第73回日本ユネスコ国内委員会科学小委員会政府間海洋学委員会(IOC)分科会議事録

 

 1.日時

令和4年5月27日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン開催

3.出席者

(委員)

道田主査(国内委員会委員)、河野委員(国内委員会委員)、渡邉委員(国内委員会委員)、安藤委員、川合委員、神田委員、齊藤委員、須賀委員、中田委員、西村委員、平譯委員、藤田委員、牧野委員、升本委員、森委員、安中委員、脇田委員

(文部科学省(事務局))

岡村事務総長(文部科学省国際統括官)、白井事務局次長(同省国際統括官付国際戦略企画官)、堀尾事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、その他関係官

4.議事録

【道田主査】  皆様、おはようございます。本日、御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。定刻になりましたので、まず、事務局で定足数の御確認をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  本日は、現在出席いただいている委員が16名で、委員の過半数ですので、定足数を満たしております。
 なお、本日は一般傍聴及び報道関係者の取材を受け付けておりまして、共同通信社の方が取材をされておりますので、予めお知らせいたします。
 また、内閣府、環境省、文部科学省海洋地球課など関係省庁、及び、JAMSTEC (海洋研究開発機構)からもオンラインにて参加いただいております。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまから第73回IOC分科会を開催いたします。
 本日の議事のうち議題3及び4に関しましては、事前にお伝えしておりますとおり非公開とさせていただきます。非公開部分を除いて、御発言は議事録としてそのままホームページ等で公開されますので、御承知おきいただくようお願いいたします。
 それでは、まず前回、第72回の分科会以降、委員及び事務局に交代がございましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  それでは、配付資料の参考1を御覧ください。
 令和4年4月以降、委員が新たに着任されておりますので、御紹介いたします。渡邉綱男委員、川合美千代委員、藤田雅之委員、森隆志委員、安中さやか委員が新たに着任されておりますので、御報告いたします。
【道田主査】  ありがとうございます。
 それでは、新たにこの分科会に着任された委員の皆様方、今御紹介あったとおりでございますけれども、順に一言ずつ御挨拶をお願いいたします。
 まず、川合委員、お願いいたします。
【川合委員】  東京海洋大学の川合と申します。科学海洋学が専門で、極域を対象にして物質循環や地球環境変動など、あと、海洋酸性化の研究などを行っております。よろしくお願いいたします。
【道田主査】  よろしくお願いいたします。
 続きまして、藤田委員、お願いします。
【藤田委員】  4月から海上保安庁海洋情報部長を拝命しております藤田でございます。以前からこの委員会には大変お世話になっております。よろしくお願いいたします。
【道田主査】  よろしくお願いいたします。
 続きまして、森委員、お願いいたします。
【森委員】  気象庁大気海洋部長の森でございます。気象庁、御案内のとおり、気象、地象、水象、自然現象全般を扱っておりまして、この委員会とも密接な関係があると認識しております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【道田主査】  よろしくお願いいたします。
 では、安中委員、お願いします。
【安中委員】  東北大学の安中と申します。データ解析によって大規模スケールでの海洋環境変動を明らかにする研究をしています。よろしくお願いします。
【道田主査】  よろしくお願いします。
 それでは、渡邉委員、お願いします。
【渡邉委員】  ありがとうございます。皆様、おはようございます。自然環境研究センターの渡邉と申します。生物多様性、あるいは、自然環境政策を専門としています。IOC分科会とMAB(人間と生物圏)計画分科会に参加させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。
【道田主査】  よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 続きまして、事務局の交代について、事務局から御紹介をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  事務局の異動についてお知らせいたします。
 本年4月1日より、文部科学省国際統括官、日本ユネスコ国内委員会事務総長として岡村直子が、国際企画戦略官、日本ユネスコ国内委員会事務局次長として白井俊が、また、ユネスコ第三係長として氏師大貴が着任しております。また一昨年度から国際統括官付にはおりますが、私、国際統括官補佐の堀尾も、今年度より、IOCをはじめ、科学を担当させていただくことになりましたので、併せて御報告いたします。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、開会に当たりまして、岡村国際統括官から一言お願い申し上げます。
【岡村国際統括官】  御紹介いただきました岡村でございます。4月1日に文部科学省の国際統括官、そして、日本ユネスコ国内委員会事務総長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、政府間海洋学委員会(IOC)分科会委員及び関係省庁の皆様におかれましては、お忙しいところ御出席を頂きまして、誠にありがとうございます。
 本日は、6月14日からパリのユネスコ本部で開催されます第55回IOC執行理事会に参加するに当たりましての対処方針について御意見を頂くこととなっております。
 今回のIOC執行理事会は、約3年ぶりでの対面での開催となります。この間、新型コロナウイルスの影響により活動が制限される中におきましても、各専門分野における海洋研究ですとか、他国との事業連携等を継続的に御推進いただきました。
 それから、コロナということで、多くの会議が対面ではなくオンラインで実施されているということで、特に日本は時差の関係もあり、深夜に及ぶ御対応を頂きましたこと、先生方、関係省庁の方、皆様にこの場をお借りして改めて感謝申し上げます。
 持続可能な開発のための国連海洋科学の10年におきましても、2年目となります本年は、2030年に向けた活動の更なる活発化のためにますます重要な年でございます。海に囲まれ世界各国で海洋調査を実施している我が国といたしましては、海洋学における様々な分野で国内外に貢献していくことが求められます。関係省庁からの委員を含めた分科会委員の皆様の御協力を得ながら、事務局といたしましても最大限努力をさせていただきます。引き続き皆様の御支援と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。
【道田主査】  岡村統括官、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から今回の会議の配付資料の確認をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  本日の会議資料につきまして、議事次第を御覧ください。
 事前に委員の皆様にメールで配付しておりますが、配付資料1-1から資料3-2、また、参考資料としまして、参考1から参考6、そして、委員の皆様と関係省庁には、議題3の非公開の議事で扱います席上配付資料1を配付させていただいております。不足等ございましたら事務局にお申し出ください。よろしくお願いいたします。
【道田主査】  ありがとうございます。
 
<議題1 前回会議以降の活動報告等について>
 それでは、議題の1、前回会議以降の活動報告等についてに入ります。
 本議題では、前回の会議が開催された昨年6月以降、これまでのユネスコ本部等での主な動きの報告と国内での取組について情報共有をするということといたします。報告並びに説明は、それぞれ最大3分程度でお願いいたしたいと思います。また、それぞれの活動に関する御質問は、全ての御報告を受けた上で、最後にまとめてお伺いしたいと思います。
 それでは、まずは最初に事務局から、本件について御報告をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  ありがとうございます。それでは、資料1-1と資料1-2に基づき報告させていただきます。
 資料1-1、通し番号2ページ目になりますが、昨年5月末から1年間の活動についてまとめさせていただいております。個別の会議やイベントについては、それぞれ関わっていただいた方々、先生方から後ほど補足説明をいただければと思いますので、詳細は省略させていただきます。
 まず、第31回IOC総会が昨年、令和3年6月14日から24日にオンラインにて開催されました。日本からは、道田IOC分科会主査をはじめ、関係委員、また、関係省庁から出席を頂いております。会合では、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の活動や、IOCINDIO(IOC Regional Committee for the Central Indian Ocean:中央インド洋地域委員会)の小委員会化について議論が行われました。詳細については、資料1-2を御覧いただければと思います。
 また、同総会におきまして、IOC執行理事会メンバーの選挙も行われ、我が国は引き続き執行理事国として選出されております。
 次回の会合は、本日対処方針を御議論いただきますが、本年6月14日から17日にパリにて開催されます。また、第32回IOC総会及び第56回IOC執行理事会が来年の6月頃に予定されています。
 次に、アニメ映画「深海のサバイバル!」とのタイアップ、こちらは持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の認知度向上に資する取組として登録されております。
 また、国連海洋科学の10年のキックオフ会合が隠岐ジオパークにて開催されました。こちらは昨年11月13日に隠岐ユネスコ世界ジオパークで開催しております。
 次に、国連海洋科学の10年西太平洋周辺地域キックオフ会合が、こちら昨年11月25日から26日に、タイ王国の支援によって、IOC/WESTPAC(IOC Sub-Commission for Western Pacific:IOC西太平洋地域小委員会)が主催する会議としてオンラインにて開催されております。
 次、4ページに移りまして、全球海洋観測システム(GOOS)運営委員会第10回会合第二部が、昨年11月29日から12月1日にオンラインで開催されております。
 また、第11回会合が本年4月25日、26日、28日、5月3日にオンラインで開催されております。
 海洋教育に関する国際シンポジウム「持続可能な地球に向けた海洋教育の役割」として、昨年12月5日に東京大学海洋教育センターによって開催されております。
 次に、5ページに移りまして、第29回太平洋津波警戒・減災システムのための政府間調整グループ(ICG/PTWS)が昨年12月にオンラインで開催されております。
 第1回国連生態系回復の10年-里海再生国際シンポジウムが、今年の2月9日に笹川平和財団海洋政策研究所、国連大学サステイナビリティ研究所及び環境省の主催の下に開催されております。
 また、続きまして、第1回国際海洋データ会議、国連海洋科学の10年の開始と国際海洋データ・情報交換(IODE:International Oceanographic Data and Information Exchange)の発足から60年を記念し、本年2月14日から16日にポーランド・ソポトにおいてハイブリッドで開催されております。
 次のページに移りまして、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」日本国内委員会・研究会が令和2年に設立され、昨年の10月5日には第2回国内委員会及び研究会が開催され、今年の2月22日には第3回が開催されております。
 次に、第2回WMO(World Meteorological Organization)-IOC合同協働評議会が、今年の3月1日から2日にオンラインで開催されております。
 次、第38回GEBCO(General Bathymetric Chart of the Oceans:大洋水深総図)指導委員会が、本年4月20日から22日、モナコにてハイブリッドで開催されております。
 最後に、世界海洋評価(World Ocean Assessment)専門家グループが、こちら国連の世界海洋評価第3版の作成に向けた専門家グループですが、今年5月9日から13日、ニューヨークの国連本部別館にてハイブリッドで開催されております。
 以上になります。
【道田主査】  堀尾補佐、ありがとうございました。
 これ以下、資料の順番に従って各委員及び関係省庁の方々から御報告いただくところですが、まずは、最初にありました去年の第31回のIOC総会について、今、事務局からの説明があったところでありますけれども、また、資料1-2、これが昨年のIOC総会の報告セット版になっていますが、御出席いただいた先生方、委員の方々、あるいは、関係省庁の方々から何か補足がございますか。あれば、オンラインの参加の方、挙手等お願いします。あるいは、そのまま直接御発言いただいても結構です。
 よろしいですか。私から1点補足をしましょうか。私、資料1-2の団長所感のところの、報告書のページ数で言うと3ページ目の一番下の段落ですけれども、去年オンライン開催ということで、情報共有をきちんとしようということから、各国に直前になってナショナルレポートを書けという話が来て、えっと思ったのですけれども、当時のこちらの国際統括官付の事務局の方々が頑張っていただいて、日本はきちんと対応したのですけれども、出したのはロシアとインドと日本だけという状況で、かつ、総会の会議中に全く言及されないという、少し承服し難い状況だったので、一言申し上げたということです。
 今年の、今回の執行理事会について、このような要請は来ていない。まさかこれから来ることはないと思いますけれども、いずれにせよ、事務局側もオンライン開催で慌てていたということの表れだと思いますけれども、日本として言うべきことを言っておいた方がいいかなと思って申し上げたということであります。
 そのほか、何か委員の方から補足ありますか。あるいは、関係省庁の方も、よろしいでしょうか。
 総会で議論された幾つかの議題等については、この後の各報告の中に若干関係しますので、その中でも触れていただければと思います。特段ないようでしたら、次に行きましょうか。
 それでは、今事務局から概要を資料1-1に基づいて御報告いただいたところですけれども、順にそれぞれ補足を求めますので、短めに、最大3分程度以内で補足をお願いできればと思います。
 資料1-1の順に従って、まずはアニメ映画の「深海のサバイバル!」、それから、その次の隠岐のジオパークの国連海洋科学の10年キックオフ会合について、文部科学省海洋地球課及び国際統括官付から何か補足がありましたらお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  国際統括官付ですけれども、隠岐ジオパークのキックオフ会合につきましては、ジオパークがユネスコの事業になりまして、世界ジオパークがユネスコ事業として連携をとっているのですけれども、こちらがIOCとも連携しながらこの国連海洋科学の10年を、隠岐で、連携してこの取組をして、この国連海洋科学の10年も入れたという形になります。
【道田主査】  ありがとうございます。
 映画の件はよろしいですか。海洋地球課は何かありますか。よろしいですか。
【戸谷深海地球探査企画官】  海洋地球課の戸谷でございます。
そこに書いてあるとおりでございますが、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の初年度ということで、株式会社東映との協力によりまして、アニメ映画「深海のサバイバル!」につきまして、壁新聞型のポスターを全国の幼稚園、小学校、義務教育学校、特別支援学校に配置したほか、文部科学省のYouTubeチャンネルにおきまして、映画のプロデューサーとJAMSTECの研究者の対談動画を掲載して、2,000を越える視聴者数と、一定の成果を得ました。こちらのリンクもございますので、よろしかったら御覧ください。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 続きまして、次の項目は、国連海洋科学の10年西太平洋周辺地域のキックオフ会合、昨年11月でしたけれども、これにつきまして、IOC/WESTPACの共同議長を務めていらっしゃる安藤委員、及び、文部科学省から補足があればお願いします。
 まず、安藤委員、お願いします。
【安藤委員】  おはようございます。安藤でございます。
 私、このキックオフ会合はオフィサーとしてサポートいたしました。この中で、1段目に書いてあるのですけれども、このキックオフ会合はプレナリーという、ハイレベルな方を集めたセッションと、下に書いてありますが、インキュベーターという、国連海洋科学の10年の一つの眼目であります、研究者を交えたステークホルダーとの会合という部分、その二つに分かれておりました。
 一つ目のプレナリーですけれども、ここには、上段が政府関係者によるビデオメッセージという形になっております。この中で、文部科学省の柳文部科学審議官からのビデオメッセージを頂きました。ここで改めて御礼申し上げます。その後のラウンドテーブルにも、笹川平和財団の阪口所長に登壇いただきました。
 その後は、その残りの時間は、インキュベーターと言いまして、幾つかのWESTPACのプロジェクト、若しくは、この当該地域の活動をやっている方々に、申請により受け付けて、17のインキュベーターを実施することができました。そのうち7件は日本の専門家が主導的な立場で実施していただきました。これら7件は、私がやっております第2回黒潮国際共同調査、それから、アジア縁辺海、これは富山大の張先生、それから、赤潮等有害プランクトン発生、これは委員でもあります脇田委員、それから、リモートセンシングを用いた藻場、海洋データ同化、これは気象庁の方の協力がありました。海洋生物多様性等の国際共同研究、マリンライフ2030を中心としたもの、それから、やはりECOP(Early Career Ocean Professionals)、若手研究者による海洋科学コミュニケーションの強化というセッションの7件がありました。
 この後、17件の中から、WESTPAC全体でこのキックオフ会合では17件あったのですが、その後、WESTPACから7件、第2回のDecade Actionの申請にUN Entities(国連機関)という形で登録をいたしまして、4月の段階で登録が認められたということが分かっております。
 以上でございます。
【道田主査】  安藤委員、ありがとうございます。
 そのほか、海洋地球課は何かないですか。よろしいですか。
【戸谷深海地球探査企画官】  海洋地球課からは特に補足ございません。
【道田主査】  ありがとうございます。
 今、安藤委員からお話がありましたように、これまでも西太平洋地域、WESTPACについて、我が国は力を入れてきているところでございますが、特にインキュベーター17のうち7件が日本主導ということで、これまで以上に日本のプレゼンスがよく見えたかなという気がいたしますので、専門家の方々に感謝申し上げるとともに、引き続き日本がリーダーシップを取るべきところはしっかりとっていくということかなと思います。ありがとうございます。
 よろしければ、続きまして、GOOS、全球海洋観測システムの運営委員会について、須賀委員及び気象庁から補足があればお願いいたします。
【須賀委員】  須賀です。では、補足させていただきます。
 GOOSの運営委員会は、一昨年、昨年とオンラインという制約があるので、パート1、パート2と、2部構成で、春と秋にやったのですが、これはそのうちの昨年第10回の第2部ということになります。
 特にGOOSのRegional Alliances(地域連合)とRegionalなプロジェクトを、代表を呼んでワークショップをして、GOOSの地域的推進について議論したと。それで、GOOS地域政策ワーキンググループというものを作るということを決めたりしました。これは日本も入っているNEAR-GOOS(北東アジア地域海洋観測システム)というのがありますけれども、全部で10以上のRegional Alliancesがあるのですが、それの活動をいかに活性化していくかということで、この議論は実はその先にある、今度は個別の各国のプログラム、各国のGOOSプログラムであるとか、一応それを取りまとめてくれるということが期待されているGOOS National Focal Pointsの議論なども、この裏といいますか、その先の話として議論されたということです。
 もう一つは、WMOの全球基本観測ネットワーク、Global Basic Observing Networkというのに今まで海洋の要素が入っていなかったのですが、これに海面水温、あと、海面気圧、それから、上層、これはARGO(アルゴ:全球海洋監視システム)が測っている2,000メートルまでの水温、塩分ということになると思うのですが、これを加えると決めたというか、WMOに提案することを決めたということです。
 それから、実は図は下の方の報告にあるのですが、GOOSの提案したUN Decade(United Nations Decade of Ocean Science for Sustainable Development:持続可能な開発のための国連海洋科学の10年)の三つのプログラム、Observing Together(オブザービング・トゥギャザー)、Coast Predict(コースト・プレディクト)、それから、Ocean Observing Co-design(オーシャン・オブザービング・コデザイン)、これを推進するというのをDecade Coordination Unit(国連海洋科学の10年調整ユニット)と協力して推進するということについて議論しました。
 続いて、第11回会合、これは先月から今月初めにかけて開催されたばかりのものですが、ここではGOOSのガバナンス、プログラム、IOCとWMO、それから、UN Environment Programme(国連環境計画)、それから、国際学術会議(ISC)が共催するプログラムとしてのGOOSということではなく、本物の観測システム全体、これのガバナンスということを議論しています。
 それから、Implementation Plan(実施計画)の実施状況について、報告を聞いて助言をすると。
 それから、これ重要なのですが、GOOSというとIOCのプログラムという、割と狭く思われていることが多いと思うのですが、実際にはもう幅広く海洋観測全般にわたって持続的な海洋観測というものを国際的にコーディネートして、なおかつ、地域的なところまで含めてコーディネートするということを目指しているプログラムなのですけれども、そういうことがきちんと理解されていないと。GOOSって何なのということがそもそも理解されていないということが問題だということで、これを何とかもっと分かってもらえるようにしようということで、専門のコンサルタントに依頼していろいろ検討してもらっているということあります。その報告の途中経過を聞きました。
 それから、今回の執行理事会に提案されることになると思うのですが、Decade Coordination Office for Ocean Observing(DCO:海洋観測の10年コーディネーションオフィス)というものを設置するという、その提案に関して議論して、それを支持したということがあります。その提案自体は、少しいろいろ注意しなければいけないことというか、そもそものGOOSがやっていることと、このDCOが混乱しないように、Terms of Reference(活動の責任範囲)とかをきちんと決めなければいけないとか、いろいろ懸念されるべきところもあったので、その辺りの議論が終わった後の提案を改定したものを、もう1回運営委員に回覧してから提案するということになっています。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございました。
 同じ項目について、気象庁から何かありますか。
【森委員】  気象庁でございます。
 GOOSにつきましては、気象庁から特に補足することはございません。
【道田主査】  ありがとうございます。
 それでは、続いて海洋教育に関する国際シンポジウム「持続可能な地球に向けた海洋教育の役割」について、文部科学省及び環境省、補足があればお願いいたします。
 まずは、文科省からお願いします。
【堀尾国際統括官補佐】  文科省国際統括官付ですけれども、こちらは、海洋教育に関する国際シンポジウムとして、東京大学の海洋教育センターによって開催いただきました。会議では、前日本ユネスコ国内委員会事務総長の田口から挨拶を行い、その後、道田主査から講演を頂いたほか、アメリカハワイ州、インドネシア、オーストラリア、韓国、フランス、日本から事例発表が行われたところです。
 日本からは、小林環境省海洋環境室長補佐及び坂口笹川平和財団海洋研究所所長から登壇いただき、意見交換が行われました。
 こちら海洋教育ということで、ユネスコスクールにも案内し、多数参加いただいたと伺っております。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 環境省から何かありますか。
【馬場係長】  補足ございません。ありがとうございます。
【道田主査】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、太平洋津波警戒・減災システムのための政府間調整グループについて、気象庁から補足がありましたらお願いいたします。
【森委員】  気象庁でございます。
 第29回のICG/PTWSの会合というのは、本来は令和3年3月、2021年と言った方が分かりやすいかもしれませんけれども、東日本大震災から10年というところで、仙台で開催しようとしていたものです。ただ、残念ながらコロナの感染拡大ということで、そこではもうできませんねということになって、少し先送りされたのですけれども、ただ、先送りできないようなものについては1回取りあえずやっておきたいということで、昨年の12月にオンラインで開催されたところです。
 ただ、我が国としては是非一度日本で開催したいという気持ちは変わっていませんので、今年の11月に日本で、これはもう仙台ではなくて東京で、対面とオンラインの併用ということになると思いますけれども、そこで開催させていただきたいと考えています。
 それに当たって是非というところで考えていたのですけれども、当庁の西前が議長に選出されましたので、その会合を主導的に進めていきたいと考えているところでございます。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。よろしくどうぞお願いします。
 それでは、次は第1回国連生態系回復の10年-里海再生国際シンポジウムについて、文部科学省より、環境省、あるいは、パネリストのお名前がある渡邉委員から補足があればお願いいたします。
 文部科学省、いかがですか。
【氏師ユネスコ第三係長】  文部科学省でございます。
 環境省の主催の下で開催されております国連生態系回復の10年ということで、日本ユネスコ国内委員会の先生方にも御協力いただいたということでございます。もし環境省から何かあればお願いできればと思います。
【道田主査】  環境省は、いかがですか。
【馬場係長】  本日欠席しております他部局が主催しておりますので、記載以上の補足はございません。ありがとうございます。
【道田主査】  ありがとうございます。
 渡邉委員、御登壇だったようで、もし何か補足あればお願いいたします。
【渡邉委員】  ありがとうございます。
 国連生態系回復の10年ですけれども、国連海洋科学の10年と同じように、昨年スタートした国連の10年になります。会議を含めていろいろな生態系の回復を各国に求めるというもので、UNEP(United Nations Environment Programme)、国連環境計画とFAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations:国連食糧農業機関)がリード機関になって、様々な国際的な機関がパートナーとなって動かし始められたところであります。ユネスコ、それから、国連大学もそのパートナーに入っているというものです。
 国連海洋科学の10年と比べるとまだまだ国内で知られていないし、具体的な活動は、本格的な活動はこれからということで、2月9日のシンポジウムはいわばキックオフ的な狙いを持って、笹川平和財団、国連大学、環境省の3者で共催して行いました。国連生態系回復の10年の国際的な動きを少し国内の皆様と共有して、国内外の各地の里海再生に焦点を当てたということで、里海の実践をされている各地域の方から報告を頂いて、こういった地域の実践と国際的な議論あるいは政策がどう結びついているか、その辺についてスケールアップの議論をいたしました。
 これは第1回ということなのですけれども、今年度も第2回を今企画中で、気候変動の問題とかシチズンサイエンスのようなことも取り上げて、第2回を実施していきたいと思っています。
 国連生態系回復の10年のいろいろな動きもこれから始まっていきますので、事務局を通じて、IOCの分科会の皆様にも共有していって、是非、国連海洋科学の10年の活動と生態系回復の10年の活動の連携が深まるようにしていければなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございました。おっしゃるとおり、国連海洋科学の10年と生態系回復の10年、うまく連携ができる方向で議論あるいは活動ができればいいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の項目、第1回国際海洋データ会議について、環境省は口頭で発表されましたし、海上保安庁、それから、資料にないのですけれども、安藤委員もポスターの発表をされたということですので、何か環境省、海上保安庁、それから、安藤委員から補足あればお願いいたします。
 まずは、環境省いかがですか。
【馬場係長】  記載のとおりなのですけれども、環境省では海洋プラスチックごみのモニタリング手法の調和及び国際的なデータ集約、共有を目指しておりまして、この取組は国連海洋科学の10年のプロジェクトとして承認されております。本会議ではこの取組について、冒頭で、オンラインで発表いたしました。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 海上保安庁は海しる(海洋状況表示システム)についてポスターを出されたようですが、何かもし補足があればお願いします。
【藤田委員】  今御紹介いただいたように、海上保安庁では海しるのポスター、ちょうどそこに右側に小さく出していただいておりますけれども、こういったものをポスター発表、オンラインと聞いておりますけれども、行いました。
 この海しるという取組ですけれども、これは総合海洋政策推進事務局の調整の下で、海洋情報の一元化と、政府全体の海洋政策の中で海洋情報部がビジュアルなウェブGISシステムを構築するというところでやらせていただいているものでございます。これは国内の海洋関係機関のデータを集約するということで、この海しるに関しては、例えば、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の衛星データとか、そういったグローバルなデータ、それから、リアルタイムのデータ、こういったものも集約をして、ビジュアルに提供していると、こういうことでございます。こういう取組について紹介させていただいて、オンラインですので、少し聞いているところでは、チャットで「Very Good」とか、そういった反応があったという報告を受けております。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 安藤委員、何かありますか。
【安藤委員】  ありがとうございます。私のポスターは直接IOCと関係していなくて、衛星のグループが中心となってやっておりますGEO (Group on Earth Observations:地球観測に関する政府間会合)という活動の中で、アジア太平洋地域のWESTPACのようなインセンティブがありますが、その中の12あるタスク、例えば、水とか農業とかいろいろある中の海洋タスクとしての活動を紹介するのと、IODEとの連携のような部分を目指して発表いたしました。
 具体的には、アジア地域のデータポータルを今一生懸命作っているので、それを紹介させていただいたということです。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 私から一言だけ補足いたしますと、これは1年先送りになった会合だったのですね。当初は対面でやる予定がハイブリッドになりました。それは感染症の拡大でしようがないのですけれども、主催者側が登録者の数が1,000名ぐらいになっていると言って相当喜んでいたのですけれども、実際に入っていた人は500人、それでも結構多いですよね。海洋データという割と、特殊な分野ですよね、そういうコミュニティの中の会議だったですけれども、国連海洋科学の10年が始まっているという背景もあって、非常に多くの方々が参加されていました。非常に有意義な議論ができたという評価になっておりまして、今の資料の最後のところに書いてありますけれども、次のIODEの会議が来年の3月頃開催予定です。その会合と多分バック・トゥー・バックで国際海洋データ会議第2回というのを開催予定となっておりますので、委員の皆様方、あるいは、その関係先に働きかけていただいて、海洋データの処理あるいは管理ということに関係する御発表等ありましたら積極的に出していただけると、日本の活動がよく見えていいのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、第2回のWMO-IOC合同協働協議会について、気象庁、何か補足あればお願いいたします。
【森委員】  気象庁でございます。
 JCB(Joint WMO-IOC Collaborative Board:WMO-IOC 合同協働評議会)というのは、WMOの組織改革がありまして、もともとJCOMM(Joint WMO/IOC Technical Commission for Oceanography and Marine Meteorology:WMO-IOC合同海洋・海上気象専門委員会)というものがあったのですけれども、それが解散されるということで、WMOとIOC間のハイレベル調整メカニズムとして新たに設置されたものです。WMO、それから、IOCの代表や専門家、これ気象庁長官が入りますけれども、合計18名からなっています。
 第2回会合ですけれども、過去1年のところ、各分野からの作業進捗報告があって、それを踏まえて2022年から2023年度作業計画について提案がなされたということで、それは合意に至ったということです。今後はそれに沿って作業を進めていくということになります。JCOMMからこちらに引き継がれたわけですけれども、今のところは円滑に進んでいるなと感じているところです。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございました。
 委員の皆様方、1項目飛ばしたと思われるかもしれませんけれども、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年については、次の議題が別途立っておりますので、そちらで情報交換等をさせていただくと御理解ください。
 ありがとうございました。続きまして、第38回のGEBCO指導委員会につきまして、海上保安庁から補足があればお願いいたします。
【藤田委員】  会議の報告ということではないのですけれども、その報告の7ページかな、上から3行目にあるSeabed2030という言葉があると思うのですが、これは日本財団が支援しているプロジェクトでございまして、このGEBCOという海底地形をマッピングするプロジェクトの中で、2030年までに全世界の海底地形を網羅的にやろうと、野心的なプロジェクトを立ち上げております。この中では、今このSeabed2030というプロジェクトが非常にホットであるということを補足しておきたいと思います。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。今言及されたSeabed2030は、UN Decadeのプログラムにもなっていると思うのですね。世界中の海洋環境コミュニティからの期待が非常に大きい、high-resolutionの海底地形をしっかり測ろうと、こういうプロジェクトでありまして、その成果物については、国連海洋科学の10年のみならず、それらのベースのデータとして非常に貴重だという評価になっていると思いますので、折に触れて進捗状況等についてもここで共有していただくといいかなと思いました。ありがとうございます。
 それでは、最後の、World Ocean Assessmentについて、これは私が委員なので、私から簡単に補足申し上げますけれども、御案内の方も多いと思いますが、World Ocean Assessmentの第2版というのが2021年に刊行されました。全部読んだ人はいないのではないかと思いますけれども、1,000ページを超える非常に大部なもので、私は一応立場上斜めには読みましたが、非常に大部なものになっています。それの第3版を2025年の末、あるいは、刊行物としては2026年の初頭にずれ込むという想定ですが、その頃に向けて第3版の作成を始めると。これは国連レベルで決まっている話で、担当は、海事海洋法課というのでしょうかね、そちらで動いています。
 それで、これを作るための専門家グループというのが、世界で二十数名、25名が定員になっていると思いますけれども、全部埋まってはいないのですが、その構成される専門家グループの会議が、発足以来約1年間オンラインで議論を続けてきたのですけれども、ついに初めて、連休明け最初の週、5月9日から13日にニューヨークの国連本部のアネックスで対面の会合が開かれたということです。
 まず、中身に踏み込んでいけない状況になって、何を議論しているかというと、手続論とか、どういう仕組みで進めるかとか、あるいは、二十数名の専門家でこれ全部書けるわけではありませんので、専門家プールというのを今後、要するに、執筆陣ですね、それを取りまとめていく必要があるのですけれども、それのやり方とか、あるいは、それを各地域で進めるための地域のワークショップをどう進めるか、そういった議論が今回の会合ではされています。
 そこで、今のこの資料の最後のところに書いてありますけれども、今度のIOC執行理事会でも議題に上がっていますが、IOCは、科学の部分については、2021年Global Ocean Science Reportの第2版というのを出しています。私も一部書きましたけれども、そちらがあるし、それから、今度、海洋状況報告書、State of the Ocean Reportという今度最初のものが次の執行理事会で示されるはずです。そういった動きがあるところなので、サイエンスの部分についてはIOCの活動をしっかりやっていただいて、むしろWorld Ocean Assessmentの第3版は、政策論であるとか、あるいは、IOCの刊行物等で必ずしも十分フォローできていない可能性のある環境の課題とか、そういったことを取り上げるべきだという意見が数名の専門家から出ていました。それは方針がそういうふうに決まったわけではないです。ただ、そういう意見については極めてもっともですね。Global Ocean Science Reportとの重複があって、そうすると、World Ocean Assessmentの第2版というのは非常に大部で、そもそも読みこなすのが難しいという状況で、資料としての意義ということも考えると、どちらかというとコンパクトにターゲットを絞ってということもあるのかなと、そういう状況にあります。
 ただ、議論が始まったばかりなので、そういう方向になるとは限りませんけれども、これから数年間かけてWorld Ocean Assessmentの第3版を作っていくと、そういうことが始まったと御理解いただくといいかなと思います。
 私からの補足は以上です。
 それでは、一通り終わりましたので、ここまでの話について追加のお話とか、あるいは、以上御報告いただいた種々の活動内容につきまして、御質問、御意見等ありましたら、どなたからでも結構です、お願いいたします。
 では、齊藤委員、どうぞ。
【齊藤委員】  ありがとうございます。
 今道田主査から御報告があったものですけれども、国連で行うということですが、IOCでもAssessment Reportが出ていて、あと、IOCの中でNational Reportをまとめているところで、そういった一連の活動でかなりランシングが多いなという、それは共通の認識であるかと思います。国連でこれから書くというものに関して、Ocean Decadeにどのようにコントリビュートするか、又は、そういったことに関する議論というのがございましたらお知らせください。
【道田主査】  私からお答えします。道田です。
 おっしゃるとおり、今ちょうど国連海洋科学の10年が始まっているという時期に当たっている、さらには、先ほど渡邉委員からもお話がありました国連生態系回復の10年も始まっていると。そういう状況を踏まえて、当然意識せざるを得ないですよね、World Ocean Assessmentの第3版を作るに当たって。刊行時期が二つの10年のちょうど中間の年に当たりますので、もちろん意識して書くということになっています。
 それらにどう貢献するかということに関しては、今御指摘のとおり、IOC、あるいは、ほかのもう既にオンゴーイング、走っているいろいろな活動と重複を極力避けつつ、World Ocean Assessmentならではの分析、あるいは、先ほど少し申し上げましたけれども、IOC等で必ずしもカバーし切れていない部分について、そのほかの部分ももちろん書くのですけれども、IOCのなどの活動でカバーしきれていない部分については目配りをしっかりして、その部分をしっかり埋めることによって、国連海洋科学の10年、あるいは、国連生態系回復の10年にも貢献するし、あるいは、それら10年の後半に向けて、理想的にはそれらの指針といいますか、何かそのガイドライン的なベースの情報ができるといいなという議論はしています。
 以上です。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
【齊藤委員】  ありがとうございます。
【道田主査】  そのほか何か御質問、御意見、あるいは、追加の御発言ございますか。よろしゅうございますかね。
 1点補足ですけれども、ニューヨークはほとんど元の状態に戻っていますね。誰もマスクをしていないとまでは言いませんけれども、私の見たところ、マスクをしている方は5%ぐらいですかね。国連の建物の中はマスクをしろと言われているのですけれども、ただ、それはレギュレーションでもなくて、義務的なものでもない、要するに、できればつけてくださいみたいな感じの捉え方ですね。対面での活動は、大分日本の状況とは温度差があるなと感じました。余計な補足でしたけれども、以上です。
 そのほか何か、以上のここまでの1年間の活動について、特段御報告あるいは追加の御発言なければ、次に移りましょうか。よろしいですか。ありがとうございます。皆様ありがとうございました。
 
<議題2 「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」について>
【道田主査】  それでは、続きまして、議題の2、先ほど来議論もありますけれども、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」についてに移ります。
 それでは、資料の2-1より2-2でしょうか、これに基づいて、事務局からまずは御報告をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  ありがとうございます。通しページ28ページからになります。資料2-1及び資料2-2を御覧ください。
 持続可能な開発のための国連海洋科学の10年については、これまでもIOC分科会において御議論いただいているところですが、持続可能な開発目標、SDGs(Sustainable Development Goals)、特に14の「海の豊かさを守ろう」というのを達成するため、2021年から2030年の10年間に集中的に取組を実施するものとして、海洋科学研究所及び研究活動にかかる唯一の国連機関であるIOCが国連に提案し採択されたものです。その後、IOCにおいて2021年から10年間に実施すべき具体的取組をまとめた実施計画が策定されており、それが資料2-1に概要を示させていただいております。
 実施計画においては国内のステークホルダーが参画し、各国において持続可能な開発のための国連海洋科学の10年に関する国内委員会を立ち上げることが推奨されており、我が国においても昨年2月に日本国内委員会が立ち上げられ、委員会のメンバーには産官学民の多様なステークホルダーが参画しております。
 本分科会の委員でも、道田主査、河野委員のほか、アドバイザーとして安藤委員に参加いただいているところです。
 そちらの日本委員会で、資料2-2が、10年の最近の動きについて、国内委員会、日本委員会の事務局である笹川平和財団でまとめられている資料を資料2-2としてお配りしております。こちらを御参照いただければと思います。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 今事務局から概要を御説明いただいたところですけれども、今お話のあるとおり、この国連海洋科学の10年の日本国内委員会及びそれを支える研究会については、私も含め、今日御出席の委員の皆様方にも多く御協力いただいているところです。
 皆様方から何か補足あるいは情報共有等ございましたらお願いいたします。どなたからでも結構です。
 先ほど事務局がおっしゃったかどうか分かりませんけれども、Implementation Plan(実行計画)、和訳ができているのですよね。和訳ができていて、サイトに載っていますので、日本語訳を作る、各国語訳を作るということが推奨されているのですけれども、日本もしっかりそれを作ったということもあります。
 皆様方から何か、資料の特に2-2でしょうか、これに関連してお話しいただくようなことがあればお願いいたします。
 非常に多岐にわたる活動をしているので、特段どれかを取り上げてということではないのかもしれませんけれども、私が関係したものとしては、私は資料2-2の資料のロゴにあるJSOP(日本海洋政策学会)、そこの副会長というのをやっているのですけれども、その立場もあってこの委員会の研究会にはいろいろ関与しているところですが、一つ、二つだけ少し申し上げておきますかね。
 一つは、通し番号でいきますと、35ページになるでしょうか、昨年11月の、グラスゴーのCOP26、ここのジャパンパビリオンイベントで、日本の国連海洋科学の10年に関する活動、それだけではないのですけれども、それを取り上げてパネルをやりましたということが報告にあります。私はオンラインで参加しました。現地でもそこそこ人が集まって盛り上がったと聞いておりますけれども、このページの写真の一番左の端にいるのが笹川平和財団海洋政策研究者の角田先生、この方が切り回しているわけですけれども、そのほか、皆様それぞれ見知った顔がたくさんここに写っていると思います。真ん中にウラジミール・リャビニンIOC事務局長もいます。
 日本の活動として、例えば、国連海洋科学の10年国内委員会の研究会の活動の一つとして、事例集をちゃんと作ったとか、その英語版も作ったりして、そういった活動で各国の国連海洋科学の10年に関する活動を見える化していくということに関しては、高く評価をされているということだろうと思います。
 それでは、安藤委員、お願いいたします。どうぞ。
【安藤委員】  ありがとうございます。42ページ、来週、今後のイベントスケジュールの一番上の欄、Decade Laboratoriesの5月31日から2日、A Productive Oceanというのが開催されますが、その中でJAMSTECの研究者が中心となって、一つサテライトアクティビティーを行います。この委員の中だと、安中委員が発表されるのと、私がモデレーターをやるという、ちょっと宣伝でございます。
 以上です。
【道田主査】  情報共有ありがとうございました。
 齊藤委員、どうぞ。
【齊藤委員】  一つ教えていただきたいのですけれども、38ページ、e-ASIAのJST(国立研究開発法人科学技術振興機構)のプログラムが紹介されておりますが、これは国連海洋科学の10年のプロジェクトなりアクションなりと何か関係があるとか、そういったことはございますか。
【道田主査】  どなたか、今の御質問に対して御回答いただける方はいますか。
もちろんそれを意識して動いてはいるのですけれども、例えば、ここに名前がある中では、須賀委員の名前があるプロジェクトがありますが、これについての状況はいかがですか。
【須賀委員】  これはJSTが、国連海洋科学の10年ということがありますので、もともとe-ASIAとか、そういう国際共同研究の枠組みを持っているので、それに今回海洋科学というのを入れてくれたのですね。e-ASIA「環境」とありますが、その括弧の中に、海洋科学と気候変動ということで、海洋科学というのを入れてくれたと。これはJSTの国連海洋科学への貢献という意味だと思うのです。
 それで、今回私も実はこれインドネシア、フィリピンの研究者と共同で提案したのですけれども、1回前に提案したときは採択されなかったのですが、そのときはこうやって海洋科学とか入っていなかったのですね。昨年応募したところ、採択された。もちろん大分提案もリバイスしたのですけれども、そういうものです。
 ですから、国連海洋科学の10年というフラッグはついていないのですけれども、そもそもこのe-ASIAの枠組みに海洋というのを入れてくれたという、そこが効いているということです。ですから、内容としては国連海洋科学の10年に貢献していくような研究内容が結構含まれているということだと思います。
【道田主査】  ありがとうございます。
 私から今のことに関して1点補足をしますと、今須賀委員の御指摘のとおり、これについては、国連海洋科学の10年の国内委員会がそのベースとなる議論をしている研究会の活動を、JSTの人と話をしたところ関心を示されたので、お招きをしてお話ししてもらったり、プレゼンしてもらって、長期的なファンディングということはなかなか難しいかもしれないのですけれども、非常に重要だという認識を頂いて、今須賀委員のお話のとおり、海洋というのをキーワードに入れてもらって募集がかかったということですね。そのベースになるのが国連海洋科学の10年国内委員会及び研究会で、JSTの人を交えて議論した結果、JSTで御検討の結果、そういう一種のファンディングの枠を作っていただけたということです。
 この動きと、国際的に国連海洋科学の10年のプロジェクトなりプログラムなりに登録するということとは、インジペンデント、別枠なので、例えば、今ここの資料に挙がっている四つのプロジェクトのうち国連海洋科学の10年のプロジェクトに出すということがふさわしいものであれば、それらについては国連海洋科学の10年のプロジェクトに登録することを御検討いただくと、そういう位置付けになるのかなと思います。
 よろしいですか。ありがとうございます。そのほか何かありますか。国連海洋科学の10年の現状、あるいは、その動きについて、補足とかで、御質問でも結構ですが、何かありますでしょうか。
 河野委員、どうぞ。
【河野委員】  ありがとうございます。個別のということではないのですけれども、今日ここにいらっしゃる委員の先生方は、皆様それぞれ別個に何か政府の審議会等の委員であるとか、あるいは、大学で企画するイベントの中心人物であるとか、あるいは、一般向け講演会で登壇する機会があるとか、そういったようなことが多いかと思います。できればその中で、今ここで議論したようなこと、皆様で一斉に同じことを同じ時期に宣伝して回るということが効果的だと思います。今のe-ASIAはいい例で、その宣伝が功を奏して、海洋というのがある部分に持ち込めることができたということですので、是非皆様でそういう活動を一緒になってやっていって、国連海洋科学の10年をもっと盛り上げて、できれば皆様の活動がしやすいようにリソース環境を作るというような方向で動いていくとよろしいかなと思います。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。重要な御指摘を頂いたと思います。是非そういう方向で皆様活動していただきたいですし、そのような活動については国内委員会あるいは研究会で情報共有をして、更にそれらが効果的に行われるように、国連海洋科学の国内委員会及び研究会の方で進めてまいりたいと思いますので、よろしく御協力をお願いします。
 そのほかありますか。
 直接ここの資料ということではないのですけれども、笹川平和財団海洋政策研究所と、それから、日本海洋政策学会は、共同してこれらの事務局機能等を担っているのですが、その一環で、笹川財団海洋政策研究所から海洋政策学会に一部活動の委託を頂いていて、その一連の活動の中に、例えば、WESTPAC区域の国連海洋科学の10年の活動を盛り上げるためのことであるとか、そういったことも、例えば、2月に脇田委員が主催された、ワークショップというのでしょうか、もありましたし、それから、牧野委員は別途、例えば、PICES(North Pacific Marine Science Organization:北太平洋海洋科学機構)とか、そういったところとの連携を強化するための活動というのをされていますので、私からそういうことがあるのだということを述べておきます。
 今の2点について、脇田委員あるいは牧野委員から補足がもしあればお願いいたします。
【脇田委員】  東海大学の脇田です。御紹介いただいてありがとうございます。
 今道田先生からお話しいただいたように、オンラインでWESTPACのオフィサーを中心に、数か国ですけれども、今後の国連海洋科学の10年に向けて、WESTPAC地域でどういった日本の貢献が期待されるのかといったようなことを意見交換するという場を設けさせていただきました。限られた人数だったという面はあるのですけれども、開発途上国が求めている、やはり最終的には持続可能な開発といった面にいかに海洋科学がコントリビュートできるのか、そういった面が求められているのだなというのを強く感じた次第です。
 以上です。ありがとうございます。
【道田主査】  ありがとうございます。
 牧野委員、何か御発言ありますか。どうぞ。
【牧野委員】  ありがとうございます。牧野でございます。
 私どもが行った調査としては、特にPICESに着目いたしまして、この組織は北太平洋ですけれども、それが、例えば、WESTPACあるいはASEAN(Association of South East Asian Nations)とどのように連携していけるのかとか、あるいは、PICESの中でECOP、若手がたくさんいますので、若手の研究を盛り上げるためにUN Decadeとどう連携できるのか。そのような視点で、例えば、EUの国々はどんな活動をしているのか、PICESはどんな活動をしているのかというような情報を少し調べてレポートとしてまとめたということでございます。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 ということで、国連海洋科学の10年、始まって2年たちましたけれども、様々な活動が国際的に行われていると同時に、国内でも、先ほど河野委員御指摘のとおり、今以上に更に盛り上げていく必要あるかと思いますので、引き続き皆様方の御協力よろしくお願いいたします。
 何か追加の御発言がありますか。特段なければ、次に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 よろしければ、続いて、議題の3です。6月に行われる第55回IOC執行理事会の対処方針についてに移ります。
 この議題につきましては、冒頭お話をしたとおり、非公開となっておりますので、傍聴の方々へのYouTube配信はこれをもって終了させていただきますので御了解ください。事務局よろしくお願いいたします。

(傍聴者等退席)

<議題3 第55回 IOC執行理事会の対処方針等について>
令和4年6月14日から6月17日にかけて開催される第55回IOC執行理事会について、我が国の対処方針案の審議を行った。

── 了 ──

 

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