令和7年8月4日(月曜日)10時00分~11時30分
対面・Webのハイブリッド開催
(委員)
井上洋一委員長、岡本美津子委員、片岡真美委員、川村泰久委員、黒川廣子委員、小浦久子委員、肥塚見春委員、佐藤美樹委員長代理、添石幸伸委員、髙橋秀行委員、西野裕代委員、野間省伸委員、堀木卓也委員、松田陽委員、山内和也委員、若林美和子委員
(関係団体)
江坂恵里子 名古屋市観光文化交流局文化芸術推進課(ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会 プログラム・ディレクター)
(関係省庁)
島竜一郎文化庁文化経済国際課グローバル展開推進室文化戦略官、髙橋淳子文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室室長補佐、鈴木地平文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室文化財調査官
(事務局)
北山浩士国際統括官(日本ユネスコ国内委員会事務総長)、岩佐敬昭国際統括官付国際交渉分析官(日本ユネスコ国内委員会副事務総長)、小林美保国際統括官付国際戦略企画官(日本ユネスコ国内委員会事務局次長)、中川若菜国際統括官付ユネスコ協力官(日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐)、その他関係官
【井上委員長】 皆様、おはようございます。本日は御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。何人かの委員は少し遅れているようでございますけれども、定刻を過ぎましたので、始めさせていただきたいと思います。
まず、会議に先立ち、事務局より定足数の確認及び事務連絡をお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 おはようございます。現在、出席の委員が10名で、若干2名ほど参加が遅れているようですけれども、全委員16名の過半数となっておりますので、定足数を満たしております。
また、本日は報道関係者の取材及び一般からの傍聴を受け付けており、Zoomにて傍聴いただいております。
取材及び傍聴の皆様は、カメラをオフ、マイクをミュートのままにして傍聴してください。なお、オンラインで御出席の委員におかれましては、カメラをオンにしていただき、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
また、委員の皆様方には、お手数ですが、御発言いただく際にはお名前を名のってから御発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまより第14回文化・コミュニケーション小委員会を開催いたします。本日の議事については、全て公開とさせていただきます。御発言は議事録としてホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
それでは、議題に入る前に、前回の文化・コミュニケーション小委員会以降、事務局に異動がございましたので、事務局から報告をお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 事務局の異動を御報告いたします。まず1人目、令和7年4月1日付で国際統括官、そして日本ユネスコ国内委員会事務総長として北山浩士が着任しております。
【北山国際統括官】 よろしくお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 同じく、国際統括官付国際戦略企画官、日本ユネスコ国内委員会事務局次長として小林が着任しております。
【小林国際戦略企画官】 よろしくお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 また、令和7年4月28日付で国際統括官付国際交渉分析官、日本ユネスコ国内委員会副事務総長として岩佐が着任しております。
【岩佐国際分析交渉官】 よろしくお願いします。
【中川ユネスコ協力官】 そして、私、中川も同じ4月28日付でユネスコ協力官、日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐に着任しております。よろしくお願いいたします。
それでは、北山統括官より一言御挨拶を申し上げます。
【北山国際統括官】 おはようございます。この4月1日に国際統括官を仰せつかりました北山と申します。前職は大臣官房国際課長をさせていただいておりました。また、ユネスコとの関わりでは、2009年から2011年に文化多様性条約の関係に少し関わらせていただいたり、2014年、2015年に世界遺産の関係の仕事をさせていただいたり、2017年から2019年にユネスコ代表部で勤務させていただいたりといったことがございました。そのときの経験なども生かしながら、しっかりと務めていきたいと思いますので、どうぞ御指導をお願いいたします。
今年から来年にかけましては、ユネスコ憲章採択80周年、日本のユネスコ加盟75周年という節目の年になっております。また、今年の秋にサマルカンドで開催されますユネスコ総会で新しい事務局長が選出されて新体制に移行するという節目の年に当たっております。そういった年ですので、国内のユネスコ活動の振興、ユネスコ事業への協力を進めて、日本国内にユネスコファンをさらに増やすとともに、ユネスコ場裏で日本ファンを増やしたいと考えておりまして、そのため、もう既に行われていることがいろいろとありますので、その情報発信、PR、執行委員会や総会での効果的なアピールを行っていきたいと考えております。今後、75周年を受けた発信方策については事務局から提案を行わせていただきたいと思っておりますので、委員の皆様にも御理解、御協力をお願いしたいと思います。
以下、現時点で考えていることでございます。まず、国内に向けてでございますけれども、ユネスコの各種登録事業である「世界の記憶」とか、UCCNとか、ユネスコスクール、世界遺産、無形遺産、そのほかジオパークとかエコパーク、各地のユネスコ協会といったものが既に活動されていますけれども、そういった活動の横のつながりを作って、それぞれの活動の活性化と知名度アップを図りたいと考えております。様々な登録事業それ自体が学びのきっかけになるものでもありますし、そういう意味では児童・生徒の探究の材料としても適しているのではないかと考えております。
本日は、UCCN加盟都市である名古屋市からも御発表いただく予定となっております。今後の取組のヒントとさせていただければと思いますし、また次世代ユネスコ国内委員会の文化ワーキンググループのメンバーにも傍聴参加いただいておりますが、若い世代の参画を得るための仕組みも今後作っていきたいと思っております。
また、対ユネスコという点では、文化分野では、我が国とユネスコの関係は、2015年から2017年にかけて「世界の記憶」事業の一部登録案件が理由となって非常に厳しい時期があったわけでございますけれども、この事業について2021年に制度改善が行われたということによって、我が国とユネスコの協力を妨げるものはなくなっております。
本日の議題2で、「世界の記憶」の暫定一覧表の作成について事務局から御説明を申し上げますが、文科省として「世界の記憶」に申請する案件をプールし、2年に1度のサイクルで確実に2件ずつ登録していければ考えております。
先日、米国がユネスコを脱退する旨を発表いたしましたが、こういうときだからこそ日本のユネスコへの貢献は重要との考え方で臨んでいければ思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【井上委員長】 北山様、どうもありがとうございました。
それでは、本日の会議の議事及び配付資料について、事務局より御説明をお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 ありがとうございます。本日ですが、こちらの次第のとおり、議題が1から5までとなっており、配付資料が1-1から5、そして参考資料が全部で4点という形になっております。事前に送らせていただいておりますところ、もし過不足等ございましたらお知らせください。
以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、議事を始めます。まず、議題1、最近のユネスコ関係の動き(文化・コミュニケーション分野)についてです。まずは、資料に沿って事務局より御説明いただきます。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 それでは、こちらの資料に基づきまして、国際的な動きの特に文化及び情報コミュニケーション分野について当方から御説明いたしたいと思います。
まず、文化・コミュニケーションについては、資料1-1のとおり、ユネスコ中期戦略、こちらはユネスコの戦略的見通しという形で8か年の戦略となっておりますが、こちらにおいても戦略目標3という形で位置づけられているところでございます。
そして、2のとおり、第221回ユネスコ執行委員会が先日4月に開催されましたので、そちらについて情報共有をさせていただきます。こちらに記載のとおり、文化及び情報・コミュニケーション分野に関する議題として、ユネスコ文化と芸術教育に関するフレームワーク、MONDIACULT2025の会議、UCCN、そして「世界の記憶」国際登録案件に登録される新規の記録遺産一覧について議論されたところでございます。
申し遅れました。資料1-1については、事前に委員の皆様に電子媒体でお送りさせていただいたものから今お示しした(3)の部分を変更させていただいておりますので、また最新版については後日ホームページ等で公表させていただきたいと思います。申し訳ありません。
続きまして、3の令和7年3月以降に開催されたユネスコにおける文化等分野の主な会議について御紹介いたします。こちらの記載のとおりでございまして、本日の議題の関係ですと、まず2025年6月23日から24日まで、ユネスコ創造都市ネットワークの年次総会がフランスにて開催されました。また最後に、7月16日まで第47回世界遺産委員会が開催されております。こちらについては、後の議題で文化庁より御説明いただきます。
そして4番、今後のユネスコにおける文化等分野の主な会議という形でいろいろ記載させていただいておりますけれども、一番上に載せておりますMONDIACULT2025については、この後、文化庁より概要を御説明いただきます。
それでは、文化庁、お願いいたします。
【島文化戦略官】 文化庁文化戦略官の島でございます。ただいま御紹介いただきましたMONDIACULT2025 文化政策と持続可能な開発に関するユネスコ世界会議について御説明いたします。
MONDIACULT2025は、ユネスコのカテゴリー2(政府間会議)に位置づけられる国際会議の一つとして、各国政府機関の文化大臣や国際機関、関連機関、NGO等が参加し、文化政策と持続可能な開発に関して議論する会議でございます。
本会議は、2022年にこうした文化関係の国際会議としては40年ぶりにメキシコで開催されました。このときは、世界150か国が参加し、135人の大臣級、NGOや国際機関も含めて全部で2,600人近くが参加しました。おそらく世界最大級の文化セクターの会議でございまして、日本からは当時の簗文部科学副大臣に出席をいただきました。議論の成果については、共同宣言としてまとめられ公表されていますのでユネスコのウェブサイトからも御覧いただけると思います。
今回の会議は、2025年9月29日から3日間、スペインのバルセロナにて開催されます。会議では、2030年以降の持続可能な開発アジェンダの可能性にも考慮しつつ、資料にあるような、文化的権利、文化セクターにおけるデジタル技術、文化と教育、文化経済、文化と気候変動対策、文化、遺産及び危機といったテーマで議論が行われる予定となっております。日本からもしかるべく政府レベル等からの代表を出すよう調整を始めているところでございます。
以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございました。
続きまして、議題の2、「世界の記憶」についてです。本事業に係る直近の動きについて、事務局より御説明いただきます。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 事務局でございます。それでは、当方より、まず「世界の記憶」国際登録2024-2025サイクルについて、先日我が国から登録案件がございましたので、御紹介させていただきます。
報道等があったかと思うんですけれども、増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書につきまして、先日4月に開催されました執行委員会で正式に国際登録という形で登録案件となることが決定されました。概要については、こちらのとおりでございます。
なお、このサイクルにおいては、もう1件、広島の原爆に関しても日本として推薦していたところでございますけれども、そちらについては今回は登録が見送られたという状況でございます。
「世界の記憶」について、資料2-2のとおり概要を入れさせていただいておりますので、こちらを御参考までに紹介させていただきます。
この4月の状況を受けまして、こちらに記載のとおり、最新の状況ですと、国際登録として世界で合わせて570件が登録されているという状況でございます。今回の増上寺の件の登録を受けまして、日本としては、国際登録については共同申請も合わせて全部で9件、そしてそして地域登録の1件も合わせて全部で9件、「世界の記憶」の関係では登録をされているということになっております。
資料2-3については、先日のユネスコ執行委員会の資料を入れておりますので、こちらは御参考までに配付させていただきます。こちらの資料で申し上げますと、43番に先ほどの増上寺の仏教聖典叢書が記載されているという形になります。
このような形で登録をされたところでございますけれども、本年は2年に1回の国際登録の申請を行うという年になっておりますので、そちらについても御紹介させていただきます。
資料の2-4のとおり、まず令和7年7月11日から8月22日まで、国内の候補案件の公募を開始させていただいております。こちらの公募は8月22日を締切りという形で、ユネスコへの推薦件数は単独案件については各国2件以内という形になっておりますので、上限2件という形で審査委員会で審査を行い、日本としての推薦を行うという形になっております。
スケジュールについてはこちらのとおりでございまして、我が国の推薦案件を決定した後、11月末にユネスコへの申請書提出を行い、その後ユネスコでの審査を受けまして、令和9年春頃に国際諮問委員会での審査等を踏まえ、登録の可否が決定されるという予定になっております。
そして、最後に暫定一覧表の件につきまして御紹介をさせていただきたいと思います。資料2-5を御参照ください。こちらは前回の文化・コミュニケーション小委員会の配付資料でございます。資料のとおり、暫定一覧表の作成について、様々な問題意識を踏まえて、2025年秋までの間、国際統括官付において体制等の素案を検討し、その後、審査委員会において検討を深めた上で、2026年度を目途に暫定一覧表の作成に向けた作業を開始となっているところでございます。こちらについて、検討状況について御紹介させていただきます。次のページの進め方のイメージを御参照ください。
2つの時間軸がございまして、まず上の段、2026~2027サイクルに向けてという部分については、先ほど御紹介しましたとおり、まず8月22日まで国内申請募集を行い、秋にかけて推薦の審査を行い、ユネスコに申請を行って、2027年の春に登録可否が決定するという通常どおりのスケジュールとなっております。御覧いただきたいのがその下の段、2028~2029サイクルで、今回の次のサイクルからの暫定一覧表制度の導入に向けてという部分でございます。こちらについては、今年度は、まず秋頃から調査分析を委託して実施させていただき、審査委員会の下に12月以降にワーキンググループを設置するという形で、暫定一覧表制度の導入に向けた議論について詳細を検討していただきたいと思っております。2026~2027サイクルのほうが11月、12月頃には審査が落ち着くかと思いますので、そちらが落ち着いた後、ワーキンググループのほうでの本格的な議論を来年度にかけて実施していくというイメージでございます。そこでの議論を受け、2027年の春頃に暫定一覧表制度の導入を目指し、そちらでの議論も踏まえた形で、2028~2029サイクルにおいては、審査委員会での審査、そしてユネスコへの申請といったものを行うということを検討しているところでございます。
9月以降の調査分析を行うという部分の詳細につきましては、その次のページの公募要領を御参照ください。赤い字で、5ユネスコ「世界の記憶」暫定一覧表作成という形で、6つテーマがあるんですけれども、そのうちの1つという形で公募させていただいておりました。つい先日7月末で公募を締め切っているところでございます。こちらの詳細は、次のページに別紙という形で記載させていただいておりますけれども、赤字のとおりでございます。
まずは、委託先において、他国において既に国際登録、地域登録された記録物にはどのようなものがあるのかといったことについて、そして他国で暫定一覧表のような制度を導入しているところがあるのであれば、どういった形で運用しているのか、導入しているのかといったことに関する調査分析を今年度行っていただきまして、来年度ワーキングが本格的に動き出すタイミングにおいては、ワーキングの会議運営等の補助を行っていただくということを想定しているところでございます。
それでは、以上をもちまして当方から「世界の記憶」関連について、御報告を終了いたします。ありがとうございました。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、一つ手前の議題1及び議題2に関する御説明について御意見、御質問のある方は、挙手ボタンを押していただきますようお願い申し上げます。なお、指名は事務局からお願いいたします。
皆様、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。それでは、皆様からは現段階では御質問等はないようですので、次に移らせていただきたいと思います。
それでは続きまして、議題3、世界文化遺産についてです。本委員会では、世界遺産について、ユネスコへの申請に当たっての審査等は担当しておりませんが、ユネスコの文化・コミュニケーション分野における取組であることから、御報告いただくこととしております。
それでは、世界遺産委員会の結果について、文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室の髙田淳子補佐から御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【髙田補佐】 文化庁文化資源活用課の髙田と申します。よろしくお願いいたします。それでは、第47回世界遺産委員会の概要について御報告をさせていただきます。
今回、7月6日から7月16日までの期間でパリにて行われました。資料の2ポツの主な審議結果に沿いまして御説明させていただきます。
まず(1)の世界遺産一覧表への記載に係る審査についてでございます。今回、我が国からの推薦案件はございませんでした。丸の1つ目でございますけれども、今回32件について審議されまして、26件、文化遺産21件、複合遺産1件、自然遺産4件を新たに記載することが決定されました。この結果、世界遺産は総計1,248件ということになりました。
続きまして、(2)の資産の保全状況に係る審査についてでございます。今回、248件が対象となっておりますうち、56件が危機遺産となっております。我が国に関わる分といたしましては、丸の3つ目のところになります「ル・コルビュジエの建築作品」の関係が今回対象となっておりました。これにつきましては、議論されることなく、原案どおり議決されております。
続きまして(3)危機遺産一覧表の更新についてでございます。審議の結果、記載のとおり、以下3件が危機遺産一覧表から削除されております。この結果、危機遺産は53件となっております。
続きまして(4)締約国による資産範囲の明確化についてでございます。既に登録されている資産のうち、我が国の「古都奈良の文化財」を含む33件が資産範囲の明確化ということで承認、採択されております。
続きまして(5)顕著な普遍的価値の言明についてですけれども、我が国の「佐渡島の金山」を含む13件が採択されております。
続きまして(6)事前評価に関する手続変更についてですけれども、事前評価申請の制度につきまして、従来は暫定一覧表に記載してから少なくとも1年間を経過する必要がありましたのが、今回、2週間への短縮ということが決議されております。
(7)定期報告についてでございますけれども、定期報告に係るスケジュールの検討が議論されまして、毎年2地域が報告を行うというオプションが採択されてございます。
最後に(8)次回第48回世界遺産委員会についてでございますけれども、来年は7月19日から29日の期間で韓国釜山にて開催が予定されております。
御報告は以上でございます。
【井上委員長】 髙田補佐、ありがとうございました。
それでは、ただいまの御報告について御意見、御質問のある方は、挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。先ほど同様、指名は事務局からお願いいたします。
皆さんからは無いようなので、私から1つだけ質問させていただいてよろしゅうございますでしょうか。この(4)の締約国による資産範囲の明確化についてということで、既に登録されている資産のうち、「古都奈良の文化財」を含む33件が承認、採択されたということですけれども、これは具体的にはどういうことを意味しているのでしょうか。
【髙田補佐】 こちらの手続については、世界遺産条約が採択されて以降初期の頃に登録されているものについて、資産範囲の地図上の境界線といったものがはっきりとしていないものについて明確化していく手続が順次行われていまして、今回、我が国については「古都奈良」についての資産範囲について手続として出されて、そこが明確化されたという形の手続になってございます。
【井上委員長】 ありがとうございます。要は、かつてはそれほどしっかりと範囲というものが明確にされていなかった、それをより明確化しようということで、それが採択されたという意味ですね。
【髙田補佐】 おっしゃるとおりでございます。
【井上委員長】 分かりました。ありがとうございました。
お願いします。
【事務局】 それでは、小浦委員、どうぞ御発言をお願いいたします。
【小浦委員】 小浦です。同じところの下の顕著な普遍的価値の言明についてというところですけれども、これは何が問題でもう一度こういう普遍的価値の言明を出して、どういうところが認められたのかという状況がよく分からなかったので、教えてください。
これは、一般的に、文化遺産5件、複合遺産1件、自然遺産7件と、ほかにも幾つか出ているようですけれども、佐渡の特性もあると思うんですが、一般的にはどういうときにこういうことが求められるのでしょうか。
【髙田補佐】 こちらの「佐渡島の金山」の顕著な普遍的価値の言明についての採択ですけれども、昨年度、「佐渡島の金山」が登録された際に、当初イコモス勧告はR勧告ということで情報照会という形になっておりました。その後、最終的な委員会としての決議は記載になったわけでございますけれども、もともとの情報照会の勧告から記載になったということで、そのときの決議では、顕著な普遍的価値の言明が暫定的なものとして記載されていました。これは佐渡が特殊ということではなくて、一般的に情報照会から記載になる際には全て暫定的なものとして決議がなされるわけですけれども、そういった情報照会から記載となったものについては、翌年の委員会において改めて顕著な普遍的価値の言明が採択されるという形を取っておりますので、今回、「佐渡島の金山」についてはこういった対象になったということでございます。
【小浦委員】 ということは、ほかのところも同じように、情報照会が入っていたところが今回認められたということの理解でよろしいんでしょうか。
【髙田補佐】 おっしゃるとおりでございます。
【小浦委員】 ありがとうございます。
【井上委員長】 小浦委員、ありがとうございました。
ほかの委員の方、いかがでしょうか。そういたしましたら、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
それでは、続きまして、議題4、ユネスコ創造都市ネットワークについてに移ります。まず、事務局から御説明をお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 それでは、議題4、ユネスコ創造都市ネットワークについてでございますけれども、本日、名古屋市のほうからこの後御紹介をいただくのですが、その前に当方から動きについて報告させていただきます。
まず、こちらの文化・コミュニケーション小委員会でも先日共有させていただいたかと思うんですけども、本年令和7年3月3日付で、UCCNについては、越前市と高松市を日本から推薦させていただいております。越前についてはクラフト&フォークアートをテーマに、そして高松については音楽をテーマにという形で推薦させていただいております。この2都市も含めた都市につきましては、ユネスコのほうで今現在審査を行っているところでございまして、もともとは本年の5月中旬以降、結果公表という形になっていたんですけれども、まだ審査が続いているというところでございます。情報によると、秋頃発表されるというところがあるんですけれども、最新の日程については、ユネスコから情報を収集しながら、共有をさせていただきたいと思っております。
当方からは以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございました。
本日は、UCCN加盟都市である名古屋市の御担当者に御参加いただいており、先ほど御説明があったように、本年6月末にフランスのアンギャンレバン市にて開催されましたUCCNの年次総会について御報告をいただきたいと思います。そして、本小委員会におきまして、創造都市ネットワーク日本(CCNJ)国際部会との連携について指摘があったことを受けまして、UCCNとCCNJの連携強化に向けた取組という観点から、10月に山形市で開催予定のUCCN・CCNJ合同会議についても併せて御説明をお願いできればと思います。
なお、御説明者は、名古屋市観光文化交流局文化芸術振興課、ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会のプログラム・ディレクターを務めていらっしゃいます江坂恵里子様でございます。
では、江坂様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【江坂プログラム・ディレクター】 おはようございます。江坂でございます。よろしくお願いいたします。
先ほどもご案内がありましたように、今年6月23日と24日、ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)の第17回年次総会が、2013年からメディアアート都市に認定されておりますフランスのアンギャンレバン市とユネスコとの共催で開催されました。
ユネスコの年次総会は、都市を中心としたユネスコのフラッグシッププログラムとして、ネットワークの役割を強化する重要なプラットフォームでありまして、文化に焦点を当てた2030アジェンダの目標を支援しております。今年の議論はMONDIACULT2025にも反映されます。また、2030年以降の持続可能な開発アジェンダにおいて文化を独立した目標として認識するよう促す動きを強め、そのプロセスにおける地域的側面の重要性を強化しています。
2025年年次総会は、当初メキシコのケレタロという都市で開催予定でしたが、開催都市の都合によりキャンセルとなり、急遽別会場での開催となりました。昨年度開催したポルトガルのブラガや以前に総会を開催しておりましたパリ近郊のアンギャンレバンなどがサポートに名のりを上げ、最終的にアンギャンレバンでの開催となりました。そのため、通常ですと5日間ほどにわたって開催されます会議も今回は2日間の開催となりましたが、約200の加盟都市から500名を超える代表者が集まり、「文化と人工知能:ユネスコ創造都市の未来を形作る」というテーマの下、優れた事例を共有し、革新的なパートナーシップを模索いたしました。
会期中にテーマ別セッション、持続可能な都市開発のためのクリエイティブセクターへのAIの統合、加盟都市の取組によるパネルディスカッションが行われました。ユネスコ及びフランス政府関係者による開会式に続きまして、AIと文化の交差点を探る基調講演、都市別の先進事例を共有するテーマ別セッション、市民との共創や倫理に関するディスカッションなどが行われました。本会議では、ユネスコの「人工知能の倫理に関する勧告」にも焦点が当てられまして、文化・創造分野における責任ある人間中心のAIの必要性が強調されました。イノベーションの拠点として、ユネスコ創造都市の中で、AIの意義深く、包摂的かつ倫理的な活用を促進する枠組みの構築を先導している都市の事例を共有いたしました。
これが、私どもが聞きかじったメモ書きになりますけれども、発表都市からの意見をまとめたものになります。懸案事項としましては、カスタマイズと標準化をどう考えていくか、透明性とトレーサビリティーなど、インクルージョンと公平性、法的基盤、倫理的利用についてなど幾つかの事案が挙げられました。また、今後の展開に向けたアドバイスとしまして、研修と能力開発を優先していくこと、アーティストのためにではなくて、共にデザインしていくのだということ、また文化の独自性を守る、長期的な計画を立てる、政策の枠組みにAIを組み込んでいくことなどが挙げられました。
また、今回より年次総会の新たな構成要素として始まりました「創造都市フェア」が開催されました。「創造都市フェア」の主要セッションでは、パートナーシップや共同プロジェクトを通じた文化イノベーションと発展について、都市間の交流の場が設けられました。国際協力を深め、新たな分野横断的なコラボレーションを促進することを目的としています。
フェアは、2つの主要な要素で構成されました。一つは、都市同士が交流し、共同イニシアチブの可能性について議論するネットワーキング・スペース「パートナーシップ・ハブ」、もう一つは、選ばれた都市がクリエイティブ・プロジェクトを共有し、コラボレーションへの招待を表明するプラットフォーム「ショーケース・ステージ」です。注目すべきイニシアチブとしましては、ウェリントンとゴールウェイによる2025年先住民アニメーション交流、ゲール語、テ・レオ・マオリ、また、モデナとカールスルーエによる樹木の街、デジタルプラットフォームなどが挙げられます。これらのイニシアチブは、有意義な議論を巻き起こし、文化的創造性とイノベーションに根差したグローバル・パートナーシップの基盤を築きました。
2026年総会開催都市モロッコ・エッサウィラ市長のタリク・オットマニ氏から改めて都市紹介が行われ、世界中のユネスコ創造都市コミュニティを歓迎するエッサウィラ市の熱意と準備の姿勢と、文化交流促進への公約を改めて表明いたしました。
AI技術の進展が都市文化の構造と表現を大きく変えつつある中、この総会では、人間中心のAIの原則を守りつつ、持続可能な都市創造にどう寄与できるかを多角的に考える機会となりました。2日間という短い期間でありましたが、非常に濃密な時間を過ごすことができました。
この後、国内都市について御紹介させていただきます。UCCN国内加盟都市が増えていくにつれ、都市間担当者との情報共有や意見交換の場、また加盟を考えている都市へのヒアリング対応などについて、総会で顔を合わせる以外にも話し合う場が必要と考えるようになり、名古屋市は国内都市会議の開催を提案いたしました。名古屋市で第1回の会議を行いまして、そこに当時申請を考えておりました旭川市も招聘しました。その後CCNJの東アジア文化都市を中心とした国際ネットワーク部会が立ち上がることになり、我々UCCN国内都市も共に学ぶことがあるのではということで連携を模索し、昨年度、丹波篠山市で初めて第1回合同会議が実現いたしました。
国内都市会議の目的としまして、UCCNの国内加盟都市間での情報や課題の共有、相互連携を深め、都市間のネットワーク強化と創造都市相互の発展に資するためとなっております。
CCNJとの同日開催の目的としましては、UCCN加盟都市とCCNJ国際ネットワーク部会参加都市との連携を深め、UCCNへの加盟やネットワーク活用への機運を高めるとともに、情報連携により文化や創造性による都市政策を発展させるためとなっております。
第1回のホスト都市であった名古屋市から、まずは国内加盟都市間でクリエイティブ・カルチャー・ツーリズムの実践ができないかという提案をいたしました。今後、連携事業を行う上でも顔の見える交流は重要だと考えたからです。現在では、国内都市間の異分野交流も盛んに行われるようになりました。臼杵市では、食文化フェスティバルにデザインやクラフト分野のクリエーターを招聘いただき、ワークショップを開催したりしています。また、近隣都市間交流も行われております。名古屋市の場合ですと、浜松市のイベントに参加させていただいたり、様々な交流が展開されております。
今年度、令和7年度は、ご案内のように、山形市での開催となっております。昨年度は、各都市の担当者及び中核事業紹介後、事前に調整しておりました議題に対しての回答を精査し、意見交換を行いました。また、次年度総会について開催地の変更が予測される中、対応についての情報共有、意見交換なども行われました。そして、岡山市が文学創造都市として加盟したことにより、規約の更新などが確認されました。
UCCNの国内都市では、新規加盟都市へのUCCNの情報共有とフォローアップ、あるいはUCCN加盟後の課題、モニタリングレポートの提出について、あるいはUCCN行事参加状況と各分野のサブネットワーク会議の参加状況など、あるいは国内都市連携についてどんなことが考えられるのかなど、様々な現実的、実務的な課題について共有しております。
先ほど見ていただきました一覧にございますように、毎回ホスト都市による文化プログラムも実施しておりますが、今年度は10月15日、会議の翌日になりますが、午前から3時くらいまでの時間を想定し、同日開催中の山形国際ドキュメンタリー映画祭の会場及び市民、企業、行政が連携し、創造性を産業へとつなぐ創造都市山形の共創プラットフォーム、やまがたクリエイティブセンター「Q1」を訪問いたします。また、その後、希望者のみとなりますが、県内の同じくUCCN食文化都市鶴岡市へ移動し、翌10月16日は、精進料理で知られます出羽三山羽黒山斎院ほかを訪問予定です。こうして第1回の国内都市会議で提案しておりましたカルチャーツーリズムによるネットワーク都市の相互交流が時間をかけて醸成されつつあります。
短い時間ですが、非常に簡単ではありますが、名古屋市からの説明とさせていただきます。ありがとうございました。
【井上委員長】 江坂様、ありがとうございました。本当に多岐にわたるこのような会議の状況というものを端的に分かりやすくおまとめいただきまして、ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明を受けまして、御意見、御質問のある方は挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。なお、指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】 それでは、佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員長代理】 日本ユネスコ協会連盟の佐藤です。先ほど報告いただきまして、以前この委員会でも期待していましたUCCNの国内のネットワークの会議とか、それからCCNJとの連携について、非常によく分かりました。非常にありがとうございました。
それとはちょっと違うんですけれども、創造都市ネットワークについては、前回、漫画・アニメの取扱いについて議論されたと思います。そのときの結論は、世界や国内での普及状況を調査した上で検討するというものであったかと思っております。
岡本委員からは、アニメの歴史が古くて、フランスやディズニーは戦前から取り組んでいるという説明があり、事実としては、文学分野で2019年にフランスのアングレームで登録されておりまして、国際漫画祭が開催されて、世界から出品されております。
日本においては、マンガサミットとか、それから外務省の国際漫画賞が開催されて、今開かれている大阪万博でも漫画展が開催されております。また、ネットでは、幾つかの都市が漫画のまちとして売り出して広報活動をしております。ついでですけれども、テレビの朝ドラの「あんぱん」も漫画家の物語であります。
このように、漫画・アニメというのは、国際的に人気がある文化に育っており、日本がその世界の先端を走っていると言えます。このような優位性のある状況を生かして、人気があり、一般の人にアピールできるので、ユネスコ創造都市の知名度を向上させることができると考えます。
カテゴリーについてですけれども、様々な議論があるようであります。文学、デザインのほかに、映画とかメディアアートの分野など、内容によってふさわしい分野への応募が可能となればよいと考えます。パリの本部はアニメの創造都市ネットワークの登録を認めておりますので、日本はふさわしい分野で申請するという方針を本部に打診して、正式な文書で回答を求めてはいかがでしょうか。それに基づいて、国内委員会の役割として、自治体に対して漫画・アニメの申請を受け付ける旨を通知して、全国に知らしめるべきだと思います。自治体は、文書に書かれた根拠のないような状態では応募が困難だと思います。このようにすれば、公正な手続で漫画・アニメの推進体制が整うと思います。どうぞ御検討をよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
【井上委員長】 ありがとうございました。今の佐藤委員の御意見に関しましては、事務局から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
【中川ユネスコ協力官】 御意見をいただき、ありがとうございます。アニメの件につきましては、こちらの文化・コミュニケーション小委員会のほうでこれまでも様々な御質問、御意見をいただいていると承知しておりまして、今回も今の万博の話であったり、アニメ・漫画を取り巻く国内、海外における機運の高まりといったことについて共有いただき、誠にありがとうございます。
2点、大きく分けて御意見をいただいたかと承知しております。まず、先日恐らく連盟からユネスコに対して、漫画・アニメの取扱いについてユネスコに確認しているかと思うんですけれども、そういったユネスコの見解について文書でまとめた上で発表したらどうかというお話と、国内の都市の検討されているようなところに対して、アニメの部分についても含めて検討をUCCNの枠組みの中で申請をいただくことは可能だということを通知という形で示してはどうかといった2点の御案内をいただいたかと思っております。
まず、1点目のユネスコの件につきましては、UCCNのテーマについては、先日新しくテーマが広がったということもありますので、そういった状況も含めて改めて確認を取らせていただきたいと思います。そこでの検討も踏まえて、国内の加盟を考えていらっしゃるような都市に対して、どのような形で公表することができるかについても、積極的に検討してまいりたいと思っております。
改めて、御意見をいただき、ありがとうございます。
以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございます。佐藤委員が御質問くださったことというのは、この委員会でも再三議論されてきたことでございまして、それを最後に今佐藤委員がまとめて御質問くださったわけでありますけれども、佐藤委員がおっしゃるように、日本がいわゆる漫画・アニメ大国、そしてそれを基にした都市づくりということに対しても積極的に取り組んでいくことも非常に大切なのではないかと私自身も思っておりますので、ぜひその辺のところも積極的に推進していただけるとありがたいと思っております。
佐藤委員、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
【佐藤委員長代理】 はい。よろしくお願いします。
【事務局】 ありがとうございます。
それでは続いて、片岡委員、お願いします。
【片岡委員】 片岡でございます。よろしくお願いします。名古屋市の大変アクティブな事例を御紹介いただきまして、ありがとうございました。創造都市としても長らく積極的な活動をされていて、さらにアジアへもネットワークを広げられているということで、大変すばらしいなと思いました。
その上でなんですけれども、今後どのように募集をしていくのかということについて、先ほどの漫画・アニメの件もそうなんですけれども、このユネスコの委員会として戦略的にどこかをこちら側からプロアクティブにお声かけしていくのか、これは公募という形で、あまりこちらから恣意的に指名をするということはしないのかどうかという辺りも教えていただければと思ったんです。
といいますのは、先ほど先住民の話も少し出てきたかと思いますけれども、世界中で先住民文化の再評価ということは大変大きな動きとして広がっておりまして、とりわけ私が属しています現代アートの分野でも、従来のファインアートのジャンルに限定されず、様々な手仕事が残っている先住民の文化を継承した作品が主要な国際展などにも出てきているようになっているんですけれども、そうしますと、日本では、アイヌ文化もありますし、それから琉球の固有の文化もあります。そうした文化をこうした創造都市ネットワークの中で紹介していくということも一つ重要な役割なのではないかなと思っていまして、そういった戦略としての選定ということがあるのかどうかということを教えていただければと思います。
【井上委員長】 事務局のほう、いかがでしょうか。
【事務局】 御質問いただきまして、ありがとうございます。今後の公募の方針、戦略的に声かけをするのかといった御質問と承知しております。
まず、UCCNについては、現状、ユネスコからの公募を受けまして文部科学省のほうで公募をさせていただき、手挙げ式という形でそれに応募いただく形で選定させていただいているという状況にございます。
なので、今後についても、まずユネスコがどのようなスケジュールで進めていくのかといったことも情報収集をしながら検討させていただきたいと思うんですけれども、今、先住民の文化の再評価の関係で、アイヌや琉球といったテーマについても御紹介いたしましたが、そういった委員の皆様のネットワークであったり、御知見等で、ある都市がこういった形でUCCNに加盟するということが適切であったり、可能性としてあるのではないかといったものがございましたら、また事務局のほうにもそういった情報をぜひ共有させていただきまして、都市のほうに情報提供等をさせていただいて、UCCNについてより深く知っていただき、今検討していないところも含めて、UCCNの加盟都市というところの潜在的なところの発掘をより進めていければと思っております。
そういった形で、本日もそうですし、会議の場にかかわらず、委員の皆様でそういったネットワークの中で適切なところ等がございましたら、ぜひ情報共有をしていただけますと幸いでございます。
【片岡委員】 承知しました。ありがとうございました。
【井上委員長】 ありがとうございました。
今、片岡委員から御発言がありましたけれども、私もこれは「世界の記憶」国内案件に関する審査委員会でも、暫定リストを作成しながら、戦略的にその登録に向けて進んだほうがいいのではないかという意見も出されて、その暫定リストの作成も行っている状況でございます。そういう観点からいたしましても、片岡委員がおっしゃるように、戦略的申請の必要性というものがあるのではないかなと私も思いますので、ぜひその辺も含めて、事務局は大変でしょうけれども、進めていただければと思います。
どうぞ。
【事務局】 チャットをいただいておりました川村委員。
【川村委員】 質問でございます。先ほどは名古屋市のほうから、日本を代表しましてアンギャンレバンの会議に出席されたという報告を聞きまして、同じ名古屋市出身の人間としまして非常に勇気づけられました。ありがとうございました。
それで、今回の会議におきまして、先ほどの御報告にありましたとおり、人間中心のAI開発といったテーマでも議論がなされたということだったと思います。メモも先ほど見せていただきまして、大変印象深く思いました。
そこで、このテーマは非常に今、世界中の各都市が関心を持っているテーマだと思いますので、例えば先進的に本件に取り組んでいる都市が紹介されたというお話がありましたけれども、具体的にどのような成功例というものが紹介されたのか、少し、一つ二つ例をいただければと思います。
それから、そういった具体的な話につきましては、まさにこのUCCNのネットワークを形成する意義がそこにあると思いますので、それらをぜひサイトにおきまして共有ができるようにしていただけると大変有意義ではないかなと思っております。よろしくお願いします。
【井上委員長】 川村委員。ありがとうございました。
事務局のほうから、よろしゅうございますでしょうか。
【中川ユネスコ協力官】 ありがとうございます。差し支えなければ、今の御質問について、会議に参加されています江坂様のほうから共有いただけますと幸いでございます。
【江坂プログラム・ディレクター】 ありがとうございます。それにお答えする前に、2つほど、先ほど出ておりました議題について補足説明をさせていただきたいと思います。
まず、新しいカテゴリーなんですけれども、今年度から建築分野が増えることになっており、今までの7分野から8分野になります。
ただ、建築分野に関しては、2年間、暫定的にデザインの分野と連携していくということで、新たなネットワークとして大きく広げるというよりは、まずはデザインの分野と連携して建築のカテゴリーが増えるということになっております。
また、漫画・アニメについてなんですけれども、これは以前からも議論が出ておりますが、難しいのは、メディアアートの分野でも映画の分野でもアニメなどが取り上げられる。また、漫画に関しては、文学の分野でも取り上げられるということです。それを全て含んだ形でデザインの分野でも取り上げたりしておりますので、個別のカテゴリーにするべきなのかどうかということも含めて、これから議論が行われていくのかなと思っております。
また質問に戻りますけれども、具体的な事例として印象に残っておりますのは、ニュージーランドの都市で行われていたもので、全ての人にAIの環境を享受する仕組みをつくっていくということで、就業を手助けするため、あるいは様々な場所でAIが活用できるというその学びの場であり、それがその後就業に具体的につながっていくというワンガヌイという都市からの事例は、非常に印象深く残っております。
あとは、現実的に、先ほど出ました先住民の話もありましたけれども、そういった文化をどう継承していくのかというときに、AIを使ったアーカイブとか、いろいろな都市がいろいろな形、様々なアプローチで取り組んでいるということを改めて再認識いたしました。これについて、アーカイブなり何かの形でウェブサイトに掲出するなどのお話がありましたが、ぜひそういった形で準備が整いましたら共有する場が持てたらと思っております。
お答えになっておりますでしょうか。ありがとうございました。
【井上委員長】 ありがとうございました。
川村委員、よろしゅうございますでしょうか。
【川村委員】 ありがとうございました。大変明確にいただきました。どうも。
【事務局】 続きまして、小浦委員、お願いいたします。
【小浦委員】 小浦です。よろしくお願いします。ちょっと今までの議論で重なるところがあるかと思いますが、2点あります。一つはUCCNの戦略的申請の話と、もう一つは会議で出たAIの点です。
まずUCCNの戦略的申請については、これまでもこの小委員会で何度か議論があったかと思うんですけれども、基本が、各自治体、各都市が申請するというものを文科省がサポートするという仕組みだと理解しています。ただ、それに対してもう少し、国、日本としても戦略的に文化を発信していくというツールとしても、基盤としても、このUCCNを戦略的に使っていってはどうかという議論になったと理解しています。そういった点で文科省は、今のユネスコのこのUCCNの制度というのかな、仕組みの中でどういう立ち位置を取っていくかということの問いだと思うので、その辺りについては今後も議論が必要ではないかと理解しています。個人的には、戦略的に申請を進めていく、そういう仕組みづくりなのか、ネットワークづくりなのか、基盤づくりなのか、プラットフォームづくりなのか、何かそういうものが必要なのではないかと考えています。これが1点目です。それについては、文科省のほうで何かあればお知らせください。
それから2点目のAIについてはすごく問題意識を持って聞きました。最初にMONDIACULT2025のときにもポストSDGsの話が出ていたと思うんですけれども、次の時代に対して創造する、デザインする、あるいは人間性といったものと、このAIをどう使っていくかというのはすごく難しい状況にあるのではないかと思って、どんな議論があったのかということを非常に興味深く聞かせていただきました。
その中で懸案事項としてまとめられておられますが、このカスタマイズと標準化ということはすごく大きな問題だと思いますし、その中でクリエイティビティーというものをどのように考えていくのか。多様であること、それぞれが違うということが一つのこの文化の価値だと思うんですけれども、そういったことに対してどんな議論があったのか。どうしても平準化へ、平準化へと進みがちな技術に対して、クリエイティビティーであったり、文化というものの価値をどう位置づけておくかということはとても大事な論点だと考えていまして、それが現れてきているのがこのAIの問題かと思いましたので、どんな議論があったか、もし何かあればお聞かせください。よろしくお願いいたします。
【井上委員長】 小浦委員、ありがとうございました。
ここで江坂委員に、時間が押しております関係で、本当に短い時間になって恐縮ですけれども、何か今の小浦委員に対しての回答というか、こういうことだったら提示できるということをちょっとお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【江坂プログラム・ディレクター】 ありがとうございます。これは本当に簡単にお答えできることではなくて、多分ユネスコの会議の中でもすごく議論が活発だった理由の一つとして、答えがなかなか見つけられないということがあるかと思いますけれども、先ほどもお伝えしておりましたように、AIとの関係性をどう見るのかということが非常に重要になってくるかと思うんです。
例えば、南米ボゴタにおけるAI活用の文化計画などとか、ワンガヌイの先ほどお話ししましたコミュニティカフェ「ビズカフェ」というプロジェクトがあるんですけれども、AIと草の根のエンパワーメントの融合というのは、地域イノベーションがいかにグローバルな思考をリードできるかというのを示しており、そのトップダウン型のツールからボトムアップ型の機会へAIを使って再構築していくという試みに取り組んでいらっしゃるということです。
まとめるのが難しいんですけれども、AIは単なる自動化ではなくて、物語を伝える、記憶を保存する、地域企業を成長させていく、新しいクリエイティブ産業を活性化するために活用されるということがすごく重要になってくると思います。なので、文化と生態系の知性に根差した都市設計などにAIを結合したりとか、都市が世界的な技術トレンドを受動的に受け入れるのではなくて、倫理的で創造的なイノベーターになるように支援していくといったことが意見として出されました。
私自身がまだ完全に理解しているわけではないので、非常に答えが曖昧になってしまいますが、これでお答えになっていますでしょうか。
【井上委員長】 ありがとうございました。これはもう本当に非常に難しい問題で、これから継続的に議論していく必要があるのではないのかなと思います。
小浦委員、ごめんなさい。時間の関係で、ここで切らせていただいてよろしゅうございますか。
【小浦委員】 はい。ありがとうございます。
【井上委員長】 それでは、髙橋先生がまだ残っていらっしゃいます。
【事務局】 最後に、髙橋先生、恐縮ですが手短にお願いいたします。
【髙橋委員】 髙橋です。創造都市ネットワークの足元の状況と今後の方向性についての御説明を興味深く聞かせていただきました。どうもありがとうございました。
その上で、ちょっと的外れな質問だと思うんですが、また文科省の方への質問になるかもしれないんですけれども、御説明の中に、創造都市ネットワークの活動状況を広く知ってもらうという意味で、カルチャーツーリズムという御発言もありました。それで、ちょっと的外れかもしれないんですけれども、最近時、インバウンドもあってオーバーツーリズムの問題がかなりクローズアップされていると思いますし、マスコミの報道等を見ると、これは日本だけではなくて、パリとかスペインとか、いろいろなところで起きているということがありました。
創造都市ネットワークを推進するこの活動自体は地道な活動だと思うんですけれども、特定の都市に偏っているわけでもないということから考えると、長い時間軸で考えると、このオーバーツーリズムの問題を解決するのにも、創造都市ネットワークを強化することが、こういった短期的に起きているオーバーツーリズムの問題に対する解決の手段にもなっていくのではないかと。特定の地域に観光客等々が集中するのではなくて、地道に創造都市ネットワークが活動されているところに広く分散していくということにもなると思いますし、このような観点が創造都市ネットワークを支援するという観点であるのかどうか。また、仮に効果があるとすると、文科省サイドで国としてもこういった活動を支援する一つの動機づけにもなるのではないか、予算をつけるとかということも含めて、動機づけにもなるのではないかと思ったのですが、すみません、ちょっと的外れな質問かと思うんですけれども、もし文科省サイド等々で何かお考えになっていることがあれば、教えていただければと思います。
【井上委員長】 ありがとうございました。事務局のほうから。
【北山国際統括官】 いろいろと御指摘をいただきましてありがとうございます。先ほどございました戦略的申請という点についてでございますけれども、ユネスコのほかの登録事業の世界遺産であるにせよ、無形遺産であるにせよ、自治体のほうでその機運が醸成されて、その申請書の案が作られ、それを文化庁が一緒になってブラッシュアップし、最終的には閣議決定をしてユネスコに申請しているという形になっているということがございまして、「世界の記憶」についても同様なんですけれども、戦略性というのは持ちつつも、最初の出発点のところは申請者の方々の御努力をいただかざるを得ないというのが現状かなと思っております。
ただ、UCCNの関係で、世界各国を見渡したときに中央政府がどのように関与しているのかというのは今後検討の上、次回以降のこの会議で御相談させていただくことになるのかなと思いながらお話を伺っておりました。ちょっと宿題とさせていただければと思います。
あと、UCCNの関係がオーバーツーリズムの解決手段にもなるのではないかというお話でございましたけれども、まさにそういうことかなと思っております。ちょうどユネスコに我が国が加盟して75周年という切りのいい年が来年来ますので、それに向けていろいろなことに取り組めればなと思っておりまして、それが日本各地にあるユネスコの登録ものを巡るような、観光と学びみたいなことにもつながっていければいいんではないかなと思います。
また、このUCCNの関係が観光庁などとどのようにつながっていたのかということは、追って勉強して、次回以降のこの会議で御相談させていただければと思っております。
以上です。
【井上委員長】 ありがとうございました。
皆さんからまだまだいろいろな御意見をいただきたいところでございますが、時間の関係で次の議題に移らせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
それでは続きまして、議題5に移らせていただきます。その他としておりますが、本議題では、来年2026年に日本がユネスコに加盟して75周年を迎えることを記念して実施する取組について、委員の皆様より御意見を賜れればと考えております。まずは、資料5に沿って、事務局から御説明いただきます。
それでは、事務局から、よろしくお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 資料5に沿いまして、議題5について御紹介させていただきたいと思います。冒頭、北山のほうからも話がございましたとおり、来年にかけて我が国がユネスコに加盟して75年を迎えるという節目に当たりますので、こちらの「日本のユネスコ加盟75周年に向けて」といった資料に基づき、どういった形で今後、国内委員会として機運を高める活動を行っていくかという形で議論をいただければと思っております。
こちらの資料5は、3月に開催されましたユネスコ国内委員会の総会の資料を基に、頭のこちらにございますとおり、7月の科学小委員会・教育小委員会における議論を受けて、下線の部分を追記させていただいております。また、文化・コミュニケーション小委員会の関係でも、4の記念イベント登録の関係で、こちらのとおり、UCCN・CCNJの合同会議や「世界の記憶」関係のイベントを追記させていただいているという形でアップデートさせていただいているところでございます。
今回のこちらの資料を基に、委員の皆様から本日も御意見を賜れれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明を受けまして、大変皆様には恐縮でございますけれども、短い時間になりますけれども、11時28分頃をめどに御議論いただければと思います。御意見、御質問のある方は、挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。
なお、指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】 それでは、佐藤委員、御発言をお願いいたします。
【佐藤委員長代理】 ありがとうございます。日本ユネスコ協会連盟の佐藤です。具体的な策の前に大切なのは、この事業の意味合いです、意義です。昭和26年に、平和を掲げてユネスコの加盟を推進する市民による運動が全国に広がって、ユネスコへの加盟が実現したと考えております。それから75年ユネスコ活動を続けてきましたけれども、世界情勢は平和な理想に近づいたのかどうかという問題です。
現在では、第二次大戦の前夜の1930年代に似ているという指摘があります。ウクライナ戦争やガザの紛争がありますけれども、民主主義は後退して、自国第一主義という考え方が勢力を強めており、我が国でもこの流れが押し寄せているということで、少し過激なほうがいいという意見もあったと思います。歴史上を見ると、ナチスが科学とか教育とか分野の介入によって国民を戦争に引きずり込んでいったということがあります。これを再び繰り返さないように、ユネスコ憲章は、公正で正しい教育・科学分野の発展が重要であると説いていると思います。しかし、現在、時代は振出しに戻っていると言えます。
このような中でユネスコが平和のためにはどんな活動をしているのかということを我々は説明する責任があると思います。現在、国内委員会の活動ですが、戦争や平和を意識したものが少なくなって、平時かつ専門的な、一般の人には難解な報告が多くあると思います。戦争のリスクをひしひしと感じている国民の感覚とずれはないのか、チェックする必要があると思います。75周年を迎える今は、ユネスコ活動の原点をもう一度再確認する機会だと思います。そのためには、ユネスコ憲章がなぜ教育、科学、文化を平和のために必要としているかということを分かりやすく訴えていくことが重要です。なぜならば、ユネスコ関係者であっても、平和のとりでという言葉しか知らない人が多いと思います。
それから2つ目には、ユネスコの精神を広めるためには、仲間うちのユネスコ関係者だけではなくて、広く一般の国民が共感できる活動を行うことが重要だと思います。このことは法律も要求していることであります。
具体的には、私どものメンバーの西野委員に考えてもらいましたので、後ほど、小委員長、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
【井上委員長】 ありがとうございました。佐藤委員、極めて貴重な御意見をありがとうございました。
【中川ユネスコ協力官】 もしよろしければ、今御紹介がありましたとおり、西野委員から具体について御意見をいただけますと幸いです。
【西野委員】 ありがとうございます。杉並ユネスコ協会の西野でございます。75周年の記念事業は、ユネスコへの理解を国民へ広げる普及活動の第一歩と位置づけ、今後の継続的な広報展開へとつなげていくことを御提案いたします。
理念を分かりやすく魅力的に伝えるためには、平和への思いをもって活動され、かつ発信力のある著名人の力をお借りすることが効果的です。今回はそのための3つの展開を考えました。
1つ目は、ユネスコ75周年アンバサダーの設置です。教育、科学、文化の各分野から、ユネスコの価値観に共鳴し、社会的信頼の厚い著名人にアンバサダーとして御協力いただく案です。例えば、世界遺産や国際協力に関心が深く、発信もされていらっしゃる俳優の鈴木亮平さん、また長年にわたり文化振興や平和教育に取り組んでいらっしゃる日本漫画家協会理事長の里中満智子先生などが候補の例として考えられます。
2つ目は、75周年記念フォーラムを社会へ広く情報発信することです。フォーラムにはアンバサダーにも御登壇いただき、対談形式でユネスコの理念や平和への思いを語っていただきます。当日は、新聞、テレビ、ネットメディア等にも呼びかけ、記事にしていただくことで、フォーラム自体が広く社会に開かれた情報発信の場となります。あわせて、75周年の記念事業全体を取材していただき、ユネスコの存在意義への理解へつなげることができると考えます。
3つ目は、著名人によるピースメッセージの展開です。アンバサダーを含む数名の著名人から、約300字程度のイメージですが、平和への思いを込めたメッセージを御寄稿いただき、それを基にチラシやポスターを制作する案です。これらは、国内委員会のネットワークを通じて、企業や教育機関、文化施設などに広く配布します。例えばですが、国内委員会から経済団体に依頼し、団体の加盟企業内で掲示してもらうことや、メディアを使った展開では、テレビ番組「世界遺産」を提供している企業やテレビ局などへ協力依頼をするなど、影響力の高い広報展開が見込めます。また、御協力いただく著名人の皆様にSNSなどで発信いただければ、若い世代へも関心が広がることが期待できます。
国内委員会には、各分野で高い専門性と影響力をお持ちの方がおそろいです。皆様のネットワークと知見を生かしていただくことで、著名人との連携から広報展開まで、実現性が高く、より意義のある記念事業となるはずです。文科省の皆様にはぜひとも御尽力いただきたくお願いいたします。
最後に、繰り返しになりますが、ユネスコ加盟75周年は、国民とユネスコとの距離を縮め、理念への共感を育てる貴重な機会です。ぜひ国民への普及の視点から実施いただきたく、御検討をよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。ありがとうございます。
【井上委員長】 西野委員、貴重な御意見をありがとうございました。
【中川ユネスコ協力官】 ありがとうございます。大変恐縮ですけれども、時間がちょっと押しておりますので、もし差し支えなければ、委員の方々から今たくさん手を挙げていただいておりますので、川村委員、添石委員、小浦委員、今、手を挙げていらっしゃっている4名の方、申し訳ありませんが、時間が限られておりますので、先に御発言をいただきまして、再度文部科学省としてコメントをさせていただければ幸いでございます。
【川村委員】 ありがとうございます。委員の川村でございます。ただいま佐藤委員、西野委員から極めて具体的な御提案をしていただきまして、私として、まさに今考えていたことを御発言いただいたという意味で、大変感謝を申し上げたいと思います。そして、またこのような御提案に賛同したいと思っております。
1点、これに付け加えまして、私からは、国民とユネスコの距離を縮める、それから原点に戻る、こういう御趣旨のお話でしたけれども、私の関心というか、提案は、国民の皆様に伝えるメッセージの中身についてなんですけれども、一丁目一番地に来ますのは、まさに日本としてユネスコにどう向き合っていくか。すなわち、現在ユネスコが置かれている困難な国際情勢、アメリカの脱退、それからウクライナ、ガザにおける子供たちを含めました、ユネスコが関わっている各分野におけるユネスコの対応の危機、そして新しい事務局長が誕生するという、こういう挑戦と、それから機会と両方が来年は訪れるわけですけれども、その中におきまして、特に日本がどのような形でユネスコの抱えている問題と向き合って、どうユネスコを支えていくのか、あるいはしてきたのか、こういった視点をぜひ一丁目一番地のメッセージとして入れて、その上で国内各界の皆さん、国民の皆さんから、どのような関与の仕方があるのかといったことを議論して高めていくと、こういう相互通行でシンポジウムなりセミナーなり情報発信なりが行われていくと大変有意義かなと思います。どうかよろしく御検討のほどお願いします。
【中川ユネスコ協力官】 ありがとうございます。
続きまして、添石委員、お願いします。
【添石委員】 ありがとうございます。私は沖縄県ユネスコ協会の添石と申します。今年、戦後80周年を迎えるに当たり、特に沖縄においては、慰霊の日であったり、せんだって天皇陛下も沖縄にお越しいただいていろいろなところを御訪問いただき、この80周年に対する思いというのは非常に強く、いろいろなイベントが開催されております。
そういった中で、私がユネスコの国内委員に就任するに当たり、様々な行政あるいは民間からも私に対する非常に期待感はあります。ただ、残念ながら、まだまだこの日本ユネスコ国内委員会の存在であり、取り組んでいる事業というものがなかなか周知されていない中で、来年開催される75周年というのがぜひ国民に広く知れ渡るような事業を展開してほしいなと思っています。ですから、単なるお祝いではなくて、このユネスコの理念に基づいた我々の活動があるということを広く周知していきたいので、先ほどの西野委員の発言とも重なるところがあると思いますけれども、この機会にぜひこの活動の趣旨を広く伝えていくということには重きを置いていただきたいなと思っております。
先ほど説明のあった東アジア文化都市であったり、創造都市ネットワークであったり、これまで積み重ねてきた国内委員会の事業はたくさんあるはずですので、ぜひそれを広く周知できるように、どうか一緒になって活動していければなと思います。よろしくお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 ありがとうございます。
それでは続きまして、若林委員、そして最後にその後、小浦委員でお願いいたします。
【若林委員】 NPO法人大阪ユネスコ協会の若林と申します。戦後80年ということになりますが、広島、長崎の原爆以外に、模擬原爆というものが日本49都市に投下されました。大阪の東住吉のほうにもその模擬原爆が投下され、少なからず被害を受けられた方がいらっしゃいます。
その記念追悼式というのが先日も行われ、参加させていただいたときに、今、戦争を知らない子供たちがたくさん増えている中で、その追悼式を迎えるに当たって、いろいろなことを自分たちの力で学び、聞き、そして答えを出そうとして発表してくれました。その中で一番心に刺さったのは、「戦争はどうしてなくならないんでしょう。今、世界で行っているものをどうしたら止められるのでしょう」という言葉が大変胸に刺さっています。その中で彼らは、そういった悲劇を自分たちがちゃんと見聞きし、捉え、そしてそれを伝えていくことが戦争をなくすことだという答えを出されていました。
75周年の普及活動におきましても、そういう小さい若い、これからの世代の方々が、自分のこととして受け止めて、そしてユネスコの普及活動がその彼らの思いに応えられるような普及活動であるということを示していることを分かっていただけるよう、記念事業で紹介できればなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【中川ユネスコ協力官】 続きまして、小浦委員、お願いいたします。
【小浦委員】 小浦です。今の御意見と似ているところがあるんですが、若い人、次の世代とか未来に向けてのメッセージがあるようなものになってほしいなと思います。単なる振り返りであったりとか、こういうことをしてきたという広報と同時に、それが次の時代にどうつながっていくのか。特に今日はAIの話がありましたけれども、新しいいろいろな文化、教育、科学に関わる技術も出てきていますし、それが倫理的な面まで関わってくるという今の状況の中、しかも国際という概念がグローバルな中で変わっていくような気がするんです。国同士というよりも、何かもっとダイレクトなつながりになっていく。そんな中で、違うということを認めた平和の在り方というか、そういうものをうまく次の世代の人が生活感覚として、さっきお話がありましたけれども、自分の感覚として分かるように、そういうメッセージの出し方が欲しいなと感じています。
初めてこの国内委員会に参加させていただいたときに、すごく違和感があったんですね、私自身が。そういったものは、国としてあるいはユネスコという少し遠いところのもののように見ていたものが、いろいろ議論を始めて、ようやく近くなってきた、私自身が近くなってきたという感覚を今受けています。何かもう少し生活感に近い発信の仕方を考えていきたいと思います。私自身も考えてみたいと思います。ありがとうございます。
【井上委員長】 皆様、ありがとうございました。本来であればもう少し議論を続けたいところでございますけれども、時間の関係からここで一旦議論を区切らせていただきたいなと思いますけれども、皆さんからいただいた御意見に対して、事務局から何か御説明あるいは補足説明等々ございましたらば、それだけ伺いたいと思います。
【北山国際統括官】 委員長、ありがとうございます。75周年について、いろいろな御意見をいただきまして、ありがとうございました。
この日本ユネスコ国内委員会ですけれども、そのリストを拝見するだけで、本当に様々な方々の御参画をいただいている委員会だということになりまして、そちらの皆様方に、特に企業の関係の皆様方も含め、様々な御協力をいただきながら、この75周年で日本人への発信、あとそういう発信をやっているんだということをユネスコ場裏でも伝えていけるような取組というものが行えればいいかなと思っております。
せっかくのこういう機会でありまして、ほかの小委員会でも様々御意見をいただいているところでありますので、それを煮詰めた形でまた御相談をさせていただければと思っております。
以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございました。今日予定されていた終了時間が11時半でございますけれども、あと少しだけお時間をいただければと思います。
それでは、ほかに委員の方々から何かございますか。
もしなければ、最後になりますが、本年11月30日をもって任期満了により佐藤美樹委員長代理と私が委員を退任いたします。まず、退任される佐藤委員長代理から一言御挨拶をいただければと思います。佐藤委員、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【佐藤委員長代理】 ありがとうございます。この国内委員会には長い間お世話になりました。本当にありがとうございました。
7年前に今の3つの小委員会制に改組されて以降、私たちの民間ユネスコ活動を推進するという立場から、専門家の皆さんにも一般の国民視点の御意見をお伝えすることができたと思っております。ユネスコ活動の普及のためには、国、自治体、市民や民間団体がそれぞれの役割を認識して活動することが必要であります。そして、その司令塔がこの国内委員会であると考えます。まだまだ道半ばでありますけれども、今後も、どうすればユネスコを分かりやすく一般の人たちに伝えていくのか、専門家の皆さんとともに協力していくことを期待しております。どうもありがとうございました。
【井上委員長】 恐れ入ります。私から、最後に一言だけ申し上げたいと思います。
まず、この小委員会では、各委員の方々、そして何よりも事務局の方々に本当に御支援いただきまして、何とか委員長の役割を続けてくることができたわけです。ただ、委員長というのは名ばかりでございまして、単なる進行役を務めたにすぎないわけであります。しかし本委員会において、皆様とともに様々な問題に対して議論する時間を持てたこと、これは私にとって非常に大切な時間であったと心から感謝申し上げたいと思います。
そして最後に、この小委員会がさらにユネスコの存在意義と意味を確認する、そしてさらによりよい平和的な社会実現に向けて発展することを私は心から願っております。本当に皆様、長い間お世話になりました。ありがとうございました。
【中川ユネスコ協力官】 ありがとうございます。
それでは、本日の議論は以上となりますけれども、本日の文化・コミュニケーション小委員会における議論については、9月2日を予定しております第157回日本ユネスコ国内委員会総会において井上委員長より代表して御報告をいただく予定でございます。その点、情報共有でございます。
それでは、最後、井上委員長より会議を閉めさせていただきたいと思います。
【井上委員長】 それでは、以上をもちまして、本日の第14回文化・コミュニケーション小委員会を閉会いたします。
本日は、御多忙の中、出席いただきましてありがとうございました。また、会議時間を超過いたしまして、申し訳ございませんでした。どうぞまたひとつよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
―― 了 ――
国際統括官付