日本ユネスコ国内委員会文化活動小委員会 第11回ユネスコ記憶遺産選考委員会 議事録

1.日時

平成27年1月19日(月曜日) 13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 国際課応接室

3.出席者(敬称略)

〔委員〕

島谷弘幸(委員長)、足立直樹、大滝則忠、西園寺裕夫、高埜利彦、高山正也、芳賀満、宮地正人

〔関係省庁〕

外務省、文化庁関係官

〔文部科学省(事務局)〕

山脇良雄国際統括官、秋葉正嗣大臣官房付、籾井圭子国際戦略企画官、その他関係官

4.議事

【島谷委員長】
 それでは、始めたいと思います。
 本日は御多忙のところお集まりいただきありがとうございます。定刻になりましたので、事務局はまず定足数の確認をお願いいたします。
【野田ユネスコ協力官】
 本日は出席の委員が8名でいらっしゃいまして、委員の過半数であります5名以上ですので、定足数を満たしております。
【島谷委員長】
 では、ただ今から第11回ユネスコ記憶遺産選考委員会を開催いたします。
 平成25年1月18日に決定された公開手続により本委員会は原則として公開することとし、委員長が認める場合は非公開とすることができるとされております。本日議題の2、平成26年申請案件の審査状況につきましては公開手続第1項2に基づき非公開とすることに正当な理由があると認められますので、当該議題につきましては議事を非公開といたします。
 なお、公開部分の会議の内容につきましては議事録として公開されますので、よろしくお願いいたします。
 以上につきまして御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【島谷委員長】
 ありがとうございます。
 なお、本日は報道関係者の傍聴者が7名になると聞いております。
 議題1「ユネスコ記憶遺産(国際登録)の国内公募における選考基準について」が終わりましたら、次の議題の開始前に傍聴の皆様には、恐縮でございますが御退席いただきますようにお願いいたします。
 事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

(事務局から配付資料について説明。)

<議題1>
【島谷委員長】
 先生方、よろしゅうございますか。
 それでは、議題1、ユネスコ記憶遺産(国際登録)の国内公募における選考基準につきましてでございます。それでは、議題1に入ります。
 前回の本委員会につきまして、次回、平成28年申請におけるユネスコ記憶遺産の選考・申請手続につきまして御審議いただいたところでございます。今、説明していただきました参考4がその決定内容でありますが、2ページにおいて示されるスケジュールに従い、今回は国内公募における選考基準を御議論いただきたいと思います。まずは事務局から説明をお願いいたします。
【野田ユネスコ協力官】
 それでは、資料2を御覧いただきたいと思います。こちらは国内公募における選考基準の案として作成したものでございまして、こちら、「ユネスコ記憶遺産 記録遺産保護のための一般指針」と言われますユネスコ記憶遺産事業の諸原則等に定めました文書がございますが、そちらの中にございます、ユネスコで審査を行う際の審査基準、これに基づいて作成したものが資料2でございます。
 ここに書いてございますように、1といたしまして基本要件がございます。こちらは先ほどの一般指針に基づき定める以下の事項に照らし、世界的重要性や世界への影響力が明確に示されているものでなければならない。なお、(3)の世界的重要性については、その地理的な影響が世界的広がりを持つものでなければならないとあります。このなお書きでございますけれども、実際のユネスコ記憶遺産の審査におきましては、この世界的重要性が示されていないということで不登録となる例が多くなってございます。ユネスコにおきましては、国際登録のほかに地域登録、国内登録というものがございまして、例えばその重要性の地理的な影響というものが国内だけに限られているようなものについては、この記憶遺産の国際登録にはなじむものではないというふうに判断されることが多いようでございます。
 基本要件の具体的な事項といたしましては(1)真正性、(2)唯一性、代替不可能性、(3)といたしまして世界的重要性、これにつきましては下にあります1から6の事項につきまして一つ以上に関連して重要性が示されている必要があるということで、1、時代。これは特定の時代を喚起するものであることなどということになっておりまして、それ以降、2、場所、3、人、4、題材とテーマ、5、形式及び様式、6、社会的・精神的・コミュニティ的な意義というような諸事項になってございます。
 また、2ですが、選考に当たって考慮する事項というものを記載させていただいております。これにつきましては1の基本要件に更にこれらの事項についても審査に当たって考慮をするというものでございまして、五つございますが、希少性、完全性、公開性、所有者・管理者との協議、管理計画という五つの事項になってございます。
 なお、その下の注書きで書いてございますのは、このユネスコ記憶遺産の対象となる物件がどういうものかということについてもここで少し注意書きをさせていただいておりまして、具体的な、移動可能であるでありますとか、記号や符号、音声及び画像で構成されるなどがユネスコ記憶遺産の対象物件の定義ということになってございます。
 また、例示といたしましても、手書き原稿、書籍、新聞、ポスターなどというふうに付けさせていただいております。
 続きまして資料3でございますが、こちら、選考基準の解説ということで作成してございまして、先ほどの選考基準の方はやや抽象的で分かりづらい部分もございますので、具体例を挙げて、分かりやすくイメージがつかみやすいようにするということが目的でございまして、これもユネスコの文書でございます「登録の手引」の中に実際に掲げられております例示です。これは実際に国際登録簿に登録されているものから記載させていただいておりまして、基本要件の(3)のところでは時代としてヒッタイトのくさび形文字の粘土板でありますとか、場所のところではベルリンの壁の関係、人というところではアフリカ系として初めて英国貴族議員となったレアリー・コンスタンティンという方に関する記録、また、題材とテーマというところでは、世界で初めてガソリンエンジンによる自動車を発明した、そのときの特許の文書でありますとか、形式・様式のところでは、中国の象形文字文献又は日本から登録されております山本作兵衛コレクションなどを例示としてございます。社会的・精神的・コミュニティ的な意義のところは、コーランですとか聖書、仏教教典などが例示でございます。
 2の選考に当たって考慮する事項についても、少し具体的に挙げさせていただいておりまして、希少性、完全性について少し分かりやすく記載をさせていただいているところでございます。
 私の方からは以上でございます。
【島谷委員長】
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ありましたらお願いいたします。
【山脇国際統括官】
 委員長、その前に私の方から追加的な説明をさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。
【島谷委員長】
 失礼いたしました。はい。
【山脇国際統括官】
 前回のこの選考委員会で、国宝あるいは重要文化財の関係についてどういうような形で選考するのかという点について御議論がありました。それについて事務局と検討いたしましたので、選考基準と関連いたしますので、その内容について御説明、御報告をしたいと思います。前回、国宝・重要文化財についてどのような取扱いをするのか、2件のうち1件は取り上げるべきではないかといった御意見がありました。それについて改めて検討いたしましたが、以下に述べる幾つかの理由から、この選考に当たって、国宝・重要文化財については特段の取扱いを行わないという形にした方がいいのではないかと考えておりまして、今申し上げたユネスコの選定基準に従って選考するという方針で臨むのが適当ではないかというふうに我々としては考えております。
 その理由、背景でございますが、第1点目としましては、ユネスコの記憶遺産というものは、今の選考基準にありますように、世界的な重要性のあるような記録遺産であるかどうか、人類としての記憶として残すべきであるものというようなことが趣旨であるというふうに理解しておりますが、それと国宝・重要文化財というものの指定された趣旨というものが必ずしも合致していないということから、このユネスコの記憶遺産としての選考に当たっては、ユネスコの選考基準に従った、前回、シングルスタンダード、ダブルスタンダードという議論がありましたが、シングルスタンダードに従って、公平、公正な選考を行うということが適当ではないかというのが第1点でございます。
 第2点目としては、このユネスコの記憶遺産につきましては、近時、地方自治体、各地域において関係史料を登録しようというような機運が段々高まってきておりますし、関心も高まってきているということで、多くの希望案件、申請案件の中から選考をしていくということが想定されますので、各申請者、物件に対して平等な機会を保障し、公正に審査をする、選考審査を行っていくということがより適切であろうと考えているところでございます。
 更に追加すべき点としては、この記録遺産については、登録後の保存とかアクセスの確保のために所有者、管理者が義務的に行うことも必要とされていますので、その点を考えれば、やはり自発的、積極的に行う方を選考していくという方針にした方がいいのではないかというふうな考え方がございます。
 これらの点から、冒頭申し上げましたように、国宝・重要文化財については、この中で特段の取扱いを行わないという形にした方が適当であろうというふうに我々としては考えているところでございます。
 その関連で、では、国宝・重要文化財が申請できないのかというと、そういうことでは全くなくて、当然、国宝・重要文化財の中にもユネスコの記憶遺産の趣旨に合致するものもありますので、それについては当然、申請する可能性はあるでしょうし、個人的にはそういうものが採択される可能性は高いのかなというふうに思います。それは、あくまでも選考に当たっては公平・公正な審査の中でユネスコの選考基準に従って選考していくのが適当だろうと思っています。
 また、文化庁とか文化戦略についての御議論もありましたけれども、その中で、申請者に対して文化庁の方が相談をするとか、助言をするということは当然あり得ると思っています。それは申請の前の段階でもあり得ると考えていますし、文化庁そのものが所有する物件もありますので、そういう意味では申請者になる可能性も排除されないとも思っています。そのような前提になりますので、逆に公正・公平な審査のためには、申請者の立場になり得る文化庁は事務局の中には含めない方がいいのではないかと考えております。あくまでもこの選考委員会の事務局は国内委員会事務局としての国際統括官組織が当たるという形で臨みたいと考えております。したがって、文化庁はこの委員会の事務局としては含めないという形で今後は対応させていただきたいと考えています。
 以上が今、冒頭御説明した選考基準あるいは選考基準の解説に当たっての背景となる我々の考え方でございますので、よろしくお願いいたします。
【島谷委員長】
 今、統括官から補足していただきました件を含めまして、ただ今の説明につきまして御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。前回の保留といいますか懸案になっておりました件につきまして、統括官の方から三つの例を挙げて、国宝・重要文化財を必ず1枠入れるべきかどうかということについてお話しいただいたと思います。選考基準が記憶遺産と日本の指定の基準とは合致していないというのが第1点だったと思います。第2点は、現状、各地域から申請の機運がかなり上がっておりまして、平等な機会を与えるということが求められている。これが第2点。第3点は、そういった自発的なものから選ぶということが望ましい。2と3はかなり近いものであったかと思います。これを踏まえまして、皆さんの御意見を頂戴したいと思いますが、更に最後に、文化庁がこの事務局のメンバーにいると申請者とかぶる場合があるので事務局には含めないという御意見もありましたが、これは至当なことではないかと思いますので、その点を踏まえまして各委員の先生方に御意見を賜りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 文化戦略の問題と記憶遺産ということがありますので、前回、宮地先生辺りから、指定品からあった方がいいのではないかという強い御意見を頂きまして、前回は各委員、それもそうだということでありましたけど、機会均等であるとか、今、御指摘がありましたような点から考えて、やはり平等性を担保するには申請者と選考者が同じであってはやはりおかしいのではないかというのが一つの考え方であろうと私は考えますが、ほかの委員の先生方、いかがでございましょうか。
【芳賀委員】
 私は、今、統括官のおっしゃったことと、この間の私の意見はほぼ同じですので、賛成いたします。
【高埜委員】
 1点、質問のようなことですが、まず、文化庁がこの選考委員会事務局には加わらないということは結構なことだと思いますが、それでは、その後、この方式がとられて、国宝・重文のようなものの中から文化庁がどういう形でうまく推薦物件を提出してくださるのか、その辺り、最低でも1件は提案していただかないと、文化戦略という言葉が妥当かどうか分かりませんが、やはり後発であります日本、積極的に推進していただきたい。その場合、文化庁がどんな見通しを現在の段階でお持ちなのか、少し御紹介いただけるとありがたいと思いますが、いかがでございましょうか。
【山脇国際統括官】
 まず私の方から。
 事務局の件は、今、申し上げたとおりでございます。
 それから、文化庁は、先ほども説明いたしましたように、当然、申請者の立場、あるいは申請者を助言、アドバイスする立場ではあり得ると思っていますので、そのような形で文化庁はこれから申請に関与するということは当然あるだろうというふうに私は想定をしております。
 高埜先生が指摘されました、文化庁についてどうするのか、文化庁の方に答えられる範囲で答えてもらいたいと思いますが、それをどうするかについてをこの委員会で御議論いただく場だと思っており、基本的には文化庁もしっかり今のような御意見を受け止めて、文化庁の政策、方針として今後考えていくべき事項だと、私個人的には思っております。
 その上で、文化庁からお答えいただけるかどうか。
【島谷委員長】
 答えられる範囲で。
【田中文化庁美術学芸課課長補佐】
 今お答えできることは何もありません。
【島谷委員長】
 指定文化財と記憶遺産のものが全てが合致するわけではないですけれども、かなり合致する部分というのもあると思いますので、その辺をどういうふうに考えていくかというところが問題になろうかと思います。文化庁の業務が非常に煩多であるということは十分私も承知しておりますので、どういう形でそれをやっていくのがいいかということがありますので、高埜先生から指摘がありましたように、最低1件はということを義務付けるのがいいのかどうかというのは、またこの委員会の意見かと思います。文化戦略はありつつも、最低1件ということがいいのかどうかというのもここで議論をしていただけたらいいのではないかと思います。
【大滝委員】
 一つは意見、一つは質問にわたるのですが、まず、選考基準の整理としてはグローバルなユネスコの記憶遺産の国際登録の選考基準という、こういう整理は不可欠ですし、こういうことだろうと思うのですが、ただ、実際選考していく中で、今、高埜先生からも御指摘の、文化戦略としての発信をどのように体系的に国として取り組むかという観点から言うと、やはり国文・重文というようなところで、いわゆる文化財保護の体系の中で取り組んできたこととどういうふうに考えていったらいいのかなというところがあるわけなのですが、そこで教えてほしいのですけれども、国宝・重文と扱われているもので、ユネスコの記憶遺産の趣旨が合致するものがどれぐらいの規模であると考えたらいいのか。合致するものは、例えば10の規模なのか100の規模なのか。そして、その合致するものと所有者の実態といいますか、その中で国がどれぐらいの所有という辺りが推定というか、実際はもう所有関係がはっきりしているわけですから、具体的に調査すればそれは出る数だと思いますが、大体、こういうふうな選考の対象の中に入ってくるような規模としてどんなふうに考えたらいいだろうかという点。
 それと、現在、各自治体が様々な取組をなされている。この数はまずは非常に段々増えていくという実感があるのですけれども、それはそれとして、質問の趣旨のところの規模的な量の点での感覚というのはどの程度だと考えられるのかということを教えていただきたいと思う次第です。
【島谷委員長】
 大滝先生、つまり、指定品でどれぐらいが記憶遺産の候補に。
【大滝委員】
 記憶遺産のボーダーの中に入ってくるだろうかということです。
【島谷委員長】
 入り得るだろうかということですか。
【大滝委員】
 ええ。
【島谷委員長】
 それは、今質問しても答えづらいですよね。私が言うのもおかしいことですが、これから検討してみないと分からないことだと思います。
【籾井国際戦略企画官】
 そうですね。感覚的なところは高埜先生とかの方が。そんなことはないですか。おありかなと。
【高埜委員】
 例えば、「東寺百合文書」にしても、現在、申請中ですが、これは京都府立総合資料館が所蔵している国宝ですよね。前回の「御堂関白記」の場合は陽明文庫という、個人が持っているものであります。という具合に、候補はこれから文化庁主体に、どういう形かは分かりませんが、多分これから検討してくださるのでしょうが、そういうものは相当あるんだろうというふうに想像しています。
【大滝委員】
 ある中で、国が持っているものというのは、例えば半分ぐらいとか1割ぐらいとか、そういうような量感というのはどうなんでしょうか。
【高埜委員】
 さあ、それは私もよく分かりませんが。
【大滝委員】
 難しい質問ですかね。
【島谷委員長】  
 指定品の全体の割合で今持っているのが2割ぐらいですかね。
【田中文化庁美術学芸課課長補佐】
 そんなにないです。
【島谷委員長】
 そんなにないですか。
【田中文化庁美術学芸課課長補佐】
 重要文化財に指定されているのは1万数百件ありますけれども、その中で国所有、文化庁管理というようなものは、多く見積もっても数百のオーダーです。
【島谷委員長】
 それは文化庁だけだとそうですが、文化財機構だとかそういうのは除外するわけですね。
【田中文化庁美術学芸課課長補佐】
 文化財機構も国というふうにおっしゃるのであれば、それは随分と数が変わります。
【島谷委員長】
 いや、私、念頭としてはそのような。
【田中文化庁美術学芸課課長補佐】
 それは独法化したときに国から独立行政法人に移管したわけですから、それは国のものと言うわけには今はいきません。
【島谷委員長】
 正しくはそうですね。そうです。分かりました。
【田中文化庁美術学芸課課長補佐】
 ですから、文化庁が管理しているものではないということです。
【大滝委員】
 なぜそういう質問をしたのかというと、今度、自発的な、これからの申請の動きということについて、特にここの場は事務局の一番近いところに国の所有者がいらっしゃるという事情があるわけですから、そういうところで自発性重視というところでどんなふうに考えたらいいんだろうということで今、御質問しました。
 国から離れているところでの所有者といいますか申請者ということがかなり自由にそこの自発性の中で申請できるオープンな場であれば、また先ほど統括官が言われたような仕切りでも可能かなというところですが、やはり高埜先生も一番御心配な、国家の文化戦略としてのところをどんなふうに進めなければならないだろうかというところがあるというところです。
 でも、結論的には、この選考過程の中で、最初の与条件としてそういう、少なくとも1件というような与条件を持ち難いということが原案の趣旨だと思うので、原案のような方向性になるのかなというところです。
【島谷委員長】
 趣旨としては理解できるけれども、文化戦略としてのことも忘れないでほしいという御意見。
【大滝委員】
 そうですね。忘れない必要があるということですね。
【島谷委員長】  どちらもよく分かります。
 先生、いかがでしょう。
【高山委員】
 私は前回、よんどころないことで欠席しておりますので、的外れなことを申し上げるかもしれませんが、今、お話がありますように、当委員会で推薦をするということ、あるいは広くユネスコの国際記憶遺産という問題に対して日本が何をアピールしていくかということが、日本の国としての文化戦略と密接な関係を持っていかなければいけない、これはまさにそのとおりだと思います。
 そのときに、少し私、よく理解できていないところは、その文化戦略の中で日本が対外的に打ち出していくということには、必ずしも文化財──文化財とは何だという定義が一つ大きな問題になるかもしれませんが、文化財に限らない文化というものがあるのではないかと考えます。従来は文化財としては認められていないけれども、非常に日本の文化として今、盛んに取り上げられている、例えば「クールジャパン」という概念がある。そういった問題を踏まえた形で何かアピールするというようなこともあり得るかなと考えるわけです。そういうときに、では、当委員会が対象にするのはあくまでもある一定の定義の下に置かれているところの文化財に限定するのか、あるいは広く文化戦略に関わっていくものであれば、そういったものがどこまで認められるのか、少しその辺のところが私自身よく分からないものですから、もし教えていただけるところがあればありがたいなというふうに考えています。
【島谷委員長】
 文化財だけかどうかという、その文化財の定義は広いと思うのですが、指定品になる文化財と、そうでない文化財というのは時代とともに変わってくると思いますので、これは私が答えることかどうか分かりませんが、一番最初に記憶遺産になったものは通常、文化庁の指定から言うと、あと100年とか200年たてば分かりませんけれども、現状では指定にはならないものではなかったかと思うのですけれども、それも記憶遺産の感覚として第1号で認められるぐらいですから、文化財に限定するということではないというふうに個人的には考えておりますが、事務局としてもそれでよろしゅうございますか。
【籾井国際戦略企画官】
 ユネスコの記憶遺産事業ということに関して申し上げますと、文化的な価値というよりも、むしろ後世にまで残していくべき記録かどうかという観点からの枠組みでございますので、そういった意味で必ずしも国内の文化財としての指定の枠組みとは一致しないのだろうと思います。今、委員長がおっしゃったとおり、これまでに登録をされたものの実績を見ましても、必ずしも記憶遺産イコール文化財ということにはなっていないのだろうと思います。その中で文化財的なものをどの程度選んで発信していくかというのは、もちろんそれぞれ各国の制度の中での判断になるのだと思いますけれども、ユネスコの事業としてはそういうことでございます。
【島谷委員長】
 ということは、少なくとも記録という形を取っていれば、その記録物が例えば、いわゆる文化財として認定されていなくても、現時点において、それは余り問題にはならないと、こういうことですね。
【籾井国際戦略企画官】
 はい。
【芳賀委員】
 国の文化戦略というのが第一である。しかし、それは必ずしも国宝・重文を推すことを意味しないと思います。そして、もっと、国ももちろん大事ですが、地方やいろいろな団体の力を信じていいと思います。実際に、「山本作兵衛」や舞鶴は、ユネスコの委員会からなら出てこないような種類のものですが、記憶遺産に認められた、あるいは今、認められかけている事実があります。それこそ本当の国の文化戦略ではないかと思います。戦略を考えるのなら、むしろ、「山本作兵衛」や舞鶴の方がユネスコに通るようですから、国家戦略としても何も国宝・重文だけを推すのではなくて、もっと地方を信頼するというか、期待していいと思います。
【島谷委員長】
 統括官から説明を頂きましたように、地方が非常に積極的に申請をしてくださっているというので、地方からの申請については何ら心配する状況には、今の状況においてはないと思いますが、先ほど大滝委員ほかの先生方が言ってくださったのは、指定品を中心とするものがもう既に指定されているので、そういう戦略的に出てこなければなおざりになるのではないかという懸念がどうもあるように考えていらっしゃって、それをどう担保するのか、どうしたらいいのか、そういう仕組みが何かあるといいのではないかというようなことで御意見を頂いているように私には聞こえるのですが、ここですぐ、こうしますということを文化庁の方からは出てこないと思うのですけれども、そこのところをどういうふうにこの委員会として意見を付して考えていただくようにするのかなというのを考える場ではないかと思いますので、その辺、各委員の先生方からいいアドバイスがあれば頂いて、宿題として提示をするのが一番いいかなと思っております。
 確かに、文化財としての意義は、国宝・重要文化財という指定でも十分担保されているわけですが、それが合致するかしないかということと、所有者がそれを申請したいと思うかしたくないと思うかというのが全く別問題だと思います。これはかなり体力的にこれだけの申請書を作るというのは大変なことだろうと思いますので、国であろうが地方公共団体であろうが、覚悟を決めてやらなければいけないので、そういう意味で後押しがないとなかなかできないなというのは実感しておりますので、高埜委員から出たように、どう考えているのだということはもっともなことかと思いますが、公平性を考えた場合にそれがどうかということなので、事務局としてはやらないけれども、そういう指定品をどういう仕組みで、1点に限定する必要は全くないと私は思っておりますが、どういう形で申請させていくかというのは少し示唆する必要があるのかなというふうには思っております。
 入れたらいいという一番強い意見をおっしゃっていただいた宮地先生、いかがですか。
【宮地委員】
 事務局から報告があったとおり、文化庁が一応、事務局から外れたというのは私の理解では、文化庁も積極的にできる場を作ってくれたというふうに理解しています。これが1点です。
 それから2番目は、これは高埜委員から繰り返し言われて、国の文化戦略としてやはりきちんと取り組まないとまずいと私も思っているのは正倉院の御物なんです。国宝・重文ではないけれども、やはりあの当時の、奈良時代の世界の文化があそこにしかなく、新羅の国の行政文書も正倉院しかないというこういうところは、ただし文化庁が一番嫌がっているだろうと思うのは宮内庁だと思うので、これはどういう形でなるかは別問題として、宮内庁の方にもやはり考えてもらうべきではないかと思います。21世紀の皇室のことを考えてもね。三の丸博物館は少し小さ過ぎますよね。やはりその辺りは戦略的には物すごく大事です。これをどうするかが、この委員会だとできないけど、もう少し高度なところで私は戦略を練ってもらうのが日本の文化発信の一つの柱だと思います。これは高埜委員が最初からおっしゃっていて、私は賛成です。
 それから、3番目は、文化財になってなくても社会的に発信できるというのは、今までの委員会でも議論されてきたことで、私の頭にあるのは原爆資料をどう保存していくか。これは占領期には米軍が押さえて一切分からなかった。ただし、今は広島がきちんと管理して、あれはやはり、物すごく全世界が一番大事なものとして、原爆資料をやるのはいいだろうと思います。だから、そういう意味の自治体が地域おこしで頑張るのではなくて、自分が持っている資料は世界的に使ってもらいたいんだという資料を積極的に出してもらうことを私、一委員としては希望する。そういうものが出てきたら喜んで私も審査に参加したいということです。
【島谷委員長】
 ありがとうございました。
 具体的な資料名が出てきましたので、それについての討議は余り適切ではないかと思いますので、私のイメージとしているのは、組織として、組織というのは機関として、例えば正倉院なら正倉院として、陽明文庫さんなら陽明文庫さんとして、その固まりの存在自体が意義があるというところももちろんあると思うのですが、陽明文庫の「御堂関白記」が単体で申請したというような経緯がありますので、それをどうするのかというのはなかなか難しいことかと思うんですね。そういうシステムがあるから残っていって、それを残していかなければいけないかという考え方と両面あると思いますので、個々の主張はともかくとして、今、具体的な名前を挙げていただいたものは非常に意味があることだと思いますので、そういった点を踏まえて、どういう仕組みで申請に持っていくかということを考えていただくような知恵を提示できればいいかなと思いますので、すぐに結論が出ることではありませんが、ほかの委員の先生方からも御意見を頂戴したいと思いますが。
 西園寺先生、何かございませんでしょうか。
【西園寺委員】
 選考委員会の役割というものが、出てきたものを単に審査するというところにとどまるのか、それとも以前のように積極的に発掘していくのか。前回までは国宝・重文を中心に、文化庁と一緒にそういうものの中から探し出していくというような作業があったわけですけれども、今後は受動的に出てきたものの中から選んでいくことになると、もちろんそれが公平性という意味ではそうなのでしょうけれども、先ほどからお話のあるような文化戦略という意味から言うと、少し物足りない気がします。もう少し促していくということまで関わっていいのかどうなのかという、その辺の選考委員会の役割というものをはっきりさせておく必要があると思います。それからこの選考基準がもちろんこれがベースになりますけれども、もう少し内規的な、どういう考え方で選考していくのかという委員会としてのコンセンサスはやはりきちんと持っておかなければいけないのではないかという気がいたしました。
【島谷委員長】
 ありがとうございます。
 一番大切な考えが今、提示されたと思いますけれども、選考委員会の役割というのは何かということ。役割としては、申請のものに平等に機会を与えて、それを選考するというのが一番の役割だろうと思います。加えて、今、事務局が各委員に、といいますか、この委員会に求めているのが、選考するという役割と文化戦略まで含めて示唆するということを求めているのかどうかということですけれども、通常考えますと、委員会というのは、今、西園寺先生がおっしゃってくださったように選考をするというのが間違いなく一番大切な役割だと思います。文化戦略に関しては、記憶遺産というもの自体が文化財を持っているところ、今、一生懸命申請しようとしているところ以外はどういうものが記憶遺産かというのがお分かりになっていない部分がありますので、それを周知していかなければいけないということもこの委員会、若しくは事務局に課せられているのかどうかということなんです。世界遺産といっても記憶遺産があり、いろいろな世界遺産があるわけですけれども、それを一般の人たちはひっくるめて世界遺産としか思っておりませんので、それを周知して、せっかくそういうシステムがあるのであれば、記憶遺産に関してはそうですけれども、後発のものについては十分にそれを登録してもらうように働き掛けをするというのも事務局及び委員会の仕事かなと思うのですけれども、まず第一義は選考委員というのは、出てきたものを審査するというのが一番で、文化戦略についてこうしてほしいというのは要望として出して、それを事務局がどうしんしゃくして文化庁及びほかのところに伝えてくださるかということではないかと個人的には思うのですけれども、各委員、いかがでしょうか。
【足立委員】
 記憶遺産は別にしまして、世界遺産というものに対する国民の関心が富士山を中心にして一気に上がってきた。ここへ来てまた和食までということで、遺産ということに対する意識の幅が広がってきたのではないかと思っています。逆にいきますと、記憶遺産というものが数年前まではあったのかなかったのかということまで国民が分からなかったというところが、今はこういうものにまで関心が高まってきているのだろうと。また、今回いろいろなことをやりますと、所有者からいろいろなことの申請が上がってきて、それをどうやって選別をしていくのかということも非常に大切なことだろうというふうに思っています。出てきたものを審査をして登録をするということも大切ですけれども、それ以外にもう一つ、やはり国としてそれぞれの自治体なり所有者から申請が上がってくる以前に、国として文化として残していかなければいけないものはどうあるべきなのかということも、やはり根本的に考えて、積極的に国としてこの委員会でもって提案をしながら採用させて記憶遺産に残していくということも私は文化事業として、文化の推進として大変重要なことではないのかなと思っていますので、ただ申請が出てくるのを待つだけではなくて、こちらから能動的に働き掛けて、一般の人たちに民意を問うということも大切な一つではなかろうかなというふうに私は思っています。
【島谷委員長】
 ありがとうございました。
【芳賀委員】
 「ユネスコ記憶遺産選考会議設置要綱」によると、私は能動的に出て行って良いと思います。委員会の名前は「選考委員会」ですけれども、「委員会は次にあげる事項を所掌する」とあり、推薦物件の「選定」と書いてある。「選ぶものを定める」と、そういうふうに書いてあるので、だから能動的でいいのではないでしょうか。書類の文言からの判断といたしましても。
【島谷委員長】  第一義は選考であるというのは間違いないことで、第二義に、先ほど私も言わせていただきましたけれども、どう宿題として提示して、検討していただくかということをここでは生かすところまでしか今日は行かないと思いますが、各委員にお話を伺うと、やはり国として何かやらなければいけませんという意見としては共通している部分はあると思いますので、前回それを引き取っていただいて、事務局で定数としてそういう形はしないということはお決めいただいたみたいなので、どういう形をすれば文化戦略としてできるかということを考えていただくということになろうかと思います。
 この後の時間で示唆する方法みたいなものをまた御意見いただければ一番いいかと思いますが、国として残していかなければいけないものをどうするかという足立委員の意見に関しましては、それはもう国としての場合は指定文化財があるわけで、外国に流出してはいけないもの、残さなければいけないものが国宝・重要文化財として指定されていますので、それとは別に記憶遺産としてどういうものを情報発信していかなければいけないかということを、通常の文化庁、文科省の仕事とは今までの観点では違うのですが、文化戦略としてそれは発信していかなければいけないのは痛切に文化庁、文科省、理解されていると思いますので、その中にどういう形で組み込むことが可能性があるのかということかと思います。
【西園寺委員】
 役割という意味で申し上げますと、やはりこの選考委員会というのは、文化活動小委員会の下にあるわけですよね。正式にはそこが決定機関だと思います。ですから、ある意味では、この選考委員会というのは諮問機関というふうにも考えられると思います。ここで決めるわけではないですからね。ですから、そういう意味ではより積極的・能動的に選んでいくことが出来るという考え方もあるのかなという気はいたします。
【島谷委員長】
 おっしゃるとおりで、前回、選考委員会で決めたわけですけれども、文化活動小委員会が最終的にそれを認可する場所だということで、「東寺百合文書」と舞鶴については親委員会の方で論議されたという経緯がありますので、あくまでもここは選考委員会及び選定をするということであるならば、今の意見を踏まえて、より文化庁及び文科省が動きやすい方法というのが、中の人間ではなくて、外の委員の先生方であればそれを提示するということが必要になるのではないかと思います。中だとどうしても持っている業務とやらなければいけないという仕事の間で、なかなか意見として出てきづらい部分がありますので、外部の委員の先生方に、こういう考え方があるのではないかということを今日は示唆していただいて、それを幾つか御提示するというのがこの委員会の一つの仕事かなと思います。
【西園寺委員】
 それと、やはり候補がたくさんあるということが望ましいと思います。あるものに偏って、例えば地方の活性化のための案件ばかりが来てしまっては、こちらで選ぶ範囲が限定されてしまう。候補案件、いわゆるデータベース的なものが膨らんでくればくるほど、こちらの選択肢が増えるわけですから、できるだけいろいろな範囲から候補が出てくるようにある意味の働き掛けをする必要があるのではないかと思います。具体的にどうするかというのはまた別問題ですが。
【島谷委員長】
 確かに、候補がたくさん出てくれば選択肢は広がりますが、選考委員会はとても大変だと思います。より適切なものを選べるという、二者択一とかいうことではなくて、10個の中から2個選ぶのと全然変わってきますので。今年は10出たけど、来年は20出るとかという、毎年出るものと、これではまだ力が足りないというので、間をおいて出てくるものとか、いろいろな形が出てくるかと思います。
【芳賀委員】
 資料2の1の基本要件ですけれども、その前に、まず前提として繰り返しますが、私は統括官のおっしゃった事務方の考えに賛成いたします。理由は、前回の委員会で申し上げましたが、一つ目は、我々は「スーパー国宝」を選んでいるのではないということ、二つ目は、今の時代はローカルとグローバルが直結しているということ、三つ目は、東日本大震災のときに文化庁が示した、「指定の有無を問わず」という態度が今後は非常に大事かと私は思うこと、四つ目は、これが最後ですが、「村おこし」が何も悪いことではないということ。大げさですが、カントが『道徳形而上学原論』の中で「他者を手段としてのみならず、同時に目的として扱え」と言っています。村おこし、つまり「経済的な繁栄」が「手段」でしたら、「目的」として「歴史的な重要性に気づくこと」が同時に起こればいいわけであります。だから「手段」としての「村おこし」もとてもいいことである、「目的」の方さえ忘れなければ。以上の理由で統括官のおっしゃったことに私は全面的に賛成いたします。
 ただし、この1の基本要件の最後の「なお、(3)世界的重要性については、その地理的な影響が世界的な広がりを持つものでなければならない」は、これはもうユネスコが決めていることで、我々はこれに関しては変更を求めたり、何も言えないのですね。それでは、どうしようもない。というのは、本来は、これは、私は、ユネスコの事務局に行って、今更まだこんなことを言っているのか、という反対意見を言いたいぐらいです。
【籾井国際戦略企画官】
 そこは文書自体の重要性が影響が世界的な広がりを持っていなければ劣るということではなくて、冒頭、野田から御説明申し上げたように、今、ユネスコの記憶遺産事業の中で三つのレベルの登録簿というのが想定されている。ナショナルとリージョナルとインターナショナル。今ここで御議論いただいているのは、そのインターナショナルの部分ですけれども、その三つのレベルの差というのは、その文書の地理的な影響というのがどこまで広がっていくかということで、国際簿については世界的な広がりがなければいけないというのが今のユネスコのガイドラインに書かれている基準でございます。
【芳賀委員】
 そうですね。ただし、私は、これをこの場で言ってもしようがないのですが、ユネスコに言わなければいけないのですが、これは文明は伝ぱして、波及して、影響を与えるべきだという、西洋的な考えだと思います。だから「ベートーベンの第九」は世界に伝ぱしていますから「世界的重要性」があるとされ、記憶遺産と認定されているのでしょう。けれども、我々の日本文明は、むしろ吸収して保持する文明です。そうすると、ユネスコの言う「世界的重要性」の見解に従えば、例えば「ベートーベンの第九」に「正倉院」は負けるかもしれない。まあ、「正倉院」は世界中のものを吸い取っていますから地理的広がりを認めてもらえるかもしれませんが、例えば日本にある仏教や、その他は、「世界的重要性」の観点から問題になるでしょう。これ以上言うと次の非公開の議事のことに関わりますから言いませんが、「世界的重要性」に関わるユネスコの考え方は、おかしいと思っています。まあ、ここで文句を言ってもしようがないのですけれども。本来はこれを変えていってほしいというふうにユネスコに訴えるべきだと思います。
【高山委員】
 当委員会の選考、選定の問題に戻したいと思うのですけれども、先ほど来、お話が出ていますように、たくさんのものが出てくるというのは大変望ましいと思います。そのたくさんのものが出てくることを期待して、なおかつ、先ほど来の御議論の中に出てまいりました、能動的とか積極的というのは一体何を意味するのだろうかということです。というのは、選考するに当たって、例えばこういうものが出てきて、これは大変結構だけれども、これを推薦するぐらいなら、まだ別の団体のああいうものを出したいというようなことを我々が考えた場合、この委員会でそういう結論に至った場合に、そういうことを積極的に働き掛けることを指して能動的・積極的と言われているのか。あるいは、そうではなくて、例えばたくさん出てきた。これとこれとを結び付けることによってこういうことができるのではないかという、申請主体みたいなものに対して何かを言うようなことが積極的・能動的ということに絡んでいくのか。その辺で今後の我々の委員会の選考、選定についての基本的な考え方、見方というものが変わるのではないかなと思いますので、少しその辺の方針みたいなものがありましたらお示しいただければありがたいというふうに思っております。
【島谷委員長】
 それは文化活動小委員会で考えることなんでしょうか。それとも、本委員会では当然考えてもいいことであるとは思いますが、これとこれを結び付ければよりいい申請書になりますよというものは将来出てくる可能性はありますけれども、そこまでこの本委員会がタッチするのかどうかということですね。
【高山委員】
 具体的な事例に少し踏み込ませていただきますと、昨年出た舞鶴の問題ですね。私は、あの舞鶴が出たときに、舞鶴が出るのだったら何で福岡や佐世保が出ないのだろうか。それから、もし舞鶴が出すのであれば、あれは例えば東京での視点で見るならば、あれに例えば平和祈念展示資料館とか、あるいは昭和館とか、そういったものが連携して出すともっとすばらしいものになったのではないかというふうに思えるわけですね。これが自治体という立場の中で御覧になっていると、この前申請されたような形にならざるを得ないというのも、これまたよく理解できるところなんです。でも、この小委員会あるいは選考委員会という場になりますと、視点が少し変わってまいりますから、そこでより良い方法というものを打ち出すことが許されるのか、あくまでも申請者の視点に戻って考えていかなければいけないのか。その辺のところはどうでしょうか。
【山脇国際統括官】
 その点については少しまだ検討をしてみて、次の委員会で御議論いただいた方がいいかなと思います。基本は、最初に先生がおっしゃった第1の点については、私はこの委員会はあくまでも公平・公正な審査を行う場でありますので、申請された案件の中からどれが一番基準に照らして採択されるべきなのかという視点で選考していただく。したがって、これ以外にあるからそこを取り上げるということではなくて、それは先ほど、私が冒頭に申し上げましたように、自発性の問題とか、管理計画を定めるという問題がありますから、やはり公募で申請してきたものから選ぶというのが基本だと思います。そのときに、組合せすればいいものがあるとかいう点についてどう考えるか、すみません、まだそこまで煮詰めた議論をしていないので、少し検討させていただきたいと思いますが、前回12月3日に決定していただいた参考4の文書にありますように、決まった案件に対しては助言を行うということは枠組みとしてはこの委員会で決めていただきましたので、選考した物件に対してユネスコに正式申請する前に内容を改善するという取組は可能だろうと思います。ただ、そこは組み合わせるとか、もう少し広がりを持ってというところまでできるかどうかは、もう少し煮詰めた検討をさせていただきたいと思います。
【大滝委員】
 今、高山委員がおっしゃられた舞鶴のケースは、前回のプロセスの中で、あれがここの選考委員会のそ上に上がったのは、要するに、本部に出された後、国内委員会に戻された。ですから、選考に際し申請された書類上のことで判断するというのが大前提だったので、あのプロセスの中では新たな国内での様々な諸条件を付加して、より豊かにして再申請するという枠組みではなかったという大前提があったと思います。今後はユネスコに自治体から出す以前にここで一定の議論が行われるということなわけですから、そういう点では申請された書類だけで判断するかどうかというのは委員会が自立的に決めるべき要素にもなるのではないかと思います。前回の例とは、今後の取組は違うのだろうということを申し上げたかったわけです。
【高山委員】
 それで、積極的・能動的にやりましょうということで、先ほど来、ある程度のコンセンサスは得られているというふうに思ったんですね。
【島谷委員長】
 今、申請する前にここで論議するという話が少し出ましたけれども、あくまでも申請した後ということではないのですか。
【籾井国際戦略企画官】
 新しい手続は、ユネスコに申請書を出す前での絞り込みになります。
【島谷委員長】
 出す前の絞り込みですか。
【籾井国際戦略企画官】
 はい。
【西園寺委員】
 そうすると、プロセスとしては、まず国内委員会にユネスコに出すような正式のフォームでない形で申請する。極端な話、英語にしないで日本語のまま出して、その中から国内委員会で選ばれたものが英文の正式な書類としてユネスコ側に提出されるということですか。
【籾井国際戦略企画官】
 はい。参考4の2枚目を御覧いただきますと、タイムスケジュールというのが書いてございます。今、御質問のあった部分は、そのうちの9月以降のところになるかと思うのですけれども、6月ぐらいに公募を締め切りまして、そこからまず和文の調整を必要に応じてした上で、英訳をして、3月にユネスコに申請書を提出するということになります。前回の絞り込みは、この3月のユネスコへの申請書提出、これはそれぞれの申請者が既に英訳したものを一旦提出をして、そこから1か月以内に絞り込んで回答をしてくださいということでしたので、相当短い期間内での絞り込みでした。それに比べて、今度の選考は、まず和文で申請。出していただくのは、恐らく、結局その基準に書かれた事項が全部記述がないと選考ができませんので、ある程度、最終的には英語の申請書を念頭に置きながらの項目について出していただくことにはなりますけれども、そこから先、和文自体も修正の時間がありますし、更にそこから英訳の時間を取った上でユネスコに提出する。
【西園寺委員】
 ということは、申請者にとっても出しやすくなっているということがありますね。
【籾井国際戦略企画官】
 そうですね。
【西園寺委員】
 だから、正式なものほど労力を掛けなくても出せる。それから選ばれたものに関しては、それを英訳して、最終的な正式書類として提出する段階では、ここの委員会がお手伝いをするということですか。実際、英訳などの作業もするということですか。
【籾井国際戦略企画官】
 作業は恐らく申請者にやっていただくのだと思います。
【西園寺委員】
 ただアドバイスとかそういうことをすると。
【籾井国際戦略企画官】
 アドバイスは。はい。
【西園寺委員】
 出しやすくなりますね。そういう意味ではね。
【島谷委員長】
 よりいいものができますね。
【大滝委員】
 それでこの2ページ目のスケジュールを見る限り、前回の議事録の19ページでも私、確認させていただいているところなのですが、選考委員会において申請物件の決定が選考委員会の任務になっているというところが、前回までの、去年の選考プロセスと違うところというのは、この前ここでそういう理解でよろしいですかというように質問させていただいたのです。すなわち、前回の場合は、ここが絞り込んだ結果を小委員会に諮らなければならなくて、そこでまた選考のやり方について手戻りができたわけですけど、今後の進め方としては、ここで決める。それであとは小委員会、総会は報告なんだということだから、よりそこの、この選考委員会の任務が絞り込めているところでは結論を生み出す責任が生じているという理解でよろしいわけですね。
【島谷委員長】
 結局、前回のときも、選考するというので、そういう意識でやっていますので、全然変わっていないと思います。公平性の問題があるということで、前回は文化活動小委員会の方で決定をしたという形を取りましたけれど、そういう意味では同じ経緯だと思いますので、責任があることに関してはもう間違いないことかと思います。
【籾井国際戦略企画官】
 すみません、1点、今のことに関連してなのですけれども、前回その手続が最後の最後で変わったのは、今、委員長がおっしゃったとおりの公平性の観点から、自らが申請者になっている選考委員会で選考をするのは問題があるということで、文化活動小委員会で選考することになったわけですけれども、まさにそれがきっかけで今回の手続も見直すことになっておりますので、委員会の役割を御議論いただくときにも、ここの委員会で最終的には申請する物件をどれにするかという審査をしなければならないということが大前提にありますので、その上で公平性の観点から、公平性は確保しつつ、どこまでを委員会の役割として位置付けていくかということを御議論いただく必要があるのかなというふうに思っています。
【島谷委員長】
 籾井さんがおっしゃるとおりだと思いますので、余り踏み込み過ぎるとまた同じ議論になると思いますので。ただ、各委員の先生方が懸念されているのは、文化戦略がないと、本当に必要なものが申請されずに、今までのことを言っているわけでは全然ないのですけれども、より適切なものが順次登録されるべきであるというふうに考えておられるということかと思います。それで今いろいろな意見が出てまいりましたので。
【芳賀委員】
 委員会の機能に関してですけれども、高山委員がおっしゃったのが一番理想的だと思います。ただし、その場合は、この申請を例えば2年ぐらい前倒しにしないといけない。そして、ユネスコでなくてこの委員会に出してもらう。そして、A件が出てきたから、ではB件もC件もと、我々委員会が、BやCの団体に声を掛けないといけない。かつ、我々に声を掛ける権限がなければいけない。そしてそれは文化的良心に訴えるだけなのか、あるいは何か声をかける根拠・権限が委員会にあるのか。高山委員がおっしゃったのが本当の理想だと思いますけれども、ただ、同時に非常に大変だと思います。
【島谷委員長】
 業務が大変になりますね。
【芳賀委員】
 全てのプランを2年ぐらい前倒しにする必要があります。BやCの団体は全然知らないのにいきなり声を掛けられて、それから準備しろ、と言われるわけですから。
【島谷委員長】
 結果的に、選考するときに、前回もそうだったのですけれども、ユネスコの考えにどれだけ合致しているかを基準に選考しましょうというふうに前回決めたと思います。だから、ヒューマニティーだとかいろいろな要素を我々が決めていくだけの力というか権限はないと思いますので、そこのところを踏まえてやらないと、その重さで計っていくと違ったものになっていくと思います。選考基準としてはあくまでもユネスコの基準に合致しているかどうかでやる以外にないと思いますので、そこのところは先生方、よろしゅうございますか。
 それを踏まえて、国家戦略の部分につきまして、それぞれ御意見を頂きましたけれども、その部分についてどういう考えがあるかというのを次回委員会までに宿題として何か考えていただく、あるいは聞き取り調査みたいなので意見があれば出すということにしたいと思います。
【芳賀委員】
 書類的なことで一つ、資料3の2ページ目、1の基本要件のいろいろなものがある5の「形式及び様式」の例として「山本作兵衛コレクション」が載っていますが、これはユネスコがそうしているのですか。
【野田ユネスコ協力官】
 そうです。
【芳賀委員】
 そうなんですか。私は、「山本作兵衛」は産業革命時代の終わりの頃に公的記録が少ないときに、私的な生々しい体験の記録ということで、むしろ1の「時代」とか、4の「題材とテーマ」に入るのかなと思っていたのですけれども、あくまで「形式及び様式」なんですね。
【籾井国際戦略企画官】
 恐らくこれのみが認められたということではないのだと思います。
【芳賀委員】
 ええ、もちろんいろいろな要素があるでしょうけれども。
【籾井国際戦略企画官】
 ユネスコの文書の中ではこの例示でということです。
【芳賀委員】
 でも、特に日本で関係団体が参考としてこの書類を見るわけで、その場合には「山本作兵衛コレクション」が目につくかなと思ったので。我々日本向けの書類ですから。「山本作兵衛コレクション」がそうなのは少し意外でした。まあ、これはあくまでも書類上の話です。
【島谷委員長】
 これは合わせ技みたいなことでしょうね。
【芳賀委員】
 あるものは全ての要素が入って、一つ以上と書いてありますしね。ただ、これが「形式及び様式」の例として適正なのかなと少し思っただけです。ただこれは、書類上の細かい話です。
【島谷委員長】
 今、私の方からいろいろな意見を踏まえて考えていただく宿題を提示するというふうに申し上げたのですが、何かまだ言い足りない部分がありましたらどうぞ。
【西園寺委員】
 この設置要綱の中身を見ますと、第7条が報告となっているんですね。文化活動小委員会会議において文書で報告すると。だから、これを読むと、やはり決定権は選考委員会にあって、それを報告するということなのですか。
【島谷委員長】
 本来そうだったのですが、そのつもりで報告しにいく予定であったのが、公正性について疑義があるというふうに話があったものですから、前回は変わったということです。
【西園寺委員】
 今回はこの要綱は変わっていないということですか。
【島谷委員長】
 このまま生きているというふうに考えていいわけですね。
【西園寺委員】
 では、前回が特例だということですか。
【籾井国際戦略企画官】
 そうですね。今回、御議論いただいて、必要があればまたこれも見直すということはあり得ると思います。
【西園寺委員】
 ということになると、それだけ権限を持つということになると、逆に、先ほど私が少し申し上げた、諮問委員会的な役割を超えたものになるということですよね。そうすると、余りそういう積極的に申請を促すということは公平性を欠くということになりますかね。
【島谷委員長】
 全てにわたってやっていなければ公平性を欠くということにはなると思うのですが。
【西園寺委員】
 この要綱から読むと、決定権を持っているということはそういう意味があるのかなと思います。
【島谷委員長】
 あくまでも働き掛けは委員会が働き掛けをするものではなくてという理解で、それが、役割がかぶってしまうと、自分が推薦しながら選ぶということと、前と同じことになりますので、それは意見としてどういう形で文化戦略として適切なものを出していただくかということの知恵を絞っていただく案をここでは提示。
【西園寺委員】
 個別の働き掛けではなくて、もう少し一般的な形での指針・インフォメーションを出すということですか。
【島谷委員長】
 個別の部分も出てくる可能性はありますけれども、それは委員会が働き掛けをしたのではなくて、第三者が働き掛けをしたという、原理原則から言うとそれでないと前回と同じ形になるということかと思いますので、その働き掛けの仕方で何か適切なものが思い付かないのですけど、いろいろな考え方が出たかと思うのですが、こんな考え方もあるよというのがあればお聞かせいただいた方が事務局及び文化庁の方も来ていますので参考になるかと思います。
【高埜委員】
 「東寺百合文書」、前回になりますが、選考しました。あるいは、その前の「慶長遣欧使節」及び陽明文庫を出した、あれはここで、文化庁の課長さんはじめいらして、ここのリストの中でどれが推すのにふさわしいでしょうかという議論をここでやってしまったわけですよね。その当時は。その上で文化庁はそれぞれ所蔵機関に働き掛けをされているわけですよ。ですから、選考委員会は今後そういうことはしませんということに今日決定するわけですが、でも、やはり文化庁は文化庁主体で長官以下お考えいただきたいと思いますけれども、かつては選考委員会でこれを推薦したらふさわしいのではないかというような委員会のようなものを文化庁独自にやはりお作りいただいて、それでやはり候補のリストを。例えば、今回、京都府立総合資料館は物すごく頑張ってくれました。それはスタッフもそろっていたから可能だったのですが、普通は前もって言っていただいて予算化したいというのが、自治体の場合はですよ、機関の場合は常識だと思いますので、ですから、やはりそういうような文化庁主体でこういうような推薦候補リストのようなものを御検討いただいて、それでうまく所蔵の自治体、機関などに働き掛けをしていただくような、それを一方で進めていただくようなことをしないと。
【西園寺委員】
 文化庁に国家文化戦略的なものを、考えてくださいよということ。
【高埜委員】
 ここはもうやらない。
【西園寺委員】
 だからこそ切り離すことに意味があるということですかね。
【高埜委員】
 はい。ですから、今回、事務局が外に出られたというのはそういうことだと私は理解しておりますが、ただ、今日の時点ではまだ具体案はないというふうに先ほどのお答えを伺ったのですが、そういうことでよろしいですか。
【足立委員】
 国として必要なものは、文化庁として国として出すべきだと思います。委員会に任せるだけではなくてですね。
【島谷委員長】
 結局、途中私が申し上げたように、文化庁も本当に忙しい仕事をされていますので、そういうシステマチックな形でやっていかないと、時勢を待っていたらなかなか出てこないと思います。それは文化庁自身がお持ちのものにしろ、文化財機構が持っているものにしろ、地方公共団体が持っているものにしろ、やはり何らかの。
【足立委員】
 何らかの働き掛けをしなければいけないでしょうね。
【島谷委員長】
 とともに、それに優先順位を付けたりして申請してくる、今、高埜先生がおっしゃっていただいたようなものもあった方がシステムとして進みやすいと思います。文化庁の中での事業としてやっていると、なかなかタイムスケジュールに載っかったほかの案件とともに動かないということになりますので。まあ、それができるかどうかというのはまた別問題だと思いますが、そういう意見もあったということを念頭に置いて考慮していただければと思います。
 日本に文化がないのだったら、文化戦略という必要はないのですけど、日本に文化があるのに、適切に評価していただきたいというのが各委員の強い希望であると思いますので、それを常々文化交流をやる場合も私ども考えておりますので、やはり適切に文化交流をすると人的交流、経済的交流、政治的交流につながっていきますので、やはり文化の交流は、そういう意味ではお互いを理解する上で、共通項とここが違うんだということを両方理解する上で、こういう記憶遺産にしろ、ほかの世界遺産の仕事というのは非常に役に立っていると思います。
 それを踏まえて、高埜先生の一つの意見が出ましたが、何かほかにこういう仕組みがあるのではないかというのはございますでしょうか。
 あと、事務局に、どうしたらこの記憶遺産のシステムというのがみんな周知するのかなという広報をしていただく……。まあ、今でも十分あるから申請が来ているわけですけれども、それを適切な形で、記憶遺産というのはこういうものだということをもう少し広めていただけるとありがたいなと思います。
【籾井国際戦略企画官】
 なかなかまだ、確かにいろいろな申請書の様式などもついこの間までホームページを探しても出てこないような状況でしたので、少しずつホームページ上の情報も改善しながら、単にユネスコのロゴマークを使えるというだけではなくて、制度の趣旨もきちんと理解した上で申請していただくことが必要かなと思いますので、その辺りの広報は少し改善をしていきたいと思います。
【島谷委員長】
 文化庁ばかり擁護していますけど、統括官付のところが非常に忙しいということも十分承知しておりますので、限られた人間ですごいタイムスケジュールの中でやっていくというのはとても大変かと思います。
【大滝委員】
 本日はそうすると、前回予告があって、この選考基準を決めるということですね。それで、前回の議論の中でも、周知という新しい方式の周知ということに十分に意を用いてくださいというお願いもしておりますけれども、そういう点では先ほど来、ここの場でも議論されている、能動的なこの選考委員会の活動の第一歩は新しい選考のプロセスについての周知、広報の徹底だろうと思うので、その点は特に今の御発言の延長線上で十分に取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。
【島谷委員長】
 前回申請して、落選したというのか、落ちたというのか分かりませんけれども、そういうところにもこういうシステムであるということをお伝えしておく必要があると思います。
 申請の前には適宜、統括官付のところに出すよというような話はあるのでしょうか。
【籾井国際戦略企画官】
 事前の御相談は少し頂いております。本当に形式的なこういうものを用意してくださいというようなアドバイスは事務局の方でしております。それに加えて、前回、公募の手続見直しを決定いただきました後……どこ宛てに出したんでしたか……。
【野田ユネスコ協力官】
 都道府県、政令指定都市。
【籾井国際戦略企画官】
 に対して、手続が変わりましたということは通知で流しておりますので、単にホームページに載せるだけではなくて、もう少し広くきちんと。
【山脇国際統括官】
 市町村に対しては都道府県を通じて、市町村にも伝達していただくような形でというのも通知はしていきます。あと、ホームページ。さらに今、大滝先生からありましたように、広報、周知の方策は考えていきたいと思います。
【島谷委員長】
 今日もマスコミの方が来てくださっていますけれども、そういうことがなされたというのを公開の部分だけで整理して発信していただきましたら、一番いい広報になると思います。役所が何とか言うよりも、テレビとか新聞が言ったことの方が世間……これはオフレコの発言になるのかも分かりませんけど。
【山脇国際統括官】
 おっしゃるとおりだと思います。
【島谷委員長】
 ええ、周知すると思いますので、是非協力の方をよろしくお願いしたいと思います。
 今、論議しているのが一番大きな案件でございますが、ほかに。
 かなり意見としては出たかと思いますが、よろしければ次の案件に移りたいかと思いますがよろしゅうございますか。
 では、以上、おおよその意見が出そろったということで、それでは、本日の御意見を基に事務局で選考基準を修正していただき、次回の会議に改めてお諮りしたいと思います。なお、その際には公募要領についてもお示しをしたいと思っております。
 それでは、冒頭で申し上げましたとおり、議題2は非公開となります。傍聴の方はこれで退席となりますので、その前に委員の先生方から特に報告審議すべき案件はないということでよろしゅうございますか。

<議題2>
(規定により非公開)

── 了 ──

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