日本ユネスコ国内委員会第502回運営小委員会議事録

1.日時

平成29年2月9日(金曜日)14時15分~14時45分

2.場所

三田共用会議所 第3特別会議室

3.出席者(敬称略)

〔委員〕安西祐一郎(委員長)、古賀信行(副委員長)、安達仁美、礒田博子、岡田保良、杉村美紀、中西正人、日比谷潤子、細谷龍平
〔事務局〕川端日本ユネスコ国内委員会事務総長(文部科学省国際統括官)、小林日本ユネスコ国内委員会事務次長(国際統括官付国際戦略企画官)、その他関係官

4.議事録

【安西会長】
本日は御多忙の中お集まりいただき、ありがとうございます。定刻になりましたので、まず事務局から定足数の確認をお願いいたします。

【鈴木補佐】
現在出席の委員の皆様が7名でいらっしゃいます。委員の過半数6名以上を満たしておりますので、定足数を満たしています。

【安西会長】
ありがとうございました。それでは、第502回日本ユネスコ国内委員会運営小委員会を開会させていただきます。前回同様でございますが、本小委員会におきましては、国内委員会総会の前に、短時間で恐縮ではございますが、総会の進行や議論の方向性等について確認させていただくというのが趣旨でございます。
なお、会議の後には、本小委員会の概要につきましては、文部科学省のホームページに公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。審議の前に、昨年9月12日に開催されました第500回運営小委員会以降、委員に異動がございましたので、事務局から報告をお願いします。

【鈴木補佐】
御報告させていただきます。4名の先生が新しく運営小委員会に御参加いただいております。本日遅れての御出席になりますが、礒田博子委員、自然科学小委員長でいらっしゃいます。岡田保良委員、文化活動小委員長でいらっしゃいます。普及活動小委員長でいらっしゃいます中西正人委員、それから遅れての御出席になりますが人文・社会科学小委員長の日比谷潤子委員にも御出席いただきます。

【安西会長】
ありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。それでは、議事に入ります。はじめに、ユネスコ日本政府常駐代表の交替について、事務局から御報告をお願いいたします。

【小林企画官】
資料1をご覧いただければと思います。「ユネスコ活動に関する法律」第6条におきまして、国内委員会は、ユネスコに対する常駐の政府代表の選考に関する事項について、関係各大臣の諮問に応じて調査審議を行い、必要と認める事項を関係各大臣に建議するとされております。
昨年11月21日に、外務大臣から日本ユネスコ国内委員会会長に対しまして、ユネスコにおける日本政府常駐代表でありました佐藤地(くに)ユネスコ日本政府代表部特命全権大使が、ハンガリー国特命全権大使に任命されたことから、その後任候補として、山田滝雄前外務省国際協力局長を予定している旨、諮問がございました。
これに対しまして、可及的速やかに審議及び議決を行う必要があることから、運営小委員会において本件について審議し議決を行うこととし、本議決を国内委員会の議決とすることといたしました。これを受けまして、11月28日に第501回運営小委員会を持ち回りにより開催し、議決の結果、山田滝雄前外務省国際協力局長を、ユネスコ日本政府常駐代表として任命することについては差し支えない旨、国内委員会会長から外務大臣に対して答申しております。

【安西会長】
ありがとうございました。日本ユネスコ国内委員会運営規則第16条におきまして、運営小委員会の議決をもって国内委員会の議決とする場合、次の国内委員会の会議において承認を得なければならないとされております。本日の国内委員会総会で、本件につきましてお諮りさせていただければと思います。よろしくお願いを申し上げます。
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは議題2でございますが、日本ユネスコ国内委員会広報大使の任命について、事務局から御説明をお願いいたします。

【小林企画官】
それではお手元の資料2を御覧いただければと思います。日本ユネスコ国内委員会では、広く世間にユネスコ活動を普及し、ユネスコの理念を浸透させることを目的として、日本ユネスコ国内委員会広報大使を任命しています。任期は2年間で、現在はさかなクンと平野啓子氏のお二方に就任いただいておりますが、現在の任期が本年3月末で終了するため、平成30年度及び31年度の広報大使につきまして、運営小委員会で決定の上、安西会長に任命いただくこととなります。
資料2の2ページ目、次期広報大使案を御覧いただければと思います。次期広報大使については、さかなクンと平野啓子氏の再任に加え、ユネスコ活動の一層の国民への浸透を図るため、新任の末吉里花氏を加えた3名に、次期「日本ユネスコ国内委員会広報大使」に御就任いただきたいと考えております。
さかなクンと平野啓子氏は、平成24年から6年間継続して日本ユネスコ国内委員会広報大使として活動いただいておりまして、また各世代への知名度・発信力をお持ちの方であるため、引き続き広報大使として活動いただきたいと考えております。また、末吉里花氏は、御専門である「エシカル消費」の普及推進を軸としたSDGsの普及啓発をテーマに、小学生から大人まで幅広い世代を対象に全国的な活動をしております。末吉氏の活動が、我々が推進しているユネスコ活動、特にESDとの親和性が高く、また特に青少年・ユース世代に対する発信力に期待し、新たに広報大使に御就任いただいてはどうかと考えております。
なお、次期広報大使候補3名には、運営小委員会での御同意を前提の上、既に就任の内諾を頂いておりますことを申し添えます。説明は以上でございます。

【安西会長】
ありがとうございました。何かご質問ご意見ありますでしょうか。

【細谷委員】
ありがとうございます。広報大使3名の任命については異議ありません。良い制度だと思います。この種の制度は他にもありまして、私がユネスコ本部におりましたときに関わっていたユネスコ本体の親善大使などの制度での経験から一点コメントいたします。この方々、特にさかなクンは若い人を含めて知名度の高い方だと思います。しかしながら、この方が日本ユネスコ国内委員会の広報大使をやっているということが一般にどれだけ知られているのかというと、それほどではないのではないかと思います。白鵬関が親善大使と類似したユネスコスポーツチャンピオンを今でもやられていまして、それがあまり知られていないということが本部でも認識されており、もう少し知ってもらうためにはどうしたらよいのかについて議論が行われた経緯もあります。いろいろとやり方はあるかと思いますけれども、御本人たちはそれぞれがユネスコの目的に沿った多角的な活動をされる中で、ユネスコへの言及はあまりされないことが多いかと思います。広報大使の任務を果たしてもらう上で、ユネスコとその人とのつながりがもう少し一般に知られるようにするにはどうしたらよいか、御本人たちにどうやっていただいたらよいか、ということをもう少し検討していただければと思います。

【安西会長】
ありがとうございました。ただいまの細谷委員のご意見も踏まえて、何か皆様で更にありますでしょうか。広報の問題はやはりずっとございまして、これまでもユネスコが戦後すぐにできて以来、長い伝統と歴史があり、当初は本当に日本のいわば希望だったわけでありますけれども、時代が変わりましていろいろな人たちが国際的な場でいろいろな活動をするようになって、このユネスコ活動をどうやって広めていったらよいのかというのも、一般的にもかなり大きな課題になっているかと思います。他に何かありますでしょうか。只今の件は事務局の方で改めて受け止めていただいて、ぜひ広めていただければと思います。普通に広めていくだけでは、なかなか今の世の中では広まらないという状況がありますので、いろいろ知恵を絞らないといけないと思います。他によろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、日本ユネスコ国内委員会広報大使につきましては、事務局の説明がありましたけれども、このお3方にお願いをするということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。今後任命に向けた手続きを進めてまいりますが、現時点では内諾の段階ということになりますので、この後ございます総会での御報告は控えさせていただきまして、任命手続きが整い次第、後日国内委員会の皆様にお知らせして、就任及び任命式についての報道発表を行うことにさせていただければと思います。それまでの間、次期広報大使の決定につきましては、対外非公表ということでお願いを申し上げます。報道発表等々を工夫していただければよいのではないかと思います。
どうもありがとうございました。それでは議題の3に参りますが、後で行われます第142回国内委員会総会についてでございます。今日の総会の進め方等について事務局からお願いいたします。

【小林企画官】
それでは資料3をご覧いただければと思います。本日の総会の議事次第を載せておりますので、それを基に御説明させていただきます。本日の議題といたしまして、冒頭、「カテゴリー1機関」と呼ばれるユネスコ直属の外部機関のうちの一つで、2012年にインド・ニューデリーに設置された、マハトマ・ガンジー平和と持続可能な開発のための教育研究所(MGIEP)の所長より、本研究所の活動について御挨拶をいただくことにしております。
続きまして、議題1では、昨年11月に開催されました第39回ユネスコ総会につきまして、林文部科学大臣の出張部分を中心に、写真や一部動画を活用して事務局より御報告させていただきます。
次に議題2におきましては、先ほど御報告させていただきましたユネスコ日本政府常駐代表の交替に関する報告に加えまして、昨年9月の国内委員会総会以降に開催されました教育小委員会、自然科学・人文社会科学小委員会、普及活動小委員会につきまして、各小委員長より御報告いただきます。
教育小委員会に関しては、杉村委員長より、昨年開催されたユネスコスクール全国大会、高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約、ユネスコ・バンコク事務所における事業につきまして、御説明いただきます。
自然科学・人文社会科学合同小委員会に関しましては、礒田委員長より、日本ジオパーク委員会の構成の見直しや、自然科学・人文社会科学分野の今後の事業の方向性についての審議結果などにつきまして、御説明いただきます。
次に、普及活動小委員会に関しましては、中西委員長より、地域におけるユネスコ活動の成果と課題につきまして、御説明いただきます。
また、前回国内委員会総会以降の主な報告案件といたしまして、世界文化遺産に推薦された「百舌鳥(もず)・古市古墳」及び、世界無形文化遺産について、それぞれ文化庁より説明がございます。更に、サステイナビリティ・サイエンスに関するガイドライン、持続可能な開発目標(SDGs)の最近の動き、平成30年度ユネスコ関係予算案につきまして、それぞれ事務局より御報告させていただきます。
最後に、議題3におきましては、2022年から2029年までのユネスコの中期計画でございますC/4についてでございます。中期戦略については、次回ユネスコ総会から次期計画策定に向けた国際的な議論の開始が想定されることから、我が国として重視すべき事項に関しまして、国内委員会においても検討を開始するものでございますが、本日、議題2までも多様な内容を含んでおりまして、十分な時間がとれないと思われますので、次回総会から御議論いただく事柄として御紹介することにとどめたいと考えております。説明は以上でございます。

【安西会長】
ありがとうございました。何かご意見ご質問はありますか。すぐ後で行われるわけでございますが、こうした方が良いというものがあればお願いします。それでは今説明のありました進め方で進めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
議題4はその他ということですが、皆様のほうから何かございますでしょうか。
それでは、私のほうから1点ございます。事務局とお話をしているところでございますけれど、先ほどありました広報ということも含めまして、やはりこのユネスコ国内委員会として、教育、科学、文化の発展を支援しながら、しかも日本全国に何か我々の活動をきちんと見せられるようなものはないかと思っており、こういうことはいかがかと提案させていただきます。それは2019年、来年から文部科学省の方で高校生のための学びの基礎診断が、国語・数学・英語ですけれども、入って参ります。小学校と中学校で今、全国学力学習状況調査をやっておりますけれども、それとはまた違いますが、高校生は全くそういうことがなかったところへ、これを入れるということで準備が進められております。それから再来年2020年からセンター入試が変わります。大学入学共通テストに変わります。それからやはり同じ2020年度から小学校を皮切りに、学習指導要領が変わっていきます。2022年から24年にかけて高等学校の学習指導要領は1年刻みで変わります。この学習指導要領におきましては、能動的に学んでいくという態度も含めて今までの受け身の学習の仕方を変えていきたいと、高等学校におきましては教科科目も変わる予定で今、議論がされております。来年度ぐらいから、5年か10年かけて教育が変わっていくことになるかと思います。そういう中で、英語の副教材を国内委員会を主体に作れたらどうかと考えております。これは例えば理科教育の題材で、英語の副教材を作る、あるいは文化ということもあるかと思いますけれども、まだ中身についてはどうというわけではないのですが、それをできれば文部科学省の方にお願いをして、初等中等教育局等々にもお願いをして、全国に広めていただく。使ってもらわないと意味がないので、これは高等学校がターゲットだと思っておりますけれども、使ってもらうためには、かなり努力が必要です。現場で使いやすい、或いは、英語でもってサイエンスの副教材を作っても、英語の先生が全然わからないといったそういうこともあり得まして、具体的にどうやってやるのかという問題はありますけれども、もしご賛同いただけるのであれば、事務局の方で何人かの有識者のかたにも御相談いただいて、何かの案を作っていただければと思っております。
もしそういったことを手掛けるのであれば今から作っていかないと間に合わないかと思います。そういう意味で、もしできたら相談の出発をさせていただければありがたいと思っております。教育改革は2019年から始めるということはもう決まっておりますので、そこへ国内委員会が手掛けた副教材が、全国で使われるようになっていけば、これからの教育に大きな意義を持つと思いますし、それに付随して、ユネスコという名前もかなり通って行くのではないか思います。場合によっては、ユネスコスクールにまず使っていただく、もう1000校を超えておりますので、そういうやり方もあるかもしれないと思っております。他にも教育、科学、文化の発展を応援しながらユネスコ活動を広めていくという方法は多々あるのではないかと思いますので、特に運営小委員会の先生方には、何か気がつかれる点や、こうしたらよいのではないかという点があれば、ぜひ事務局の方に御寄せいただければと思います。副会長にもよろしくお願いを申し上げます。
何か御質問等ありますでしょうか。なんとなくできそうな感じでありますが、実際に手掛けると結構大変だと思うので、特にESDでやってきたこと、あるいはESDに関わってきた教育系の先生方等、然るべく方々もおられまして、理科教育の方もおられますので、まずはそういう方と御相談いただければと思っております。よろしいでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

【杉村委員】
大変興味深いご提案をいただいたと思います。この後の総会でご報告させていただきますが、教育小委員会の方ではいわゆるESDの総括と、今始まっておりますSDGsの関係で、いろいろな取り組みの可能性が前回の委員会で話し合われました。ユネスコスクールも今、安西会長のおっしゃられたとおりで、ユネスコスクールで培われた経験や教材の実績、蓄積もございますので、それとSDGsをうまく絡めるような形で、英語の副教材の中に活かすことができればと思います。内容面だけでなくて、例えば多様性の理解だとかインクルージョンの問題だとかイクイティの問題等、SDGsで取り扱われている観点を、英語の文法や単語の内容面だけでなく、組み合わせるような形で教材の開発ができると非常に大きな意味が出てくるのではないかと思いました。

【日比谷委員】
時間も少しございますので、私からも述べさせていただきます。今のご提案、大変に素晴らしいご提案だと思いましたけれども、日本の英語教育があんまりうまくいっていないと感じております。この間、別なところでこんなにお金をかけているのにちっともうまくいっていないと中教審で言いましたけれども、なぜ必要なのかよくわからない、必然性が感じられないというのが一つの大きな理由かと思います。英語であまり興味がない読み物を読んだとしても、あまり面白くないなと思っている人が多いかと思っているのですが、今サイエンスとおっしゃいましたけれども、例えば文化であるとか、多様性であるとかジェンダーであるとかSDGsの17の柱はそれぞれとるものがあると思うのですが、自分にとって関心があるものを英語で学ぶと、語彙力も増えますし、それを使って世界の人と同じ関心を共有する人と、それから今は、英語は英語圏の人だけではなく、英語というツールを手に入れることで、いろいろな人と話をすることができますので、そういう方向をぜひ目指していただくと良いのかと思います。個人的な経験では、以前あるところのスーパーサイエンススクールのアドバイザーをしておりまして、私は英語担当だったらしいのですが、そこは大変活発にやってらっしゃいまして、シンガポールや韓国の高校と一緒に合同に発表会をすると。それが全部英語で行われているのですが、なかなか立派な生徒さんばかりで、ビデオでシンガポールで行われた発表会の模様を見て、非常に感銘を受けたのですが、やはりそこにいくまでに、理科の先生と英語の先生が一緒に語彙のリストを作ったりとか、ものすごく時間を使っておられるのですが、全国の高校で使えるというような副教材ができれば、スタンダードなテキストとして使っていただけると思いますし、先生方の努力も別なところに向けられるので思いますので、よろしいのではないかと思います。

【安西会長】
ありがとうございました。今後ともいろいろと御意見をいただければと思います。杉村先生、また日比谷先生は御専門ですけれども、英語教育については私も思うところがやはりありまして、それから自分の関心事だと、何でも辛くても勉強するというのはありますし、理科で考えておりますけれども理科に限るものではありません。いわゆる人社系というか、そちらもありうるかと思います。ただ実際の高校現場で先生が実際に使うというところのハードルというのは意外に高いものですから、そのあたり本当にやるのであれば、使ってもらわないといけないので、そういうところは努力が必要になると思っております。
それではよろしいでしょうか。それでは最後の件は事務局の方に一先ず進めていただいて、場合によってはここでご相談をできればと思っております。
それではここで運営小委員会は閉会とさせていただきます。この後総会がございますのでよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

― 了 ―

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