第72回日本ユネスコ国内委員会科学小委員会政府間海洋学委員会(IOC)分科会議事録

 

 1.日時

令和3年5月27日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

オンライン会合(Webex)

3.出席者

(委員)

道田豊(主査)、河野健(国内委員)、安藤健太郎、大林正典、神田穣太、齊藤宏明、須賀利雄、中田薫、西村弓、平譯享、古谷研、牧野光琢、升本順夫、脇田和美【敬称略】

(文部科学省(事務局))

田口国際統括官、町田文部科学戦略官、石田国際戦略企画官、堀尾国際統括官補佐、原国際統括官補佐、その他関係官

4.議事録

 【道田主査】  時間になりましたので、始めます。本日は御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 まず、事務局で定足数の確認をお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  本日は出席の委員が14名で、委員の過半数ですので定足数を満たしております。
 なお本日は、一般傍聴及び報道関係者の取材を受け付けておりまして、朝日新聞社の方が取材をされておりますので、あらかじめお知らせいたします。
 また内閣府科学技術・イノベーション推進事務局、内閣府総合海洋政策推進事務局、外務省、国土交通省、海上保安庁、気象庁、環境省、文部科学省海洋地球課など関係省庁及びJAMSTEC(海洋研究開発機構)からは、オンラインで参加いただいております。
  【道田主査】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまから日本ユネスコ国内委員会科学小委員会第72回政府間海洋学委員会(IOC)分科会を開会いたします。
 私は主査を仰せつかっております、東京大学大気海洋研究所の道田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日予告しております議事のうち、議題の3及び4に関しましては、事前にお伝えしているかとは思いますけれども、非公開とさせていただきます。非公開の部分を除いて、御発言は議事録としてそのままホームページ等で公開されることになってございますので、御承知おきいただければと思います。
 議事に先立ちまして、委員の皆様には事務局よりお知らせしておるかと思いますけれども、去る2月5日に、この分科会の調査委員でもいらっしゃいました小達恒夫国立極地研究所教授が御逝去なさいました。また、去る3月10日には、1996年から2002年まで、ユネスコIOCのWESTPAC(西太平洋地域小委員会)の議長を務められ、IOC総会等でも御尽力いただきました平啓介東京大学名誉教授・元東京大学海洋研究所長が、81歳で御逝去されました。残念でございます。お二人の生前の御功績を偲びますとともに、謹んで哀悼の意を表しまして、皆様で心から御冥福をお祈りしたいと思います。
 ここでしばし、30秒ほど黙祷をささげたいと思います。黙祷。
( 黙祷 )
【道田主査】  お直りください。御協力ありがとうございました。
 続きまして、前回、第71回の分科会以降、委員及び事務局に交代がございましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  配付資料の参考1を御覧ください。
 本日付で、平譯亨委員が新たに着任されておりますので、御報告いたします。
 続きまして、事務局の異動を御報告いたします。本年4月1日より、文部科学戦略官/日本ユネスコ国内委員会副事務総長として、町田大輔が着任しております。また同日付で、国際統括官補佐として、私、原が担当しております。よろしくお願いいたします。
【道田主査】  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 続きまして、配付資料の確認を行います。事務局から配付資料の確認について、よろしくお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  資料表紙の議事次第を御覧ください。
 今回は、議題1に関して資料1-1及び1-2、議題2に関して資料2-1及び2-2、議題3に関して資料3-1から3-3、また参考資料として参考1から参考6を、事前にお送りしております。なお、参考資料5、前回の本分科会の議事録については、委員の皆様に事前に御確認いただいているものです。
【道田主査】    それでは、開会に当たりまして国際統括官、田口様から一言御挨拶をお願いいたします。田口統括官、よろしくお願いします。
【田口国際統括官】  文部科学省国際統括官の田口でございます。本日はIOC分科会に、委員の皆様、お忙しい中参加いただいて、どうもありがとうございます。また、関係省庁の皆様におかれましては、御協力をいただき、本当にありがとうございます。
 前回の分科会でも話題になりましたが、今年は持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の開始年ということで、後ほど報告もあろうかと思いますが、産官学民からなる国内委員会も無事立ち上がりまして、これからIOCが国連の中で中心となって、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の取組が進んでいければいいと思っています。
 その中で、我が国はやはり自他ともに認める海洋国家として、各国からも、日本は何かやってくれるだろうという期待がされていると考えてございます。是非、このIOC分科会の議論、それからここに参加していらっしゃる専門家、関係省庁の皆様のお力を借りて、日本にふさわしい役割を果たしていきたいと思ってございます。次回のIOCの会合も含めまして、日本のこの分野におけるリーダーシップを、より一層発展させていけるよう、是非皆様に御協力を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【道田主査】  田口統括官、どうもありがとうございました。
 それでは早速、議題に入ります。議題の1、前回会議以降の活動報告等についてということで、前回の会議は1月25日だったと思いますけれども、それ以降、これまでのユネスコ本部等での主な動きの報告、国内での取組について、情報を共有するということとさせていただければと思います。
 報告を説明いただく場合は、それぞれ最大3分程度以内でお願いできればと思います。また、それぞれの活動に関する御質問等あろうかと思いますけれども、それらについては、全て報告を一通り終えた上で、最後にお伺いしたいと思います。
 それでは、まず事務局から報告をよろしくお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  資料の通し番号1ページ目、資料1-1を御覧ください。こちらは、本年1月に開催した前回のIOC分科会以降の活動に関する報告を記載しています。個別の会議やイベントについては、それぞれ関わっていただいた先生方から御説明いただきますので、詳細は省略させていただきます。
 まず、本年2月に開催された第53回IOC執行理事会については、前回分科会で対処方針について御検討いただいたもので、資料1-2には出席者による報告も添付させていただいております。
 続いて、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年に関しまして、研究会には、IOC分科会からも多くの委員に参加いただいているところですけれども、本年2月に日本国内委員会が設置され、その第1回委員会が5月17日に開催されました。本件については、議題2で情報共有いただく予定です。
 3ページ目に移りまして、4月22日には、ユネスコジャカルタ事務所主催で、文部科学省ユネスコ拠出金事業として、アジア太平洋小島嶼開発途上国における気候変動と海洋の関わりをテーマにウェビナーを開催し、IOC事務局からも、リャビニン事務局長等に参加いただいたところです。
 4ページ目、IOC西大西洋地域小委員会(WESTPAC)第13回政府間会合です。今次会合では役員の選挙も行われ、これまで副議長を務められていた安藤委員が、共同議長に選出されました。
 最後に5ページ目、第3回北極科学大臣会合です。こちらは本年5月に日本とアイスランドの共催により、アジアで初めて東京で開催されたものです。
 報告は以上になります。
【道田主査】  原さん、どうもありがとうございました。
 これ以降、資料の順番に従いまして、各委員及び関係省庁から御報告等お願いしたいと思います。最初に、第37回GEBCO(大洋水深総図)指導委員会に関しまして、海上保安庁のほうから御説明があればよろしくお願いいたします。
【海上保安庁 木下課長】  加藤委員の代理で出ております、木下でございます。GEBCOの第37回の指導委員会について御報告いたします。
 本年1月18日から20日まで、3日間にわたりましてオンラインで開催されました。今回の指導委員会では、あらかじめ事前にこれまでの委員長であった谷委員長が委員長退任の意向を示しておりましたため、新しい委員長の選出が行われております。併せて、新しい副委員長の選出も行われました。その結果、ノルウェーのEvert Flier委員が委員長になりまして、副委員長はイタリアの委員が就任しております。谷委員は引き続き指導委員会の委員として、GEBCOプロジェクトの推進と発展のために尽力いただくことになっております。
 議論の内容としては、通常通りプロジェクトの進捗確認などが行われております。
 次回は、来年の1月下旬または2月上旬に開催予定ということです。
 以上です。
【道田主査】  木下課長、どうもありがとうございました。
 続きまして、第53回のIOC執行理事会、これについては先ほど事務局からも御説明があったところですけれども、また、資料1-2で報告書も共有されているところですが、御出席いただいた委員、関係省庁のほうから、何か補足等ございますでしょうか。私のほうから一言だけ申し上げておくと、去年6月に予定されていたものが、コロナの流行によって延期になって、結果的にオンラインで2月に開催されました。オンラインということで議題が絞り込まれまして、本当に決めなくてはならないこと、例えば先ほど統括官のお話にもありました持続可能な開発のための国連海洋科学の10年が始まるということで、それに関する決定事項及びワークプラン、予算についての決定が主たる議題で、それ以上については基本的には今度、6月にある総会のほうに先送りになりました。
 続きまして、有害藻類ブルーム政府間パネル(IPHAB)第15回会合について、脇田委員、御説明があればお願いいたします。
【脇田委員】  それでは、御説明させていただきます。
 今、御説明いただきましたとおりIPHABの第15回会合が、今年は3月23日から25日に、オンラインで開催されました。日本からは、私と東京大学の岩滝先生、水産研究・教育機構の鈴木博士の3名が出席いたしました。その中では、昨今のHABに関する活動報告を行うとともに、全球事業への貢献について議論がなされました。
 IPHABにはいろいろなタスクチームが組織されているのですけれども、私は魚の大量死に関するタスクチームの共同代表を、ドイツのAllan Cembella委員とともに務めることになりました。岩滝教授は藻類分類、鈴木博士は生体毒素のタスクチームに、それぞれ継続で参加しております。会合では、WESTPACの有害藻類ブルームに関する研究活動についても御説明をいたしました。
 以上です。
【道田主査】  脇田委員、どうもありがとうございました。
 続きまして、国際海洋データ・情報交換(IODE)に関するIOC委員会第26回会合について、私のほうから簡単に、書いてあることも踏まえて補足を差し上げます。
 先月、4月20日から23日まで、オンラインで開催されています。全く同じ議題を1日のうちに時間帯を変えて2回繰り返すという特殊な開催のされ方でした。要は、1回目と2回目で違う議論がされるということも十分想定されるわけですけれども、そういうことが起こらないように、事前に2月から3月にかけて主要議題、論点を明確にした上で、自由に参加できるワーキンググループが開催されて、その結果、特に問題なく、決定すべきことは決定されたということです。
 特に持続可能な開発のための国連海洋科学の10年への貢献、IODEですので、海洋データの共有というのが、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年においても非常に重要な柱だということがあるので、それにどう対応するのか、また昨今の情勢の変化を踏まえて、データ交換ポリシーを変更する必要はあるのか、というような議論もされております。それから、この資料の段階では、2021年11月に第1回国際海洋データ会議と書いてありますけれども、その最後の行、注意書きに書いてありますが、2022年2月にポーランドのソポトにおいて、今のところ基本的には対面で、第1回の国際海洋データ会議というのを開催する予定ということが決まっています。
 以上でございます。
 続きまして、WESTPACの第13回政府間海洋学委員会について、安藤委員よりお願いいたします。
【安藤委員】  安藤でございます。
 西太平洋地域小委員会は、2021年4月27日から29日の3日間にかけて、政府間会合がオンラインで開催されました。我が国からは、この分科会のメンバーの中から比較的多くの方に参加していただきました。ありがとうございます。本会合は、オンラインということで通常の会合の半分から3分の1の時間で行わざるを得なかったためかなり短くなっています。
 これまでどおり過去2年間の報告に加えまして、新規の活動として、プログラム、プロジェクト、ワーキンググループが合計五つ設立されました。現在16のプロジェクトとワーキンググループになっております。この中で、黒潮に関する国際共同研究と縁辺海に関する国際共同研究の二つのプロジェクト、これは日本の専門家が主導したものです。さらに持続可能な開発のための国連海洋科学の10年に関する議論を、特別な枠を設けて議論しております。その中で、能力開発へのアプローチ等、西太平洋の国際海洋科学会合と併せて3年ごとに国連海洋科学の10年に関する議論を、加えて、今年度は地域の国連海洋科学の10年のキックオフ会合を開催しようという議論が行われました。
 先ほども紹介がありましたけれども、役員の選挙も実施されまして、私が中国のFangli Qiao氏と一緒に、共同議長になっております。
 最後に、次回の政府間会合はインドネシアで開催されるという方向になっております。日時等は未定です。  以上でございます。
【道田主査】  安藤委員、どうもありがとうございました。
 それでは、WESTPACの一つ前でしたね、全球海洋観測システム(GOOS)運営委員会について、須賀委員及び気象庁から、何かございましたらお願いします。
【須賀委員】  須賀です。ありがとうございます。それでは、簡単に説明させていただきます。
 GOOSの運営委員会、第10回会合が4月26日から29日までの4日間、これは先ほど道田主査から御説明のあったIODEと同じように、最初の3日間は二つの時間帯で同じ議題をやって、最後の4日目だけ、一つのセッションでまとめるという方式でやりました。議論の主な内容は、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年にGOOSが主体となって、あるいは主要なパートナーとなって包括的な三つのプログラムを提案しました。一つは、観測システムの設計評価プロセスの変革を目指すOcean Observing System Co-Design (ObsCoDe)、沿岸海洋の観測、予測を変革しようというCoast Predict、観測者と受益者を結びつけて、海洋データへのアクセスとその利用の変革を目指すというObserving Togetherという、この三つをいかに推進するかということについての議論が中心になりました。
 この中で、GOOSは全球海洋観測システムを、”at the heart of Ocean Decade”と位置づけて、この三つのプログラムをブランディングして推進していくという方針が確認されました。この三つのうち、Ocean Observing System Co-DesignとObserving TogetherはIOCが主体となって提案したので、自動的に持続可能な開発のための国連海洋科学の10年のプログラムとして認められ、既に登録されているということです。Coast Predictは、これを推進してきた、検討して提案したコミュニティーと一緒になって、GOOSがパートナーとなって出したということで、代表は、ボローニャ大学のNadia Pinardiさんです。ということで、これに関しては今、承認プロセス中ということになっています。
 GOOS 2030戦略というものを一昨年に出していますけれども、この実現に向けたパートナーシップの構築や、全球及び領域の観測システム支援体制の強化、それからそういうもののガバナンスをどうしていくかというかなり抜本的な、様々なことを議論いたしました。
 第10回は、オンラインでやるのでなかなか議論も、時間もそんなにとれないということで、2回に分けてやるのが良いだろうということで、これは昨年もそうだったのですが、4月に第1部、第2部が9月に予定されています。
 以上です。
【道田主査】  須賀委員、どうもありがとうございます。
 気象庁のほうから何か補足等ありますか。
【大林委員】  特にございません。ありがとうございます。
【道田主査】  はい、ありがとうございました。
 それでは、第3回の北極科学大臣会合について、文部科学省海洋地球課から、何かございましたらお願いします。
【戸谷深海地球探査企画官】  海洋地球課の戸谷でございます。先日、5月4日から9日に日本とアイスランドの共催により、第3回北極科学大臣会合(ASM3)が開かれました。これは萩生田文部科学大臣が、アイスランドの教育科学大臣と共同議長を務めました。
 このASM3におきましては、北極における研究観測や主要な社会的課題への対応の推進、また関係国間や北極圏国の先住民団体との、科学協力のさらなる促進を目的として開催されまして、持続可能な北極のための知識をテーマに、これまでの最多となる35の国と団体が参画いたしました。この観測強化ということと併せまして、今年度から検討に着手します北極域研究船について、完成後は北極域の国際研究プラットフォームとして運営していくという考えを、萩生田大臣から示しまして、賛同を得ました。北極域研究の人材育成強化を重要としまして、北極に関わる若手人材の育成プログラムを創設すること、そしてそのラインで共同声明が取りまとめられた次第でございます。
 北極における観測研究、また若手人材の育成について、各国政府が先住民団体とともに取り組み、持続可能な北極域の実現に貢献することが確認されました。
 以上です。
【道田主査】  戸谷さん、どうもありがとうございました。
 そのほか幾つか、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年に関する項目が挙がっていますけれども、これについては次の議題で情報共有できればと思っておりますので、今の段階では置いておきます。今までの御説明、御報告に対して、この項目に挙がっていないことでも結構ですけれども、何か関連、追加で御報告あるいは御質問等ございましたら、お願いいたします。
 よろしいですか。
 WESTPACの共同議長に選ばれた安藤委員、お疲れさまです。特に持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の大事な時期の共同議長で大変ですけれども、リーダーシップを発揮していただければと思います。
 よろしければ、次に移ります。
 議題2です。先ほど、後でと申し上げた、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年についてという議題に移ります。
 それではまず、資料2-1、2-2について、事務局から御説明、御報告をお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  18ページからの資料2-1を御覧ください。持続可能な開発のための国連海洋科学の10年については、これまでもIOC分科会で御議論いただいているところですが、持続可能な開発目標(SDGs)、特に14、「海の豊かさを守ろう」を達成するため、2021年から2030年の10年間に集中的に取組を実施するものとして、海洋科学研究及び研究活動に係る唯一の国連機関であるIOCが国連に提案し、採択されたものです。その後、IOCにおいて、2021年からの10年間に実施すべき具体的取組をまとめた実施計画を策定しており、19ページ目からの英文の資料が、完成した最終の実施計画となります。
 実施計画、具体的には資料の61ページで示されているとおり、国内のステークホルダーが参画し、従来の国レベルでの貢献を促すために、各国において持続可能な開発のための国連海洋科学の10年に関する国内委員会を立ち上げることが推奨されております。我が国においても、75ページからの資料2-2に、日本国内委員会の規約をお示ししておりますが、本年2月に日本国内委員会が立ち上げられ、5月17日には第1回委員会が開催されました。委員会のメンバーについては、77ページにありますとおり、産官学民の多様なステークホルダーが参画しております。本分科会の委員の関係でも、道田主査、河野委員のほか、アドバイザーとして安藤委員が参加されております。
 また、78ページからは、日本国内委員会及び研究会において道田主査に御説明いただいた、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の最近の動きについてまとめられた資料となります。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
 これは今御説明のとおり、私も含めてですけれど、今日御出席の委員の皆様、あるいは関係省庁に御協力いただいております。補足あるいは情報共有等ございましたら、お願いいたします。
 私が最初に説明したほうがいいかもしれませんね。
 前回、第71回のこの分科会において、国内委員会についてこのような方向性でつくりますということが共有されて、承認するというような行為を行ったわけではないですけれど、大体このような方向でいきましょうということを御了解いただきました。何しろ国連海洋科学は非常に大きな話ですので、もともとその前からあった国連海洋科学に関する研究会、これは日本海洋政策学会と笹川平和財団と共同で設立されたものですが、国内委員会の母体となるような、いろいろな人に関わっていただく研究会をしましょうということで、昨年の夏頃から始めていたわけです。これを動かすことによって、国内委員会の発足につながっていったと御理解いただくといいかなと思います。
 持続可能な開発のための国連海洋科学の10年はもともと、ユネスコIOCの発案で起こっている話なのですけれども、カバーする範囲が非常に広くて、もちろんここのIOC分科会で議論している内容、ユネスコIOC案件のことも非常に大きな部分を占めておりますけれども、それ以外の部分にもたくさん関係するものですから、より広く、国内の体制を固める必要があるという趣旨で、先ほど御説明のあったようなメンバーシップで、国内委員会が立ち上がったということでございます。
 この図にありますように、IOC側に対してはIOC分科会、ここでの議論を通じて、今度の総会等で、IOC案件について刷り込むという道は当然あるわけですけども、国内の全体的な動きについては、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年国内委員会というところで、少なくとも俯瞰的に国内の活動が見える。できればまとまった形の、プロジェクトでも、あるいはプログラムでも立ち上げることができれば良いということで、今、御説明のあったとおり5月17日に会合が開かれて、議論がスタートしたという段階に至っているということでございます。
 そのほか関係の方がたくさん今日いらっしゃいますけれども、補足あるいは情報共有等ございましたら、お願いいたします。
河野委員どうぞ。
【河野委員】  海洋研究開発機構の河野です。プログラムの公募に対する結果が間もなく出る頃だとは思うのですけど、どなたか情報を持ちの方がいらっしゃったら教えていただけないでしょうか。
【道田主査】  道田でございますけれども、今の話は、一部おさらいしますと、去年の10月に持続可能な開発のための国連海洋科学の10年プログラムの公募が出て、いろいろな、プログラムとコントリビューションという、二つのカテゴリーの活動を募るということが始まって、今年の1月に締切りがあって、そのレビューがIOC等関係の場で進められているところです。結果は間もなく出ると思うのですけれども、そのレビューにも、計画の段階で運営企画委員会(EPG)というのがあって、そのメンバーがそのままスライドした形で、暫定諮問委員会ということで、日本からは植松先生が入っている委員会で検討されていると、そういう状況にあります。
 そういう背景を申し上げた上で、日本からは幾つか出ているのですけれど、そのうち環境省から、海洋マイクロプラスチックの調査及びデータベース化に関するプログラムの提案がされておりましたが、その後、環境省のほうから、今、河野委員の御質問に関連するアップデート等の情報がありましたら、お願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
【環境省 馬場係長】  環境省の馬場と申します。今、道田先生から御紹介がありましたとおりプログラムに応募しまして、その後、IOC事務局から、レビュープロセスの中でポテンシャル・プロジェクトにカテゴリー変更することとなった旨、御連絡がありました。それに対して、応募がレビュープロセスを進んでいることを喜ばしく思うことをお伝えした上で、仮に今後、内容をどのように変更するとプログラムに足るものとなるかですとか、パートナーとなり得るような類似の応募はあったかなどをお聞きしているところです。最終の結果は、まだ連絡は来ていないという段階です。
 進捗がありましたら、文科省国際統括官付に御連絡いたします。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。河野委員、よろしいでしょうか。
【河野委員】  はい。ありがとうございました。
【道田主査】  レビュープロセスの結果が、全世界から集まった提案の結果が間もなく出ると、そういうのは先ほど河野委員の御指摘のとおりなのですけれど、恐らく第二次、第三次と、またあると思います。それに向けて、我が国としては適切に対応していくことが求められているのかなと思います。
 そのほか何か、委員の先生方ありますか。各省庁の方でも結構です。もし補足等ありましたら、お願いいたします。
【事務局】  安藤委員、お願いします。
【安藤委員】  安藤でございます。情報共有ですけれども、WESTPACのほうで、今年の8月24日から25日、2日間ですけれども、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の地域における議論をするキックオフ会合を行うことを計画しています。まだ中身は詰めている段階ですけれども、6月の半ばぐらいには案内ができると思います。日本からの貢献、大変期待されていますので、改めてお知らせできる段階になりましたら、皆様と議論させていただきたいと思います。
 以上です。
【道田主査】  ありがとうございます。
齊藤委員どうぞ。
【齊藤委員】  それでは、情報共有させていただきます。
 日本も加盟しています北太平洋海洋科学機関、PICESと、北大西洋中心のヨーロッパ、米国が参加しているICESが共同で、プログラムの提案をしております。それに対して、先ほど道田主査から御説明ありましたように、EPGを受け継いだ暫定委員会から、幾つかの関連しそうなプログラム、プロジェクトの合同に関する勧告というか提案が来て、それに対してどういうふうにするかを議論しているところです。その勧告は実行に当たって、IOCとしてはまとめやすいけれども、やるほうとしては必ずしも、やりやすくなるのではないのではないかという意見があって、それについて質問を送っているところです。その後は特に、まだ応答が来たとは聞いておりません。こういったことは多分これから繰り返されて、何度かラウンドを踏まえて、早く始まるもの、遅く始まるものというのが出てくるのかなと思っています。
 以上、情報でした。
【道田主査】  斎藤委員、ありがとうございます。
 道田でございますが、今のこと御指摘のとおり、きっと、たくさんそういうことがあると思うのですよね。何せ始まったばかりだし、大きな話ですけれども、走りながら考えるみたいなところも若干あるので、よりよく、オペレーションがうまくいくように改善されていくという、例えば今の御指摘の点も一つですよね。恐らく今後、今度のIOC総会の議論にも入っていますけれども、暫定諮問委員会が正式なものになった以降は、そこにおいて議論されるべき内容かなと思って、お聞きしておりました。
 こういうふうにしたほうがやりやすいということがあれば、主要な加盟国の一つとして、日本からその手のことを指摘することも恐らく歓迎されると思いますので、委員の先生方もそういった目で、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の動きを見ていただければと思いました。
   先ほどの資料で言わなかった話があって、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の国内委員会というのは、正式な第1回の会議はこの間の5月17日だったのですけれど、その前に2月25日の国連海洋科学の国内研究会で、この日に国内委員会が発足したということになっているのですが、それを受けて、その会合ではVladimir Ryabinin IOC事務局長からのビデオメッセージもいただいたりして、日本はしっかり進んでいるという認識が、IOCの事務局側にもあるようでございます。4月1日と5月18日にウェビナーで、国内委員会ができたところなどが集められて、今後の方向性、あるいは現状についての意見交換などが行われております。私と幾人かの関係者が出席しております。
 そこでは、今後いかに幅広くステークホルダーを、科学のコミュニティーだけではなくて非営利団体(NPO)、非政府組織(NGO)、あるいは次世代、そういった方々も含めたエンゲージメントをいかに進めるのかというのは、やはり国際的にも課題、日本でも大きな課題ですけれども、そういったことについても話合いが行われているということです。
 関連して、若手の海洋専門家、ECOP(Early Career Ocean Professional)について日本は必ずしも強くはないのですけれども、JAMSTECの森岡さんにリーダーシップをとっていただいて、ECOPに関するその活動も、後ればせながらというべきかもしれませんが、進められていて、日本国内からも徐々に、次世代の関係者の参画というのが進んでいくと良いですし、そうする必要があるなと思っております。
 そのほか何かありますか。御指摘、あるいは御質問、よろしいですか。
 特段ないようでしたら、このように進んでいるということで、委員の先生方は特に、関係省庁の方もそうですけれど、持続可能な開発のための国連海洋科学の10年、これから10年の非常に大きな動きですので、是非積極的に関与していただきたいですし、動きについては注視をしていただいて、何かあれば御意見等賜ればと思います。ありがとうございました。
 よければ次の議題3に進みますが、よろしいですか。
 議題3は、第31回IOC総会の対処方針等についてということでございます。本議題につきましては、冒頭お伝えいたしておりますとおり非公開とさせていただきます。
(傍聴者等退席)

<議題3第31回IOC総会の対処方針等について>
令和3年6月14日から6月25日にかけて開催される第31回IOC総会について、我が国の対処方針案の審議を行った。

── 了 ──

 

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