令和6年6月17日(月曜日)15時00分~17時00分
オンライン開催(Webex)
(委員)
渡邉主査(国内委員会委員)、安達委員、大野委員(国内委員会委員)、大元委員、酒井委員、朱宮委員、松田委員
(事務局)
渡辺事務総長(文部科学省国際統括官)、匂坂副事務総長(同省国際統括官付国際交渉分析官)、本村事務局次長(同省国際統括官付国際戦略企画官)、小野事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、その他関係官
【渡邉主査】 本日は、御多忙中のところお集まりいただき、ありがとうございます。定刻になりましたので、事務局は定足数の確認をお願いいたします。
【小野国際統括官補佐】 失礼します。
本日は、出席の委員が6名で、委員の過半数ですので定足数を満たしております。
なお、本日は、関係省庁として環境省、林野庁からもオンラインで参加いただいております。
また、事前に登録いただいた報道及び一般の方がオンラインで傍聴いただく予定です。報道関係者の取材は、朝日新聞社から取材の申込みがございました。一般の方はお申込みがございませんでしたので御案内いたします。
【渡邉主査】 それでは、ただいまから日本ユネスコ国内委員会科学小委員会第55回MAB計画分科会を開催します。
本日の議事のうち、議題3以降の議題に関しましては、事前にお伝えしておりますとおり、公開することにより当事者又は第三者の権利、利益や公共の利益を害するおそれがあると認められるため、会議の公開手続に基づき議事を非公開とさせていただきます。非公開の部分を除いて、御発言は議事録としてホームページ等で公開されますので御承知おきください。
次に、事務局から配付資料の確認をお願いします。
【小野国際統括官補佐】 失礼します。
議事次第を共有させていただきます。事前にメールでPDFファイルを二つお送りさせていただいております。一つが、今、画面に共有しております議事次第を含んでいるPDFファイルで、もう一つが、席上配付資料、取扱注意と右肩に書かれてございます資料になります。
配付資料としましては、画面にございますとおり、資料lから資料2-2まで、それから配付資料、別ファイルになりますけれども、もう一つのファイルの方で共有させていただいております。もし不足等ございましたら事務局までお知らせください。
【渡邉主査】 ありがとうございました。
<議題1 人間と生物圏(MAB)計画に関する活動報告について(報告)>
【渡邉主査】 それでは、議題の1、人間と生物圏(MAB)計画に関する活動報告についてに入ります。本議題では、国内外におけるMAB計画関係の主な動きに関する御報告をお願いしたいと思います。執筆いただいた委員又は事務局から、それぞれ一、二分程度でお願いできたらと思います。それぞれの御報告に関する御質間は、本議題の最後にまとめてお伺いすることとしたいと思います。
最初に、昨年の国際調整理事会があります。私の方から御報告します。前回の分科会でも御報告したところですけれども、昨年6月に国際調整理事会がパリで行われました。その際、特に強調されていましたのは、2022年12月に新しい生物多様性の国際目標、名称は、昆明・モントリオール生物多様性枠組と名付けられました。その新しい世界目標がまとまったということを受けて、MABがそれにどう貢献していけるかといったことが議論としては非常に強調されていました。
また、10年に一遍行うBR(Biophere Reserves)の世界大会第5回が中国の広州で行われるということが発表になっています。
新規登録の関係ですけれども、新たに10の地域、一つの国境をまたがる地域の登録が承認をされて、BR合計で134か国にわたって748の地域となったということになります。
今年の国際調整理事会は7月の第1週、モロッコのアガディールで行われるという予定です。
10年に一遍の世界大会のタイミングで新しい10年間のMABの戦略が策定されるというこ
とで、今後、中国の大会に向けて新しいMAB戦略に関する議論が進んでいくと思いますので、そこに日本からどういう形で提案、インプットしていけるかということが今後大事になるかなと思っています。
一つ目は以上になります。
そうしましたら、松田委員はいらっしゃいますか。
東南アジアのBRネットワーク会合、SeaBRnetの会合について、松田委員から御報告をよろしくお願いします。
そうしましたら、松田さん、マイクが不調ということなので、先に進んで、もしマイクの調子が戻ったら、後ほどお願いいたします。
そしたら、三つ目に移りたいと思います。ユネスコ未来共創プラットフォーム事業については、朱宮委員からお願いします。
【朱宮委員】 ありがとうございます。
私の方からは、2ページの1番下のところにあります、ユネスコ未来共創プラットフォーム事業について説明をさせていただきます。このプラットフォーム事業では、プラットフォーム事業ワークショップという形で、主にJBRNの実務担当者の方向けにワークショップを開催してございます。昨年度も第7回を実施いたしまして、3ページにありますリストがあるかと思うんですけれども、それぞれ、7月、第1回目が、昆明・モントリオール生物多様性枠組と日本のBRへの期待ということで、渡邉主査からも、今年度以降、この枠組みとの協働というのがMABの取組として重要であるというようなことを受けてワークショップを開催したところです。
ほかにも、第2回、杉浦さんから、ユネスコ北京事務所の取組であるとか、各BRの取組として、只見、甲武信、それから南アルプスから活動を紹介していただいております。特に南アルプスに関しては、現在各BRが関心が高いと思われる定期報告の作成について御紹介をいただいております。
そのほかに、第5回には国際資源管理認証とローカル認証ということで、大元委員からも話題提供をしていただきまして、特にブランディングも含めて、各BRが取り組もうとしている内容に合わせてワークショップを開催してございます。
最後に、特にユースの方の関心が今、高まっているかと思うんですけれども、九州大学大学院生であります小林海瑠さんから、ユースに関する取組ということでワークショップの話題提供していただいております。
全体を取りまとめて、以上になります。
【渡邉主査】 朱宮さん、ありがとうございました。
そうしましたら、次、日本ユネスコエコパークネットワーク、こども霰が関見学デー、国際BRの日、これらについて事務局の小野さんからお願いいたします。
【小野国際統括官補佐】 失礼いたします。
3ページ下、日本ユネスコエコパークネットワークから三つ続けて御報告いたします。
昨年7月に、同じ日の午後に総会と情報交換会が横浜で行われました。文科省、まず渡邉先生もそうですし、あと、先ほど朱宮さんを含めたMAB計画支援委員会の皆様も参加されて、BRは全ての10のBRから御参加で、市長さん、町長さんが多く参加されておりました。
活動、発表の内容としましては、国内委員会から、先ほど渡邉主査から御報告ありました調整理事会の結果等を含めて、国内外の動向について文科省から御説明差し上げた後、朱宮さんから御説明があったのと、松田先生からも御報告がございました。全国トチノキネットワークの取組やイオン環境財団との連携についても発表が行われております。また、それに加えて、ネイチャーポジティブに関するところでJBRNのネイチャーポジティブ宣言が今年の2月に行われております。また、自然保護協会さんと連携協定を締結されております。松田先生のところでは、横浜国立大学との連携協定のお話も行われてございます。それから、こども霞が関見学デーですけれども、こちらは8月に例年行われているものですが、去年は森のかけらを紙やすりで磨いてストラップを作るという取組をしていただいています。今年も、今、出店計画を準備していただいてございます。
最後に、国際ユネスコエコパークの日、11月3日で制定されておりますけれども、去年は 2回目の開催で、下にございますような南アルプス、白山、祖母・傾・大崩、綾さんで、それぞれものづくりでしたり、交流会、ガイドの研修会、あとジオパークと連携した散策といった各種イベントを実施していただいております。
以上です。
【渡邉主査】 ありがとうございました。
次はユネスコチェアで横浜国立大学のユネスコチェアになりますけれども。
【松田委員】 松田です。聞こえますでしょうか。
【渡邉主査】 聞こえるようになりました。ありがとうございます。
【松田委員】 先ほどの東南アジアの。
【渡邉主査】 東南アジアの会合を含めてお願いいたします。
【松田委員】 はい、分かりました。
東南アジアへは、チャットにも書きましたけれども、毎年、日本は主賓格で1名、資金提供している関係で招待されます。大体、例年、大会の方から1名日本人が招待されていまして、去年は田中俊徳さん、今年は地球研、琉球大学の新城竜一さんが招待されて、ちょうど新城さんはワカトビのことについて研究を進めておりますので、その発表をされていました。そういうことです。
特に外交上難しい懸案は全くありませんので、できれば私は、これは若手の方が行って、日本の活動を紹介すればいいんじゃないかと思います。
以上です。
次、ユネスコチェアのことを説明させていただきますと、これが4ページです。我々のチェアはBRを活用した持続可能な社会のための教育ということで活動させていただいております。先ほどもありましたように、JBRNとの包括連携を結ばせていただきました。ほかにも、マラウイ大、コインブラ大学、それからオーストリアのInnsbruck、これ、近くのBRあるいはユネスコチェアもありましたので、そこを訪問するという活動をさせていただきました。あと、南アジアのネットワーク会合にも去年招待されまして、そこでブルーカーボン等について紹介させていただきました。
以上です。
【渡邉主査】 松田委員、ありがとうございました。
続けまして、金沢大学のユネスコチェアについては、事務局の小野さんからお願いします。
【小野国際統括官補佐】 失礼いたします。
金沢大学に設置されているユネスコチェアの活動としまして、同大学の学生を派遣するということを中心に行われておりまして、昨年度はフィンランドのBRとの文化交流、それからドイツ、それぞれ6名、10名、派遣されております。また、フランスのドルドーニュ渓谷のBRにも派遣して、同じフランスということで、併せてパリの本部も9名の学生が訪問されております。
また、ユネスコ/日本ESD賞を受賞されておりまして、昨年のユネスコ総会の機会に授賞式が行われて、実際、金沢大学からも出席されて賞を受けておられます。日本ユネスコ国内委員会からも濱口会長が御出席されて、一緒に授与式を行われております。これはまさにESDとエコパークとジオパークのプログラム間の連携の好事例ということで、日本としても良いプレゼンスも示せたのではないかと思っております。
以上です。
【渡邉主査】 ありがとうございます。
続きまして、信州ESDコンソーシアムについて、安達委員からよろしくお願いいたします。
【安達委員】 お願いいたします。
信州ESDコンソーシアムですが、まず、昨年度の活動として、実践事例集というものをまとめました。今、リンクをチャットに送らせていただいたんですけれども、これは毎年やっている成果発表交流会ということで、全国のBRのユネスコスクールや、またESD活動に取り組んでいる学校の学習発表会をやっているんですが、その2022年度の発表内容をまとめた事例集ということで、毎年発行しているものです。それを8月5日に発行し、各BRの小中学校に10冊ずつ配付をいたしました。そして、令和6年2月2日、3日には、成果発表交流会を行いました。オンラインで今年も開催をしました。35件の発表があって、BRからは6地域からの発表がありました。只見とみなかみ、志賀高原、南アルプス、白山、そして綾の六つの地域からです。全部で18件の発表が行われました。
そして、昨年度、初めての試みとしては、海外とつなごうということで、カンボジアの学校とつないで、国際発信にも努めました。当日の様子なんですけれども、そこのリンクが貼ってありますが、全てアーカイブで子供たちの発表の様子が残っていますので、もしお時間ありましたら御覧ください。
以上になります。
【渡邉主査】 安達委員ありがとうございました。
そうしましたら、今度は日本MAB計画連携大学間ネットワーク、それから各BRの活動について、事務局、小野さんからお願いします。
【小野国際統括官補佐】 失礼します。
まず、日本MAB計画連携大学間ネットワークについて御報告いたします。本年3月に運営委員会が開催され、SDGsトレーニングコースに参加された学生の今後の活動について報告があったと伺っております。
また、今年の来月にもまた学生を白山白峰プログラムで受け入れる予定と伺っております。これについては、参加されている大学で酒井先生、松田先生等々いらっしゃるかと思いますので、後ほど補足があればお願いしたいと思います。
続いて、各BRの活動ですけれども、ここ数ページにわたって、こちらについては書かせていただいております。各BRさんからそれぞれお寄せいただいた御報告になります。かいつまんで、それぞれ代表的なものを御報告させていただきます。
まず、教育普及活動ですけれども、只見BRさんでは、藝術計画「ブナの葉っぱ日記」という活動をされてございます。
次のページ、6ページの下の方で、みなかみBRさんでは、二つ目の丸ですけれども、環境学習発表会を開催されております。
また、志賀高原BRさんでは、そのすぐ下、モニターツアーを開催されておられます。
次のページ、7ページで、甲武信BRさんでは、一つ目ですけれども、二つ目も似ているんですが、構成自治体の職員の研修ということで研修会が開催されてございます。
また、白山BRでは、二つ目になりますけれども、第2回白山BRリレーシンポジウムということで、座談会を開催されてございます。
次に、8ページに移りますけれども、南アルプスBRさんでは、二つ目の丸、ライチョウの勉強会をオンラインで開催されておられます。
また、大台ケ原・大峯山・大杉谷BRさんでは、一つ目の丸、教職員を対象としたエクスカーションの開催をされておられます。
祖母・傾・大崩BRさんでは、6市町村交流のキャンプということで、小学生を対象としたものが開催されておられます。
次のページ、9ページですけれども、綾BRさんの二つ目の丸で、この後の議題にもなってございますが、自然共生サイトヘの認定ということで、東洋紡さんの森が自然共生サイトに登録されて、認定を受けられてございます。
引き続いて、学術的な活動ですけれども、只見BRさんは、二つ目の丸、在来イワナ分布調査を行われております。
志賀高原BRさん、そのページの1番下ですけれども、信州大学、まさに先ほどの事例もそうですが、教育学部との連携を行われてございます。
次のページに移って、10ページの上、甲武信BRさんは、ニホンジカの広域保護の管理、それから白山BRさんでは、三つ目の丸で、協議会の中で学術研究の報告会、助成が行われておりまして、それの報告会が行われてございます。
南アルプスBRさんでは、こちらもニホンジカですけれども、対策ワーキングの開催、それから祖母・傾・大崩BRさんでは、緩衝地域、移行地域における自然環境調査の助成事業を行われております。
最後のページ、11ページになりますけれども、綾BRさんでは、官民学の連携した取組として地元の方々、それから東京農業大学、南九州大学と連携したナチュラルガーデン作りをテーマとしたプロジェクトが行われております。
最後に、屋久島・口永良部島BRさんでは、屋久島学ソサエティ大会ということで、ソサエティが主催して、町、財団と、京都大学の研究センター等の後援も含めて連携した形でイベントが開催されております。
以上になります。
【渡邉主査】 ありがとうございました。
また、各BRにおかれても活発に活動を進めていただいていて、大変ありがとうございます。ただいま御報告があった内容について御意見、御質問ありましたら、また、先ほどの大学
間ネットワークで補足というお話もありました。補足的なコメントも含めて、何かありましたら挙手ボタンを押して御発言いただけたらと思います。御発言のときにお名前をおっしゃって、御発言いただけたらと思います。いかがでしょうか。
松田委員、酒井委員の方から、大学間ネットワークに関して補足の御説明ありますでしようか。
【松田委員】 松田ですけれども、これは、今日は佐藤委員が欠席なんですね。愛媛大とかも加わって連携をしてやっております。特に、これから、もうちょっと大学の加盟を増やした方がいいかなという気もいたします。これに加わった方が、この国内委員もそうですけれども、ほかの例えばEABRNに行くとか、そういう場合の、手を挙げた方への、多分、選ばれる可能性も高いだろうというお話も聞いたことがありますので、その点も検討いただければと思いました。
以上です。
【渡邉主査】 ありがとうございます。
ぜひ大学間ネットワークも広がっていったらいいなと期待しています。
ほかにはいかがでしょうか。大丈夫ですか。
安達委員、お願いします。
【安達委員】 すみません。お願いいたします。
先ほど御報告した活動実践事例集なんですけれども、うちの事務局の方で、各BRにある小中学校に配付をするということをやっているんですが、その過程が結構大変だったという話を聞いていて、BRによって、どこに連絡したらいいか分からないということだったりとか、あとは、毎年BRによっても、取りまとめをしている事務所が変わってしまうので、昨年度のところに連絡をすると、今年はあっちなんですと言われて、そっちに連絡するとか、そうするとまた連絡が行っていなくて、そこから各学校になるとなかなか難しかったり、または、教育委員会を紹介されて、教育委員会の方にお願いしますという形で回されたこともあるというようなことを伺っていて、なかなか各BRの中の学校に連絡を取るときに、どこにどう連絡を取ると1番スムーズに回るのかというところについて、かなりコンソーシアムの方でも困っているというか苦労しているところなんですが、何かもしいいアイデアとかがあれば教えていただけたらなと思うんです。ちょっと御相談的な形になってしまって恐縮ですが、いかがでしょうか。
【渡邉主査】 まず、松田委員の手が挙がっています。お願いします。
【松田委員】 多分、いろいろな連絡を取るときに、どこも似たようなことになると理解しています。今おっしゃった話ですと、やっばりユネスコスクールが中心になってやる方がよくて、そうすると、BR加盟しているところのユネスコスクールの何か連携を、緩くてもいいからつくってしまう方が結局はスムーズにいくような気もするんです。JBRNも最初はそういう形で始まりましたし、思いつきですけれども、ちょっとそれを検討、最初に声かけて何かメールリストみたいなものを作ってしまう方が結局は上手くいくんじゃないかという気が私はしました。
以上です。
【渡邉主査】 ありがとうございます。
今後ちょっと検討していかなきゃいけない課題かなと思うんですけれども、事務局の方で今の時点でコメントありますか。
【小野国際統括官補佐】 すみません。事務局です。
即答できる回答はないんですけれども、松田先生がおっしゃるとおり、ユネスコスクールと自治体との関係というところもあるかもしれないので、一概に言えないんですが、全てのBRに配られているという理解でよろしいでしょうか。
【安達委員】 はい、そうなんです。
【小野国際統括官補佐】 まず、学校への接続部分は置いておいて、BRでも、例えば、先日南アルプスのヒアリングを静岡市さんにさせていただいたんですけれども、ちょうど事務局が韮崎市さんに替わったところでした。複数の自治体で構成されているBRでは、やはり1年ないしはそういったところで回されていて、それも年度の途中のどこかで引継ぎのタイミングが、多分それぞれにあるんだろうと思われます。10のBRを効率よく把握するのであれば、JBRNさんの事務局が1番いいのかなと思います。2年ごとに、持ち回りはされていますけれども、まずはそこがいいのかなと。そこから学校へのつなぎもやっていただけるのであれば、先生の方からそこヘコンタクトして、あとは全部つないでいただくというのが1番効率的なんですけれども、学校への部分がどうされているかというところですね。それぞれの自治体さんが。しかも、それぞれのBRの中にそれぞれ複数の自治体があるということだと思います。
【安達委員】 そうですね。そこら辺の連絡の難しさというところを実感しているところであります。各BRによっても学校とのつながりも様々だったりするので、すっと回るところもあればというところで、少し状況が、あちこち連絡する中で見えてきたかなというところでした。
また、ユネスコスクールの中でのネットワークをどう作るのかということについては、ちょっと検討してみたいなと思います。
ありがとうございます。
【渡邉主査】 ありがとうございました。
皆さんで、この点については、それぞれ検討を進めて形をつくれたらいいなと思います。ほかによろしいでしょうか。大丈夫ですか。
朱宮委員、お願いします。
【朱宮委員】 ありがとうございます。
すみません。追加の情報なんですけれども、各BRにおける学術活動等で、ちょっとみなかみBRに関してなんですが、昨年度からみなかみBRネイチャーポジティブプロジェクトということで、三菱地所と日本自然保護協会とみなかみ町が協定を結びまして、ネイチャーポジティブに向けた取組を開始しております。1年経っているんですけれども、NACS-Jの方で、ネイチャーポジティブアプローチということで、企業と自治体とを結ぶ、そういったネイチャーポジティブに向けた取組を支援するプログラムというのを開始しております。ですので、またちょっと、ここの記載に追加してほしいということではないんですけれども、そういった活動を今開始しているということで、ほかのBRに関しても、併せて公表して協働していくような取組にしていければなと思っているところです。
それから、先ほど未来共創プラットフォーム事業のところで、毎年のワークショップを開催しているんですけれども、今アーカイブということで動画視聴ができるようにしておりますので、後ほどちょっとURLを共有させていただければと思います。
以上です。
【渡邉主査】 貴重な情報共有をありがとうございました。ぜひ、みなかみの例は、みんなで参考にしていくといいなと思いました。ありがとうございます。
ほかによろしいですかね。
そうしましたら、ここで御報告いただいた内容のエッセンス、ナショナルレポートの中にも盛り込んでいくということで、国際調整理事会の場でもエッセンスを御紹介していくことができたらなと思います。ありがとうございました。
<議題2 ユネスコエコパークにおけるOECMの推進について>
【渡邉主査】 じゃあ、よろしければ、次の議題2に移っていきたいと思います。議題2は、ユネスコエコパークにおけるOECMの推進についてということです。先ほど、昨年の国際調整理事会の御報告をした際に、昆明・モントリオール生物多様性枠組へのMABの貢献というのが大変強調されました。その中で、新しい生物多様性枠組の30by30目標ということで、保護地域とOECMを合わせて、2030年までに陸と海の30%以上を保全されたエリアにしていくという30by30目標というのが含まれていますけれども、その取組にどうやってエコパークとして、MABとして貢献していくかというのが大事な課題になっていると思います。日本の中でも、地域とOECMの取組を進めていく上で、自然共生サイトという仕組みが昨年の4月から動いていて、今年の春には、それをさらに法律で位置づけるという動きも出てきています。そんな動きも見ながら、ユネスコエコパークとして、30by30目標なりOECMの推進にどう貢献していくか。また、逆に、エコパークとしてそういう新しいOECMを含む動きをエコパークの側としてどううまく活用していくかといったことがとても大事になってくると考えていまして、この議題を設けたところです。環境省からも現状を説明してもらって、意見交換ができればと考えています。
まず、事務局から補足事項ありましたらお願いします。
【小野国際統括官補佐】 ありがとうございます。
今、渡邉主査から詳しく御説明がありましたので特段はないんですけれども、後ほど見ていただく資料の中で、現状は既に、たまたまというか、特段取組をエコパークとして意識したものではないにしてもエコパークの中で既に入っているものもございますので、自然共生サイト認定されているものも参考にしながら、より進めていただければと思っています。こういったメッセージを各ユネスコエコパークに、国内委員会ないしはこの分科会としては、そういったメッセージを出していければなというところと、そういった取組を来月のユネスコの国際調整理事会の場で発表したり、それから先ほどのJBRNの大会等も通じて、各BRへ周知していければと思ってございます。
以上です。
【渡邉主査】 ありがとうございました。
それでは、初めに、環境省からOECMに関する取組状況についてということで、環境省の小林さんから御説明をいただければと思います。小林さん、よろしくお願いします。
【環境省(小林)】よろしくお願いします。
今、画面共有いただいているので、こちらから御説明します。次のスライドをお願いします。10分なので、ささっといきます。
OECMは御存じの方も多いと思いますが、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域のことです。ここに写真が幾つかありますが、こういう里地里山とか、都市の緑地、社寺林とかがOECMになじむんじゃないかと考えています。次、お願いします。
保護地域以外ということであれば、保護地域とは一体何なのかというのが気になると思います。ここの左側にあるように、例えば国立公園・国定公園のような自然公園、それから鳥獣保護区とか、そういったものが保護地域になっています。エコパークも、核心地域とかそういったところは、こういう保護地域の国立公園とかを保護担保措置されているかと思いますが、こういうものが保護地域になっています。次のスライドをお願いします。
これは参考ですけれども、陸域において、今、保護地域に指定されている場所を図化したものです。大体、奥山とか、そういう自然が比較的原生的な状況で保たれているところが、まとまりとしては大きいのかなとは思っています。次、お願いします。
これは30by30を目指すところということで、30by30達成後の地域のイメージということ
で、これは一つ地域循環共生圏にも通ずるものがありますが、都市や地域がうまく連携しながら生物多様性を確保することによる様々な恵みが得られる世の中をつくっていきたいということになっています。次、お願いします。
このOECMというのを考えたときに、先ほどからありました自然共生サイトという仕組みを昨年度から動かしています。これは何かというと、OECMの議論を考えていくときに、民間の取組が行われている場所が結構親和性があるよねということで、そういったところをじゃあまず捉えていこうと。確かに今まで民間の取組に主体を置いて、それを捉えていく仕組みというのはなかったので、まず、それを、自然共生サイトというものをつくりました。日本の場合は、御存じのとおり地域性の自然公園とか保護地域を取っていますので、まずは、保護地域内外に関わらず、自然共生サイトに認定して、保護地域との重複を除いた区域をOECMとして登録というふうに、ややこしくはなっていますが、こういう仕組みを取っています。次、お願いします。
じゃあ、どんな場所が自然共生サイトになるのかということで、事例としては、本当に幅広く国土のあらゆる場所を対象としています。一方で、じゃあ、そういうところは全てオーケーかということではなく、そういった中で生物多様性の価値を有していて、生物多様性の保全が図られている区域というふうに絞っていくものになっています。ここはCOEMの国際的な基準に照らして、この認定基準を作っているところです。次、お願いします。
昨年度開始しまして、昨年度時点で184か所を認定することとなりました。これは前期の認定証授与式の様子になっています。
次のスライドから、幾つか事例を見ていきたいと思います。
本当に様々な場所なので、例えば森林での認定サイト。
次、お願いします。里地里山での認定サイト。次、お願いします。
都市の中の緑地。次、お願いします。
そして、沿岸域。本当に山から海まで様々な民間等が主体となる活動のエリアを、この自然共生サイトとして認定してきました。次、お願いします。
これは、こういうロゴマークがあるので、こういうのを実際に活用されている事例もありますという形で、ブランド化にも図っているというところです。次、お願いします。
昨年度から開始しまして、前期・後期2回に分けています。今年度も同様に前期・後期の
2回に分けて実施する予定となっております。次、お願いします。
一方で、昨年度から開始したところではあったんですが、開始早々法制化を行いまして、法律が今年の4月に成立しました。来年度から施行を予定しています。それが生物多様性増進活動促進法というものです。次、お願いします。
何が違うのかというと、ここにあるように、自然共生サイトというのは現状、生物多様性が豊かな場所を対象としています。それは先ほどから申し上げているとおり、OECMとして、保護地域以外のところは、登録することを見越して、そういう立てつけにしています。一方で、ネイチャーポジティブの実現に向けては、生物多様性の回復・創出という意味で、これから挙げていくようなところも重要であろうと。それについても含める形で、この生物多様性増進活動促進法という中では、生物多様性を維持だけじゃなくて回復、そして創出も対象にしています。OECMになるのはもちろん、生物多様性が豊かなところというふうにはなります。次、お願いします。
法律において、ここはメインの仕組みなんですけれども、実際の活動計画というものを国が認定するというものになっています。ですので、そこでどういう活動を行うかというところをフォーカスしていくものになります。次、お願いします。
任意の自然共生サイトの違いという意味では、法制化することによって各種法令の特例を設けることができて、ワンストップ化・簡素化が図れるというところになります。次、お願いします。
また、市町村が作る連携活動計画の場合は、その上に生物多様性維持協定というのを結ぶことができます。それによって土地所有者が変わったとしても、その協定の効力が承継されるという形で長期安定的により活動を継続することが可能になる制度を上乗せすることができるようにしています。こういった法律の動きを来年度施行に向けて今、運用について詰めているところです。
話題提供として、私から以上です。ありがとうございました。
【渡邊主査】 小林さん、どうもありがとうございました。
そしたら、もう一つ事務局の方から、先ほど小野さんから説明があった、このMABの分科会として、ユネスコエコパークにおけるOECMの推進について、各BRにメッセージを送れないだろうかということで作られた文書案です。資料2-2になりますけれども、小野さんから御説明お願いいたします。
【小野国際統括官補佐】 失礼いたします。
こちらのページと2ページ物になってございますけれども、まず一つ目、経緯としまして、世界の動きと日本国内の取組という形の構成にさせていただいております。一つ目は、先ほど渡邉主査からお話のありました30%以上を目指して、保護地域とOECMを組み合わせて目標達成すると。方法としては、特にOECMの国際データベースヘの登録が推奨されています。
世界の動きの二つ目の丸ですけれども、ユネスコにおいては、MAB計画の議論の中で、まさ にこのOECMを含む30by30目標への貢献の在り方について議論がされております。また、この後の対処方針の議題でも出てきますけれども、データベース化とも親和性が高い、手法として高いので、そこも含めた議論が行われてございます。
日本国内では、今、先ほど関係者さんから御報告、話題提供のありましたとおり、自然共生サイト、それから今後は、来年度からは法律に基づいて、いわゆる自然共生サイトと呼んでよろしいんでしょうか、に登録することによって先ほどのOECMへの登録を進めていくということでございます。
下の参考ですけれども、先ほど少し触れさせていただきましたが、現在のユネスコエコパーク184か所のうち、ユネスコエコパーク内にあるものとしては四つあります。南アルプス、白山、大台ケ原・大峯山・大杉谷、それから綾と、現状こういったものが登録されてございます。
2ページ目で、それを踏まえた推進ですけれども、日本のユネスコエコパークにおいて、一つ目の丸ですが、自然共生、繰り返しの部分も多いですけれども、認定を通じたOECM国際データベースヘの登録を促進するなど、30by30目標へ貢献する。
二つ目で、これによってユネスコエコパークの認知度の向上とブランドの強化、それとともにエコパークの活動の質の向上を図っていく。特に「移行地域における」と書かせていただきましたのは、先ほどの御説明のとおり、釈迦に説法ですけれども、核心地域、緩衝地域、移行地域と三つに分かれてございますが、このうち本分科会において申請する段階で、核心地域と緩衝地域は先ほどの図で、環境省さんの説明の中の保護地域に該当するということを担保しておりますので、基本的には移行地域が多く、保全という意味では貢献してくるかなと。ただ、それに限らず、核心地域、緩衝地域も自然共生サイトとしては入ってきますので、OECMに出すときは、そこを除きますけれども、入ってきますので、併せてそこの更なる質の向上というところも含んだような表現にしてございます。
最後、三つ目ですけれども、これらの取組をユネスコエコパークの持つ国内外のネットワークを通じて日本から積極的にモデルとして提示していくということと、それぞれの地域において学び合いや世代間、多様な主体の協働の場としても、更に役割を果たしていくという形にさせていただいております。
【渡邉主査】 ありがとうございました。
時間はちょっと押していますけれども、この議題、10分ぐらい、議論の時間を取りたいと思います。
まず、環境省の小林さんの説明に対して質問や確認すべきこととかありましたらお願いします。
松田委員、お願いします。
【松田委員】 小林さん、どうもありがとうございます。
OECMと保護地域の違いというのを説明いただいたんですけれども、私の理解では、保護地域自身も、法的またはその他の効果的な手段で保護をしているところを保護地域というふうに定義するのが一般的であると思います。その上で、それ以外のところをOECMにするという整理になっていて、そのときの最大の趣旨は、保護地域はやはり保護が主目的である。多分、環境省もそういう整理をされていたと思いますが、それに対して、主目的は保護じゃないんだけれども、生物多様性の保護に対する貢献がある、ケアをしているという場所を広くOECMに入れるということで、こういう自然保護、生物多様性条約への主流化を図っていくということが進んでいくのではないかという趣旨として、私は移行地域は非常にいいOECMの候補となり得るところだと理解しています。
質問なんですけれども、17枚目に法律上の特例としてワンストップ化・簡素化と書いてあるんですが、その意味がちょっとよく分からなかったんです。自然共生サイトになったからどういうふうに簡素化されるのかという具体的なところは、ちょっと私には理解できなかったというところを説明していただきたいなと思いました。
もう一つは、この法制化が、伺ったところ、いわゆる保護だけじゃなくて自然を再生する場所というところが結構重視されているように思ったんですけれども、その割には、いわゆる自然再生推進法との関係があまりよく分からなかったというところがあります。そういう意味では、今、自然共生サイトに既に登録されているところ、実は私も関係する、うちの大学も今、応募している最中なんですけれども、これが法制化後に性格を変えなきゃいけないのかどうかというのをちょっと伺いたいなと思います。
最後になりますけれども、OECM、今、現状、愛知目標のときに既にOECMを進めた例は、南アフリカが1番最先例だと思います。多分、南アフリカでやっていることが今後、国際的なOECMの実践の一つのパイロットケースになるんじゃないかと思っています。
以上です。
【渡邉主査】 松田さん、ありがとうございました。
小林さん、特例の話と自然再生推進法との関係等、答えられる範囲でお願いできますでしょうか。
【環境省(小林)】 松田先生、ありがとうございます。
特例は、ありがとうございます、事務局、今、映していただいていますが、ちょっとややこしいのが、OECMと言ってはいるんですけれども、自然共生サイトも、また、この増進法も、保護地域の中での活動も対象になっているというところが、多分このややこしさの一つです。そういったときに、例えば国立公園の中で何か活動を行いますといったときに、本来であれば、国立公園なので自然公園法の手続を経る必要があります。例えば、国立公園の中で何かモニタリング機器を設置しますといった場合は、工作物の設置許可手続というのを個別に取らなきゃいけないということがあります。一方で、この増進活動促進法に基づく計画として、例えばモニタリング機器を設置して、その状況をウォッチしていきますというような活動計画を立てたときに、それを個別で自然公園法でも手続を取らなくても、この活動計画の認定を通じて、ある意味、一括で一つの手続で行うことができるということで、複数手続を取らなくても済むという、これは事務手続の利便性を進めることができるということです。それが今、事例で国立公園ということで自然公園法で申し上げましたが、それ以外に自然環境保全法とか、ここに書いてあるそれぞれの法律でそれぞれの特例の内容を定めて手続の簡素化を図っているというものです。
もう一つ御質問があった自然再生推進法との関係ですが、これも、少しざっくりになってしまうんですが、自然再生推進法がどちらかというとこの協議会形式で、そして多様な主体、国の機関、行政の機関、それから専門家有識者が入って地域ぐるみでやっていく、比較的大規模というか大きな再生活動が自然再生推進法に基づくものになっています。一方で、世の中には、例えば小さな自然再生と呼ばれるように、それぞれの地域の方々とか、本当に小規模な取組をやっている方とかがいらっしゃいます。そういったのはなかなか協議会をつくって地域ぐるみでやるというには馴染まない場合がありますが、そういった取組は必要だろうと。そういうのを、この増進活動促進法の方では、計画認定という形で対象としてやっていくということで、ある意味、面的な広いものと個別スポット的なものをうまく連携してやっていくことができるんじゃないかなということです。
最後に、法制化に当たって自然共生サイトの認定がどうなるのかということですが、手続的には、大変申し訳ないんですけれども、法律に基づく認定とするためには手続は発生します。ここについては、法律の制定のときの国会質問等でも多く頂いた御意見で、我々としても、なるべく事務負担が再度発生しないように手続の効率化というものは図っていきたいなと思っているところです。
以上です。
【渡邉主査】 ありがとうございました。
もう一つぐらい小林さんへの質問があればお受けしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
酒井委員、お願いします。
【酒井委員】 ちょっと時間がないようなので、エコパークとの関連性のところに絞った質問でもよろしいですか。必ずしも小林さん宛てというわけではないのですけれども。
【渡邉主査】 どうぞ。お願いします。
【酒井委員】 今の松田先生に関連して、制度の理解についても、それはそれで質問があるのですけれども、そこから問いていたら時間がないので。
まず、少し引いた視点から、これは文科省にお答えいただくのがいいのかもしれないのですけれども、昆明・モントリオール宣言で30by30というのに貢献するという意味合いにおいて、OECMに登録しているということの必然性というか。前もこのような議論、私、発言したかと思うのですけれども、ユネスコエコパークであることによって、いわゆるそれ自体は丸ごと、それぞれの国の法的な保護担保措置をされた自然保護区でないのは分かるのですが、国際的な何か趣旨に沿った自然保護の枠組みではあるわけなので、そのことでもってもう既に30by30の貢献をしているのではないかと私はそのように印象を持つのですけれども、その辺はどうなのですか。
【渡邉主査】 いかがでしょうか。小野さんからはコメントありますか。
【小野国際統括官補佐】 すみません。
多分、突き詰めていくと、ユネスコの国際調整理事会とか、そういったところで議論になるかと思うんですけれども、昨年の議論を見る限りは、やはり逆の意見も結構出ていて、エコパークだから丸っとそこの部分をOECMではちょっと抱き込み過ぎであるという意見も出ていたようですので、そこは国際調整理事会での議論を見ながらという形になると思います。
【酒井委員】 OECMって日本では環境省の自然共生サイトの、先ほどあった生物多様性増進活動促進法の中で整理されて、日本の制度の中に落とし込まれているわけですけれども、だから世界的な30by30の目標を達成するための枠組みと日本で運用されている制度との関係性はイコールじゃないと思うので、そこのところも御確認いただければと思うのですが、今せっかく環境省さんのOECMへの登録推進のお話の中で、日本でもエコパークの枠組みを利用して促進しようという動き自体には、そこは私は異を唱えるところではありません。
確認したいのですが、そのときに、エコパークとしての関わり方、最後の33ページのところに、推進というところで3項目挙がっていますが、この二つ目と三つ目というのは理念的なメリットとか理念であって、一つ目のところに、少しプロセスよりのニュアンスのことが書いてあるけれども、もう少しプロセスベースの話が欲しいというか、今、参考までに南アルプスと白山と大台ケ原と綾でもって、既に登録地があるということなのですが、私、綾は、割と身近で見たので、そのいきさつについては知っています。綾のエコパークの事務局が、エコパークを運用してきた情報とかスキルを持って東洋紡さんに手を貸したと、このような流れです。だから、そこは分かるのですが、ほかの三つの場所はどういうことなのか。つまり、単にエリアの中でそれぞれの企業が勝手にじゃないですけれども、登録し、たまたまエコパークの中だったということなのか、それともエコパークという枠組みをどういうふうに使ったのかという、使われたのかということも含めて、その辺ちょっと情報があったら御紹介いただければ参考になるかと思います。
【渡邉主査】 これ、むしろ環境省の小林さん、情報ありますか。私も知る限り、南アルプスの二つは、いずれも大きい自然共生サイトでしたけれども、その申請の中でエコパークとの関係については触れられていて、エコパークという枠組みを意識して申請をされていたと記憶していますが、小林さんの方で情報ありましたら補足いただけますでしょうか。
【環境省(小林)】 いえ、渡邉さんのおっしゃっていただいたとおりの形で大丈夫だと思います。
【渡邉主査】 ありがとうございます。酒井さん、現状としては……。
【酒井委員】 つまり、だからエコパークというブランドを使ったという、今、そのようなことかと思うのですけれども、それでも、例えば綾だったら、踏み込んでそれ以上のことをやっているわけです。エコパークの持っている情報とかスキル、事務局が持っている人材を生かして登録まで行っているという感じだと思うので、だからエコパークの制度との関わり方には、濃度に多様なケースがあり得るんじゃないかと思うんです。今後、促進していく、推進していくというときに、どういうふうに関われば推進が可能か、プロセスベースの事例や、あるいは、こういうやり方が望ましいみたいなものがもしあれば、そういうものを提供することによって、具体的な推進活動につながるのではないかなと思いました。
【渡邉主査】 ありがとうございます。
多分、既に共生サイトが認定されているところについても、今、酒井さんがおっしゃったようにエコパークとの関わりというのは、それぞれ、一様ではなくって、綾のようにエコパークの枠組みと、この共生サイトを取ろうとする人たちが、上手く力を合わせて、エコパークにおける共生サイトが認定されていく、広がっていくという形に持っていくところが、私も大事なポイントかなとお問きしました。
ありがとうございます。
【酒井委員】 それと、もう一つ、環境省さんにお聞きしたいのですが、ユネスコエコパークであることによって認定されやすいということはあるのですか。
【環境省(小林)】 酒井先生、ありがとうございます。
今、自然共生サイトでは認定基準というのを設けていまして、それがOECMの基準を踏まえてつくっているんですけれども、基本的にはその認定基準に合致するか、していないかということにはなります。ただ、その認定基準が、例えばガバナンス、管理体制はどうなっていますかとか、活動内容はどういうふうになっていますかというふうに、基準が大きくありまして、そういったときにユネスコエコパークになっている場合だと、既にガバナンス体制とか連携体制が取れていますとか、その活動に当たってもこういった主体とか有識者と連携して実施していて、こういうバックアップ体制がありますということが往々にしてあるので、そういう認定基準を合致するためのアドバンテージが既に現場というか地域によってできているというところは、ほかのところよりはあるんじゃないかなというのは感じています。
以上です。
【酒井委員】 ありがとうございます。
そのような情報を、ぜひ文科省の事務局から各BRにお伝えいただければと思います。
ありがとうございます。よろしくお願いします。失礼します。
【渡邉主査】 ありがとうございました。酒井さん、小林さん、ありがとうございました。
時間は押してきましたけれども、この資料2-2について、特に2ページ目の三つのポイントがあって、エコパーク側として30by30目標、自然共生サイトの認定、それを受けたOECMの登録というのを通じて、エコパークの側から30by30目標に積極的に貢献していくということと、その共生サイトなりOECMの仕組みをうまく使うことで、特に移行地域のエコパークの管理の質を高めていくことにつなげていくという二つ目と、そういうエコパークにおける保護地域、あるいはOECMの設定を通じて、保護地域とOECMをうまく組み合わせた保全管理のモデルをエコパークから提示をしていくというのが、この三つの内容だと思うんですけれども、その中身自体は大事なことだと思うんです。よりBRに分かりやすく、また、BRが実践していくのに役立つような、そういったポイントも加えてまとめていければと思いますけれども、委員の皆さんの方からお気付きの点があれば事務局にメールを寄せていただいて、それを基に事務局と私の方で相談をして、整理をして、各BRにお送りしていくようにしたいと思います。
また、これは、1回出せば終わりじゃなくて、いろいろな各BRの取組の進展とともに追加的に、この共生サイト、OECMとエコパークの関係について追加的な、各BRにとって参考になるような情報を逐次、随時流していくというような形で各BRを応援していくことができたらいいなと思いますので、皆さんからも御意見寄せていただけたらと思います。そんな形でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
そうしましたら、議題の2まで進みました。ありがとうございました。今日の議論を踏まえまして、事務局、それから関係省庁とも御相談しながら、エコパークヘの周知の内容について整理をして、周知をしていきたいと思います。皆さんの御意見いただいて、事務局と私と最終的な整理をして、各エコパークに御連絡をしていくというふうに進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(傍聴者等の退室)
<議題3 第36回MAB計画国際調整理事会の対処方針について【非公開】>
第36回MAB計画国際調整理事会の対処方針について議論を行った。
― 了 -
国際統括官付