第7回ユネスコ記憶遺産選考委員会 議事要旨

日時

平成25年5月10日(金曜日)14時~16時

場所

文部科学省5階5会議室

出席者(敬称略)

(委員)

青柳正規,大滝則忠,西園寺裕夫,佐藤禎一,高埜利彦,高山正也,西村幸夫,宮地正人

(関係省庁)

外務省:門倉国際文化協力室外務事務官

(事務局)

文部科学省:加藤国際統括官,籾井国際戦略企画官,堀尾ユネスコ協力官,中馬ユネスコ第三係長
文化庁:中野長官官房国際課国際文化交流室長,江崎文化財部美術学芸課長,岡部同主任文化財調査官,田中同課長補佐,

議事要旨

議事開始にあたり、本選考委員会は、我が国からの推薦物件の選考について審議を行うため、「ユネスコ記憶遺産(MoW)選考委員会の議事等の公開について」第6項に基づき、公開することにより会議の公平かつ中立な実施に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められることから、議事の非公開を全会一致で決定した。 

1.第2回推薦候補の選考について

第6回ユネスコ記憶遺産選考委員会の審議結果を踏まえて作成した選考基準及びユネスコが定めているガイドラインの基準にしたがって検討が行われた結果、2015(平成27)年のユネスコでの登録に向けて、「東寺百合文書」を、我が国からの推薦物件とすることを決定した。選考理由として、主に以下の2点が挙げられた。

○平安時代以来一貫して東寺の宝蔵(ほうぞう)に収められ、1,000年以上にわたって東寺に伝承した約2万5千通に及ぶ寺院文書である。日本の仏教史、寺院史、寺院制度史研究上で貴重な資料であるとともに、様々な研究に資する資料が一つにまとまっているため、アーカイブ資料としての価値も高いといえる。

○1685年(貞享2)に加賀藩第五代藩主・前田綱紀(まえだつなのり)により「百合(ひゃくごう)」の箱が寄進され、保存・管理されてきた文書であり、すでに前近代の我が国において、このような実践が行われていたことは、ユネスコ記憶遺産事業が目的としている、世界の重要なドキュメント遺産の保護の精神や趣旨を考慮すると、大変意義深い文書保護の実践といえる。

今後、推薦書作成作業チームを立ち上げ、年内を期限として推薦書作成を行い、年明けの第8回選考委員会等への報告を経て、2014(平成26)3月末にユネスコ事務局へ日本ユネスコ国内委員会から推薦書を提出する予定。同作業チームの座長として、高埜委員が指名された。

2.今後のユネスコ記憶遺産事業に関する日程について

2011年(平成23年)3月に我が国から推薦を行った「御堂関白記」及び「慶長遣欧使節関係資料」について、本年6月18日~21日に光州(韓国)にて開催される第11回ユネスコ記憶遺産国際諮問委員会(IAC)にて登録の可否について審議が行われ、審議結果を受けて、ユネスコ事務局長が最終的に決定する予定。最終結果が事務局長側から通告された後、国内向けには文部科学省から報道発表を行う予定である旨、事務局から報告された。

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国際統括官付