参考5 ユネスコの審査におけるユネスコ記憶遺産選考基準

(1)真正性
それは見かけどおりのものか?その身元や来歴は確実にわかっているか?複製品や模造品、偽造品、偽文書や偽情報が、全くの善意で本物と誤解される可能性がある。

(2)世界的重要性
唯一かつ代替不可能である。その喪失又は劣化は人類遺産を貧弱化させ有害である。

(3)以下の基準の一つ以上を満たす形で世界的重要性が証明されなければならない。

  • 時代:絶対的な古さそれ自体は記録に重要性をもたらすものではないが、記録は全てその時代の産物である。記録には、危機の時代や、重大な社会的又は文化的変化の時代など、特にその時代を喚起させるものがある。新たな発見を象徴する記録もあれば、「世界初」の記録もある。
  • 場所:当該品目が創作された場所は、その重要性にとって主要な要素である。世界の歴史や文化において重要な場所に関する決定的な情報が含まれる場合もあるし、又はその場所自体が、当該記録によって象徴される出来事や現象に重要な影響を及ぼしたという場合もある。以来消滅した物理的環境や都市又は施設を描写するものであるかもしれない。
  • 人:当該品目が創作された社会的・文化的背景が、人間の営みや社会、産業、芸術又は政治の発展の重要な側面を反映している場合がある。重大な動きや変遷、進歩又は逆行の本質を捉えているかもしれないし、重要な個人又は集団の影響を反映しているかもしれない。
  • 題材とテーマ:その対象は、自然、社会及び人文科学、政治、イデオロギー、スポーツ及び芸術における特定の歴史的又は知的発展を象徴しているかもしれない。
  • 形式及び様式:当該品目は、卓越した美的、様式的又は言語的価値を持つかもしれないし、ある種の体裁、慣習又は媒体、あるいは消滅したか消滅しつつある媒体や様式の典型例又は主要例であるかもしれない。

(4)その他の考慮される事項
希少性:その内容又は物理的性質によって、その種類又は時代を代表する数少ない残存例となっているか?
完全性:媒体の残存に関する自然物理的制限の範囲内において、当該品目は完全か又は不完全か? 改ざんや損傷はあるか?
脅 威:その存続は危機にひんしているか?安全が確保されている場合、その安全性を維持するために警戒が必要か?
管理計画:当該記録遺産の重要性を反映し、その保存とこれに対するアクセス提供のための適切な戦略を備えた計画が存在するか?

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