第44回日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会 議事録

1.日時

令和元年7月12日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省12階 国際課応接室

3.出席者

(委員)
礒田博子(主査)、大野希一(国内委員)、上條隆志、佐藤哲、服部保、松田裕之、吉田謙太郎【敬称略】
(関係省庁等)
国土交通省、水産庁、環境省、林野庁、農林水産省
(文部科学省(日本ユネスコ国内委員会事務局))
大山国際統括官、平下文部科学戦略官、大杉国際戦略企画官、秦国際統括官補佐、その他関係官

4. 傍聴者

(ユネスコエコパーク(BR)関係者)
祖母・傾・大崩BR、只見BR、みなかみBR、日本MAB計画支援委員会

5.議事録

【礒田主査】 本日は、御多忙のところを御出席頂き、ありがとうございます。定刻になりましたので、事務局は定足数の確認をお願いいたします。
【秦国際統括官補佐】 本日は雨の中、ありがとうございます。今いらっしゃる委員は6名なのですが、定足数は過半数の7名で、吉田委員からは、もうすぐ参りますとの御連絡を頂いているので、基本的にはそれまで懇談会という形式ですが、よろしくお願いいたします。
【礒田主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいまから、第44回MAB計画分科会を開催します。
本分科会は、日本ユネスコ国内委員会の会議の公開手続第1項に基づき、公開することとします。また、本会議での御発言は、議事録としてそのままホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
また、本日は、関係省庁の担当者並びに幾つかのユネスコエコパークの関係者が傍聴登録されて出席されていますので、申し添えます。
本日は、大きく三つの議題があります。一つ目は、第31回MAB計画国際調整理事会の報告、二つ目は、日本のユネスコエコパークの活動について、過去2回の分科会での意見交換を踏まえた方向性の検討、また三つ目は、今年度の募集・審査スケジュールなど、今後の予定についてです。
議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【秦国際統括官補佐】 それでは、資料の方ですけれども、議事次第が1枚あって、資料としては、資料1-1、1-2、資料2、資料3-1、3-2ということでお配りしていますが、その中に、机上配付資料の1枚物と、参考が幾つかと、資料番号を付していない資料が幾つかありますが、これについては随時説明させていただきたいと思います。
過不足がもしあれば、途中でもおっしゃっていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
【礒田主査】 ありがとうございました。
それでは、議題1、第31回MAB計画国際調整理事会の報告等についてに入ります。6月17日から21日にかけて、パリのユネスコ本部において第31回MAB計画国際調整理事会が開催され、私と文部科学省国際統括官付の秦補佐が参加してまいりました。本件について、事務局から報告をお願いします。
【秦国際統括官補佐】 それでは、資料1-1に従いまして、主要な部分について御報告させていただきます。
6月半ばに、約1週間ということで、ユネスコの本部で開催されました。これは政府間委員会という形になりますけれども、およそ34か国の理事国による議論が行われたところです。
1番のところですが、冒頭の方の議題で、この理事会の議長であるインドネシアの議長からと、MAB事務局の方から、この1年間の彼らの活動について、簡単な報告がございました。一つ目の丸ですけれども、インドネシアの議長は、この1年間、御自身の研究とかでいろいろな国を回られて各国のMABの国内委員会等関係者に会っているということで、今年1月に日本にいらっしゃっていますので、そのときの様子を詳しく御報告されて、日本の関係者に謝辞が述べられました。また、MAB事務局の担当の部長の方からも、これまでの1年間の成果的な話がございました。ここには全ては書いていませんが、基本的に、ずっと進めてきました「出口戦略」においては、今年の9月の終わりが該当するユネスコエコパーク(以下、BR)からの報告書提出締切りになっています。これが最終の資料提出期間ですよということで、お話がありました。ネットワークの定款の基準を満たしてないということが来年の理事会で決まれば、世界のユネスコエコパークネットワーク(生物圏保存地域(BR)世界ネットワーク)からは出ていっていただくというような、一応そういった方向になります。現在のところ、60幾つかのBRがまだこの対象になっていると聞いています。また、コミュニケーション戦略で1分間のビデオの制作の推進だとか、生物多様性条約に関連するいろいろな国際会議や国連の気候変動の枠組の会議でも、ユネスコエコパークというものをアピールしていこうと活動してきました、というようなお話がございました。あと、今進めている技術的ガイドラインの策定も、順調に進んでいるという報告がございました。
それから、2番目のところですけれども、リマ行動計画に関連したところを中心に各国/地域からの報告ということで、日本からは礒田主査から活動状況について報告いただきました。また、日本が関係している地域ネットワークの状況ですけれども、一つは、東アジアネットワークからの報告としては、日本とロシア等のBRを軸にした教育交流、これは金沢大学が白山BRで取り組んでいらっしゃるものですが、こちらについてもアピールがされたところです。次回のネットワーク会議は来年2020年にモンゴルで開催する予定になっていると、御報告がありました。それから、東南アジアのネットワークの報告につきましては、3月末にフィリピンで会合がありまして、後ほどの資料1-2の方で報告をいたしますが、120人ほどが参加されて、来年はインドネシアで開催というような情報共有がございました。
めくっていただきまして、2ページ目ですが、これは新規のユネスコエコパークの登録の話ですけれども、18の地域が新規登録されたということで、この中に我が国から推薦した甲武信も含まれて、無事、甲武信ユネスコエコパークが誕生しました。それから、自主脱退が今年は3件ありましたということで、報告がありました。最終的には124か国701地域ということで、現在、ユネスコエコパークが認定されたことになりました。
4番目ですが、MABの若手研究者奨励賞ともう一つの賞がありますが、若手研究者奨励賞の方には、日本からは白山BRの関係者で金沢大学のアイーダ・ママードウァ(Aida Mammadova)さんを推薦していたところですが、めでたく受賞されまして、ここには書いていませんけれども、本来は先進国からの奨励賞受賞というのは例外なので、非常に特出した内容であったという理解でおります。しかも、受賞者7名のうち、第2位で受賞されています。それから、BR管理のための賞の方ですけれども、こちらは2年に1回ということで、ケーススタディー的な形でプレゼンが行われます。今回は、スペインのBRによる、食品をブランド化した取組みに対して授与されました。内容的には、途絶えていた伝統的な農業を復活させて、それをエコパークの売りにしているという発表でした。
5番目ですけれども、これは「出口戦略」の後のフォローの戦略ということで、この1年間アドホック・グループで議論をしてきて、その提案が提示されました。先生方には事前に照会させていただいたところですけれども、参考の枠のところで内容のエッセンスだけ示させていただいています。基本的に、エコパーク自体が10年で定期報告ということになるのですけれども、その間にどういうふうにして基準を守り、そのまま保てるのかというところの強化策を考えるというのがアドホック・グループでのアジェンダだったはずなので、引き続き、このアドホック・グループでもう少し議論をしてまとめてほしいという結論となりました。この中でも、例えば5年ごとに国内でレビューを簡素な形でやるというような方策については、更に具体化して検討してほしいというような意見が出ていました。また、定期報告自体も、かなりボリュームのある報告書の作成になるので、そこも含めて負担度がかなり大きいので、その辺ももうちょっと簡素化できるような、よりよい形で質の担保ができるような方策を考えていくということが、アドホック・グループに課されているという状況になっています。
3ページの6番目ですけれども、リマ行動計画の進捗と中間評価の方向性という議題がございました。進捗につきましては、事務局の方から良好であるというような報告があったほか、後半、この中間評価の方向性で、ユネスコの中に内部監査部(IOS)という部署がありますが、そちらを中心に外部有識者にお願いして中間評価をするという計画を立てているという紹介がございました。中身的には、二つ目の丸のところにございますように、行動計画に対する進捗に関するアカウンタビリティを見るものということで、どのように見るかというと、OECDが使われているDAC評価の5項目を応用して、1から5の観点で、恐らくこれはオンライン調査になるかと思いますが、オンライン調査と、必要に応じてヒアリングという形にさせていただきたいという御案内がございました。下の方にスケジュール案を書いていますけれども、これも明確に書類が出た話ではないので、プレゼン資料の中でこういったことを考えていますという話なので、変わる可能性は大いにあり得ますが、今年の秋から来年の初めぐらいのところで、各国なり、各BRなりが、どんな状況なのかということをオンラインで調査していくということが見込まれています。
7番目、MABコミュニケーション戦略でございますけれども、大きく三つ書かせていだたいていますが、まず、従来からずっと、オープンアクセスを進めましょうね、ということを理事会では推進してきていて、ユネスコのMAB事務局の方で、今、それを基にMABのウエブサイトを再構築し直していますという報告がございました。登録されている各BRのページは、今もあるのですけれども、さらにリニューアルし、いろんな書類をここで見られるような形にしますということで、将来的には、申請の書類だとか、定期報告の書類も、全てオープンアクセスとなるるような形に持っていきたいというのが、今の方向になっています。なので、写真やビデオも含めて、どんどん掲載したいので送ってほしいというような案内が事務局からありました。(2)の「#ProudToShare」の1分間の紹介ビデオの制作についても、年内になるべく作成して、ユネスコに提出してほしいというような案内がございました。
4ページ目に移りまして、最後のところの「Train the trainer sessions」という、コミュニケーション戦略についての研修のワークショップについては、2019年も引き続きやりたいというような話がありました。本日お配りしている資料の後ろの方に、資料番号の付いていない資料で、「今日の人々と自然をつなぎ、素晴らしい未来を呼び起こす」というプレゼンの資料を付けています。戦略及び行動計画の仮訳で、ちょっと遅くなりましたが、こういった内容になっておりますので、御参考までに御覧ください。
報告の方に戻りますが、4ページ目の8番目、技術的ガイドライン(TGBR)の議題ですけれども、去年の会議でのワーキンググループのメンバーは地域バランスをもう少し考えるようにということを受けて、結果的には合計33か国70名に拡大しまして、オンライン会議も始まっているという報告がありました。日本からは、佐藤委員と吉田委員に御参画いただいていると思います。ガイドラインの構成案は、ビューローのメンバーの方で精査したものが当日示されたところなのですが、中身についてはもう少し精査する必要があるということで、継続審議ということになっています。決議案としては、マル1に書いてあるように、構成案について、理事国から何かコメントがあれば出してもらった上で精査するようにというようなステップになっています。
9番目ですけれども、ユースの活動ということで、これまでの1年のいろんな地域でのユースフォーラムだとかワークショップだとかが開催されてきましたという報告と、あと、実際にヨーロッパで開催された会議でユースがプレゼンをしたという報告がありました。また、今年の9月半ばに第2回目のグローバルレベルのユースフォーラムを中国で行いますということで、案内がありました。つい先週、事務局からメールで案内が来ていまして、それも机上の最後の方の資料としてお配りしていますけれど、2019 MAB YOUTH FORUMというのが開催される予定です。我が国でも国内のBRに照会中でございます。
最後の10番目、来年の理事会は、初のアフリカ地域での開催ということで、ナイジェリアで開催ということが決まりました。また、その翌年は、MAB計画の50周年ということもあるので、それを見据えていろいろ企画をしていった方がいいねということで、議論は終わったところです。
すみません、駆け足ですが、以上です。
【礒田主査】 ありがとうございました。
MAB国際調整理事会について私からも少し補足させていただきますと、新規BRの登録、また拡張登録が認められたというところで、民族衣装を着た関係者が立ち上がって、かねを鳴らしたり、太鼓を鳴らしたり、かなり盛り上がる感じで、そんな中で甲武信もめでたく登録されまして、山梨県の方から2名来られていましたので、秦さんと私と山梨県の方と、あと、ユネスコ日本政府代表部の方から萩原参事官が来てくださいましたので、5人でちょっと立ち上がってという形でお応えしてきたというところです。
それから、アイーダさんの受賞については、ロシアの代表からも謝辞をわざわざいただきまして、「日本・ロシアのユースによる、エコを意識した起業の可能性」ということでコメントも頂いておりました。
そんなところですけれども、8番にありますMAB技術的ガイドラインについて、佐藤先生と吉田先生がメンバーでいらっしゃるということもありますので、今回の報告について、何かコメントがございましたら、是非お願いしたいと思います。
【佐藤委員】 実はこれ、定期的なフェース・ツー・フェース・ミーティングは国際調整理事会で行われるケースが多くて、なかなか参加する機会がなくて、ウェブだけでフォローしていると山のような文書を読まなきゃならないというややこしい問題があって、きちんとフォローできていないのですけれども、少なくとも割とボトムアップの形で多くの人の意見を取り入れて何とかガイドラインの形を作ろうという作業をしていますが、ユネスコ側のヒューマンリソースは必ずしも十分じゃないような印象があります。つまり、Mariemさんとインターンシップで来ていらっしゃる方の2人でごりごり回すという、そういう雰囲気でして、だから、かなり厳しいのは間違いないだろうと思います。ただ、私はガバナンスのタスクフォースにいるのですけれども、イギリスのMartin Priceさんが基本的には委員長を務めていて、最終的には恐らく彼のセンスで決まっていくのだろうなというふうな印象を強く持っています。
【礒田主査】 ありがとうございます。
吉田先生。
【吉田委員】 私も同じような感じで、ウェブベースで密にやられている方とそうでない方といて、眺めていると、どこまでどうコミットすればいいのかなって、なかなか難しい問題がある。今日なんかも事務局の方が退職されるというような話のメールが来ていたりしたので、また少し変わるかなと思います。
【佐藤委員】 彼女はインターンだったので、インターンの期間が終わって、いなくなっちゃう。恐らくまた次の方がいらっしゃるのですが、そういうヒューマンリソースで回さなきゃいけない状態というのは厳しいかなと、私は思っています。
【吉田委員】 そうですね。フォローアップだけはしていきます。
【礒田主査】 引き続き、よろしくお願いいたします。
ほかに、この件について、御質問、あるいは追加の御報告などがありましたら、お願いいたします。
松田先生。
【松田委員】 この件というわけじゃなく、最後に書いてある「MAB計画50周年にあたり」ということなので、国内でも何かやる気配はないのかというのがもしありましたら、後でお願いします。
【礒田主査】 それについては、議題2のあたりでお話しできればと思います。
それでは、次に進んでよろしいですか。どうぞ。
【秦国際統括官補佐】 資料1-2は、先ほど触れました東南アジアのネットワークの報告書で、参加された飯田さんから提供いただきましたので、適宜御覧いただきたいということと、50周年については、国際調整理事会においても、MAB事務局は何か考えないのかというような感じで理事国から言われていました。
【礒田主査】 それでは、議題2、日本のユネスコエコパークの活動についてに入りたいと思います。当分科会ではこれまで、リマ行動計画実施状況調査の分析とか、分科会における意見交換を通じて、日本のユネスコエコパークの強みや、今後望まれる事柄について、議論をしてまいりました。本日は、これまでの有識者からの発表と意見交換を踏まえて、分科会としてのユネスコエコパークの今後の推進の方向性について、御審議いただきます。事務局において作成した今後の方向性の骨子案のたたき台を参照しながら、議論を進めたいと思います。
まずは、事務局から、資料2に基づき、説明をお願いいたします。
【秦国際統括官補佐】 資料2を御覧いただきたいと思います。2月、3月の分科会2回にわたって、日本のユネスコエコパークを支援している有識者の方々からの発表と、この1年、2年にかけて、リマ行動計画、どういうふうな進捗が日本で行われているかというところの調査の結果の発表を有識者の方にしていただいたというのが、これまでのところです。その中で、それぞれのユネスコエコパークでこういった特徴があるだとか、日本のユネスコエコパークとしてはこういう特徴・強みがあるというような話と、あと、こういうところはちょっと欠けていて、よく分からなかったねというところと、少しずつ意見交換の中で見えてきたものがあるかと思います。それを踏まえて、今後、分科会として、日本のエコパークはどういうふうな形で推進していこうかというところの、そのメッセージの出し方も含めて、この分科会で御意見をいろいろと頂戴しながらまとめていくものだというふうに事務局としては考えており、たたき台として今回御用意させていただいているのが、資料2です。
まず、先ほどの議題でも御報告しました、最近のユネスコ側の国際情勢的なMAB計画の状況ということで簡単にまとめているのが、1枚目の1の部分です。基本的に、ユネスコエコパーク(BR)の制度が、移行地域をしっかりと作るようにというふうになってから、経済と社会の発展機能の重点化が進んできていると。この前の調整理事会でも再三言われていましたけれども、BRというのは「保護地区」ではなく「特別地域」なんだということが強調されています。SDGsということも出てきているからかもしれませんが、多様なステークホルダーを巻き込んで多様な取組がユネスコエコパークではできるということもあって、多様なステークホルダーとともに発展することが重要と言われています。その中で、(1)から(3)の、グルーピングはこれでいいのかというのはありますけれども、一つはやはり、SDGsや生物多様性の推進の実践の地域であるというところをもっと世の中にアピールができないかというような議論が大きくされています。その中で現在ユネスコで進められているコミュニケーション戦略なんかもでてきているというふうに理解しています。二つ目は、先ほど言った多様なステークホルダーというところなので、いろんな人を巻き込んでいくというところの課題が見えてきていると。最後には、質の強化というところで、今後、モニタリングをどういうふうに有効的かつ効率的にやるかというところの工夫が必要だという認識で、この分科会でも同じような議論をしてきていると思いますけれども、ネットワークを更に活用してユネスコエコパークの質を高めていこうということが言われています。
それをまとめたのが1ページ目でございまして、2ページ目のところからは、これまでの分科会で議論があった中身やエッセンスを今の3本柱のところでグルーピング化したという作業をしたところです。本日は、果たしてこういった構成が適切なのかということや、盛り込むべき中身に対するご意見など含めて、御審議いただけたらと思います。
それが4ページ目のところまで続きますけれども、最後に3番がありますが、ここでは、日本全体の観点ではどうしたらよいのかという、この分科会としてのメッセージとして、こちらはまだたたき台でございますが、こういったことが言えるかというところで書かせていただいています。いずれも、これまでの2回の会議で話が出てきていることを基に、入れ込ませていただいています。これは本当にたたき台で、まだ中身も表現も含めて調整が必要と考えておりますので、まずは、どういったメッセージの出し方が有益なのかというところから、御意見頂ければと思います。
【礒田主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの資料、まず、近年のユネスコMAB計画の推進状況、二つ目として、日本のユネスコエコパークの取組状況、意義とか価値の発信、それから、オープン・参加型の活動の促進とか、質の強化、三つの観点がございますし、また、三つ目としては、この分科会による推進の方向性ということで、三つについて過去2回で先生方から頂きました御意見をまとめていただいておりますけれども、この資料に基づきまして、皆様から御意見を頂戴したいと思います。本日、7名ほどの参加になっていますので、よろしければ、まずは各委員の方から御意見を頂ければと思いますけれども、佐藤先生から、いいですか。
【佐藤委員】 まず、1番の進捗状況から言いますと、SDGsやリマ行動計画に関してかなりきちんとしたアンケートをとられて、その整理が進んでいたというふうに理解していまして、それとの対応関係がいまいちよく分からなくて。つまり、何らかのエビデンスがあって記述されているんじゃないかと思うのですが、その部分をもうちょっと明瞭に見せていただけると、今の取組状況が分かるだろうし、足りないところも分かってくるのではないかと思われます。
2番目の更に注力を置いて推進すべき観点というところに、課題が整理されているわけですね。それはもっとありそうな気がするのですけど、なぜこの二つに集約されたのか、いまいちよく分からないので、その辺、秦さんからもう少し説明していただけるとありがたいのですが。
【秦国際統括官補佐】 基本的に2回の会議で出てきたものだけを拾っている感じなので、網羅的にはなっていないと思います。それは特徴や強みについてもそうなので、正にこの辺はもう少し増やしていく必要もあるのかなという気はしています。
【佐藤委員】 少なくとも、リマ行動計画に関してはアンケートをとりましたよね。そのときにSDGsに対する対応についても記載する部分があったという記憶があるのですが、あれは内容的にはそれなりのものがあったんじゃないかと思うのですけれども、その辺がうまいこと使われるといいのではないかなと思います。
【秦国際統括官補佐】 はい。
【礒田主査】 それは、何か配付とかは、今はないですか。
【秦国際統括官補佐】 SDGsでどういうふうに取組があったか、今、まとめた資料はないのですけれども、あれは多分、昨年度の初めの方の会議ですかね。
【佐藤委員】 そうですね。
【秦国際統括官補佐】 中間報告で出したものですよね。
【佐藤委員】 あれを有効活用しない手はないなと思って見ていたので……。
【秦国際統括官補佐】 そうですね。一方であれを一覧で付けるという手もあるのかもしれませんが、それよりも、先生がおっしゃるのは、少し事例として盛り込んで分かりやすくした方がいいということですね。
【佐藤委員】 少なくともあれに書かれていることから何らかの分析は可能だろうなと思っていまして、アンケートに答えてくださった方々が言っていらっしゃることから、何らかのまとめを考えていただけると。これは外注でもよろしいと思いますので、是非その辺の分析を終わらせていただいて、見せていただけるとよろしいかと。特に、課題はかなりはっきり出ていたと思うのですよ。
【礒田主査】 では、上條委員。
【上條委員】 意見として、ユネスコのジオパークあるいは世界遺産とか、それとの類似性とか、仕分けとかの整理というのをしていたと思うので、そういうのが盛り込まれ、どの部分かというところの、効率的に保全をしたり、活用したりするという観点では必要かと思ったところですけれども、いかがでしょうか。
【礒田主査】 恐らく、世界遺産、自然遺産としての、例えば核心地域を中心に自然遺産と両立させていくようなというのは、この分科会でも御意見があったりしますし、また、屋久島がそうですし、韓国のチェジュとかもそうかと思うのですけれども、そのあたりも、きょうは環境省の方がいらしていますので、環境省の方の御意見もちょっと頂ければと思うのですが、いかがでしょうか。
【環境省自然環境局自然環境計画課 大迫専門官】 世界自然遺産との仕分けというのは、余り我々もそこを明確に考えてはいないというのが実情なのかなと思っています。
【礒田主査】 今、上條委員の方から、運営としても効率的なというところの御意見だったと思うのですけれども、松田先生から、核心地域については可能性としては両立するというような話、よろしければ。
【松田委員】 世界遺産とMABの核心地域を二重に登録するのがいいのではないかというのは、筑波大の世界遺産講座にいる吉田正人さん、この名前はたしか前も出したと思いますけど、彼が『世界遺産を問い直す』という本の中でも書かれていまして、要するに、ボコバ(Bokoba)前事務局長の言葉だと、世界遺産は価値を保護する制度であり、MABは価値を創造する制度だと。保護だけでは足りない部分があるので、ということを彼女は力説していたと思います。それの可能性はいろんなところがあると思いますので、そういう意味では、多分、ネットワークとして、BRはBR同士で学び合って、ジオパークはジオパーク同士で学び合ってというふうにする必要は必ずしもないと私は思いますので、むしろ制度間の交流があると、特に二重に登録されているところ、例えば祖母・傾・大崩ですと日本ジオパークや農業遺産とも重複していますし、そういう相乗効果を積極的に捉えていくというのは、むしろMAB計画としては大歓迎ではないかなあと、私は思っています。
【礒田主査】 先ほど突然振って申し訳ありませんでしたけれども、自然遺産としての世界遺産との両立とか、ジオパークとの両立なども視野に入れてということは、この分科会として残していく意見かと思っておりますが、環境省の方も、是非、検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。
【環境省自然環境局自然環境計画課 大迫専門官】 世界遺産とBRの核心地域が重複するというのは、確かに世界でも多々見られるというのは承知しております。
【礒田主査】 そうですね。よろしくお願いいたします。
吉田先生、何か。
【吉田委員】 世界遺産は今、奄美と琉球のところとか、候補地が限られている中で、逆にBRの方がいろいろな形で、これから日本の地域を考えていくと、実際的な保護とか保全に役立っていく可能性って非常にあるなあと。対馬だとか、いろいろなところへ行くと、残っているところって、国有林がなくて、民有林のあるところが多いので、そういったところにこれから実質的に広がっていくといいなあというふうに考えています。当然、世界遺産は世界遺産できちんと価値があって、そこと結び付いているのですけれども、その周辺で大事なところというのを守っていく形につなげていけばいいなあと、少し考えているという。
【礒田主査】 ありがとうございます。
大野委員。
【大野委員】 MABにしても、世界遺産にしても、ジオパークにしても、方向性として守るものは、その地域にある、価値ある、例えば、地球資源だったり、自然資源だったりするものですね。それを実質的に守る担い手は誰かというと地域住民であり、その地域社会というものを維持していかないといけない。ですので、例えば、様々な価値あるものを守るために地域社会を維持していく。そのために必要なものは、ビジネスであったり、その地域のリソースを持続可能な形で活用していくというスタイルだと思います。例えば、エコパークであれば、エコツーリズムとか、グリーンツーリズムとか、ブルーツーリズムとか、そういったものが推進されていますし、ジオパークであれば、ジオツーリズムというものを推進して、その地域の価値を改変することなく、そのまま楽しんでいこうというように。ですから、そういったものに対して例えば観光の関係者が新たなツーリズムを作り出していくという動きが出てくると、エコパークとか、ジオパークとか、世界遺産とか、そういったものに登録されたことによって、直接、地域にメリットが出てくる。それがなかなか、現場レベルにいると感じられない。観光の人はどうしても、例えば大河ドラマの誘致とか、そういう、言葉を選ばずに言えば、比較的安易な方向に走りがちですけれども、そうではなくて、より深く地域を楽しんだり、学んだりするという場を観光の人がもっと積極的に取り入れてくれないかなあというのは、現場の声としてはあります。
ただ、今のBRにしても、何にしても、登録されたことによる結構直接的なメリットとして実感できるのは、教育事業というのが非常に充実して、地域の住民や、特に子供たちが地域のリソースの価値や意義を知る機会が増える。これは、BRに登録されようが、ジオパークに登録されようが、それは格段に増えるので、その流れを、例えば、その子供たちが社会に出てきたときに、その子たちがその子たちの価値観で自然のリソースを守っていけるようなものにしていかなきゃいけないような気はしています。ですので、社会を守っていき、そこにいる子供たちが大人になったときに生きていけるような場を作っていくというのが、エコパークの推進の中では、かなり長期的な話ですけれども、必要な観点ではないかなと思っています。
【礒田主査】 ありがとうございます。地域経済、観光、教育、人材育成と、そういったところを長期的なことも含めて御意見頂き、ありがとうございます。
現状の日本のエコパークの取組については2ページにまとめていただいていますけれども、この状況については各BRの方が報告もされていらっしゃると思いますが、整備をどういうふうに検討するのかという方向性についてもこの分科会である程度打ち出す必要があるのかと思ったりしますけれども、そのあたりのことも含めて御意見を頂ければと思います。また、質の強化というところで、現状の中でどういった質を強化するのかという部分も、かなり具体的に打ち出す必要もあるのではないかとも思います。
【佐藤委員】 ちょっとよろしいでしょうか。
【礒田主査】 どうぞ。
【佐藤委員】 エコパークにしろ、ジオパークにしろ、こういった認証制度的なものが地域に対してもたらす価値を考えるときに、一方では経済価値のようなタンジブルな価値は大事なのですけれども、恐らくインタンジブルな価値がはるかに複雑にいろいろ絡まっていて、そちらの方の価値が本当に目に見えているかどうかというのが、地域の方々にしてみれば、こういったものに参加することの意義が感じられるかどうかの分かれ目になってくると思っていまして、つまり、金が儲かるなんてめったに起こるわけじゃなくて、大成功というのはほぼないわけでして、むしろそうではなくて、とりあえず、でもこんないいことがあったという、目に見えない部分が非常に重要だと思っていて、ユネスコエコパークもジオパークにも共通している、非常に重要な価値の一つは恐らく、従来だったら交流がなかった自治体間の交流が生まれるような、ネットワークの確立なんですね。一つは、ユネスコエコパークに登録した登録地の中でのネットワークがものすごく充実するというのは、非常に重要な価値。それからもう一つは、グローバルネットワークを通じて、今まで全く交流がなかった、どこかとつながる。アイーダさんがやってきたような、金沢とロシアがつながっちゃうわけですね。そういうふうな外とのネットワークがつながるという、こういったことの事例がきちんと目に見える形で紹介されていくことによって、多くの方々が確かにこういった仕組みには意味があるなということが実感できるような形を作るというのが、これは誰がやるべきか、よく分からないのだけれども、この委員会か、あるいはMAB計画支援委員会、両者の仕事ではないかというふうな気はしています。
【礒田主査】 今回、甲武信が登録されまして10のBRになったわけなので、先生がおっしゃったように地域の、甲武信も、東京都、山梨県、長野県、埼玉県の4都県のネットワークがこれからますます強化できる期待もありますし、あとは10の中での連携というのももちろんあると。今回傍聴されている各地域の方々も、そういったネットワークを国内でいろいろ推進するとか、あるいは海外のBRとの交流といった、そういった展望について、期待とか、また、そこに住民がうまく巻き込まれていくような形というようなことで、御意見を何か頂ければと思いますけど、いかがでしょうか。
工藤様。
【祖母・傾・大崩BR】 こんにちは。祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク推進協議会の事務局をしております、大分県庁自然保護推進室の工藤と申します。よろしくお願いいたします。
先ほど佐藤先生からお話があったのですけれども、ユネスコエコパークに登録された効果として、これまで交流のなかったところから交流が生まれるというお話ですが、祖母・傾・大崩エコパークは、大分県と宮崎県、2県の6市町にまたがっているところなんですけれども、平成29年度に登録されまして、そのときから祖母・傾・大崩内での交流というのを始め、事業としました。6市町の地域の保護・保全活動をやっていらっしゃる方だったり、地域おこしをやっている方々が一堂に会して、地元の地域の悩みとか、その解決方法とか、そういったものをプレゼンいたしまして、その中で意見交換をして悩みを共有していくという作業を平成29年度から、年1回ですけれども、実施しております。それが何か解決につながったという事例はまだないのですけれども、私どもも、地域の中でいろんな活動をされているというのが分かりましたので、そういった方々の活動をまとめたものを今年度作って、皆様方、地域の皆様方、活動されている方々に見ていただいて勉強していただこうといったような仕組みを今考えているところです。
【礒田主査】 ありがとうございました。
只見の方はいかがでしょうか。
【只見BR】 4月から只見のエコパークをやっております、中岡と申します。私、4月からで、まだよく分からないのですけれども、只見の場合は、只見町と、それから檜枝岐村が絡むのですが、ほとんど一部で関係ないので、ほぼほぼ只見町単体と考えていただいていいと思うのですけれども、どちらかというと、連携の方に発展するというよりは、中でエコパークをどのように住民とか関係行政機関に訴えていくかということの方がまだまだ十分でないというふうに感じるわけです。役場の中自体がそうですし、担当者が独りで頑張っているような状況で、それをまず何とかしていかなきゃいけないというのが、地域の実態だと思うのですね。ですから、日本ユネスコエコパークネットワーク(以下、JBRN)なんかでよく、いろいろ連携したらいいじゃないかというお話もあるわけですが、そこまでいくと、とてもじゃないけど完全に担当者が首をくくらざるを得ないというような状況にもなります。その辺がしっかりできてから、足腰がしっかり整ってから、打って出るということで。ただ、確かに地域住民になかなかエコパークの良さが見えないということはあると思いますし、地域住民の中でも濃淡があるのですね。ですから、一番、手っ取り早いというか、重要なのは、先ほどおっしゃられたように、子供の教育みたいなものから始めていくと、長い目で見て理解が得られやすいというところはあると思いますけど、そういったような感じです。
【礒田主査】 ありがとうございました。
みなかみの方はいかがでしょうか。
【みなかみBR】 みなかみ町の小野です。只見さんがおっしゃったのと、ほとんど似ている部分があります。みなかみ町の構成自治体の交流という観点からすれば、ほとんどがみなかみで、人の住んでない湯沢と南魚沼と魚沼が入っているので、そういった交流という面では、うちのBRはそこについては言えないものがあると思うのですが、最近はいろんなところでみなかみBRの話をする機会が増えてきているのですね。それは教育機関です。ずばり、教育機関で子供たちに向けて話をする機会というのは、とても増えました。それは、教育委員会が、子供たちに地域の誇りを小さいうちから持ってもらって大きくなってもらうというような、そういった方向性を感じてくれたからだとは思っているのですけれども、そういったところで何を言っているかというと、みなかみの価値というのは何かということをユネスコエコパークの登録で気付かせるというか、ただ住んでいると分からないことを外から評価されることで、そのすごさに気付くというような、そういったところを子供たちにも訴えていますし、大人たちにも訴えていて、それが徐々に浸透していくような形になっていくというところだと思っていて、子供たちもそうなのですが、この間、小学校3年生に向けてBRの話をしたのですけど、制度的なことは全く分かるわけがないので、この町ってこんなにすごいんだよ、こんなに自然がすごいんだよというようなことを言って、エコパークに登録されているんだぜ、こんなにすごい町なんだぜというような、そんな感じなんですけれども、それもどれぐらい先に効果が出るかといったら、多分、10年、20年先の話で、大野先生がおっしゃった、こつこつ、こつこつと、随分先のところで効果が出るようなものだというふうなことだと思ってやっていまして、担当者としては、速効性の効果、観光客増とか、ブランド力強化とか、そういったところも期待はしていたのですが、その辺はそんなに出るものじゃなかったりしましたので、まずはどこに力を入れるかといったら、教育部門というか、そういったところに力を入れながら、10年後、20年後、50年後、100年後の種まきだと思って、それのきっかけでBRがいい方に展開していけばいいなあといったところで、そんな話をして、「世界中から愛される、みなかみへ」なんていう言葉を使って、子供たちにも、大人たちにも、BRのメリットを伝えています。
以上です。
【礒田主査】 ありがとうございました。
三つのBRからお越しいただいておりますので、貴重な御意見を頂きましたけれども、10年、20年という長期の展望の中で、教育ということについては非常に大きく貢献できる要素があるということも、今、お話しいただいたと思います。
引き続き、服部先生、お願いいたします。
【服部委員】 まず、私、調査委員をやっている間に兵庫県にユネスコエコパークをと思っていたのですけど、それができなかったのが残念であるというのが、一つあります。
あと、これで広大な面積の自然を管理するということになって、管理の具体的な方法、例えば、人工林ですとか、自然林の場合は放っておくとかいうことなのですけど、その中で里山林である二次林の面積が非常に大きい。その二次林の管理方法については、今までは生産的管理という視点でやってきたけれど、生産的管理が抜けたときに、いろんな多面的機能を基にする管理であったとしても、確定してないので、これから広大な面積をどう管理していくのか、非常に難しいところがあるのではないか。ここに書いていただいているように、順応的管理というのは当然やらなきゃいけないのですけど、そういう管理を進めていく中で、評価をしながら、その方法論をどんどん公開していただくというような形で、ほかの地域にも是非広げていっていただければなというふうに思いました。

【礒田主査】
今、先生方から御意見頂きましたし、BRの方からもいろんな状況を教えていただきましたけれども、資料2の、今まで有識者の先生方が各BRでも、研究プロジェクトなり、いろいろ行っていて、また、リマ行動計画というものが入ってきて、過去2回の話し合いを踏まえて、こういった中でその方向性をこの分科会としてある程度打ち出せるのかどうかというところに議論を持っていきたいと思っております。かなり具体的に、例えば10のBRをプロモートするための分科会としてのアイテムは何かあるかどうかというような議論に入っていきたいと思うのですけれども、どうでしょうか、先生方から、例えばというようなことで。
【大野委員】 佐藤先生がおっしゃったことと関係するのですけど、せっかく10の地域がありますから、それぞれの取組の共有をする場を作るというのがまず最初かなという気がします。特に、継続してやっているところとか、それによって地域がどう変わってきたかという部分に対して、現場の人が話せるような機会というのを設けてみてはどうか。BR間の連携とか、あとはガバナンスの部分でこういうところをやったら地域の人がいっぱい関わってくれるようになったとかという取組でもいいと思うので、何かグッドプラクティシスを集めて、みんなが共有できるような機会を作るのはいいのかなと。それは、対面(フェース・ツー・フェース)で情報共有というのが一番ですけれども、例えば、予算的にも、タイミング的にも厳しいというのであれば、スカイプミーティングとかっていうやり方もあるとは思います。
【礒田主査】 それは、例えばJBRNの大会とかとは別に、そういう運営に関する、ガバナンスというようなところで場を設けて。
【大野委員】 そうですね。何かお題を決めて、そのお題に食い付いてこられる方々が自分たちの経験を共有する。それがJBRNの会議の中で設けられるのであれば、それで作ってもいいし……。
【礒田主査】 それでもいいということですね。ありがとうございます。
【松田委員】 JBRN総会は、今月下旬にあると思うのですけれども、遠くから集まってきて、割と首長級の方も入れた総会とかもやるような時間がありますと、1日で終わってしまうと、そういう行事をする時間というのはなかなかとれないので、もうちょっとうまく工夫して、例えばユネスコパートナーシップ事業の中の一環として、これは公募になるかもしれないですけど、そういう形でそういう行事が組めればいいかなと思います。最初にJBRNの総会を提案されたのは、只見の方で呼び掛けられて、そのときはむしろ、単に登録地だけじゃなくて、これから登録しようという人の相談とかもあったと思いますし、一体、BRになって何を目指すんだというところから議論をするというような場があったと思います。そういうのは当然重要だと思うのですけれども、資料2のコメントも、追加でよろしいでしょうか。
【礒田主査】 お願いいたします。
【松田委員】 この(1)(2)(3)の構成がちょっと気になるのですが、(1)が価値の発信になっていて、(2)でオープン・参加型の促進となっていて、(3)でBRの質の強化なんですけれども、(1)と(3)がちょっと重なるような気がする。例えば、(1)のポツのところに「SDGsに貢献する実践・学びの場」とあるのですけど、私が常々言っているのは、単なる学びの場じゃなくて、学び合いの場だというふうに申しています。それは要するにネットワークということだから、そういう意味では(3)に絡むのですね。ここは発信するという位置付けであるのですけれども、例えば、「気候変動の観察拠点」ですが、世界遺産ならばまだある程度観察拠点かもしれないですが、エコパークであれば、積極的に再生可能エネルギーを導入するとか、そういう意味では気候変動対策の実践の場であってもいいわけです。それと同時に、様々な適応策をやる場であってもいい。つまり、ただの観察の場でもないのですけど、これは(1)に入っていますので、発信という意味ではこう書かれているのだろうと思いますが、もうちょっと工夫すれば、整理できるかな。その整理というのは、要するに、持続可能な社会に向けてエコパークの活動の成果を発信する場というのは、どっちかというと来るかなあと。それをやったら、もうちょっと広がるような気がするのですね。当然、その中にSDGsとかESDが入ってくる。そういう意味では、(3)は当然ネットワークなのですけど、上の方で私が申したような活動が(3)の方であってもいいかなあという気がしました。ただ、それは、前回、前々回とかのレビューを拾い集めてくるとこういう整理になったのかもしれませんけど、エコパークからの発信というよりは、もうちょっと欲しいなあというのが、正直なところです。
【礒田主査】 ありがとうございました。
4ページ目の3のMAB計画分科会による推進の方向性ということで三つほどお出ししていますけれども、このあたりが可能であるのか。例えば、可能であれば、どのようにできるのかとか、あるいは、長期的なのか、短期的なのか、そのあたりをちょっと、先生方から、この方向性について見ていただければと思うのですけれども。
佐藤先生、いかがでしょうか。
【佐藤委員】 意義・価値というものは発信する前に可視化されてないといけないので、少なくとも、意義や価値が可視化され、共有されることを通じて、発信への機運が生まれるというふうに理解したらいいんじゃないかと思うのですね。その価値がはっきり可視化されるためには、質が強化されないといけない。質の強化というのは、正に価値がはっきり見えてくるような形で質を強化していく。その質の一つが、オープンかつ参加型の活動じゃないですか。という相補関係になっているので、松田さんの指摘は多分正しくて、順番を変えるだけでも、大分変わるかもしれませんね。だから、流れを少し作って、説明いただく。最初に発信があるから僕らは違和感を感じるので、ちゃんと価値が高まって、高まった価値の一つとしてオープンかつ参加型の活動が起こっていて、そういう人たちがいろいろな形で発信していくという、そういう流れなのじゃないかなと思います。多分、この委員会として本気で気にするべきは、いかに質を高めるかというところじゃないかと思います。質を高めるところが何とか本気で高まってくれれば発信も起こるだろうし、当然、その中にはオープンかつ参加型じゃなきゃいけないというのは大前提で入っているというふうに私は思いますので、恐らくは、質の強化の部分が一番大事であり、それは既存のエコパークの質の強化だけじゃなくて、今後、どんなエコパークを育てたいかという、そういう議論につながっていくのではないかというふうに思います。
【礒田主査】 ありがとうございます。
質の強化については、以前、国際化ということがかなり重要という御意見もあったと思いますけれども、先生がおっしゃるように、今後の候補地についての可能性、そのときにどういう質を担保するのかどうかというようなことも、かなり踏み込んだ話にはなりますが、そういったことも必要なのではないかということだと思います。
上條先生。
【上條委員】 今日来られている地域の方に聞きたいというところなんですけど、一つの町とかでエコパークをやりくりするって、すごく大変なことかと思います。実際、そういうコメントがあったのですけれども、こんなふうにしたら人材が確保できるんじゃないかとか、そういったことってないでしょうか。
【礒田主査】 順番に、祖母・傾・大崩の方から、何かありますか。人材の確保について。
【祖母・傾・大崩BR】 今はお答えできるものがありません。
【礒田主査】 只見の方は、いかがでしょうか。
【只見BR】 うちの町の場合ですと、今担当している係長は、よそから来た人なんですね。ほかはほとんど地元の人なんですけれども、そこにちょっと差が出ていくのですね、最初は。結局、今までの仕事をやっている意味で、エコパークってどちらかというと重荷なんですね。何かやると、みんなそこにひっかかってくるわけです。だから、それを解決するのが一番大変なんですけれども、役場のことだけで言えば、職員全員がそれこそエコパークというものを本当に理解していれば、一人一人が自分の仕事の中でそういう発想に立って解決できると思うのですね。例えば土木であれば、道を造るときにそういう観点が最初にあれば、担当者レベルで解決できることもかなりあると思うのですけれども、その担当に力がないために、みんなエコパークの担当の方に持ってこられてしまう。そこで全て解決していかなきゃならないような事態になっていて、それが役場の行政自体の運営が滞る原因になりかねないわけですね。町長がもっとリーダーシップを持ってやればいいのですけれども、結局、町長も選挙で選ばれるものですから、エコパークを作った当時の町長が替わったりすると、その辺が切れてしまうわけですね。それを運営するというのは非常に骨のあることであって、役場の中で全員の職員が10年、20年やっていれば、それはある程度、隣の町で福寿草が全滅したけど、うちだけ残っているというのであれば、悪い例ですが、目に見えるようなものが出てくれば理解できるでしょうけど、今はまだその段階にないですし、そこは非常に難しい問題であるので、もどかしいわけですよ。
【上條委員】 ありがとうございます。
【礒田主査】 みなかみも、何か工夫されるとかの……。
【みなかみBR】 只見さんの後にしゃべると少し楽なのであれですが、単独自治体としての悩みはやっぱりそこで、この3月まではエコパーク担当がもう1人いたのですけれども、4月からは私独りになってしまって、はっきり言って大変です。辛いです。そして、こういう状態でうまくエコパークを回していく、自治体が回していくのだとすれば、先ほど中岡さんがおっしゃったように、全員がエコパークをちゃんと理解して、そういうつもりで各セクション、福祉でも、子育て部門でも、土木でも、教育でも、発揮できるような状態になっていれば、多分、私独りでも全然大丈夫だと思うのですが、今は、こういう状態ですから、そうはなっていません。
じゃあどうすればいいのかとなったら、まずは人を、1人じゃなくて、それ相応に必要な人数を確保する。やりたいこともいろいろあるのです。国際的な連携ですとか、そういったことも手を出したいなというふうに思っているのですけど、これまでは少し展望があったのですが、この4月からはそんなこと本当にやっていられないという感じで、地域のことを回すことで精いっぱいな状態になっちゃっている部分もあるのです。でも、やりたいのは、やりたいです。なので、純粋にそういったスキルを持った人がいてくれれば、回すことはできるので。だけど、多分、行政改革等で人も割けないですし、私も、役場の職員ですから、辞令が出て、どこか行けと言われることもあるかもしれないし、そういったリスクも負っているのですが、単純にそういう部分の人材と人件費等が用意できれば、しっかりとやっていきたいなというふうに思っています。
すみません、半分愚痴みたいな話でした。
【礒田主査】 ありがとうございます。
【上條委員】 率直な意見をありがとうございます。解決策みたいのはコメントできないのですけど、例えば、さっき佐藤先生のお話にあったのですが、インターンシップとか、半年とかみたいな長期インターンシップとか、そういう新しい雇用というか形態みたいのを考えねばならないのかなと思ったりいたしました。ありがとうございました。
【只見BR】 地域おこし協力隊みたいな人が応援したらどうかと、そういう意見は庁内にありました。
【礒田主査】 そうですね。行政の方が主導するのもとても大変という現状もお聞きしましたけれども、例えば、大学と連携して学生なり若手の教員が一緒にプロジェクトとして動かして成果を出すという事例なんかも白山の方はあったと思いますが、そういう工夫ができるのか。今回、国際調整理事会に行きましていろいろな活動報告を見たりしますと、特段、行政がやっているところというのはそんなに多くないようなイメージで、NPOがかなり引っ張っているとか、あるいは、現地の会社が、食品を作ったりとか、ワインを作ったりとか、いろいろな、マルチディシプリナリーなステークホルダーたちの活動というのがかなり目立っているようなところも見てきましたので、恐らく日本のBRは非常に真面目に行政からきちっと取り組んでいるということは、それはそれで日本のBRの特徴だとも思ったりしましたけれども、取り巻くステークホルダーをもうちょっと広げていくということも可能であれば、そういった方向性についても、この分科会でもある程度打ち出していくようなことも必要かもしれないなと思いました。
吉田先生。
【吉田委員】 佐藤先生に関連するのかもしれないのですが、最近、西日本で共創系の学部が増えて、九大もそうなのですけれども、国際と地域と両方、語学能力を高めた上で地域に対して貢献というような学部がすごく増えてきて、東日本は若干違うのですが、只見は、僕、ずっと調査に行ったのですけど、今年、福島大に食農学類ができて、あそこも地域実践を中心にやるような感じになってきて、そういうところとうまくモデルケースでできるといいなと思います。九大の共創学部もあるのですけれども、見ていると、SDGsはよく取り上げるのですね。それが具体的にどこでどういう形で生きていくのかいうのは、教える先生方それぞれなんですけど、うまくBRと結び付けられたりとかできればいいなと思います。最近、SDGsをかなり超えるというか、企業の活動を縛っていくような、ESG投資とか、いろいろとそういうのができて、SDGsを言っているだけだと、SDGsウオッシュだと。言っているだけでは駄目だというようなことがあって、それを現場に結び付けていって活動すると、語学力のある学生が地域に入っていろんな形で国際発信とかも手伝ってくれたりとか、そういったことができてくるんじゃないかなあというのを考えていて、一朝一夕にはいかないかもしれないですけれども、そういう可能性を少し考えています。佐藤先生のいらっしゃるところがどういう活動をされているかは、分からないですけれども。
【佐藤委員】 多分、ポテンシャルはありますね。ただ、結局、最終的に教員の関心が向いているかどうかが一番大きいので。だから、人によってはBRを中心に据えて学生にプロジェクトをやらせるみたいなことをやっている人も、実は私のことですが、いますけれども、そういう可能性は当然持っています。ただ、学部全体として何かをするとかいった、大学の仕組みにはなってないです。学部が例えばBRを中心に据えた何らかの人材育成のポリシーを持つなんていうことは、多分、いまだかつてなくて、だから、個人に依存しています。
【吉田委員】 自治体と結ぶのか、あるいはイオン環境財団さんみたいなところと結ぶのか、寄附講座とか協力講座みたいなところが、それほど大きなものじゃなくてもできていくと、大学としても非常にありがたいし、見える化していくのかなあという気がしています。
【礒田主査】 そうですね。逆に、只見と福島大学の連携というのはお互いに意識しなければできないかもしれないのですけれども、例えば、食農学類ですか、生源寺先生という先生が学類長だと思いますが、そういった面談をしていただいて、何か連携できるかどうか。食と農の関係ですと、只見のエコパークともいろいろ連携できるのではないかと、私は思いました。
【佐藤委員】 逆に言うと、そういう、いわば人材を必要としているBRと関連しそうな大学のマッチングをするという役割は、もしかしたらこの分科会はできるのかなあと。
【吉田委員】 文科省にありますしね。
【佐藤委員】 そうですね。
【礒田主査】 今、マッチングという非常にすばらしい御意見が出てきましたけれども、そういったことは、かなり活動を一緒に行い、連携して人を増やしていくということにもつながると思います。
【吉田委員】 語学力を磨かれているというのは非常にありがたいことだなあと思って。その上で地域に関心あるというので、日本に今まで足りてなかったところを少し補えるところができてきたかなあと。
【礒田主査】 例えば、そういうプロジェクトに参加した大学院生なんかが若手の発表の場なんかに行って、英語でそのエコパークをプレゼンするようなことがあるというのも非常にいいですね。
【吉田委員】 そうですね。また、地域に職員として就職を考えてみたりだとか、いろんな形もあるかなあと思いますね。
【佐藤委員】 一つだけ用心しなきゃいけないポイントがあると思っていまして、それは地域のBRの皆さん方が断る権利を持っているということは確認しておく。この人は要らんということを言う権利をお持ちであるということは、ちゃんと確認しておかなきゃいけない。国内委員会から言われたら、あの人は何とかしなきゃいけないということになってしまうと、とんでもないし、本末転倒も甚だしいので、そこだけははっきりさせておいていただければと思います。
【吉田委員】 相互にメリットがあって、納得できる形であれば。
【礒田主査】 決して押し付けではなく、ウインウインな関係ができるマッチングをということで。
【松田委員】 文科省から言われたら、大学もちょっと身構える。
【礒田主査】 質の強化の部分では、今後の、次の候補地の可能性の模索ということが書いてありますけれども、この点については、今まで10のBRが認定されてきていますが、次はこういう質の部分できちっと担保できるものがあったら候補地になっていくのもいいんじゃないかというような、そういう可能性について御意見を頂ければと思いますけれども、そのあたりはどうでしょうか。ちょっと難しいかもしれませんけど。既に、10BRは非常にきちっと、登録のプロセスでもきちっと、もちろん質を高めた上で登録されているわけですけれども、更に質の強化ということになりますと、それを長期的にも維持をして発展させるという、強化という部分もありますので。
【佐藤委員】 多分、前にも申し上げた記憶があるのですけれども、多様性が足りてないよなという気がするのです。つまり、もっと多様なBRがあって当然だろうということです。一つは、自然環境としての多様性を見たときに、海域はすごく少ないですよね。山間部がすばらしく多くて、なおかつ源流という、みなかみさんのようなタイプが非常に多いですよね。甲武信もそうなのですけれども、そうじゃないパターンはないのかなと。例えば、コアが湖沼であったり、あるいは沿岸域であったり、そういうふうなものというのはあり得るだろうと。一方では、自然環境上の多様性が欲しい。なぜ欲しいかというと、そこで得られた新しい知見は、既存のBRにとっても恐らく新しいだろうと。そういうポイントが一つと、もう一つはガバナンスなんですね。ガバナンスの多様性が極めて足りてない。これはもともと、自治体がちゃんと主導しなさいという条件を付けていたから、どうしたって自治体が中心になって申請してきたということもあるのだけれども、先ほど礒田さんがおっしゃっておられたように、欧米を見たら、そんなのはむしろ少数派で、市民団体がやっていますなんていうところは普通にありますから。そういうふうな、いわばガバナンスの仕組みとしても、自治体が関与しないと保護措置が担保できないので自治体に関与していただくのは当然ですけれども、中心になっているアクターは実は違うというふうなものが今後出てくると、自治体さんが抱える悩みとは違った悩みを持つだろうし、逆に自治体さんが抱える悩みに関しては何か解決策を持っているなんていうことが発生して、そういう多様性が保障される、しかも国内で保障されることによって、学ぶチャンスがお互いに増えるというところが、質の強化につながるんじゃないかなという気がしています。これ、僕、デジャブがあって、前も同じことを言ったような気がするのですけど、いつだったか忘れました。
【礒田主査】 確かに、源流というような言葉だとかは共通で、多いかなと。湖沼、沿岸についてもあってもいいかというようなことですね。多様性って非常にすばらしいお言葉なんですけれども、多様性については、もちろん地域の自然環境についてのものもありますし、内容についても多様性が当然あって、先ほど大野委員からも、環境とか、教育とか、観光といったファクターがありました。
多様性ということでは、この間、調整理事会で紹介されていたスペインの取組なんかは、市民の方々が、ハムを作ったり、ワインを作ったり、ビジネスもかなり活発にやられる。エコパークを母体にした、ラベルをもちろん使って。モチベーションがないと市民の方々も加わるということはないでしょうし、そういったことが日本のBRでどのぐらいやれる可能性があるのか。例えば、経済価値を生む、経済活動を伴うBRの活動というところに。まだそういったところでは余り目立った部分はないかもしれませんので、多様性ということでは、食とか、農業とか、漁業とか、観光とか、いろんな経済に関わる活動というのも多様性の一つに関わっていくということもあると思いますので、今後は、候補地の可能性としては、自然環境としての可能性、内容についての可能性というところでも、海外のBRの例を見ますと、いろんなことができそうなポテンシャルがあると思いました。
松田先生、いかがでしょうか。
【松田委員】 多様、大いに結構だと思います。
【礒田主査】 かなりお時間をとらせていただきまして、先生方から御意見を頂きました。
服部先生、何かほかにございますか。
【服部委員】 多様性に関して、また兵庫県に戻るのですけど、兵庫県の場合、源流地域というか、核となるような地域というのがほとんどなくて、ほとんどが里山化されていると。そうすると、その可能性自体がなくなるので、里山の中にでも核的な要素になれるような形のものがあれば、もう少し日本全国に広がるんじゃないかなと。基本的には、高山とか、高い山じゃないと今の状況ではなかなか認められないような感じなので、低山にもいけるような多様性みたいなのがあればなというふうに、ちょっと思いました。
【礒田主査】 ありがとうございます。
それでは、貴重な御意見、ありがとうございました。まだ御意見も尽きないことかと思いますけれども、一旦、ここで意見交換を終了したいと思います。本日頂いた御意見を踏まえて、事務局において修正案の作成をお願いいたします。修正案について、各関係省庁からも意見聴取の上、引き続き検討してまいりたいと思います。
それでは、議題3、今後の予定ということですけれども、本議題では、今年度のユネスコエコパーク推薦候補の募集・審査スケジュールと、2022年に綾が定期報告書を提出する必要があるということを踏まえまして、定期報告に向けた分科会としてのプロセスについて、事務局から説明を頂きたいと思います。
まずは、今年度の国内募集案について、資料に基づき、説明をお願いいたします。
【秦国際統括官補佐】 資料3-1と3-2を御覧いただきたいと思います。例年、夏頃に、募集というか、ユネスコエコパークの登録に向けて、希望がある地域について募っているところですが、その要領(案)ということでお示ししております。今回、このように修正したらどうかというところを、見え消しで、赤字にしております。一つは、これは世界ネットワークへの加盟申請という形をとるということなので、そこを副題に入れているのと、趣旨もそういった形で打ち出しているということが、大きな変更点です。あと、提出期限は今年のカレンダーに合わせたというところと、3ページ目の8番のその他のところで、これも様式上、出してはもらっているのですが、管理運営計画の策定というのが必須になってきているので、しっかりこういった作成が必要だという注意喚起をしているところです。留意点の方も、同じように募集のところにネットワークへの加盟するというようなところを入れ込ませていただいております。
資料3-2の方は手続の流れで、こちらは例年どおりで、年を更新したという形になっております。
【礒田主査】 ありがとうございました。
それでは、今の説明につきまして、御意見、御質問、お願いいたします。
公募要領(案)については、いかがでしょうか。見え消しの部分を含めて、修正等は大丈夫でしょうか。
【松田委員】 2点ありますけれども、まず、ちゃんと今まで確認してなかったのですが、5ページの留意点なんですが、日本の認定地域が参画することが求められるネットワークで世界BRと東アジア生物圏保存地域ネットワーク会議(EABRN)があって、東南アジア生物圏保存地域ネットワーク会議(以下、SeaBRnet)も求められるということでよろしいのでしょうかというのが、1点目です。
2点目は、先ほど佐藤委員がおっしゃったことですけど、1ページ目ですね。これだと確かに、現時点では自治体が出す。「自治体等から構成される組織の体制が確立されていること。」という書き方になっていて、多分、しばらくはこれで行くんじゃないかと思いますが、ここの書き方の工夫は、ひょっとしたら可能性があるかもしれない。何か別のやり方を考えられるかもしれない。ユネスコの方の申請書の書式だと自治体等とか地権者の署名が要るというところはもちろんあるのですけれども、多分、ここで言う申請者が自治体等でなければいけないかどうかは、それとはちょっと違うかしれないなというふうに思います。
すみません、もう1点ですけど、趣旨の最後のところは、「本公募は、令和2年9月を目途に、ユネスコへ登録申請する」を、単に「申請」に直したのですかね。ここは「推薦」じゃないのでしょうかというのが、3点目です。
以上です。
【秦国際統括官補佐】 1点目の件は、確かに、「求められるネットワーク」というのは、表現が強いかもしれませんね。東南アジアの場合は、日本は基本的には緩やかな加盟国みたいな形になっているので、そのあたりをどういうふうに書くかですね。ちょっと検討したいと思いますけど、基本的に、「期待されるネットワーク」くらいがいいのかもしれません。ただ、上の二つは、日本が加盟というか、同時に加盟するような形になりますので、そこは検討したいと思います。
2点目は、さっきの議論の流れだと思いますので、今後御議論いただきたいと思います。
3点目は、先生おっしゃるとおり、「推薦」にした方がいいのかなという感じはいたします。
【松田委員】 1点目のSeaBRnetは、たしか文科省の方でも積極的に呼び掛けて、実際に、みなかみでしたっけ? ほかにもありましたかね。飯田さんもそうですね。BRに参加いただいているという例はあって、そういう意味では、ここに書いていただくことで、その支援が続けられるのならば、呼び掛けが続けられるのならば、もちろん私としてはこれでいいと思います。
【礒田主査】 3番の申請者のところですけれども、この場で話し合った方がよろしいですか。申請者は自治体を母体とするというところについては。
【秦国際統括官補佐】 そうですね。先ほどの議題2での議論の流れからして、今、松田先生がおっしゃったように、当座はこれで、今回はいいのかというところですね。
【佐藤委員】 これ、「自治体等」が入っただけでもでっかい進歩で、これは去年からですね。
【秦国際統括官補佐】 はい。
【佐藤委員】 それまでは「自治体」だったんですよ。当然、自治体じゃなきゃ申請できなかったのが、「自治体等」になったというところは、もしかしたらメッセージはもっと強く出してもいいのかもしれないけれども、この書き方は問題ないと思う。
【松田委員】 なるほど。この「等」という意味は、自治体の連合体という意味だけではなくて、その他関係団体。
【佐藤委員】 自治体じゃなくてもいい。その他関係団体が申請して構わないということでしょう、これは文字どおり。
【礒田主査】 「等」を付けたことによって、例えば大学とかは入りますか。
【佐藤委員】 大学が中心になって協議会を作ったりしたら、あり得るんじゃないですか、当然。
【大野委員】 ただ、「自治体等から構成される」になったので、複数の組織が関わる協議会みたいな組織であっても、そこに行政が入っているということは条件になっている。
【佐藤委員】 行政が入るのは、条件として外せないんじゃないでしょうかね、日本の場合は。
【大野委員】 外せないと思うのですね。
【礒田主査】 例えば、その場合でしたら、「自治体を含む」とかいう表現の方がよろしいでしょうか。
【松田委員】 「及び」ということですね。だから、そこを含む。
【礒田主査】 自治体を含む関係団体という。
【松田委員】 実際に、経緯などを見ていると、一度申請しようとされたところで、たしか自治体主導でなかったようなところもあったと思いますし。
【佐藤委員】 ありましたね。
【松田委員】 例えば志賀高原とかも、最初は志賀高原の観光協会とかがかなり中心になって動かれていたというところがあったと思います。そういう動きはむしろ、多様性はむしろ歓迎するというメッセージは、どこかで出してもいいかもしれないと思います。
【礒田主査】 それでは、3番の申請者の文面については、事務局で修正という形で……。
【秦国際統括官補佐】 修正した方がよろしいのでしょうか。逆に、その辺は修正する方向という御意見なのでしょうか。
【礒田主査】 自治体及び自治体を含む団体ということですか。
【秦国際統括官補佐】 基本的に、日本の場合、ユネスコエコパークは保全機能というのがあるので、今のゾーニングの推薦、分科会が推薦している中で、管理は基本的に、法律に基づいて、自然の保護の方で、国立公園、国定公園の管理をしているところがというところが強い部分もあるので、その辺で自治体は今の議論のように外せないとは思うのですけど、その辺のイメージをどういうふうにメッセージとして出すのかというところは、ちょっと微妙ではあるかと思います。
【佐藤委員】 小さな文言の修正をするか、しないかというよりは、今の文言でメッセージが十分伝わるかというところを見たときに、僕は割と伝わっていると思うのですね。飽くまでも「自治体等」であって、自治体及びその他関係団体によって構成される協議会もちゃんと含んでいるよというのは明示してあるので、だから、自治体さえ含まれていれば、いろいろな形があり得るよというメッセージは出ているとは思うのですね。これは、問い合わせがあったら、そういうふうな答えをなさるわけでしょう。
【秦国際統括官補佐】 はい。
【佐藤委員】 だから、とりあえずこれで、これはこういう意味だよという説明を申請を受ける側がしてくだされば、僕はいいような気がするのですけれども。
【松田委員】 これ自身の議事録も残りますし、ロジカルに言って、「自治体及び」の後に「自治体を含む」と入れても入れなくても論理的には同じですので、よろしいんじゃないかと思う。
【礒田主査】 委員の先生方、それでよろしいでしょうか。
【佐藤委員】 すみません、もうちょっとややこしい問題を一つ提起させていただいてもよろしいでしょうか、公募に関して。
公募要領って、単に募集する書面としての機能があるわけじゃなくて、僕は広報素材じゃないかと思っていて、つまり、今年こそ断固として出すぞという準備ができている自治体が読んで対応するという文書の側面と、ユネスコエコパークって何だべかと思っているような人たちが、公募があるよ、何だろうといってそれを見たときに、ユネスコエコパークはこういうものであり、こういうメリットがありそうで、うちでも検討できるのかもしれないなというふうに考えるための素材として公募要領があった方がいいのではないかと思います。言ってみれば、普通の公募要領というのは、これに研究費が幾ら付きますとか、きちんと応募する側のインセンティブが書かれているのですけれども、今、それはないのですよね、これ。やる気があった人にとってみれば、こういう手続をすればいいんだということが書いてあるだけであって、ユネスコエコパークの公募に応募してみようという気分になるような要素が、今は余り入ってない。どこまで書けるのかというのは結構難しい問題だとは思うのですけれども、少なくともリソースは提示することができるんじゃないでしょうか。つまり、日本に既にある10のBRに関してのそれぞれのウエブサイトはここにありますよとか、JBRNのサイトはここにありますとかいった、BRについての情報を、特に、申請者という目線ではなくて、地域の方々にとって意味のありそうな情報を得ることができるリソースがこの中のどこかに、参考資料でも何でもいいですから最後にでもひっついていると、大分、広報的な側面で強化されるのではないかという気がするのですが、できますでしょうかね、この辺。今だと、セビリア戦略とMAB計画のウェブページしかないんですよね。これだと遠いですよね。
【松田委員】 次のホームページというところは多分、MAB分科会のウエブサイトですかね。そこに、少なくともパンフレットのウエブサイトを出すことはできそうな気がしますけれども。
【佐藤委員】 文部科学省のホームページは、どんなページなんでしょうね。公募のページだったりする?
【秦国際統括官補佐】 国内委員会のMABのページの中に掲載する形になりますので、当然ながらMABの趣旨とかそのページには書かれて、募集要項があるという形になりまして、各地域の既存のBRの名前が全部入っていて、そこへリンクするようなページも書かれています。ただ、今、先生おっしゃったように、要領はワード版としても別に載るので、これが独り歩きをしたときにどうなのかという視点があるので、例えば、この参考情報のところにそういったリンク先を列挙するとかは、工夫としてはできると思います。
JBRNについては、8番のその他のところで入れさせていただいてはおります。3ページ目の三つ目の丸ですかね。こういう書き方ですけど。参考情報にもJBRNにリンクさせるような形で一覧化するのは、もちろんできるかと思います。
【礒田主査】 じゃあ、JBRNへのリンクも付けるということでお願いしたい……。
【佐藤委員】 最後の参考情報の文部科学省のページに行けばどんなものがあるかというのが、ある程度分かるといいですね。
【秦国際統括官補佐】 はい。
【佐藤委員】 見られるだけだと、たたかないと届かないように。
【松田委員】 JBRNの事務局って、この締切り前に変わるんじゃないですか。
【秦国際統括官補佐】 そうですね。そこは確認が必要です。
【農林水産省大臣官房環境政策室 南係員】 すみません、用語的な問題でちょっとだけ気になるのですけど、これ、結論から言うと、ユネスコエコパークへの認定なのですか、それとも登録なのですか。「登録」と「認定」、用語が入り交じっている感じに見られるのですが。頭文字のところは「登録申請」となっていて、赤字のところだと「認定するものについて」という文言になっていて、一部、登録が認定に直っているところもあるのですけど、これはどちらが正しいのですか。
【秦国際統括官補佐】 そうですね。ここはちょっと混在しているので検討したいと思いますけれども、基本的に、「登録」だとリストに登録されるようなイメージがあるのですが、実際はネットワークで活動していくという意味合いが出てきているので、その文脈においては「認定」という言葉を使ったという背景があると思います。そこは検討したいと思います。
【礒田主査】 英語ですと、アプルーブって言いますよね。ユネスコの調整理事会のところは。
【秦国際統括官補佐】 そうですね。あとはレジストレーションという形になるので、それをどう訳すかという問題だと思います。
【礒田主査】 そうですね。
【秦国際統括官補佐】 どちらが正しいかというと、どっちもだと思うのですけれども。
【礒田主査】 じゃ、資料3-1については、修正は別によろしいですか。
【秦国際統括官補佐】 今、御指摘いただいたことを修正して、差し替えます。
【礒田主査】 資料3-2の手続の流れについても、文科省の方のスケジュールもあると思いますけれども、特段なければ、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。ただいまの議論に基づきまして、事務局の方で修正して、最終的な文言については、私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
【礒田主査】 ありがとうございました。
それでは、続いて、定期報告について、事務局から説明をお願いいたします。
【秦国際統括官補佐】 今日は、こういったものが今後ありますというような話ではございますが、一応、委員の方々には机上配付資料で次の定期報告に向けたイメージの案を示させていただいていますけれども、現在、次に来るのが、2022年に綾のBRが10年を迎えるということに向けて、定期報告の申請というか、書類を出すに当たって、分科会でも確認して承諾した上で出すという手続が今後出てまいります。その中で、現場である綾BRでは着々と準備がされているというふうには伺っているところではあるのですが、分科会としてどういう方向性を持っていくのかということを、今年度、次回以降の会議で確認していく必要があると思っております。今、ユネスコのMABの事務局の方に最終的に定期報告書を提出するタイミングということについて、案としては2022年の9月と書いてありますけれども、こういうタイミングでいいのですかということを確認中でございます。若干、「出口戦略」とかいうこともやってきているので、その辺が分かりにくいところがあります。正直、10年を迎えて、多分、「出口戦略」の後なので、基本的には情報を出せばきちっと見ていただいて、分からない点があれば追加情報を求められて、それが確認できた段階でエンドースという形になろうかと思います。ですので、それまでの準備状況の中で分科会として、例えば、出す前に、定期報告のときにどんなことをアピールしたらいいのかとか、その点を少し助言するような機能を持って分科会としては臨んでいくのかどうかということも含めて、御相談させていただけたらと思います。特段、今の時点で何か御意見があれば、是非と思います。よろしくお願いします。
【松田委員】 今回、ここでは次期定期報告の話だけなのですが、先ほどの国際調整理事会の報告にも、中間に国内で簡易なものをやったらいいんじゃないかという話がありますね。そうしますと、タイミングから言うと、まず、2012年に綾なんですが、2014年は只見と南アルプスと志賀高原がある。これの10年後はこのスケジュールの2年後になるというようなスケジュールなんですけど、その更に2年後に2016年の3地域がありまして、それの5年後というのは2021年なんですね。それは何かしなくていいのだろうかという気もするのですが、つまり、2016年登録の5年後の中間評価のようなものはそろそろ準備をしてもよいのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
【秦国際統括官補佐】 そこは正に分科会での判断になるのかなあというところもありますし、今、5年でやらなければならないという規定にはなっていないですが、これまでのこの分科会での議論の中で、どこかのタイミングで、緩やかなレビューというか、学び合いというか、そういった場を是非というような御意見もあったかと思うので、そういったものも含めて、今後、次期は綾ですけれども、そのときのタイミングで一緒にやるとかいう御意見もあれば、そういう方向に持っていくということも考えられるのかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
【松田委員】 ありがとうございます。
【礒田主査】 例えば、この分科会で何かプレゼンをしていただいて、意見交換をする場を設けるとか。
【秦国際統括官補佐】 少なくとも。
【礒田主査】 じゃあ、そういった方向性については、いかがでしょうか。
【松田委員】 はい。
【礒田主査】 中間評価というよりは、意見交換の場をここでやるという形で緩やかに取り組めばということですね。
それでは、定期報告のスケジュールイメージ(たたき台)ですけれども、こちらについては、流れとしてはよろしいでしょうか。
【秦国際統括官補佐】 今後、また御相談をさせていただきながらということで。
【礒田主査】 はい。では、今日頂いた御意見等を踏まえまして、事務局で更に案を精査いただけるよう、お願いいたします。
それでは、本日用意をしている議題は以上になりますけれども、このほか特に、報告、議論すべき案件はございますでしょうか。
よろしければ、事務局の方から、JBRNの報告をしていただきたいと思います。
【秦国際統括官補佐】 先ほど松田委員からもお話ありましたが、資料の最後に、概要、開催案ということで、JBRNさんの方から、総会を7月24日に行う予定ということで、東京ですけれども、御案内を頂きましたので、配付させていただいております。御希望の方は是非にということなので、もし御希望があれば、私ども事務局の方まで御連絡いただければ、参加登録はさせていただきます。
後半の部分で、各ユネスコエコパークの方々、担当者からの報告会という形をとって、やられるというふうに伺っています。
【松田委員】 この会場にすごく興味があるのですけど、多分、この会場、どっちかというと、いわゆるベンチャーとか、そんな感じの人たちが使うところじゃないかな。見ていて、余り自治体の方が使うような場所ではないような気が何となくしたのですけど。
【秦国際統括官補佐】 私も行ったことはないのですが、イオン環境財団さんとJBRNが提携していて、この場所というのは、御相談の上、決められたというふうには聞いております。
【礒田主査】 あと、MAB YOUTH FORUMは?
【秦国際統括官補佐】 MAB YOUTH FORUMの方も、先ほど御案内した報告の中で言いましたけど、こういったブローシャーという形で案内は国内に周知させていただいたところです。
【礒田主査】 ありがとうございます。
ほかに、御報告あるいは議論すべきこと、先生方の方から。
【佐藤委員】 ちょっと頭出し的な話なんですけれども、田中俊徳さんが話してくださったときの議論の中に、先ほど服部先生がおっしゃられたような、要するに国立公園として保護担保措置がされている源流部だけじゃなくて、山岳地帯だけじゃなくて、里山的な景観の中で実は保護措置が担保されているような場所、例えば、古墳であったりとか、鎮守の森であったりとか、そういう、今までの日本のMABの中でコアゾーンとして扱ってこなかった、あるいはコアゾーンとしてガイドラインの中に全く記載されていないような、でも長期的な担保措置が講じられているような、場合によってはローカルルールで長期的に担保されてきたような、そういったものがコアゾーンとして使える可能性をどうやったら検討できるだろうかという議論があったのです。恐らくこれは日本以外の国の事例を丹念に調べたら何かあるのではないかと、そういう気がしておりまして、資料を収集できないかなというのが、ちょっとした頭出しなんです。つまり、いろいろな形で、国立公園や国定公園という形で、法律で保護されているところとは違うコアゾーンの在り方、あるいはバッファーゾーンの在り方というのが、どこかの事例にないかというのを事務局の方で探索することはできないかなという、お願いなんです。
【秦国際統括官補佐】 基本的に、地域が701もあるので、調べるのは多分、何年も掛かると思うので、ユネスコMAB事務局に問い合わせるぐらいしかできないかなと思いますが、それでも返答がどこまで来るかあれですけど、尋ねてみるというのは可能かもしれません。
【松田委員】 田中俊徳さんが一番詳しい。
【佐藤委員】 でも、田中さんは明瞭な例は持ってなかった、講演のときには。じゃあ、田中さんに調べてもらう。
【松田委員】 そういう場所、ある程度面積があればコアでいいと思うんですけど、必ずしもコアにする必要はないと思うのですね。
【佐藤委員】 というか、先ほどの服部先生の議論で言ったらば、要するに国立公園・国定公園がなきゃBRにはなれないのかという議論なので、コアとしてそういうところもうまく使えるような仕組みというのがどこかの国にないかなあというのが、私の興味の範囲。
【松田委員】 先ほどの議論でいくと、例えば大学の演習林とか……。
【佐藤委員】 何かありそうですよね。
【松田委員】 そういう場合もあり得ちゃうかもしれない。
【佐藤委員】 あるいは、例えば、漁協がきちんと管理している沿岸域とか、そういったものだって十分に保護担保措置がされているとみなすことはできると思うんですよ。そういうものが核になったBRというものができてくると、これまた今までと全く違った発想で管理していくことになるので、非常に将来的には重要なポイントになるんじゃないかというふうに思っています。
【礒田主査】 画期的な御意見だと思いますけど、例えば、支援委員会の方とかにもそういった情報というのはおありだと思いますか。
【松田委員】 聞いてみます。
【佐藤委員】 お願いします。
【礒田主査】 是非、お願いいたします。
【松田委員】 先ほどの件ですが、50周年はどうするのですか。
【礒田主査】 そうですね。ナイジェリアの方で50周年企画というのが調整理事会の方でもありましたけれども、日本としてどうするか。国内でということですけど……。
【秦国際統括官補佐】 まだ何もいろんなところからは聞いていませんので、正にどこの国も、日本も含めてでしょうけど、分科会として何かやるべきだという話になるのか、JBRNと協力して分科会が主催して何かやりましょうとか、各地にいろいろと働き掛けるとか、いろいろな話は可能性としてあると思いますけれども、今、うちの事務局の方には、どういうふうなことをしたいということは、余り話が入ってきていないです。
【松田委員】 たしか、MABだけじゃなくて、ユネスコ本体も何周年かになるんじゃないかという話があったような気がしたのですけど、そんなことはなかったですか。
【秦国際統括官補佐】 それとの連動というのは、今は全く聞いてないですね。
【松田委員】 いや、連動じゃなくて、ユネスコの何周年かの事業をやるなんていう話は全くないですか。
【秦国際統括官補佐】 聞かないですね。
【松田委員】 分かりました。
【礒田主査】 50周年のイベントとして、JBRNと一緒にシンポジウムとか、そういうことはあるかもしれませんけれども、情報発信ということが先ほどからありますので、例えば、この分科会から、50周年ですというような、今10個のBRがありますとか、そういうことをあえて発信してもいいのかなと思います。そうすると、いろんな人に関心を持ってもらえる。やっぱりここが発信するのがいいかなあと思いますけれども、そのほかにも、イベントとか、イオン環境財団さんと何か企画が可能なのか、あるいは、ほかの民間セクターと企画ができるのかとか、そういったところも。各BRのところも、自治体の方でも企画などを是非検討していただければと思いますし、また、それを集団でやる部分も当然あると思いますので、そういったところに向けては、次回の分科会で議題にされますか。
【秦国際統括官補佐】 それぞれ50周年という機会をうまく利用していろいろな活動を推進していきたいということになるのではなかろうかと思いますので、分科会の委員の先生方も含め、我々事務局も関係省庁も含めて、いろんなところに、50周年というところもあるので、それを冠に付けたような、今までやっている取組の中でもそれを副題に付けるとかいうことは、推進できると思います。先ほど議題2で議論したような、今後の推進方策の中にそれを少し入れるということもできるんじゃないかと思いますので、もし何か具体的な企画の案とかがございましたら、是非、御相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【礒田主査】 よろしくお願いいたします。
ほか、ございますか。
それでは、今後のMAB分科会の予定について、事務局から説明をお願いします。
【秦国際統括官補佐】 継続議論もございますし、また、手が挙がってくるBRがあるかどうか、事務局としては余り聞こえてきてはいないのですけれども、年度後半に分科会は予定したいと思っております。秋以降になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
【礒田主査】 ありがとうございました。
それでは、本日はこれで閉会いたします。御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

国際統括官付