第68回日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会政府間海洋学委員会(IOC)分科会議事要録

※議題2、3は非公開にて審議のため、議事要録を作成。

1.日時

平成30年6月22日(金曜日)10時00分~12時00分


2.場所

文部科学省12階 国際課応接室


3.出席者

(委員)

 道田豊(主査)、河野健(国内委員)、黒田玲子(国内委員)、安藤健太郎、小達恒夫、神田穣太、齊藤宏明、坂元茂樹、須賀利雄、加藤幸弘、田中省吾、津田敦、中田薫、古谷研【敬称略】

(関係省庁)

 気象庁、内閣府、海上保安庁、文部科学省海洋地球課、国立研究開発法人海洋研究開発機構関係官

 (文部科学省(日本ユネスコ国内委員会事務局))

 川端国際統括官、池原文部科学戦略官、小林国際戦略企画官、秦国際統括官補佐、その他関係官

4.議事要録

【秦国際統括官補佐】  本日は御多忙中のところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。少し定刻より早いですが、皆様全員集合しましたので、分科会を開始させていただきたいと思います。
 事務局の秦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 IOC分科会につきましては、昨年、事務局から御連絡しましたとおり、昨年の11月末で、植松分科会主査が任期満了により退任されています。それ以降、植松前主査から、道田委員を主査代理として指名していただいております。本日の分科会の議事進行につきましては、議題2において、新しい分科会主査を選出するまでの間、道田主査代理にお願いしたいと存じます。
 それでは、道田主査代理、よろしくお願いします。
【道田主査代理】  おはようございます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいま秦補佐から御説明があったとおり、私、昨年以来、主査代理を仰せつかっております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、開会いたしますが、まず、事務局のほうで定足数の確認をお願いできますでしょうか。
【秦国際統括官補佐】  本日は、出席の委員が14名で、委員の過半数は8名以上ということになってございますので、定足数を満たしております。
【道田主査代理】  という確認を頂いたところで、ただいまから第68回IOC分科会を開催いたします。
 本日の議事のうち、議題2「日本ユネスコ国内委員会政府間海洋学委員会分科会主査の選出」、及び、議題3「第51回IOC執行理事会の対処方針等について」の議題に関しましては、公開することにより、当事者又は第三者の権利、利益や公共の利益を害する恐れがあると認められますので、日本ユネスコ国内委員会の会議の公開手続第1項に基づきまして、非公開とさせていただきます。非公開の部分を除いて、御発言につきましては、議事録としてそのままホームページ等で公開されますので、御承知おきいただければと思います。
 それでは、続きまして、前回の分科会以降、委員の交代がございましたので、事務局から御紹介をお願い申し上げます。
【秦国際統括官補佐】  本日、配付資料の中で委員名簿をお配りしているところでございますが、合計5名の新しい委員を御紹介させていただきます。
 まず、小達恒夫国立極地研究所研究教育系生物圏研究グループ長でいらっしゃいます。
【小達委員】  小達です。よろしくお願いします。
【秦国際統括官補佐】  続きまして、加藤幸弘海上保安庁海洋情報部長でいらっしゃいます。役職指定で4月1日で着任されています。
【加藤委員】  加藤でございます。よろしくお願いします。
【秦国際統括官補佐】  続きまして、河野健海洋研究開発機構研究担当理事補佐でいらっしゃいます。
【河野委員】  河野です。よろしくお願いします。
【秦国際統括官補佐】  続きまして、齊藤宏明東京大学大気海洋研究所国際連携研究センター国際協力分野教授でいらっしゃいます。
【齊藤委員】  齊藤です。どうぞよろしくお願いします。
【秦国際統括官補佐】  あと、本日御欠席でいらっしゃるのですが、升本順夫東京大学大学院理学系研究科教授が新たに着任されていらっしゃいます。
 以上でございます。
【道田主査代理】  ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【秦国際統括官補佐】  本日、配付資料としまして、資料と付いている番号のものが4種類ありますが、資料1が分科会関係活動に関する報告、資料2が3種類ございます。IOC執行理事会の議題案が2-1、2-2が議事日程案、2-3がアクション・ペーパー案ということでA4のものになっています。その他参考資料としまして、参考1から6まで資料を配付しています。
 もし不足の資料等がありましたら、途中でも構いませんので、お声掛け、お願いいたします。
【道田主査代理】  委員の先生方、よろしいでしょうか。もし途中でもお気付きのことがあれば、事務局のほうに御連絡ください。
 それでは、早速ですが、議題の1番、「前回会議以降の活動報告について」に入りたいと思います。
 本議題では、前回分科会以降の主なIOC関連の動きにつきまして、資料の順番に沿って、各御担当から御説明いただこうと思います。報告説明はそれぞれ最大でも5分程度にしていただいて、後の議題に時間を十分取りたいと思います。また、それぞれの活動に関する御質問、あるいは、補足の情報等につきましては、全ての報告を受けた後にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料1をまず御覧いただいて、最初に私のほうから、昨年の第29回IOC総会、及び、第50回IOC執行理事会、それと、二つ目のRTRCネットワーク構築に向けた取組について、簡単に御報告を申し上げます。
 資料1をごらんください。昨年の6月に、第29回IOC総会がユネスコの本部で開催されています。我が国からは、植松光夫IOC分科会主査等団長以下、関係省庁を含めて、これらの方々が出席になりました。
 直接の議題というわけではないですが、よく御承知の方もいらっしゃると思いますが、ポルトガルのMario Ruivo氏がお亡くなりになったということで、IODEから功労賞をお送りするということで、私、IODEの共同議長を務めておりますので、私のほうから、御夫人に贈呈したということがありました。
 そのほか、例年どおりの議題でありましたけれども、特に、後ほどにも議題になりますが、持続可能な開発のための、当時は国際海洋科学の10年と言っていたかもしれませんが、今、国連総会で宣言されましたので、国連海洋科学の10年ということになろうかと思いますけど、これの提案に関する議論等々が行われました。中でも、国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用、BBNJにつきましては、国際情勢の中でIOCの役割は非常に重要だということを踏まえて、事前に我が国の対処方針にも反映しておりましたし、さらには、現地に行ってからも、日本の外務省との調整を含めて、いろいろ対応した結果、IOCが当初出していたアクション・ペーパーに書かれていた決定よりも少し踏み込んだ、IOCはちゃんと積極的にやるんだというようなことが決定されまして、これにつきましては、実質的な議論について、日本が大いに貢献ができたというふうに理解をしております。
 それから、総会ですので、選挙がありましたが、我が国は無事に執行理事国として選出されたので、来月の執行理事会に理事国として出席するわけですけれども、グループ4、アジア太平洋地域の選出国はここに掲げてあるとおりですが、特記事項といたしましては、グループ1の英国及び米国が落選するという波乱がございまして、すなわち、今度の執行理事会では英米抜きで議論がされるという、ある意味厳しい状況になっているということを御説明申し上げておきます。
 以上が昨年の総会でございまして、続きまして、RTRCネットワーク、これはWESTPAC(IOC西太平洋地域小委員会)の地域に能力開発を推進しようということで、Regional Training Research Centreというネットワークを作ろうという動きがWESTPACの中で行われておりますが、これに我が国もRTRCセンターの一つを設立すべく準備をしているということです。
 昨年度はユネスコ活動費の補助金を頂きまして、大気海洋研究所がホストいたしまして、RTRC活動の研修の試行を11月にやりましたし、それから、年明けて1月には、WESTPACの幹部等を交えた今後の方向性等に関する議論をしたという内容でございます。
 実際にそのRTRCセンターを設立するためには、予算的な問題とか、いろいろございますけれども、鋭意努力をして、日本もWESTPAC地域における能力開発に対する貢献を今以上に目に見える形にしていきたいということでございます。
 その関連で、1月に行われた議論のためのワークショップにおきましては、ソムキアット・コキアッティウォン、タイのIOC副議長、これは前のWESTPACの議長でありますけれども、それから、現在のWESTPACの議長のボー・シー・トゥアン、ベトナムの方、それから、ウェンシー・ヂゥ、IOC/WESTPACの事務局長が出席しておりましたので、お忙しい中、川端国際統括官にお時間を取っていただきまして、私、とWESTPAC副議長の安藤さんとともに会談をして、今後のWESTPACの活動等について意見交換をさせていただくことができたということで、この場をかりまして、国際統括官におかれましては、お忙しいところ、どうもありがとうございました。御礼申し上げます。ありがとうございました。
 以上が私からの報告でございまして、続きまして、三つ目の項目、今も私、若干触れましたけれども、「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」の採択につきまして、これは秦輔佐、お願いいたします。
【秦国際統括官補佐】  「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」につきましては、先ほど道田主査代理から御説明のあったとおり、昨年のIOC総会で提案された議案として、今度は昨年10月、ユネスコ総会にて諮られまして、ユネスコから国連のほうへ提案するということが採択されています。その結果、国連総会のほうで、昨年の12月において採択されたということで、「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」という位置付けが2021年からされるということになりました。
 また、IOC自体を、この10年の準備期間におけるコーディネーターとして指名するということが、国連において採択されているという状況でございます。
 続きまして、IOC事務局のBarbière課長との意見交換会につきましては、昨年度2月にBarbière課長が来日された際に、海洋科学の10年の対応等につきましてご担当でいらっしゃるということですので、どんなことを思い描いていらっしゃるのかという点につきまして、意見交換会を行いました。
 先立って、分科会の委員の皆様方にも御案内さしあげておりまして、何人かの方々に御参加いただきまして、ありがとうございました。Barbière課長からは、基本的には2020年までの間は準備期間ということで、IOC事務局が加盟国と連携して企画をしていく時間に充てられているという御説明がありました。また、その間に、今日の議題にもありますが、プランニンググループを様々作ったりして、実施計画を策定するということです。また、日本としてどんな貢献ができるかということについても、積極的に議論に参画して欲しいといったような要請がございました。
 簡単ですが、以上です。
【道田主査代理】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、次の項目、WESTPACのことにつきまして、安藤委員からお願いします。
【安藤委員】  安藤でございます。WESTPAC全体の活動について、簡単に御説明させていただきます。
 昨年度の9月15日から16日にかけて、ベトナムのニャチャンにおきまして、29年度の4月の政府間会合の後、メンバーが新しくなっておりますが、諮問グループ会合、Advisory Group会合と申します、が開催されました。メンバーが新しくなって初めて開催された会合です。
 その段階では、IOCの総会もあったということで、様々な活動が計画されておりました。オフィサー(役員)がWESTPAC関連の会合に出席するので、そのスケジュール調整。それから、Research PriorityというものをWESTPACで作ろうということになっておりまして、その策定担当の決定、これは私になりました。それから、WESTPACの各種会合開催のガイドラインの作成等について議論されました。
 全体では、大変多くの会合が開催されましたが、例えば、マイクロプラスチックに関するワークショップ、それから、特に沿岸なんですが、海洋酸性化に関する研修ワークショップ、後で恐らく気象庁のほうから話があるかもしれませんが、NEAR-GOOS調整会合、調整委員会ですね。それから、新たに設置されました縁辺海ワーキンググループに関する会合、それから、CSK-2の実施可能性を検討する期間会合ですね。
 あとは、日本政府信託基金(J-FIT)によって支援を受けておりますHAB(有害藻類)、TMO(有害海洋生物)、それから、海洋リモートセンシング等の多くの会合が開催されました。日本政府からは、J-FITを通じて大変重要な支援を頂いておりまして、ここで改めて感謝申し上げたいと思います。
 9月26日から28日、フィリピンのマニラにおいて開催が決定されておりますが、その諮問グループ会合において、これらの活動のレビューが行われるという予定になっております。
 簡単ですが、WESTPACについては以上です。
【道田主査代理】  安藤委員、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、国際海洋データ情報交換、IODEに関する活動について、これは海上保安庁の御担当官ということですが、よろしくお願いします。
【黒川主任海洋情報官】  海上保安庁です。
 海上保安庁では、日本海洋データセンター(JODC)というものがありまして、国際海洋データ情報交換を行っております。昨年ですけれども、大体国内の25機関からデータを受領して、それを登録、そして、登録したデータを今度はユーザーの方に利用してもらうということで、約2万6,000件のデータ利用がございました。海上保安庁のこのJODCで受領した観測データは、米国の世界海洋データセンターにも送付しております。
 それと、第25回のIODE委員会が2019年の2月18から22日に東京で開催する予定にしております。こちらでは、今度は共同議長の選挙等も予定されております。
 簡単でございますが、これで終わります。
【道田主査代理】  ありがとうございます。
 続きまして、次の項目、IOC能力開発に関する専門家会合につきまして、これは渡辺企画官、お願いします。
【渡辺海洋地球探査企画官】  この能力開発に関する専門家会合が、今年の3月下旬にパリのユネスコ本部にて開催されまして、私が日本からの専門家ということで出席させていただきました。
 会合では、IOCの中期事業計画の4大目標の一つでありますところの海洋の「技術移転」に関する国際的及び地域的な取組について議論されております。特にIOCの技術移転に関する戦略、これは2015年から21年までのものなんですが、これの中の各地域の未達成の項目についての議論というのがなされたところであります。
【道田主査代理】  ありがとうございます。
 続けて、その他、国内外の関連動向につきまして、渡辺企画官、お願いいたします。
【渡辺海洋地球探査企画官】  関連しました国内外の動きということで、まず、第3期海洋基本計画について、これは平成19年に成立した海洋……、すみません、資料にはありません、口頭のみでございます。海洋基本法に基づく第3期の海洋基本計画が、パブリックコメント等を経て、本年5月15日の総合海洋政策本部会合での了承を受け、それから、同日の閣議決定により、策定されております。
 それから、2番目、BBNJ(国家管轄権外区域における海洋生物多様性)、先ほどもちらっと出てきましたけれども、昨年12月の国連総会におきまして、BBNJ関連の決議がコンセンサスで採択されてございます。その決議によりまして、政府間会議として当面10日間の会合を、再来年、2020年の前半までに4回開催するということで、第1回のIGC政府間会議(国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)の保全と持続可能な利用に係る政府間会議)が本年の9月4日から17日の日程で開催されるということが決まってございます。
 続けて、口頭で申し訳ないんですけれども、3番目に、後から出てきます世界海洋科学報告、Global Ocean Science Report(GOSR)ですけれども、このIOC加盟国へのアンケートを通じて、各国の海洋研究の状況等を分析したものというのが、昨年6月のSDGs14の実施支援国連会議、いわゆるUNのOcean Conferenceというやつですけれども、そこで公表されております。
 このGOSRにつきましては、引き続き、2020年の同じUN Ocean Conferenceで公表するというのに向けて、第2版の準備、それから、GOSRに掲載されるデータのポータルを作るという作業が進められてございます。これはSDGの14のAですね、各国の研究能力の指標というのがあるんですけれども、そこにそのまま採用されるものなので、重視していかなければいけないというふうに理解してございます。
 多くてすみません、4番目ですけれども、レギュラープロセスというのがございまして、これは国連のユネスコとは別のレビュープレゼンスというのがあって、世界の海洋の状況について、ずっと評価していこうという取組がありまして、2015年に第1版の内容を集約した技術要約というのを作りまして、これが同じく昨年6月のUN Ocean Conferenceで公表されてございます。この技術要約、テクニカル・アブストラクトのテーマは、BBNJと持続可能な開発、それから、気候変動対処ということで、非常に注目を集めている分野に海洋科学から貢献したものということで理解してございます。
 これも2020年に向けて、第2版のメーンの報告書を作るということで、今、作業が着々と進んでおりまして、今年の2月に目次構成と主要な執筆者が決まりまして、その後、今、執筆とレビューに協力する者、プール・オブ・エキスパートというんだそうですが、それの登録と選考が進められてございます。
 それから、最後に5番目、長くなりましてすみません、G7ですね。今月8日から9日にかけて、カナダのシャルルボアでG7の首脳会議が開催されて、コミュニケが採択されております。
 その中では、海洋につきまして、2030アジェンダ、それから、健全な海洋環境の保護、海洋資源の持続可能な利用、海洋の知識の向上、これは科学を指すものでございますけれども、それから、強靱な沿岸及びコミュニティ、さらに、海洋のプラスチック廃棄物、海ごみなどが言及されております。コミュニケの本体の中で言及されております。
 さらに、附属文書としまして、この健全な海洋と強靱な沿岸部コミュニティのためのブループリントということで、こういう課題がありますのでやっていきましょうという文書が、これも採択、承認されてございます。今年の秋に、この附属文書のブループリントについて、さらに閣僚会合、閣僚級の会合がカナダで行われるという情報がちらちらと出回っておりますので、ご参考までに申しております。
 以上でございます。
【道田主査代理】  ありがとうございました。
 ここまで、資料に基づく御説明、及び、渡辺企画官のほうから五つですかね、項目についての追加の関連報告もございました。
 これらのほか、何か追加の御報告をこの場でされるべきことをお持ちの方がいらっしゃいましたら、御発言をお願いしたいと思いますし、さらに、一連の御報告に対して御質問、あるいは、コメント等ございましたら、お受けいたします。何かございますでしょうか。どうぞ、坂元委員。
【坂元委員】  渡辺さんに教えていただきたいんですけど、今日の報告の3番目に、IOCの能力開発に係る専門家会合の技術移転に関する戦略の未達成項目についての議論が行われたということで、BBNJでは、御案内のように、能力開発と技術移転が重大な四つの項目の中に上げられていて、その中で、IOCが積極的に役割を果たすということになっている。
 その関係で、この技術移転について、IOCが例えばそういう政府間会議でお示しできるようなグッド・プラクティスみたいなものを、ここは未達成だと書いてあったんですけど、そういう技術移転のグッド・プラクティスみたいなものは結構多くあるんでしょうか。
【道田主査代理】  渡辺さん、いかがですか。
【渡辺海洋地球探査企画官】  難しいですね。専門家会合で私が直に見てきたところでは、いわゆる途上国のニーズというのが地域によって全然違う世界を見ている。中南米、カリブの世界とアジア、東南アジア等々、南アジアの世界、それから、アフリカの世界というのはまるで何か違う世界の話をしているぐらいに差があって、グローバルにこういう、キャパビルというのはこうやればいいんだというものをぱっと出せるような感じではないですね。
【坂元委員】  はい。すいません。
【渡辺海洋地球探査企画官】  もちろん、こういう技術移転がうまくいったという例をたくさん拾うことはできるんだと思います。そのWESTPAC関連のプログラムでもすごく好評なものというのはありますので、集めることはできると思いますけれども、じゃあ、それをよそでレプリケートできるかというと、非常に壁は高いという感じでございました。
 専門家会合の結果としては、BBNJのほうでクリアリング・ハウス・メカニズムというのが話題になっているけれども、それって一体どういう機能を持つんだろうか、いや、よく分からないねという話になって、これは小グループを作って更に検討を進めて、11月まで、Eメール等により議論をするということになっています。
【坂元委員】  どうもありがとうございました。
【道田主査代理】  よろしいですか。
【坂元委員】  はい。
【道田主査代理】  私のほうから補足をさせていただくとすると、坂元先生の御質問に直接お答えすることになっているかどうか分かりませんけど、御指摘のとおり、BBNJにおけるトランスファー・マリン・テクノロジー(海洋技術移転)の重要性というのはよく言われるところでありまして、それについては、IOCは従来からも手をこまねいていたわけではなくて、「クライテリア・オブ・ガイドライン」という冊子も出して、その中に、ベストプラクティスをちゃんと集めるとまでは書いてないですけど、その趣旨のこと、それもありますし、それから、技術移転の機会を提供するための一応仕組みはあるんですよね。ですけど、それが本当に機能しているのかというのが恐らくIOCに現在問われている議論だと思うんですね。今、私が申し上げたことは今度の執行理事会でも恐らく話題になるんじゃないかなと思います。
 そのほか、何かありますかね。
 私から一言。先ほど、海上保安庁のほうから御報告を頂いたIODEに関しましては、私は2015年のIODEの第23回の会合で共同議長、co-chairと言っていますけど、アメリカのシンディー・チャンドラーさんという女性の研究者とともに選ばれまして、今、2期目に入っています。
 それで、任期は2年掛け2ですので、今度の2019年のこのIODE25の会合が終わるときをもって任期が来て交代ということですので、私が共同議長を務めている間に、日本海洋データセンター、あるいは、海上保安庁様の御支援によって日本で会合ができるという、非常に有り難く思いますので、この場をかりて御礼を申し上げます。
 日本で開催する、日本はIODEに関してずっと長い貢献をしているんですけど、IODEの総会を開催するのは初めてなんですね。残念ながら、アジアで初めてではないんですけど、アジアでは3回目ですが、ということですので、補足を申し上げておきます。
 そのほか、何かございますでしょうか。どうぞ、須賀さん。
【須賀委員】  「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」に対しまして、先週、GOOS(全球海洋観測システム)の運営委員会会合がコロンビアで開催されまして、出席してきました。IOCの事務局長も出席されて、この海洋科学の10年について時間を取りまして発表していただいて、GOOSの積極的な関与というか、これを求められたというところで、GOOSとしても、海洋観測というのがこの海洋科学の10年の中で非常に大きな位置を占めていますので、この後の議題にもありますが、GOOSのストラテジー、戦略、それから、インター・メッセージ・プランの策定を、この動きと併せて進めていきたいというようなことを話し合ってきたところです。
【道田主査代理】  ありがとうございます。
 そのほか、何かコメント、あるいは、御質問でも結構です、ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、それぞれ御報告いただいた方、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、議題2ですね。「日本ユネスコ国内委員会政府間海洋学委員会分科会主査の選出」に入りますが、これは先ほど冒頭、秦輔佐のほうからお話がありましたように、本議題は非公開になりますので、もし傍聴席に傍聴者の方がいらっしゃるようでしたら、御退席をお願いしますが、大丈夫ですね。大丈夫そうですね。


<議題2 日本ユネスコ国内委員会政府間海洋学委員会分科会主査の選出>

分科会主査について審議を行い、道田主査代理を主査に選出した。


<議題3 第51回IOC執行理事会の対処方針等について>
 平成30年7月2日から6日にかけてフランス・パリで開催される第51回IOC執行理事会について、我が国の対処方針案の審議を行った。


―― 了 ――

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