ユネスコを知らない・興味のない若者を、ユネスコ活動に関与させる方法について

平成25年6月4日
日本ユネスコ国内委員会

※第488回運営小委員会に外部有識者として出席いただいた国際基督教大学ユネスコクラブの立原春奈部長から、同会議終了後に頂いた意見です。

  • より具体的な活動内容を全面的にアピールすることが必要とされているのではないでしょうか。例えば、ACCUが持っているアジア太平洋でのネットワークを活かした識字支援や、日韓間での相互視察派遣?などを行っていると先日伺いましたが、それらのような活動を外にアピールすると共に、それらがどのような理念に基づき、何を目的とし行っているのか、そして何を達成できたのかということを併せて周知させること、そしてそれがユネスコ憲章前文の平和の砦や、ユネスコ自体の理念といかに関連付けられているかというところをしっかり併せて伝えることが重要なのではないかと考えます。
  • また著名人(現在もいらっしゃいますが、更に多様な分野より)をPR大使にすることにより、その著名人のファンである若者はユネスコ活動に興味を簡単に持ちやすいと思います。例えばTwitterやFacebookを通じてその著名人がユネスコ活動について少しでも言及すればファンはすぐに興味を持つのではないでしょうか。また、幅広い層の若者を関与させるためには、様々な分野の著名人をPR大使に選べばより効果的になるのでは。例えば若手歌手や、アイドル、俳優、モデルなどは若者にはとても馴染み深く関心をもちやすいと思います。ただ、PRする側の彼らもユネスコの理念にきちんと賛同している、または理解していることが必要だと考えられますので、その点をどのように徹底していくのかというところは課題の一つであると考えます。
  • また、ESDに関してですが、個人的な意見を申しますと具体的な活動内容がやや分かりづらく、ユネスコ活動を知らない若者にとっては、若干の「とっつきにくさ」を感じてしまうのではないかと思います。日本語で「持続発展教育」とした方が少しは分かりやすいですが、その日本語訳でもぱっと見ただけではなかなか内容が一発で伝わるとは言い難いように感じます。ESDの促進に関しても、より具体的な内容(どのような活動を行っていて、どのような成果を上げてきているのか)を周知させれば、よりその活動にかかわることを望む学生は増えてくるのではないでしょうか。
  • 周知方法に関しては、メディアへの露出、Twitterなどのインターネット上のツールを使うことが比較的効果的なのではないかと思います。

 またこの件に関して、私からのみではなくより多くの視点からの意見がある方が好ましいかと思いましたので、部員にもたずねてみました。以下が、部員からの意見の一部抜粋です。(質問は、上記のものと、各自がユネスコクラブに入ろうと思ったきっかけについて併せて尋ねてみました。)

  • 若者にユネスコに参加してもらうことについてですが、「ユネスコ=世界遺産?」というイメージを変えることがまずは必要だと思います。教育、科学に関するイメージが定着していないので…。あと、どんな形で参加できるのかが曖昧です。私がユネスコクラブに入った理由は、分野、地域を絞らずに色々な事柄について学ぶことができそうだったからです。(2年女子)
  • ユニセフがここまで息づいているのはやはり小学校時代の募金活動による刷り込み(言葉が悪いですが)があると思うので、ユネスコも同時に児童にむけたキャンペーンを何かすればいいのに、とは思います。寺子屋運動など活かせそうなものは結構多そうに思えるのですが。(2年女子)
  • ユネスコを知らないというのは、国際団体としてのユネスコなのか、日本におけるユネスコクラブなのかはわかりませんが、ユネスコクラブであると仮定して意見を書くならば、国際的な問題について、世界の一市民である自身の思考力がどれだけ通用するものなのかを実際に試し、またそれに対するフィードバックが得られる場、という触れ込みが効果的だと思います。私がユネスコクラブに入部したのは、かなり自分本位な考えではありますが、自分の思考力や経験値を発揮できる場が欲しかったのと、そういったものを持ち合わせているであろう他人の考え方や経験を享受したかったからです。(2年男子)

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