令和6年6月14日(金曜日)16時00分~18時00分
オンライン開催
齊藤委員(主査)、道田委員(国内委員会委員)、河野委員(国内委員会委員)、安藤委員、今宮委員、川合委員、神田委員、清水委員、須賀委員、西村委員、平譯委員、藤田委員、牧野委員、升本委員、安中委員、脇田委員
渡辺事務総長(文部科学省国際統括官)、匂坂副事務総長(同省国際統括官付国際交渉分析官)、本村事務局次長(同省国際統括官付国際戦略企画官)、小野事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、その他関係官
【道田主査】 本日は、御多用のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻になりましたので、開会に当たりまして、事務局のほうで定足数の確認をお願いします。
【小野補佐】 失礼いたします。本日は、出席の委員が12名で、委員の過半数ですので、定足数を満たしています。なお、文部科学省、環境省、国土交通省、海上保安庁、気象庁、水産庁、内閣府等の関係省庁と海洋研究開発機構(JAMSTEC)からもオンラインで参加いただいております。また、報道からの傍聴を受け付けておりまして、議題1終了後、入室いただく予定となっております。取材は、朝日新聞社及び共同通信社から取材申込みを頂いております。
【道田主査】 ありがとうございました。
それでは、日本ユネスコ国内委員会科学小委員会第75回IOC分科会を開催いたします。
本日の議事のうち、議題1、議題4及び議題5に関しましては、事前にお伝えしておりますとおり、非公開とさせていただきます。非公開の部分を除いて、御発言は、議事録としてそのままホームページ等で公開されますので、この点御承知おきください。
<議題1 政府間海洋学委員会(IOC)分科会主査の選出【非公開】>
政府間海洋学委員会(IOC)分科会主査について審議を行い、齊藤委員を主査に選出した。
(傍聴者等入室)
【齊藤主査】 では、議題2に入りますが、その前に、前回74回分科会以降、委員及び事務局に交代がございましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。御紹介がありましたら、一言ずつお願いできればと思います。
【小野補佐】 失礼します。事務局から紹介させていただきます。
参考資料の参考1、PDFのページ番号59ページを御覧いただければと思います。こちらに名簿がございます。3名交代されております。
令和6年4月1日付けで、まず、今宮則子NPO法人海の自然史研究所代表理事が御就任されております。
【今宮委員】 今宮と申します。よろしくお願いします。
私は、科学コミュニケーションのスキルアップ講習を主に担当していまして、科学的な知見を持った方たちの知識を世間の方たちにどうやって広めていくかみたいなものを専門にしております。よろしくお願いします。
【小野補佐】 ありがとうございます。
続きまして、清水勇吾国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所水産資源研究センター海洋環境部副部長が御就任されております。
【清水委員】 このたび、中田薫水研機構前理事の後任として、この委員になりました清水と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私の方は海洋物理のほうがもともとは専門でございますけれども、現在、水産機構にいる関係上、水産の研究の推進に当たっております。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【小野補佐】 ありがとうございます。
続いて、室井ちあし気象庁大気海洋部長が御就任されております。本日、御欠席でございます。
続いて、事務局の異動を御報告いたします。2名おります。
令和5年8月8日付けで、渡辺正実文部科学省国際統括官/日本ユネスコ国内委員会事務総長が就任しております。
【渡辺国際統括官】 渡辺です。よろしくお願いします。
【小野補佐】 ありがとうございます。
続いて、令和5年8月8日付けで、本村宏明文部科学省国際統括官付国際戦略企画官/日本ユネスコ国内委員会事務局次長が就任しております。
【本村国際戦略企画官】 本村でございます。よろしくお願いいたします。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
続いて、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【小野補佐】 失礼します。配付資料、お手元にPDFでお配りしております。2つありますけれども、会議の方の議事次第で、配付資料が資料2から、今画面に共有させていただいております資料4-3、それから、参考資料としまして、参考1から参考5を御用意しております。非公開の議題で資料がありますけれども、そちらは割愛させていただきます。
1つのファイルになっておりますので、落丁等はないかと思いますが、万が一お手元に資料がないという方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。
失礼いたします。
【齊藤主査】 ありがとうございます。
<議題2 政府間海洋学委員会(IOC)に関する活動報告について>
【齊藤主査】 それでは、議題2、IOCに関する活動報告についてに入ります。
本議題では、前回の会議が開催された昨年6月以降、これまでのユネスコ本部等での主な動きの報告と、国内での取組について情報共有いただきます。時間が限られていますので、御報告はそれぞれ1~2分程度でお願いいたします。また、それぞれの御報告に関する御質問は、本議題の最後にまとめてお伺いしたいと思いますので、御了解ください。
それでは、最初に、第56回IOC執行理事会及び第32回IOC総会に関して、道田委員、よろしくお願いいたします。
【道田委員】 お手持ちの資料2の2ページを御覧ください。
昨年の6月に、執行理事会は総会の準備会合ですけれども、第32回のIOC総会が開催されています。先ほど冒頭御紹介、あるいは私も発言させていただきましたけれども、選挙では私が今期の議長に就任しておりますが、そのほか、中身の議題としては、特にここで申し上げておくべきこととしては、予算が、過去10年近い非常に逼迫した状況から改善の兆しがあるということで、ユネスコ本体の方での決議に基づいて、IOCに対する予算配分も増えるということと同時に、御承知のように、2023年夏に米国がユネスコに復帰いたしましたので、その分の貢献も期待できるということで、新しい予算に関する議論がされました。
そのほか、日本も大きい貢献をしているGEBCO、あるいは津波、IODE等々については、それぞれ進捗が議論されましたし、また、国連海洋科学の10年の4年目に当たるということで、それに関する意見交換も行われたところでございます。
詳しくは、決議とかレポートは既にウェブサイトにアップされていますので、関係するところについては御参照いただければと思います。
以上です。
【齊藤主査】 道田委員、ありがとうございました。
続いて、太平洋津波警戒・減災システムのための政府間調整グループ運営委員会に関して、気象庁の方、よろしくお願いいたします。
【気象庁】 気象庁の牛田から説明させていただきたいと思います。
こちらにつきましては、太平洋の方で行われております津波の政府間の調整グループの内容になっています。議長は、気象庁の西前調査官が務めております。
30回会合、トンガで開催されました。トンガという土地柄もございまして、火山性津波についての議論というのが行われましたし、あと、火山性津波についてのセミナーも同時に開催されたところでございます。
また、火山性津波以外の全般的なところとしましては、国連10年の津波計画についての対応を強化するという面もございまして、これらの議論に対する課題を検討するための新たなタスクチームが設置されたというところもございます。
次回会合につきましては、中国から立候補がございましたので、北京で2025年に開催されるということが全会一致で承認されたところでございます。
すみません。大事なところを言い忘れました。現在も日本の西前議長が議長を務めているというのは、このトンガの会議で西前議長が再選されたということを受けまして、今、議長を日本が務めているということでございます。
以上でございます。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
続いて、第3番、第40回のGEBCO(The General Bathymetric Chart of the Oceans)指導委員会に関して、よろしくお願いいたします。
【藤田委員】 海上保安庁の藤田でございます。GEBCOの指導委員会について、簡単に御報告します。
昨年の11月に第40回GEBCOの指導委員会がモナコで開催されました。これはハイブリッドで開催されております。
GEBCOというのは、IOCと、海図の国際機関であるIHOの共同プロジェクトでございまして、当庁は深く関わってございます。
この指導委員会は、このGEBCOのプロジェクトを監督する委員会で、今会合では、国連海洋の10年に係る取組や、IOCの戦略計画等活動報告のほか、Seabed2030のプロジェクトというのがございまして、これの取組状況、それから、GEBCOの運営方法などについて議論されております。
また、我が国としてちょっと変化がございまして、この昨年の会合をもって、30年以上にわたりGEBCOに貢献されてきた谷伸委員が退任いたしまして、当部のOBですけれども、その後の委員選考の結果、当庁の職員である齋藤宏彰が、新たなIHO側委員として本年4月に就任いたしました。
また、次回会合でございますが、本年11月にフィジーで開催予定でございます。
以上です。
【齊藤主査】 どうもありがとうございました。私と同じサイトウヒロアキ委員ということですが、どうもありがとうございました。
続いて、 IOC西太平洋小委員会 (IOC/WESTPAC)の国連海洋科学の10年と西太平洋地域会議に関する報告を安藤委員からお願いしますが、国連海洋科学の10年に関しては、議題3で改めてお願いしますので、そこの部分を除いたところで御報告があれば、よろしくお願いいたします。
【安藤委員】 安藤でございます。国連海洋科学の10年を除くというのがなかなか難しいのですが、今年の4月22日から25日に、バンコクにおいて、その国連海洋科学の10年と第11回のWESTPAC国際海洋科学会合が、併せて一緒になって開催されました。それで、ここには40か国以上から1,200名が参加いただいています。
IOC分科会からは、IOC議長の道田委員、それから、私が参加し、開会セレモニーでは、タイ国政府の副首相らがスピーチを行っております。このほか、IOC分科会からも何名か参加していただきまして、ありがとうございます。
本会合では、特に国際海洋科学会合に関しましては、25の科学セッションが開かれました。それ以外で、国連海洋科学の10年関連のワークショップとかインキュベーターが開催されております。
我が国関係者は、ここに書いておりますとおり、海洋プラスチックとか黒潮、海洋予測等々、重要な課題に関して議論がされました。
その後は、会議最終日になりますが、バンコク宣言、それから、若手・中堅海洋専門家の宣言の2つの文書が発表されております。
以上でございます。
【齊藤主査】 どうもありがとうございました。
続いて、WESTPAC関係で、WESTPACアドバイザリーグループ及び海洋空間計画専門家グループの報告なんですが、脇田委員、今、入られているでしょうか。
まだ脇田委員がいらしていないので、ここの部分は飛ばして、最後にもう一度確認したいと思います。
続いて、15回のWESTPACの政府間会合について、文科省海洋地球課の方からよろしくお願いいたします。
【戸谷深海地球探査企画官】 文部科学省海洋地球課の戸谷でございます。
資料6にございます第15回IOC/WESTPAC政府間会合は、我が国がホストすることとしておりまして、令和7(2025)年3月10日から13日の予定で東京で開催いたします。そのうち10日は、諮問グループ会合の会議に充てられる予定でございます。
以上です。
【齊藤主査】 どうもありがとうございました。
続いて、脇田先生、入られましたか。
【脇田委員】 すみません。遅くなりました。
【齊藤主査】 いえ、ちょうど脇田先生の出番だったんですが、入られてすぐで申し訳ありませんけれども、WESTPACのアドバイザリーグループ及び海洋空間計画の専門家グループに関する御報告、資料の5ページにあるんですが、それを1~2分程度でお願いできるでしょうか。
【脇田委員】 分かりました。
こちらの資料にありましたとおり、もう昨年になりますか、アドバイザリーグループに参画させていただくことになりました。そのアドバイザリーグループの会合自体は、大変申し訳ないんですが、私本人が出席できず、安藤様が御出席くださいましたので、安藤様からの御報告に代えさせていただきたいと思います。
一方、私が直接参加できましたのが、こちらの写真にありますとおり、海洋空間計画に関する第1回の専門家会合というものに参加してまいりました。昨年の11月、中国の青島で、中国第一海洋研究所が主催、WESTPACが共催という形で行われました。
当日は、中国第一海洋研究所からたくさんの若手も参加しまして、研究所長をはじめ、いわゆる重鎮が御挨拶に来るといったような力の入れ具合でした。
各国から、日本、中国、韓国、インドネシア、それ以外にもタイなどが、各国専門家が参加して、今後このWESTPACが国連海洋科学の10年のアクションプログラムとして、この海洋空間計画に地域全体として取り組んでいくということを確定していますので、そのワークプランといったようなものを、これから具体的にこのメンバーで決めていくと。そして、来年のWESTPACの日本で開催されます政府間会合において、できればそのワークプランを御承認いただきたいということで、会議自体は閉会されました。
このような形でよろしいでしょうか。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
質問は、このセッション全体の最後に受けることになっております。
続けて、道田委員から、社会経済的側面を含む海洋環境の現状に関する世界的な報告及び評価のための国連レギュラープロセスのシンポジウムについて御報告をお願いいたします。
【道田委員】 お手持ちの資料、今映していただいておりますけれども、現在、World Ocean Assessmentの第3版、レギュラープロセスの枠組みの下で作成が進んでいるところでございますが、そのために、IOCと国連海事・海洋法課 (DOALOS)とレギュラープロセスの事務局をやっているところですが、ここが今回の第3版を作るに当たって、とりわけscience-policy interfaceのところについて意見交換をするシンポジウムをしようということで、2日間にわたって行われたということでございました。
詳細は述べませんけれども、お気づきのとおり、science-policy interface、これがキーワードなんですよね。今回のWorld Ocean Assessment3において、特にここの部分については、注意をしてそれぞれ執筆しましょうということになっております。
目標年は2025年末を目途にWorld Ocean Assessmentの第3版ができることになっていますけれども、やっと執筆が開始されまして、これからしばらくの間、執筆の進捗状況に関する各種の会合がたくさん行われると、そういう状況になりますが、関係者の方々、執筆に加わっていただいている方もたくさんいると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
以上です。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
続いて、同じく道田委員より、IOC役員会について御報告をお願いいたします。
【道田委員】 IOCの役員会、Officers meetingといいますけれども、これは通常、執行理事会や総会の前の日に行われるものと、その約半年後に中間のタイミングで役員会を開催するということが行われておりまして、直近のものが今年の1月の末に、パリのユネスコ本部でIOCの事務局で行われました。私が議長になって初めてで、どう進めるのかなという感じもありましたけれども、基本的には事務局がしっかりしていますので、事務局が用意したいろんな議題、ペーパー等に基づいて、副議長5人、あるいは、事務局長の間で意見交換をすると、こういうことでございました。
オブザーバーとして、私のIOC議長としての仕事をサポートしていただいております海洋研究開発機構の飯島さんにも参加いただいて、大変助かりました。
御承知のとおり、ウラジーミル・リャビニン前事務局長が退任されまして、このときはまだ事務局長だったんですけれども、退任されまして、ちょうどトランジションということで、新しい今度の事務局長のヴィダール・ヘルゲセンさんもこの役員会にはフルに参加しておりまして、最初から最後まで議論を聴取していたということです。
予定どおり3月1日にヴィダールさんは着任しておりまして、なかなか有能な感じの人ですので、この人の下で事務局機能が一層強化されるといいなと思っているところです。
以上です。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
続いて、議題の方には「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」の推進がありますが、これは議題3で御報告・議論いただきますので、次の方に回したいと思います。
それでは、ただいままでの御報告について御意見、御質問がありましたら、挙手ボタンを押していただくようにお願いします。また、御発言の前にお名前をお願いいたします。
いかがでしょうか。特にございませんか。
<議題3 「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」について>
【齊藤主査】 それでは、特にないようですので、次の「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」についてに移りますが、もし何かあれば、またその場でも御質問していただければと思います。
それでは、続きまして、議題3、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」についてに移ります。資料3-1から3-4になります。
まず、2024 Ocean Decade Conference及びその成果文書である「バルセロナ声明」について、御報告をお願いします。
まず、道田委員からお願いいたします。次いで、牧野委員、環境省からということにしたいと思います。では、道田委員、お願いいたします。
【道田委員】 ありがとうございます。
バルセロナ・ステートメントというのが資料の10ページぐらいからついていますけれども、4ページほどの文書になっておりますが、バルセロナの大きなカンファレンス、1,500人ぐらいの参加がありました。本会議が3日間ですが、その前2日間にわたって、サテライトイベントと称して、バルセロナ市内の多数の会場に散らばった形で、パラレルにいろんなセッションが行われております。
その結果の文書という位置づけのものですが、中身を見ていただきますと、大小ありますけれども、5つのパートに分かれておりまして、1つ目は改めて社会的課題の整理、2つ目はそれに必要なサイエンスのインフラストラクチャーのあるべき姿、3つ目が共通課題、リテラシーであるとか、そういったことですね。それから、特出し的に小島嶼開発途上国 (SIDS)、後発開発途上国 (LDC)への配慮、最後に、これからいろんなパートナーを募っていく。もう4年目を迎え、間もなく中間年に差しかかるわけですけれども、ますます加速するために、より多くの方々を巻き込む必要があると、こういうようなステートメントです。
読んでいただきますと分かりますが、これまでも言われてきたことで、そうだろうなと思うことが書かれていますけれども、改めてそれを確認するという文書になっています。
文書としては特段問題のあるものではありませんけれども、これらに書かれていることをキーワードとして、これから残り6年間の海洋科学の10年の活動が推進されるといいなと、そういうことであります。
今度の第57回の執行理事会にも関係しそうなところを1つだけ申し上げておきますと、11ページの十幾つありますけれども、それぞれ解決すべき社会的課題のエッセンスが書かれていますが、そのうちの上から6つ目、「Underpin」で始まる文が一文ありますけれども、ここのキーワードが、Sustainable Ocean Plansというのがあります。これ、最近キーワードになっておりまして、今度のIOCの執行理事会でも、このタームが多分出てまいります。
Marine Spatial Planning、先ほど脇田委員から御報告がありましたけれども、それのさらに先を目指して、Sustainable Ocean Plansというので、より一層社会課題の解決を進めていこうと、そういうこと、詳しく述べても切りがないので、これぐらいにしますけれども、これがキーワードになっていまして、これがバルセロナのステートメントにもしっかり盛り込まれていると、こういうことでございました。
以上です。
【齊藤主査】 ありがとうございます。
続いて、牧野委員から御報告をお願いいたします。
【牧野委員】 牧野でございます。今お手元にある資料、先ほど道田さんから説明がありました4月のバルセロナの会議ですけれども、サテライトイベントが多数、100以上ありました。道田議長はIOC代表の立場で様々なサテライトイベントに参加されて、御挨拶されていました。
私も、そこにありますように、北太平洋海洋科学機関 (PICES)と International Council for the Exploration of the Sea (ICES)で実施しております研究プロジェクト、「What is the Ocean We Want?」といいますサーベイですけれども、それのサテライトイベントを開催しました。パネルディスカッションのときには、道田委員にも御参加いただいて、そこにイラストが載っていますけれども、右側がパネルディスカッションで、海沿いでみんなしゃべっているという設定になっていますが、一番向こうに座っているのが道田さんです。手前から2人目が私ということになっていますけれども、1番手前がICESの事務局長、アラン・ヘイニーですね。このように議論の様子をグラフィックで記録するというようなことも行いました。
そのほか、本会議の方には、環境省、文科省はもちろん、気象庁、海洋研究開発機構、笹川平和財団等からも参加者があったわけですけれども、特に環境省からは、プラスチックごみモニタリングについて、AOMI等の御紹介も頂きました。
それから、東京大学の原田尚美さんが中心になって、JAMSTECと笹平財団で一緒に海洋リテラシーに関する議論等も、サテライトイベントで行われておりました。
私からは以上となります。
【齊藤主査】 ありがとうございます。
続いて、環境省から、 Atlas of Ocean Microplastics (AOMI)に関してよろしくお願いいたします。
【環境省】 環境省海洋環境課で海洋プラスチック汚染対策室の藤岡と申します。
ただいまの御紹介にありましたとおり、効果的なプラスチック汚染対策の更なる推進に向けて、環境省の方で比較可能なデータの収集を進めておりますところ、その関連で、これまで構築してきたモニタリング方法のガイドラインや、今年度構築したデータベースの、更なる利用拡大に向けて、今回Ocean Decadeの方でアウトリーチをさせていただきました。
以上です。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
続いて、第2回「国連海洋科学の10年」西太平洋地域会議に関すること、それから、その成果文書の「バンコク宣言」について、安藤委員からお願いいたします。
【安藤委員】 安藤でございます。資料を戻っていただきまして、WESTPACのところですが、4ページ目の2つ目のパラになりますが、今回の地域会合では、25の科学セッション、これはシンポジウムのほか、国際海洋科学会議のほうですが、「国連海洋科学の10年」に関しましては、13のアクションに係るワークショップが開催されております。それから、12のアクション・インキュベーターが開催されています。
過去にも、第1回のときは、この幾つかのワークショップ、それから、インキュベーターから、現在WESTPACが関連しております4つのプログラム、プロジェクトが出来上がりましたが、今回も、こういった活動の中から幾つか、プログラム、プロジェクト、コントリビューション等々が出てくればよいなというふうには今考えております。
それで、後ろの方に行っていただきまして、資料3-3になりますが、BANGKOK DECLARATIONというのを作りました。こちらの方は、書いていることは、引き続き「国連海洋科学の10年」頑張りましょうというような感じなんですが、最終日に若い方が壇上に上って、これを全部読み上げるということをやりました。それから、最後のパラ、そこは会場の皆さんで読み上げるという、ちょっとしたセレモニーになっております。
これに加えまして、海洋若手専門家 (ECOP)の方々も宣言文を出しております。
ECOPでまとめようとしたときに、もうちょっとミッドキャリアの方もということで、ECOP Mid-Career Ocean Professionalsという形で、ECOP、MCOPの共同宣言という形に結果としてはなりました。
16ページ、これがデクラレーションに関して皆さんサインしてくださいということで、ペンが置いてありまして、参加者が好きにサインしたということになっております。
以上になります。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
それでは、私から、10年諮問委員会における議論について御報告をさせていただきます。資料の7ページから8ページを御覧ください。
Decade Advisory Boardのメンバーが替わって、私は実質的には2024年からメンバーになったんですけれども、その1回の会合はオンラインで、2回の会合は5月22日から23日にパリにおいて開催されました。
特に2回会合において、UNDOSの現在の活動状況等の議論がされて、その中で、5つのプログラムがプロポーズされたんですが、そのうち2つはエンドースされたんですけど、3つに関しては改訂を望むというような意見がついております。日本からの応募はなかったわけですが、そういった状況があります。2つのうち1つは西アフリカからのものでありました。
それから、ここに書いてあるように、様々な議論が行われたんですけれども、特に2025年5~6月に海洋科学の10年に関する中間評価というものが行われるんですが、それに向けた過程が確認されていて、幾つか、ここにあるように、Governance and Coordinationとか、Resource Mobilizationとかとあるんですが、こういったIOCの評価の基準がございますけれども、特にDelivery for Impactということで、科学はたくさんいろんなプログラムができて行っているんですけれども、それをどうやって実際の政策とか人間の活動、行動の変革につながるか、そういったものに関して集中的に行うということが確認されました。
評価のTerm of Referenceに関しては、次回の57回IOC執行理事会において報告されます。
それで、もう1つ、国内委員会の役割というものに関して少し議論が長くされまして、先ほど道田委員から御紹介のあった、例えば、バルセロナ宣言においても、Underpin evidence-based Sustainable Ocean Plans at all the national levelというふうに、国ごとにやってほしいという、そういった考えがあってですね。つまり、ばらばらになっているものではなくて、国ごとにある程度やってほしい。政策とか実際の行動に移すために何をしたらいいのか、そういったことに関して活動するということが議論されました。
その意味で、ナショナルコミッティの役割というのはかなり大きいというふうに認識されていますが、ナショナルコミッティ自体は、かなり国によって性格は全く違いますので、それぞれの国に合ったもので進めていくという形になるのかというふうに思います。
それから、科学のプロジェクト、アクティビティはたくさんあるんですが、それをどうやってポリシーに繋げていくかという、そのプロセスに関しても議論が必要だということで、Decade中間に入ってきて、科学、アクティビティは非常に活発にやられている状況ですけれども、それをDecadeの目標にどうやってつなげていくかということを中心にアドバイザリーボードでは議論しているという状況になっております。
第3回会合はオンラインで9月、そして、続いて11月から12月に第4回が行われる予定となっております。
私からは以上です。
それでは、最後に、国連海洋科学の10年の国内委員会について、道田委員から御報告をお願いいたします。
【道田委員】 御報告します。
今そこの資料にありますように、今年の2月の終わりにオンラインで、毎年1回やっている国内委員会が開催されました。今御報告のあった齊藤主査がDecade Advisory Boardのメンバーになられているということもあり、齊藤先生にも国連海洋科学の10年国内委員会に入っていただくということが承認されています。
そのほか、現状の活動報告等がなされて、それは後ろの方の資料3-4でついておりますので、見ていただければと思うんですけれども。一般へのリーチアウトをしなくてはならないということがあるので、3月29日に、資料にも若干そのことが言及されていますけれども、「『国連海洋科学の10年』を知ろう!」というタイトルの一般向けシンポジウムを東京大学の小柴ホールで開催をしたりもしています。
この国内委員会自体は、日本海洋政策学会の坂元会長と、笹川平和財団の角南理事長が共同議長を務めていらっしゃって、私、道田と、笹川平和財団の阪口さんの二人で幹事を務める、そういう立てつけになっております。
せっかくある委員会ですので、これを基に活発に国連海洋科学の10年の国内の活動が進むといいなというところでありますが、同じ認識に立って、先ほど話題になったバルセロナのカンファレンスでも、これはサテライトイベントですけれども、Decadeナショナルコミッティのセッションがありましたし、それから、各国国内委員会のポスターが十数枚ポスター会場に掲示されたりして、いかにうまくこのファンクションを使って国連海洋科学の10年を活性化するのかということがやっぱり課題ですので、日本の国内委員会としても、その点についてさらに議論を深めていって、実際の活動に繋げられるといいなと思っています。
以上です。
【齊藤主査】 ありがとうございました。
最後に、資料の8ページに、その他ということで、現在、日本海洋学会と海洋政策学会の共同編集によって、朝倉書店より「海の事典」というものを出版する予定であって、原田尚美氏が編集委員長を務め、道田委員・牧野委員が編集委員を担当しているということが書いております。「国連海洋科学の10年」で設定された7つの社会的成果に応じて章を構成しております。2025年前半の刊行を目指して編集作業中であるということだそうです。
以上で、これまでの御報告をいただきましたけれども、これまでに関して御意見、それから、御質問をお願いいたします。御発言がある場合は、挙手ボタンによってお知らせください。
それでは、道田委員、よろしくお願いします。
【道田委員】 ありがとうございます。道田でございます。
先ほどちょっと言い損なったんですけれども、脇田委員から御報告のあった海洋空間計画について、御承知の方も多いと思いますけれども、国内においては、再エネ海域利用法が改正になりつつあって、衆議院はもう通過したんですね。今国会の終了までに成立すると思いますけれども、その附帯決議というのがあって、附帯決議に海洋空間計画しっかりやりましょうみたいな趣旨のことが書かれていますので、いよいよ日本も海洋空間計画に取りかかるという、そういうフェーズに入ってきましたので、脇田委員におかれては、諸外国の状況をよく調べておいていただくと同時に、日本国内の海洋空間計画の推進についても御尽力いただけるといいかなと思います。
コメントです。ありがとうございました。
【齊藤主査】 道田委員、ありがとうございました。
このことについて、何か追加のこととかございますか。脇田委員、よろしいでしょうか。
【脇田委員】 ありがとうございます。海外の状況について、私、今、在外研究でオーストラリアにおりまして、引き続き、オーストラリアだけではなく、太平洋島嶼国調査、ニウエなどもしておりますので、その辺りの情報もしっかり収集して、日本の国内にもフィードバックさせていただきたいと思います。
ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。
【齊藤主査】 脇田委員、ありがとうございます。
それでは、そのほかの質問、御意見等ございましたら、挙手でお願いいたします。
もしないようでしたら、私からよろしいでしょうか。
国内委員会、それから、国連海洋科学の10年の日本における活動全般に関わることですけれども、特にアドバイザリーボードでも議論されていましたように、国内委員会の役割というものは、どういうふうに科学の結果をつなげていくかという意味では、非常に大事になってくるかと思います。
特に10年の中期を迎えるに当たって、科学の結果をどうまとめて、ポリシーにつなげていくか、または、人々の活動、行動変革につなげていくかということが大事になると思います。そういう意味で、ただ、海洋科学の10年に関して、SDGsに比べると、やはりまだプレゼンスが十分ではないのかなということがありますので、私も国内委員会の委員になったところですけれども、ウェブを通じた発信等をさらに積極的にやっていく必要があるのかというふうに思います。
先日、ECOPの会議が行われて、非常に若手の方がたくさん参加していただいてよかったんですが、今回、そのシンポジウムでECOPの会にお誘いいただいたので初めて知りましたという方もいたような形で、やはり少しそういった意味では、国内委員会を中心に、海洋科学の10年というものをより積極的にアピールし、アウトリーチを盛んにしていく必要があるのかなというふうに考えております。
私は以上ですが、何か追加の、国内委員会関係またはアウトリーチ等で何か御意見、御質問等ございますか。よろしいでしょうかね。
では、この意見も、国内委員会の中で議論していきたいと思います。
そのほか、御質問、御意見ございますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
特にないようですが、では、私からもう1点だけ。バルセロナの会議では、若手のECOPとか、いろんな方が出て、科学者以外が出ていたんですが、日本から沖縄の小学生の活動があって、海の海藻を守る、実はジュゴンが来て食べてしまうんですが、そういったものを守る活動をしていて、それをファンドレイジングというか、そういうものをやって守る活動をしていて、海を守る、海を知る、そして、自分たちの地域を知るというような活動をしていました。
それが表彰されて、実は私がその表彰の賞状みたいなものを渡したんですけれども、日本からこういう活動が増えていくということは、海洋科学の10年が進む上でも十分ですし、科学コミュニケーションとか、そういった意味の中でも非常に大事なことなのかなというふうに思います。
日本からこういうことが行って、わざわざタイまで来てくれたんですけれども、やっぱりこういった活動を続けていくということも大切なのではないかと考えております。
私からの報告ですが。
今宮委員等、いかがでしょうか。何かコメント等はございますか。
【今宮委員】 私も普段から一所懸命活動しているんですけれども、自分たちが直接やるのもそうですけれども、海洋の知識を持っていらっしゃる方たちが、それを子供たちとか大人にどうやったら効果的に伝えることができるかというようなところを日々研究したりとか、あと、研修という形で実践したりとかしています。今後もそれを引き続き続けていきたいと思っています。よろしくお願いします。
【齊藤主査】 どうもありがとうございます。
それでは、そのほか、御質問、御意見いかがでしょうか。
それでは、これで議題3については終了させていただきます。
(傍聴者等退出)
<議題4 第57回政府間海洋学委員会(IOC)執行理事会の対処方針について【非公開】>
令和6年6月25日から6月28日にかけて開催される第57回IOC執行理事会について、我が国の対処方針案の審議を行った。
── 了 ──
国際統括官付