第51回日本ユネスコ国内委員会科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会 議事録

1.日時

令和5年5月31日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン開催

3.出席者

(委員)
渡邉主査(国内委員会委員)、大野委員(国内委員会委員)、沖委員(国内委員会委員)、安達委員、伊藤委員、上條委員、酒井委員、佐藤委員、田中委員、松田委員、宮内委員、吉田委員

(事務局)
匂坂副事務総長(文部科学省国際統括官付国際交渉分析官)、堀尾事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、小野事務総長補佐(同省国際統括官付専門官)、その他関係官

4.議事

【渡邉主査】  それでは、皆様、こんにちは。自然環境研究センターの渡邉です。
 本日は御多忙のところ御参加いただきまして、ありがとうございます。定刻になりましたので、まずは事務局で定足数の確認をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  皆様、こんにちは。お忙しいところ、ありがとうございます。委員の皆様方におかれましては、可能な限り画面をオンにしていただけますと幸いです。
 本日の出席委員は12名で、委員の過半数を満たしておりますので、定足数を満たしております。
 なお、本日は報道関係者の取材を受け付けておりまして、共同通信社の方が傍聴をされております。また、環境省等の関係省庁にオブザーバー参加いただいているほか、国内のユネスコエコパーク事務局や、公益財団法人日本自然保護協会、大学関係者の方からも傍聴いただいております。
 以上です。
【渡邉主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまから第51回のMAB計画分科会を開催したいと思います。
 なお、本日の議事のうち、議題2以降に関しましては、以前にお伝えしておりますとおり、非公開とさせていただきます。非公開の部分を除いて、御発言は議事録として、そのままホームページ等で公開されますので、御承知おきいただければと思います。
 続きまして、前回のMAB計画分科会以降、事務局に交代がございましたので、事務局から御紹介をお願いしたいと思います。
【堀尾国際統括官補佐】  ありがとうございます。事務局の異動を御報告いたします。
 本年4月1日より、文部科学省国際統括官付国際交渉分析官、日本ユネスコ国内委員会副事務総長として匂坂克久、そしてまた、文部科学省国際統括官付専門官、日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐として小野憲一、ユネスコ第三係長として鶴岡泰二郎が着任しております。
【渡邉主査】  ありがとうございます。
 それでは、開会に際しまして、匂坂国際交渉分析官から一言お願いできればと思います。
【匂坂国際交渉分析官】  国際統括官、事務総長の岡村に代わりまして、一言御挨拶させていただきます。
 本日は、MAB計画分科会委員の皆様、関係省庁の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございます。本日の分科会では、この1年間のMAB計画に関する活動を振り返った後、6月12日からパリのユネスコ本部にて開催される第35回MAB計画国際調整理事会に参加するに当たっての対処方針について、皆様から御意見をいただく予定です。
 人間と自然の共生を目指すMAB計画は、気候変動等への対応を含め、持続可能な社会の実現に向けた国際的な取組に貢献するものであり、今回の調整理事会でも、前回に引き続きまして、「ポスト2020生物多様性枠組み」へのMAB計画の貢献について議論される予定です。この「ポスト2020生物多様性枠組み」への対応につきましては、日本国内において、本年3月に「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定され、その中で、ユネスコエコパークが目標達成に貢献する地域として位置付けられているところでございます。
 また、今回の調整理事会では、ユースのMAB計画への参加についても議論される予定となっております。ユースは、ユネスコの中期戦略において優先すべきグループとして明記されており、MAB計画においても、ユースに関するワーキンググループが開催されております。日本国内でも、日本ユネスコ国内委員会の下に次世代ユネスコ国内委員会が設置され、ユースがユネスコエコパークを活用したユネスコ活動に参加しやすい場の形成に取り組んでいるところでございます。
 MAB計画の推進に当たりましては、これらの観点も含め、国内外のネットワークを通じて情報共有を図り、国際的な議論と国内の活動の歩調を合わせながら、地域や世代を超えた多様な人々とともに実践していくことが求められております。日本ユネスコ国内委員会事務局としましても、最大限努力をしてまいりますので、引き続き皆様の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉主査】  匂坂国際交渉分析官、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、事務局から配付資料の確認をお願いします。
【堀尾国際統括官補佐】  本日の配付資料として、資料1、資料2-1、2-2、そして附属資料1から3、また、参考資料1から5を配付させていただいております。また、委員の皆様方には、議題2の非公開議題での席上配付資料として、席上配付資料1と2を配付しております。もしお手元に届いていない等ございましたら、事務局までメールもしくはお電話で御連絡いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
【渡邉主査】  ありがとうございます。
 
<議題1 人間と生物圏(MAB)計画に関する活動報告について(報告)>
【渡邉主査】  それでは早速、議題1、人間と生物圏(MAB)計画に関する活動報告に入りたいと思います。この議題では、主に昨年度のユネスコ本部や地域事務所などでの動きの報告、そして、国内での取組について説明をいただきます。また、それぞれの活動に関する補足あるいは御質問は、一通り報告を受けた後で、最後に一括して伺っていきたいと思います。
 それでは、本件について事務局から報告をお願いいたします。
【堀尾国際統括官補佐】  ありがとうございます。それでは、資料1に基づいて報告をさせていただきます。
 まず1ページ目、第34回MAB計画国際調整理事会が、昨年の6月13日から17日にパリで開催されまして、このときはまだコロナの状況もありましたので、オンサイトとオンラインのハイブリッドで開催されております。日本からは渡邉MAB分科会主査と、私、堀尾がオンラインにて参加いたしております。
 同理事会では、議長及び副議長の選出が行われまして、ナイジェリアのAdepoju Adeshola氏が議長に再任されております。また、会議では、MAB計画戦略に基づくリマ行動計画の履行状況や、昨年実施されたMAB計画50周年に関する取組について共有されたほか、MAB計画事業におけるユースネットワークの設立に向けての議論が行われております。
 そのほか、MAB計画事業の名称変更、こちらはMan and the Biosphereの「Man」というのと、Biosphere Reservesの「Reserves」が、現在のMAB計画と時代に合っていないのではないかという問題提起が行われて、名称を変更するかどうかの議論が継続的に行われているところです。
 また、一昨年の第41回ユネスコ総会において、11月3日を生物圏保存地域国際デーとするという決議がされており、それに対する各国での対応についての議論が行われました。あと、10年に一度、世界生物圏保存地域会議が開催されているのですけれども、次の第5回の開催地が中国から提案があり、それが承認されております。新たなユネスコエコパークの登録地として、11サイトの登録と2サイトの拡張申請が承認されております。
 次に移りまして、ユネスコ未来共創プラットフォーム事業でございます。こちらは日本ユネスコ国内委員会の決議を受けて、文部科学省にて令和2年度から、世界や地域の課題解決に資するユネスコ活動の活性化に向けて、国内のユネスコ活動拠点のネットワークの戦略的整備と、先進的なユネスコ活動の海外展開を一体的に推進する体制を構築することを目的として、ユネスコ未来共創プラットフォーム事業を実施しております。
 この事業の中で、ユネスコエコパークへの取組として、国際的な動向を踏まえた管理運営を推進することを目的とした国内BR(ユネスコエコパーク(生物圏保存地域))の実務者向けワークショップの企画及び開催を、日本自然保護協会に委託して、定期報告に関する情報交換や国内外の事例の共有を図っております。具体的に、昨年度実施したワークショップをこちらに掲載しておりますので、御参照ください。
 また、こども霞が関見学デーは、文部科学省だけでなく、霞が関の省庁が一体となって取り組んでいる事業でございますけれども、こちらが8月3日、4日の2日間にわたって開催され、その中で、日本ユネスコ国内委員会としても、日本ユネスコエコパークネットワーク(JBRN)の協力を得まして、ブースを設置していただいております。こちらでは、エコパークから提供いただいた「森のかけら」を紙やすりで磨いてという体験ができるブースを設けて、多くの子供たちが来訪して、BRについての理解や関心を深めていただいております。
 日本ユネスコ国内委員会でフェローシップ事業といって、海外のユネスコ国内委員会のスタッフとの交流事業というのを実施しており、昨年度は令和5年1月25日から2月2日まで、ドイツ、インドネシア、タイ、ベトナムのユネスコ関係者を招聘して、ユネスコ活動の視察と関係者との意見交換を行っております。BRについては、志賀高原を訪問させていただいて、BRの特徴や取組について説明を受けたほか、自然のサイトや学校を訪問して交流を行っております。
 国際ユネスコエコパークの日が、先ほどお伝えしたとおり、11月3日にユネスコで制定されて、それを各国で取り組むということで、昨年度は国内のMABに携わっている3名の有識者、Miguel Clusenar-Godt氏、元ユネスコ事務局のエコロジカル及び地球科学部長で、このときは横浜国立大学に客員教授で招聘されておりました。そして、渡邉MAB分科会主査、松田MAB計画支援委員会委員長、この3名の方からメッセージを発していただいております。
 次のページに移りまして、MABは10年に一度、定期報告を出すことになっておりますが、昨年度は綾ユネスコエコパークが定期報告を提出しております。
 第16回東アジア生物圏保存地域ネットワーク会合、EABRNと呼んでいるのですけれども、こちらは、東アジアのBR、ユネスコエコパークの登録地域が集まって会合を行って、情報共有を行う会議でございます。こちらが昨年モンゴルで開催されまして、日本からは先ほどのMiguel先生、横浜国立大学の学生である秋山さんに参加いただいております。
 次に、日本ユネスコエコパークネットワーク(JBRN)の取組として、日本ユネスコエコパーク大会が令和4年7月26日に、JBRNの事務局である只見で開催されております。そのほか、JBRNとしては、イオン環境財団との連携が継続して実施されているところです。
 次のページに移りまして、ユネスコチェアがMABの関係で二つ、2大学で設置されておりまして、一つは横浜国立大学が、令和4年4月よりユネスコチェアを設置いただいて、キックオフシンポジウムや各種プログラム、研修プログラムなどの開発を行っていただいております。
 もう一つ、金沢大学では、令和5年1月に設立されまして、こちらの学生のフィールド調査とか研修などを実施していただいているところです。
 次に、信州ESDコンソーシアム、こちらは信州大学教育学部に事務局を置いて、BRを中心とした学校におけるESDの普及推進に取り組んでいただいております。BRの登録地域にあるユネスコスクールをネットワークで結び、シンポジウムの開催等を通じて情報共有を行っていただいており、その成果をホームページ等で公開いただいております。
 最後になりまして、日本MAB計画連携大学間ネットワーク、こちらは令和3年11月に、金沢大学を中心として、横浜国立大学、愛媛大学、筑波大学、京都大学及び宮崎大学によって、ネットワークが立ち上げられております。このネットワークを記念して、キックオフシンポジウムが行われたり、各BRに、学生を対象に訪問して、フィールド研修などを行っていただいているところです。
 以上でございます。
【渡邉主査】  堀尾補佐、ありがとうございました。この1年間の活動について御報告いただきました。
 委員の皆様から、追加して御報告、あるいは御質問、御意見がありましたら、挙手ボタンを押して御発言いただければと思います。なお、本日は委員の方々にはオンラインで御出席いただいておりまして、御発言の際には、お名前をまず言っていただいた上で御発言いただければと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、追加の報告や質問、意見ありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 ユネスコチェアが新しく二つ立ち上がりました。横浜国大でも立ち上がって、松田委員から補足して、活動について御紹介等ありますでしょうか。
【松田委員】  11月に発足シンポジウムを行わせていただきました。録画を取ってありますので、今からその録画が視聴できるように皆様にURLを共有させていただきたいと思います。文科省の方にも参加いただきまして、ありがとうございました。外国の方からも参加いただきまして、今後、海外との交流も進めていくと。逆に今年、多分、ポルトガルに訪問することになっております。
 以上です。よろしくお願いいたします。
【渡邉主査】  松田委員、どうもありがとうございました。
 安達委員、手が挙がっていますでしょうか。お願いします。
【安達委員】  安達です。よろしくお願いいたします。
 今御紹介いただいた信州ESDコンソーシアムの件ですけれども、リンクが貼ってありますので、是非見ていただけたらと思います。昨年度の2月に行った成果発表・交流会ということで、子供たちが1年間の学習成果を発表し合うという会になっております。子供たちが実際に学んだことを自分たちの言葉で発表しておりまして、BRからも六つのサイトの子供たちが参加をしてくれています。BR同士はもちろんですけれども、BRでの学びをBRじゃない学校の子供たちが聞いて、お互いに質疑応答したりとかして、いい交流会ができたなということを思っております。
 また、アーカイブで全ての発表が見られますし、あと、一部英訳したものを発信しております。是非、日本の実践というものを海外の方にも見てもらえたらという思いもありますので、また見ていただいて、是非、御意見がもしありましたらお寄せいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
【渡邉主査】  安達委員、どうもありがとうございました。
 それでは、議題2に移りたいと思います。議題2は、第35回MAB計画国際調整理事会の対処方針ということになります。本議題は、冒頭お伝えしましたとおり、非公開となっておりますため、傍聴の方へのYouTube配信はここで終了させていただきます。 

(傍聴者等の退室)

 <議題2 第35回MAB計画国際調整理事会の対処方針について【非公開】>
 第35回MAB計画国際調整理事会の対処方針について議論を行った。
 

―― 了 ――

お問合せ先

国際統括官付