値付け、信頼し、選定し、支援し、準備し、及び認定しつつ、次の事項を含む行動を取ることを通じて、教員の意欲が教育の質に直接影響することを認識し、教員に外発的及び内発的の両面から意欲を持たせ、教員の貢献を認め、教員の声を聴き、教員の地位及び労働条件を改善するよう努めるべきである。
(a) 人権及びこの勧告に定める指導原則を約束し、及び促進することを支援し、全ての学習者が理解し、かつ、実践できる方法でこの原則を教授するための、教員及び教育職員による継続的な専門能力開発の機会を奨励し、提供し、及び促進すること。
(b) 表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会を確保し、教員、研究者及び教育職員の学問の自由及び知的自由を確保し、かつ、特に高等教育機関(HEI)において教授及び研究における自律性及びプロフェッショナリズムを尊重すること。そのためには、適切な制度上の仕組み、構造及びガバナンス並びにこれらの目的に役立つ継続的な専門能力開発のための包摂的かつ平等な機会が設けられるべきである。
(c) 世界の課題及び人権に関する、教員及び教育職員の学際的な知識の継続的な開発を支援するとともに、それによって彼らの国際的感覚を高め、この勧告の目的を達成するために必要な認知能力、社会情動能力及び行動力を向上させること。
(d) 教員養成及び現職研修における専門分野での共同や相互学習、ネットワークの構築及び国際交流の機会を提供すること。
(e) 教育課程、資料及び資源(オープン教育資源を通じたものを含む。)を共同設計、実施及び見直しを行うための、全ての教育その他の関連する利害関係者(教員、教育職員、学習者、教育当局、適当な場合には地域共同体、先住民族及び彼らの遺産を承継する者、芸術家、文化の専門家、親及び保護者を含む。)間の協力に関する機会を支援すること、並びに既に規模が拡大し、利用可能な技術の可能性を活用し、国際的なネットワークを構築し、彼らが互いに学び合うことを可能にすること(国際フォーラム、国際交流における、またそれらを通じたものを含む。)。
(f) 教員及び学生等のための教育基準及び能力の枠組みの一部として民主主義、平和、人権、持続可能性及びグローバル・シチズンシップの文化を支えるとの原則を約束するよう教育者を動機付け、教員の専門能力開発を導くこと。
(g) 教員の国内的及び国際的な移動や、国内及び地域においての経験の交換並びに多様な領域における科学的成果の社会化及び実施のための会合を奨励し、及び推進すること。
(h) この勧告に概説されている技能を教員に備えさせるために、継続的な専門能力開発の機会(オフライン、オンライン、遠隔地向けのもの及びハイブリッドの方法を含む。)を奨励し、及び促進すること。これには、教育専門家の継続教育の一環として、デジタル技能及びその他の能力の構築並びに研究及びプロジェクト開発の機会の推進も組み込むべきである。
(i) この勧告の目的を達成することにおいて、指導的役割、管理、監督、指導又は諮問の責任を任せられた者が、教員及び教育職員の自律的な力を育成できるように、継続的専門的学習、更新された情報、資料及び助言を提供すること。
43 包摂的な、参加型の、及び異文化間の革新的な教育環境を促進するために、加盟国は、公的機関や学術団体、教職員団体及び組合並びに地域社会が対話し、最良の事例を共有し、並びに人権及びこの勧告の指導原則に沿って、教育専門家自身によって定められたもので、全ての教育専門家が拠り所とし、特に、教員、教育職員及び学習者が緊急事態や危機の影響を受けている状況下にある場合に、彼らのウェルビーイングのために、安全及び支援を提供する職業基準の策定に向けて協働する努力をすることができるようにすべきである。
Ⅴ2 教育の各段階及び各種の特定の要件
44 教育に関する最大かつ変革的な可能性を引き出すため、この勧告の指導原則は、教育の全ての段階に組み込まれるべきである。
幼児期の保育及び教育(ECCE)
45 加盟国は、ECCEを、教育を受ける権利及び児童の権利の構成要素として考慮すべきである。ECCEは、幼児のウェルビーイング、学習及び発達を促進すべきであり、正規の及び正規でない教育計画及び教育課程編成における重要な段階である。ECCEは、保育及び遊びのための幼児のニーズを満たし、発達及び生涯学習のための、並びにこの勧告の目的を達成するために必要とされる知識、技能及び価値を育成するための、強固な基盤を幼児に対して与えることにより、全ての人(特別な教育上のニーズを有する幼児を含む。)にとっての平等な機会を促進しなければならない。
46 これは、特にECCE職員が高度な専門性を持つことへの投資(特定の養成段階及び現職の研修プログラムを通じた継続した支援の提供並びに適切な労働条件及びキャリアの確保を含む。)を必要とする。
47 基本的な態度は、しばしば、最初の数年間に形成されるものであり、したがって、基礎学習は、グローバル・シチズンシップ、平和及び人権を統合すべきである。ECCEは、児童が自分の権利を知り、自由に自己主張し、並びに、義務及び責任について学習しつつ自身の感情的及び精神的な啓発並びに家庭及び学校から始まり、ますます広範となる地域社会への帰属意識を、直接体験を通じて向上させ、かつ、拡大することができるような様々な状況(遊び及び読み聞かせを通じたものを含む。)において、独自の特徴及び価値を有する社会環境として設計され、及び組織されるべきである。
48 親、家族及び保護者は、家庭及び地域社会において可能性に富んだ環境を確立する手助けとなる、根拠に基づいた包摂的な子育て支援計画及び教育の機会を通じて、尊重され、及び支援されるべきである。
初等教育及び中等教育
49 質の高い、包摂的で、衡平で、かつ関連性のある初等中等教育は、学習者に個人として成長するための重要な知識、技能及び価値を備えさせる上で中心となる。教育は、児童及び生徒のウェルビーイング、喜び及び健康を促進すべきである。これは、全ての学習者が自律的で民主的な成人として、能動的、健康的で、持続可能かつ生産的な人生を送るために必要な能力を備えて学校教育を修了することを確保するために、教育を受ける機会と同程度に、学習の関連性や学習者の学習の定着度合いに対しても注目する必要があることを意味する。
50 全ての学習者は、差別がなく、根拠に基づき、科学的に正確で、文化的背景及び発達段階に応じた包括的性教育を通じて力を与えられるべきである。これは、性と生殖に関する健康や感染予防の知識に加え、健全で敬意を持った衡平な人間関係のための認知的、社会的及び情動的並びに行動的技能の構築に焦点を当てるものである。
51 加盟国は、学習者が教育の機会から排除され又は取り残されることなく、また、訓練において成長し続ける機会が与えられるよう、学習者が学習成果を上げることを手助けし、必要な場合には、あるいは、困難な状況やその他の支援が必要な状況において、機会を橋渡しするための制度的及びその他の形態の専門的及び技術的支援(正規の教育及び正規でない教育の関係者間の相乗作用に通ずる全日制の学校教育の機会、指導、助言等)を提供することを明確に約束すべきである。
高等教育及び研究
52 高等教育機関(HEIs)及び研究は、知識の発展や探究、科学の進展及び知識の移転に役立つものであり、この勧告の目的に貢献する。
53 加盟国の立法及び政策設定は、HEIs及び研究機関が全ての人に対して生涯学習及び生活全体にわたる学習の機会を提供することを可能にし、社会の異なる部門間の対話、民主的な意思決定及び連携を奨励し、並びに科学技術の知識及びイノベーションを倫理的で責任があり、かつ、権利を遵守する形で奨励する条件を確保すべきである。
54 HEIs及び研究機関は、学問の自由及び機関の自律性の原則を侵害することなく、また、学問的誠実性を促進しながら、地域的及び世界的な課題の革新的な解決方法を見つけ、並びに個人及び制度にこの勧告の目的に資するような変化をもたらすことに貢献すべきである。これには、教育及び地域社会において科学的、技術的及び革新的な知識の創造及び普及に役立ち、利害関係者とともに分野間及び学際的な知識を共創し、並びに対話を促進するために、HEIsが包摂的な学習環境を確保することを奨励することが含まれる。
55 加盟国及びHEIsは、包摂的かつ衡平な高等教育の設計、運営、目標設定及び資源投資を確保するために、教育及び研究における質の保証を促進すべきである。
56 加盟国及びHEIsは、ユネスコの関連する条約による外国において付与された資格の承認に関する手続を実施すべきである。学生、研究者及び教育者の物理的な及び仮想の移動を奨励し、あらゆる形態の国際協力を目指す学生及び教職員の交流及びプログラムを支援し、並びに難民及び避難民の学生、教育及び研究従事者の包摂を促進することによって、HEIsの間の多国間ネットワークが強化されるべきである。
57 研究(イノベーションに関連する官民の連携を含む。)は、倫理原則(研究の健全性を含む。)に導かれ、持続可能性に対する影響を考慮すべきである。研究資金の仕組みは透明性があり、かつ、倫理原則に従うべきである。
58 オープンサイエンスに関する政策及びオープン教育資源は、知識の衡平な普及を促し、並びに地域社会の多様性及び倫理的、包摂的かつ衡平な研究を進展させる実践を反映させるために不可欠なものである。
技術教育及び訓練並びに職業教育及び訓練(TVET)
59 技術教育及び訓練並びに職業教育及び訓練(TVET)制度(工芸産業におけるあらゆる形態の専門教育を含む。)は、この勧告に沿って、急速な変化によって特徴づけられる将来において、個人、経済及び社会の利益に適合するよう、包摂的、魅力的かつ柔軟であるべきである。TVET制度の改善は、社会及び世代間の連帯並びに所得及び富の衡平な分配を促進するべきである。TVET制度は、全ての人に生涯学習及び生活全体にわたる学習機会を提供する、労働市場志向で、かつ、公共部門と民間部門との間の強固な連携に基づき構築されるべきである。これは、所得及び富の分配並びに社会集団間及び世代間の連帯に大きな意味を持つ多様な変化にますます直面する社会を支えるために重要である。
60 TVETは、個人、団体、企業及び地域社会に力を与え、強靭、包摂的、平等かつ持続可能な経済及び平和な社会のために全ての個人が学び、働き、及び生活するための技能を育成することによって、持続可能な開発の促進において重要な役割を果たす。TVETの役割は、環境及びエネルギーの移行、循環型経済並びにデジタル変革の支援並びに経済的、法的及び政治的な問題における個人の能力強化において特に重要である。TVETプログラムは、この勧告の目的を支援するため、学習者の知識、技能、態度並びにこれら及び将来の社会的、経済的及び生態学的な変容に能動的に関与する主体性を育成すべきである。
61 学習者及び労働者の移動に関して、国内的、地域的及び国際的な規模でTVETの資格の相互承認が促進されるべきである。
成人学習及び成人教育
62 成人学習及び成人教育(ALE)は、 生涯学習及び生活全体にわたる学習の重要な構成要素である。それは学習する社会の構築を支援するものであり、その政策と実践は、幅広い年齢、発達段階、教育段階、学習空間及び様式に適用される。ALEは、個人、家族、地域社会、団体、職場、近隣地区、都市及び地方を巻き込みつつ、世界の市民として平和に共存するために、また、人権と基本的自由の尊重を享受し、健康、ウェルビーイング、文化、精神性、経済的及び市民的参画、環境への責任、持続可能性、並びにその他個人の発達及び尊厳に資するあらゆる方法の観点で、良識のある人生を送るために、知識、態度、普遍的価値観、技能及び行動を人々に身に付けさせることによって、この勧告の目的を支援すべきである。
正規でない教育及び形式によらない学習
63 加盟国は、正規でない教育(NFE)を促進し、及び認識すべきである。これには、正規の教育に加えて、代替的又は補完的なものとして取得した学習並びに日常生活、家庭、職場及び地域社会において、並びに個人の興味関心及び活動を通じて行われる形式によらない学習が含まれる。NFEや形式によらない学習は、子供、若者及び成人(正規の教育環境の外にいる者を含む。)が、地方、国内的、地域的及び世界的な規模で変化の主体となる力を与える重要な役割を果たすことができる。加盟国は、成人、若者及び子供(学校に通っていない子供を含む。)によって、又は彼らと共に、又は彼らのために組織された、多様な、並びに正規でない学習及び形式によらない学習を評価し、及び投資すべきである。これには、危機に直面した際の強靭性を強化する市民教育、市民社会組織及び青年組織を支援すること、並びにこの勧告の目的を支援する地域社会内の特定の教育及び訓練の計画を通じて、文化を表現し、及び伝える正規でない手段を支援することを含むことができる。
64 事後措置及び見直しの目的は、加盟国がこの勧告の実施をどのように確保しているかを理解し、及び記録すること、実施状況及び成果を評定し、適切な情報還元の仕組みを提供し、実施状況を改善し、適当な法令、政策及び戦略の策定を支援し、課題を特定して対処し、効果的な実践事例を共有し、並びに相互学習及び協力を強化することである。
65 全ての段階における見直し及び評価の過程は、透明性のある、参加型の、包摂的かつ有意義であるべきであり、また、教育の過程の改善のために、全ての利害関係者の効果的な参加を確保すべきである。また、地方、国内的、地域的及び国際的な規模で協力を奨励すべきである。
66 加盟国は、この勧告において概説されている目的を達成するために、また、加盟国の個別の状況、統治構造及び法令に従い、この勧告に関連する政策、法令、計画及び慣行を信頼性及び透明性のある方法で事後措置し、及び見直すべきである。このために、加盟国は次のことを行うべきである。
(a) この勧告の実施、事後措置、見直し及び評価に責任を持つ諸機関を特定すること。
(b) 多面的な利害関係者を巻き込む仕組みを利用し、又は設けることにより、社会全体での取組方法を採用すること。
(c) 関連する法令、規範及び基準に従い、データの保護の原則を尊重しつつ、分類され、及び匿名扱いのデータの使用を、時宜を得た、信頼できる、かつ、参加型で状況に応じた有効な方法によって収集し、分析し、保存し、普及し、及び促進すること(既存のデータ収集及び報告の仕組みを利用することにより、並びに効果的かつ革新的な実践を共有することによるものを含む。)。
(d) 見直しの過程の結果について適切な事後措置を講ずること。
67 加盟国を支援するために、ユネスコは次のことを行うべきである。
(a) この勧告に関する法令及び政策についての研究及び証拠に基づく分析、並びに報告を強化することに貢献すること。
(b) 関連する地域的及び世界的な機関と協力して、既存の手段に立脚しつつ、この勧告の規定に関する進捗、イノベーション、調査報告、科学出版物、並びにデータ及び統計を収集し、及び普及すること。
(c) 国内のデータシステムの能力を向上させるため、適切な、信頼性のある、有効な、比較可能な、及び費用対効果の大きい手段及びツールの開発を支援すること。
(d) 関連する利害関係者及び中央連絡先に、特定の技術支援(研修及び能力開発の支援を含む。)を提供し、事後措置及び見直しに有意義かつ効果的に貢献するよう、利害関係者及び実務者の国内ネットワークの構築を奨励すること。
68 加盟国及びユネスコは、監視機関(全ての利害関係者がアクセスし貢献し得る、この勧告の実施に関する資料、資源及びデータの保管場所を含む。)を、地方、国、地域的又は世界的な規模において、必要に応じて設置することを検討することができる。それらは、アイデアや創造的な応用例及び模範的な実践例の交換を促進するために、関連する情報交換機関の既存の経験に立脚することができる。
69 他のパートナー、実務者及び利害関係者は、個別の事情や役割、責任及び能力を考慮して、次の行動を検討すべきである。
(a) 多面的な利害関係者からなる実践コミュニティの一員として、事後措置及び見直しの過程に参加し、及び国別報告の作成に貢献し、並びに実行可能な場合には、様々な視点を提示する関連報告書及びアクセス可能な資料を作成すること。
(b) 事後措置及び見直しの過程に効果的に参加し、この勧告に盛り込まれた目的及び指導原則を促進する能力を開発するための研修機会を追求すること。
(c) 互いの専門知識及び経験を補完し、この勧告の事後措置及び見直しに関する複数の視点からの意見が考慮されるよう確保するために、多様な利害関係者間の連携を構築すること。
70 加盟国及びその他全ての利害関係者は、この勧告に関する価値、原則及び基準を尊重し、促進し、及び保護すべきであり、また、それを実施するための実行可能なあらゆる措置を講ずるべきである。
71 加盟国は、ユネスコの関連する計画及びネットワークの支援(特に、持続可能な開発のための教育とグローバル・シチズンシップ教育との融合に関して、ユネスコチェア、ユニツイン・ネットワーク及びユネスコスクール・ネットワーク(ASPnet)等)を得つつ、政府間相互の取組方法を通じて、並びに国内の及び国際的な全ての関連する利害関係者と協力することによって、この勧告に関連する自国の行動を拡大し、及び補完するよう努めるべきである。
72 ユネスコは、この勧告を、あらゆる利用可能な手段(適切な技術を含む。)を通じて広く公表し、及び普及させ、また、この勧告を教育の全ての段階及び全ての教育関係者に周知するために、加盟国、ユネスコ国内委員会、関連する国際的な及び地域的なパートナー、並びに人権機関と共有すべきである。
付表
ユネスコの規範設定文書
・教育における差別の防止に関する条約(千九百六十年)
・教育における差別の防止に関する勧告(千九百六十年)
・文化に関する国際協力の原則に関する宣言(千九百六十六年)
・教員の地位に関する国際労働機関及びユネスコの勧告(千九百六十六年)
・人種及び人種的偏見に関する宣言(千九百七十八年)
・平和、人権及び民主主義のための教育に係る行動に関する宣言及び統合枠組(千九百九十四年)
・高等教育の資格の承認に関する欧州地域規約(千九百九十七年)
・将来の世代に向けた現在の世代の責任に関する宣言(千九百九十七年)
・高等教育の教員の地位に関する勧告(千九百九十七年)
・ユネスコの文化の多様性に関する世界宣言(二千一年)
・無形文化遺産の保護に関する条約(二千三年)
・多言語主義の促進及び使用並びにサイバースペースへの普遍的アクセスに関する勧告(二千三年)
・文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約(二千五年)
・高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約(二千十一年)
・アフリカ諸国における高等教育に係る修学、証明書、修了証書、学位及び他の学問的資格の承認に関する改正規約(二千十四年)
・技術教育及び訓練並びに職業教育及び訓練(TVET)に関する勧告(二千十五年)
・成人学習及び成人教育に関する勧告(二千十五年)
・デジタル形式を含む記録遺産の保護及びアクセスに関する勧告(二千十五年)
・科学及び科学研究者に関する勧告(二千十七年)
・気候変動に関する倫理原則の宣言(二千十七年)
・オープン教育資源(OER)に関する勧告(二千十九年)
・高等教育の資格の承認に関する世界規約(二千十九年)
・ラテン・アメリカ及びカリブにおける高等教育に係る修学、修了証書及び学位の承認に関する地域規約(二千十九年)
・人工知能の倫理に関する勧告(二千二十一年)
・オープンサイエンスに関する勧告(二千二十一年)
・アラブ諸国における高等教育に係る修学、修了証書及び学位の承認に関する改正規約(二千二十二年)
その他の国際文書
・世界人権宣言(千九百四十八年)
・戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(ジュネーヴ第一条約)(千九百四十九年)
・海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(ジュネーヴ第二条約)(千九百四十九年)
・捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(ジュネーヴ第三条約)(千九百四十九年)
・戦時における文民の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(ジュネーヴ第四条約)(千九百四十九年)
・婦人の参政権に関する条約(千九百五十三年)
・武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(千九百五十四年)
・児童の権利に関する宣言(千九百五十九年)
・植民地及びその人民に対する独立の付与に関する宣言(千九百六十年)
・あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(千九百六十五年)
・市民的及び政治的権利に関する国際規約(千九百六十六年)
・経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(千九百六十六年)
・女子に対する差別の撤廃に関する宣言(千九百六十七年)
・アパルトヘイト犯罪防止及び処罰に関する国際条約(千九百七十三年)
・緊急事態及び武力紛争における女子及び児童の保護に関する宣言(千九百七十四年)
・千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅰ)(千九百七十七年)
・千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の非国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅱ)(千九百七十七年)
・女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(千九百七十九年)
・国際の平和及び協力の促進における女性の参画に関する宣言(千九百八十二年)
・児童の権利に関する条約(千九百八十九年)
・全ての移住労働者及びその家族の構成員の権利の保護に関する国際条約(千九百九十年)
・生物の多様性に関する条約(千九百九十二年)
・民族的又は種族的、宗教的及び言語的少数者に属する者の権利に関する宣言(千九百九十二年)
・気候変動に関する国際連合枠組条約(千九百九十二年)
・女性に対する暴力の撤廃に関する宣言(千九百九十三年)
・ウィーン宣言及び行動計画(千九百九十三年)
・北京宣言及び行動のためのプラットフォーム (千九百九十五年)
・平和の文化に関する宣言及び行動計画(千九百九十九年)
・国際連合安全保障理事会決議第千三百二十五号(二千年)
・人種主義、人種差別、外国人排斥及び関連する不寛容に反対する世界会議の後のダーバン宣言及び行動計画(二千一年)
・障害者の権利に関する条約(二千六年)
・文化的権利に関するフリブール宣言(二千七年)
・先住民族の権利に関する国際連合宣言(二千七年)
・人権教育及び研修に関する国際連合宣言(二千十一年)
・パリ協定(二千十五年)
・国際連合安全保障理事会決議第二千二百五十号(二千十五年)
・小農民及び農村で働く人々の権利に関する国際連合宣言(二千十八年)
・ユース二千三十:国際連合若者のための戦略(二千十八年)
・若者のための政策及び計画に関するリスボン+二十一宣言(二千十九年)
・青少年の決議を含む国際連合政策及び計画(二千二十一年)
・国際連合安全保障理事会決議第二千六百一号(二千二十一年)
・クリーンで健康的で持続可能な環境に対する人権に関する国際連合総会決議第三百号(第七十六会期)(二千二十二年)
政府間の取組
・人権教育のための国際連合十年(千九百九十五~二千四年)行動計画(千九百九十五年)
・「情報社会の構築:新しいミレニアムにおける世界的な課題」に関する原則の宣言及び行動計画(二千三年)
・国境を越える高等教育の質の保証に関するユネスコ及び経済協力開発機構の指針(二千五年)
・「人権教育のための世界計画」行動計画(二千六年)
・包摂的な教育:未来への道‐国際教育会議第四十八回会期の結論及び勧告(二千八年)
・国際連合青年のための世界行動計画(二千十年)
・我々の世界を変革する:持続可能な開発のための二千三十アジェンダ(二千十五年)
・包摂的かつ衡平な質の高い教育及び全ての人の生涯学習の機会を促進するためのインチョン宣言及び行動枠組み(二千十五年)
・安全な学校宣言(二千十五年)
・ユネスコ体育及びスポーツ担当大臣等国際会議(第六回会期)カザン行動計画「開発と平和のためのスポーツを活用することについての世界的枠組みの基礎」(二千十七年)
・二千十九年を超えた持続可能な開発のための教育(ESD)の実施に関する枠組み(二千十九年)
・持続可能な開発のための教育に関するベルリン宣言(二千二十一年)
・パリ宣言:教育の未来への投資のための世界的な要請(二千二十一年)
・教育のための接続性に関する世界宣言(二千二十一年)
・「成人学習及び成人教育に関する革新的な力を生かすための」マラケシュ行動枠組(二千二十二年)
・教育の変革に関する若者のための宣言(二千二十二年)
・技術教育及び訓練並びに職業教育及び訓練に関する二千二十二年から二千二十九年までのユネスコの戦略(二千二十二年)
・就学前保育及び教育を変革するための行動に関するタシケント宣言及び約束(二千二十二年)
国際統括官付