生物圏保存地域(ユネスコエコパーク、Biosphere Reseve :BR)は、生物多様性の保護を目的に、ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画(昭和46(1971)年に開始した、自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行う政府間共同事業)の一環として昭和51(1976)年に開始されました。
ユネスコエコパークは、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進めるモデル地域です。(登録地域数:797地域(145か国)。うち国内は10地域。※令和8(2026)年6月現在)
世界自然遺産が、顕著な普遍的価値を有する自然を厳格に保護することを主目的とするのに対し、ユネスコエコパークは自然保護と地域の人々の生活(人間の干渉を含む生態系の保全と経済社会活動)とが両立した持続的な発展を目指しています。
登録地域は、域内の自然の成り立ちや、そこに育まれた歴史文化に対する理解を深めるほか、地域づくりの担い手を育成することが期待されています。また、ユネスコ生物圏保存地域世界ネットワーク(The World Network of Biosphere Reserves: WNBR)の一員として、登録地域同士の学び合いを通じてさらに取組を進めることが求められます。
MAB計画の枠組みにおいて、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)を目的として取り組んでいる、国際生物圏保存地域の更なる推進を期待し、令和3(2021)年の第41回ユネスコ総会で、11月3日を「国際生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)の日」とすることが決定されました。
これを記念し、令和4(2022)年に、MAB計画に携わられている3名の有識者からメッセージが寄せられたほか、毎年、日本国内を含め、各国で様々な活動が行われています。

甲武信ユネスコエコパーク 金峰山(コピーライト:甲武信ユネスコエコパーク)
【参照】
パンフレット「ユネスコエコパーク―自然と人の調和と共生―」(令和2(2020)年)12月作成) (PDF:1310KB)
ユネスコ人間と生物圏(MAB: Man and the Biosphere)計画ウェブサイト
ユネスコエコパークへの推薦については、以下を参照してください。
日本のユネスコエコパークは、昭和55(1980)年に登録された「志賀高原」、「白山」、「大台ヶ原・大峯山・大杉谷」、「屋久島・口永良部島」、平成24年(2012)年に登録された「綾」、平成26(2014)年に登録された「只見」、「南アルプス」、平成29(2017)年に登録された「祖母・傾・大崩」、「みなかみ」及び令和元(2019)年に登録された「甲武信」の10地域があります。これらの10地域は日本ユネスコエコパークネットワーク(Japan Biosphere Reserves Network: JBRN)を構成し、交流や学び合いを通じて、各地域の質の向上に努めています。
屋久島・口永良部島ユネスコエコパーク 海水浴いなか浜(コピーライト:屋久島町)
日本ユネスコエコパークネットワーク(JBRN)
白山(※白山ユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
大台ヶ原・大峯山・大杉谷(※大台ヶ原・大峯山・大杉谷ユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
志賀高原(※志賀高原ユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
屋久島・口永良部島(※屋久島・口永良部島ユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
綾(※綾ユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
只見 (※只見ユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
南アルプス(※南アルプスユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
祖母・傾・大崩(※祖母・傾・大崩ユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
みなかみ(※みなかみユネスコエコパークウェブサイトへリンク)
甲武信(※甲武信ユネスコエコパークウェブサイトリンク)
只見ユネスコエコパーク ゼンマイ折り(コピーライト:只見町)
セビリア戦略は、平成7(1995)年3月、ユネスコの第2回世界生物圏保存地域会議(スペイン・セビリア)において、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)を生物圏保存地域の革新的なコンセプトとすることとし、3機能(保全機能、経済と社会の発展、学術的研究支援)を実現し、分析を行うための10項目の基本的方向性が示されました。
生物圏保存地域世界ネットワーク定款は、世界の生物圏保存地域ネットワークに加盟するためのユネスコが定める基本規則です。生物圏保存地域に登録されるためには、この定款の内容を満たしていることが必要です。定款は、登録基準のほか、生物圏保存地域の定義、3つの機能(保全機能、経済と社会の発展、学術的研究支援)、ゾーニング(核心地域、緩衝地域、移行地域の3地域の要件)等について示すとともに、生態系の豊かさが保全されているか、地域主導の活動となっているか、持続可能な資源利用や自然保護と調和のとれた取組が行われているか、将来の活動の継続を担保する組織体制や計画があるか等の要件を定めています。
【参照】
The Seville Strategy and The Statutory Framework of the World Network (※ユネスコのウェブサイトへリンク)
「セビリア戦略(生物圏保存地域世界ネットワーク定款を含む。)」〔仮訳〕 (PDF:314KB) ![]()
生物圏保存地域世界ネットワーク定款では、ユネスコ加盟国が、独自に国内の審査基準を設けることを奨励しています。平成30(2018)年7月、日本ユネスコ国内委員会MAB計画分科会において、日本として、ユネスコエコパーク候補地をユネスコに推薦するための「生物圏保存地域基準」を改正しました。
【参照】
生物圏保存地域審査基準(平成23年9月28日付け日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会決定) (PDF:180KB) ![]()
MAB戦略(2015年~2025年)は、平成27(2015)年5月、第27回MAB計画国際調整理事会(ユネスコ本部)において採択されました。
また、併せてMAB戦略の効果的な実施のための具体的な行動について定めたリマ行動計画(2016年~2025年)が、平成28(2016)年3月に、第28回MAB計画国際調整理事会(ペルー・リマ)において採択されました。
なお、MAB戦略及びリマ行動計画は、ユネスコの中期戦略(2014年~2021年)やセビリア戦略及び生物圏保存地域世界ネットワーク定款に沿いつつ、マドリッド行動計画(2008年~2015年)の後継として策定されたものです。
【参照】
Man and the Biosphere (MAB) Strategy (2015-2025) (※ユネスコのウェブサイトへリンク)
MAB戦略2015-2025〔仮訳〕 (PDF:577KB) ![]()
Lima Action Plan(2016-2025)(※ユネスコのウェブサイトへリンク)
リマ行動計画(2016-2025)〔仮訳〕 (PDF:626KB) ![]()
「杭州戦略行動計画(2026-2035)」
これからの生物圏保存地域の理念を示す「杭州宣言」の実施のための行動について定めた「杭州戦略行動計画」(2026-2035)が、令和7(2025)年9月、第37回MAB計画国際調整理事会(中国・杭州)において採択されました。
なお、「杭州戦略行動計画」(2026-2035)は、「リマ行動計画(2016年~2025年)」の後継ととして策定されたものです。
【参照】
「杭州戦略行動計画」(2026-2035)(PDF)![]()
「杭州戦略行動計画」(2026-2035)〔仮訳〕 (PDF) ![]()
「生物圏保存地域テクニカルガイドライン(Technical Guideline for Biosphere Reserves :TGBR)」は、定款等だけでは明確に対応できない生物圏保存地域の課題について、世界中の生物圏保存地域におけるMAB計画事業の枠組みや戦略、行動計画の確実な実施を支援するために令和3(2021)年に策定されました。
このガイドラインでは、生物圏保存地域の検討や推薦、ゾーニングやガバナンス、モニタリングと評価の考え方のほか、生物圏保存地域をサポートするネットワークとパートナーシップといった重点分野等についての具体的な項目に関する事例等をまとめています。
【参照】
Technical Guideline for Biosphere Reserves(TGBR)(※ユネスコのウェブサイトへリンク)
生物圏保存地域テクニカルガイドライン(TGBR)〔仮訳〕 (PDF: 3495KB) ![]()
各ユネスコエコパークは、生物圏保存地域世界ネットワーク定款の規定に基づき、10年ごとに定期的検討を受けることとされています。定期的検討の際に必要な様式は、ユネスコのウェブサイトから入手できます。
【参照】
「セビリア戦略(生物圏保存地域世界ネットワーク定款を含む。)」〔仮訳〕 (PDF:314KB) ![]()
PERIODIC REVIEW FOR BIOSPHERE RESERVE(※ユネスコのウェブサイトへリンク)
生物圏保存地域に関する定期的検討[2013年1月]〔仮訳〕 (Word:112KB)
日本ユネスコ国内委員会科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会では、ユネスコMAB計画や世界のユネスコエコパークの昨今の動向を踏まえつつ、「リマ行動計画」に従って状況を確認しながら、改ためて我が国のユネスコエコパークの意義と価値について点検し、我が国のユネスコ活動の一環としてのユネスコエコパークの今後の展望について意見交換を行ってきました。その上で、意見交換の内容を基に、近年のMAB計画の状況とともに、国内のユネスコエコパークの更なる推進と新たなモデルの推進可能性に関する提言をとりまとめました。
我が国のユネスコエコパークの更なる推進に向けて-生態系の保全・持続可能な利活用を推進するモデル地域の発展-(令和3年3月25日付け日本ユネスコ国内委員会科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会)![]()
ユネスコ・MAB若手科学者賞は、若手研究者が従事する研究に対して助成されるもので、若手科学者、特に開発途上国の若手科学者が自身の研究において、ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画の研究及び生物圏保存地域の利用を促進すること等を目的としています。新たに募集が開始されましたら、「お知らせ」ページで連絡します。
電話番号:03-5253-4111(内線2557)
メールアドレス:jpnatcom●mext.go.jp
※お問合わせ時は●を@に変更してください。