令和7年3月4日(火曜日)10時30分~11時30分
対面・Webのハイブリッド開催
(委員)
井上洋一委員長、岡本美津子委員、片岡真美委員、川村泰久委員、黒川廣子委員、小浦久子委員、肥塚見春委員、佐藤美樹委員、添石幸伸委員、髙橋秀行委員、西野裕代委員、松田陽委員、若林美和子委員
(関係団体)
渡辺直行あさひかわ創造都市推進協議会会長
(関係省庁)
木南秀隆文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室室長補佐、青山惠津子文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室世界文化遺産企画係長
(事務局)
渡辺その子国際統括官(日本ユネスコ国内委員会事務総長)、匂坂克久国際統括官付国際交渉分析官(日本ユネスコ国内委員会副事務総長)、本村宏明国際統括官付国際戦略企画官(日本ユネスコ国内委員会事務局次長)、岡田健裕国際統括官付ユネスコ協力官(日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐)、その他関係官
【井上委員長】 皆様、おはようございます。本日は御多忙のところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。会議に先立ち、事務局は定足数の確認及び事務連絡をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】 事務局から失礼いたします。
現在、出席の委員が12名で、全員16名の過半数ですので、定足数を満たしております。また、本日は報道関係者の取材及び一般からの傍聴を受け付けており、Zoomにて傍聴いただいております。
なお、オンラインで御出席の委員におかれましては、カメラをオンにしていただき、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、お手数ですが、委員の皆様方には御発言いただく際には、お名前をお名のりいただいてから御発言をいただきますようよろしくお願いいたします。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまより、第13回文化・コミュニケーション小委員会を開催いたします。本日の議事については、全て公開とさせていただきます。御発言は、議事録としてホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
それでは、まず、前回会議以降、委員の異動がありましたので、議事に先立ち、事務局から報告をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】 事務局から失礼いたします。
昨年12月1日付で新たに着任された委員がおられます。五十音順に失礼いたします。岡本美津子委員、添石幸伸委員、西野裕代委員、堀木卓也委員、松田陽委員、山内和也委員、若林美和子委員でございます。
【井上委員長】 それでは、新たに御着任された委員も多くいらっしゃいますので、皆様から一言ずつ、御挨拶をお願いしたいと思います。御所属とお名前程度で問題ございませんので、よろしくお願い申し上げます。それでは、指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】 それでは、井上委員長、よろしくお願いいたします。
【井上委員長】 この委員会の委員長を務めさせていただいております、奈良国立博物館館長の井上でございます。新たな委員をお迎えし、もう本当に我々、心強い限りでございます。また、この委員会が本当にすばらしいユネスコ活動の一端を支える委員会であることを皆様と一緒に確認し、そして、よりよい委員会として盛り上げていただければと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【事務局】 続きまして、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 皆様、はじめまして、岡本と申します。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻というところにおりまして、芸大というと、美術、音楽が非常に有名ですけれども、今は映像及びアニメーション、またゲームなどを扱う部署におります。この分野も国際的にいろいろな注目を浴びている分野ですので、ぜひ何か尽力できればと思っております。よろしくお願いします。
【事務局】 続きまして、片岡委員、お願いいたします。
【片岡委員】 引き続き委員を務めさせていただきます。森美術館というところで現代美術を見せており、また国立アートリサーチセンターでは国立美術館を中心とした美術館を通してのアートを振興しておりまして、多岐にわたる活動をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】 続きまして、川村委員、お願いいたします。
【川村委員】 引き続き委員を務めさせていただきます、川村泰久と申します。よろしくお願いします。私のバックグラウンドは、元国連で大使をしていた関係で、ユネスコとの縁が深いということであります。ユネスコが日本の国際的な地位、そして国際的な活動に大変有効な場を提供しているということで、このユネスコの国内委員会の場を通じまして、引き続き何らかの貢献ができれば大変ありがたいと思っております。どうか引き続きよろしくお願いします。
【事務局】 続きまして、黒川委員、お願いいたします。
【黒川委員】 引き続き委員を務めさせていただいています、東京藝術大学大学美術館館長の黒川と申します。文化庁の無形文化遺産部会の委員を務めている関係上、こちらの委員会に参加していると思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
【事務局】 続きまして、小浦委員、お願いいたします。
【小浦委員】 奈良文化財研究所で客員研究員をしております小浦です。引き続きよろしくお願いいたします。専門はアーバンデザインとか景観ですけれども、世界文化遺産部会に参加しており、また、今は文化的景観ということで、文化財関係のカルチャーランドスケープの調査研究を進めています。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】 続きまして、肥塚委員、御発言いただくことは可能でしょうか。
【肥塚委員】 肥塚見春でございます。引き続きよろしくお願いいたします。
【事務局】 続きまして、佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】 日本ユネスコ協会連盟の佐藤です。協会連盟というのは、全国にあるユネスコ協会の取りまとめみたいな役をしている組織です。そこの会長をしております。この委員会は多分、一番長いと思いますので、昔のことなら何でも聞いてください。よろしくお願いします。
【事務局】 続きまして、添石委員、お願いいたします。
【添石委員】 初めまして、沖縄県ユネスコ協会の会長をしております添石と申します。本業は税理士をしておりまして、那覇市内で税理士法人の代表をしております。20年以上前から青年経済団体や、地域活動を通して、教育と文化・芸術に深く関わったことがあります。2014年の欧州、東アジア文化都市を日本国内で始めた際に、那覇市に誘致するための活動をしたりとか、また、そのために欧州文化史等の研究でフランスのマルセイユやフィンランドのヘルシンキなどを視察した経緯があります。そのような経緯もあり、今回、この小委員会に所属することになりました。ぜひいろいろと勉強させてください。よろしくお願いいたします。
【事務局】 続きまして、髙橋委員、お願いいたします。
【髙橋委員】 阪和の髙橋でございます。よろしくお願いいたします。私は民間企業出身ということで、国内委員をやらせていただいております。もともと銀行員だったので、いろいろな会社の社外役員をやっているのですが、ユネスコ全体の活動においては、最近は、民間企業のSDGsの活動等でユネスコ活動と接点があることも増えていると認識しております。ぜひそのような意見を反映させていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【事務局】 続きまして、西野委員、お願いいたします。
【西野委員】 東京杉並ユネスコ協会で活動しております西野裕代と申します。よろしくお願いいたします。私は、かつて民間ユネスコ活動が、国際社会への復帰を招いたように、この激動の社会だからこそ、改めてユネスコの活動を民間に広げていきたいなという思いで活動しております。どうぞ皆様から御指導、御鞭撻いただきたく、よろしくお願いいたします。
【事務局】 野間委員、堀木委員が本日御欠席ですので、続きまして、松田委員、お願いいたします。
【松田委員】 東京大学の松田陽でございます。専門は、文化遺産のつくり方と使い方というふうに最近よく言っております。文化遺産関係のことを調べておりまして、ユネスコとの関わりということで言えば、文化庁の文化審議会の下の世界文化遺産部会と無形文化遺産部会の委員を務めております。また、文科省が管轄する「世界の記憶」事業の委員もやっております。
若い時、それこそ学生時代からユネスコには関心がありまして、あまりにも関心が強かったためにユネスコでインターンシップを20年ぐらい前にやり、その後コンサルタントとしても少しだけ働いていた経験がございます。その意味でも、今回、このユネスコ国内委員会の活動に関われることを大変嬉しく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】 続きまして、若林委員、お願いいたします。
【若林委員】 大阪ユネスコ協会の事務局長をしております、若林でございます。民間のユネスコ活動の推進という形で、事務局が大阪の難波宮のすぐ横にございますので、皆様に大阪の文化を知っていただきたいということと、世界無形文化遺産登録になりました和食の普及とか、本当に民間レベルの活動しかしておりませんので、皆様のいろいろな御意見をお聞きして、活動に生かしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】 山内委員が本日御欠席ですので、本日は以上となります。
【井上委員長】 ありがとうございます。
それでは、最後に渡辺統括官から一言御挨拶いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【渡辺国際統括官】 文科省国際統括官の渡辺でございます。併せまして、日本ユネスコ国内委員会の事務総長も拝命しております。
文化・コミュニケーション小委員会でございますけれども、世界遺産、無形文化遺産をはじめ、ユネスコのいろいろな関心の高い事業、プログラムを扱っております。その中で国内の皆様が思っていることと、ユネスコ本来のプログラムの目的というのは少しずれがあり、この分野は、一番ずれが大きい分野と考えております。そのため、自身もそういう役目があると思っておりますが、どう伝えるかが重要と考えております。また、地域の方には、登録されたり、プログラムに参加することで元気になってもらえるのはとてもよいことではあるのですが、国際社会の中でどうあっていくのかということにも思いを致していただけるような私どもの活動であったらいいなと思っております。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、本日の会議の議事及び配付資料について、事務局より説明をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】 では、事務局の岡田より失礼いたします。
本日の資料は、配付資料が資料1から資料6の6点、続いて附属資料が1点、参考資料が1から4の4点ございます。まず配付資料ですが、資料1が「ユネスコ文化及び情報・コミュニケーション分野の主な事業について」、資料2が「世界文化遺産及び無形文化遺産について」でございます。それぞれ議題1及び2において国際統括官付及び文化庁から御報告を申し上げます。続けて、資料3「世界の記憶について」ですが、議題3にて国際統括官付より御報告いたします。資料4「ユネスコ創造都市ネットワーク2025年新規加盟申請国内公募について」ですが、こちらは議題4にて公募結果を御報告いたします。資料5「ユネスコ創造都市ネットワーク国内ネットワーク会議・創造都市ネットワーク日本国際ネットワーク部会について」でございますが、こちらは議題5にて国際統括官付より御報告いたします。そして、資料6「ユネスコ創造都市ネットワークデザイン都市旭川会議について」でございますが、こちらは議題6にて、あさひかわ創造都市推進協議会の渡辺会長より御報告いただきます。
また、前回から新たに附属資料という資料を作成しております。こちらはユネスコの中期戦略における文化・コミュニケーション分野の位置づけに始まりまして、そうした戦略の下、直近のユネスコ執行委員会でどのような議論がされ、また、どのような国際会議が開催されてきているのかということ、そしてまた、今後の予定を含めまして記載しているものでございます。適宜、御参照いただけますと幸いです。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、議事を始めます。まず議題1の「ユネスコ文化及び情報・コミュニケーション分野の主な事業」です。昨年12月に委員の交代がありましたことから、本委員会で扱うユネスコの事業について部分的に御説明いただきます。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】 資料1を御覧ください。今回、初めて就任された委員もいらっしゃいますので、本小委員会に関係するユネスコの事業について、簡潔に御説明いたします。時間の都合上、詳細を読み上げることはせず、要点に絞ってお話しさせていただきます。
2ページを御覧ください。分野の話に入る前に、簡単に、ユネスコの概要を御紹介します。ユネスコは、その英語名称の各頭文字をとった名称で、1946年に設立されました。日本の加盟は1951年、戦後最初に加盟した国際機関です。今、御覧いただいているのは「ユネスコとは」という資料と存じますが、資料の中段にユネスコ憲章の有名な一文を記載しております。あらゆるユネスコの事業は、この基本原則の下に運用されるべきであると私どもは理解しております。
それでは、3ページを御覧いただければと思います。こちらはユネスコという組織の概要でございますが、資料中段に写真が掲載されているのが現在の事務局長、オドレー・アズレー氏です。本年11月のユネスコ総会において、次期事務局長を決める選挙が行われる予定です。事業の概要として5つの分野を挙げておりますが、それぞれについて代表的なプログラムを掲載してございます。
それでは、資料の4ページを御覧いただければと思います。日本のユネスコへの関与についてでございます。詳細は割愛いたしますが、一つの加盟国、委員国、またいろいろなプログラムの委員国として、ユネスコ総会や執行委員会に参画しているほか、分担金、任意拠出金等を通じた貢献も行っております。
続いて5ページを御覧いただければと思います。ここから主な事業を何点か御紹介いたします。まず、「世界の記憶」です。これは世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進する事業で、国際登録、そしてアジア太平洋地域登録の2つの登録事業が運営されております。我が国からは御堂関白記など国際登録8件、地域登録が1件ございます。
6ページにお進みいただきますと、アジア太平洋地域登録の概要を掲載しております。後ほどまた申し上げますけれども、我が国からの登録は残念ながら低調でありますので、今後、一層の振興を図る必要があると考えております。詳細は後ほど御覧いただければと思います。
7ページにお進みいただきますと、我が国に関連する登録案件の一覧を掲載しております。先ほど申し上げました御堂関白記のほか、他国との共同申請として、慶長遣欧使節関係資料及び朝鮮通信使に関する記録などがございます。
8ページに、「世界の記憶」の直近の動きを掲載しております。直近では、2023年11月、資料中段の「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書」及び「広島原爆の視覚的資料-1945年の写真と映像」をユネスコに申請いたしました。4月に開催されるユネスコ執行委員会で登録の可否が決定される見込みでございます。
続いて、9ページを御覧いただければと思います。こちらはまた事業が変わりまして、ユネスコ創造都市ネットワーク(略称UCCN)の説明でございます。この事業は、創造性(クリエイティビティー)を核とした都市の間の国際的な連携により、地域の創造産業の発展を図り、都市の持続可能な開発を目指すものでございまして、世界の加盟都市は350、我が国からは11都市が加盟しております。各加盟都市は資料の中ほどに記載しております、文学、映画といった7分野のほか、2025年の新規加盟公募で追加された建築分野を合わせて計8分野のいずれかに登録することとなっております。世界を見ますと、フランスのカンヌが映画分野、イギリスのリバプールが音楽分野で登録されております。加盟申請は原則2年に1回でして、昨日、2025年公募への申請を行いましたので、後の議題にて御報告いたします。
10ページを御覧いただきますと、日本からの加盟都市を掲げております。直近では、2023年に岡山市が文学分野で登録されております。
次のページ、世界遺産について御説明いたしますが、議題2におきまして、後ほど直近の動きを御説明いたしますので、簡潔にこちらは失礼いたします。世界遺産は、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約に基づき運営されているもので、我が国では1992年に発効いたしました。現在、文化遺産952件、自然遺産231件が世界で登録されております。なお、政府内における分担といたしましては、文化遺産は文部科学省の文化庁、自然遺産は環境省が所管しております。
次に、我が国の世界遺産の一覧を記載しております。黄色の網かけが文化遺産、白が自然遺産でございまして、直近では、昨年7月に佐渡の金山が登録されております。文化遺産については暫定一覧表というリストが作成されておりまして、この中から申請案件を選定していく仕組みとなっております。先ほど申し上げましたが、次の議題におきまして、現在申請中の案件について詳細を御説明いたします。
次のページを御覧ください。無形文化遺産について御説明いたします。無形文化遺産とは、口承による伝統及び表現、芸能、社会的慣習、儀式及び祭礼行事、伝統工芸技術といったもので、無形文化遺産保護条約に基づき運営されております。世界では667件、我が国からは23件が登録されており、その一覧を資料の下の半分に記載しております。この点も、次の議題で詳細を御説明いたします。私からの説明は以上です。
【井上委員長】 それぞれの事業に関しましては、議題2以降で取り上げておりますので、質問はそれぞれの議題の際にしていただきますようお願い申し上げます。
それでは、続きまして、議題2「世界文化遺産及び無形文化遺産」です。本委員会では、世界遺産についてユネスコへの申請に当たっての審査等は担当しておりませんが、ユネスコの文化・コミュニケーション分野における取組でありますことから、御報告いただくこととしております。
それでは、文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室の木南秀隆補佐から、御報告をお願い申し上げます。よろしくお願いします。
【木南文化遺産国際協力室長補佐】 文化庁の木南でございます。世界文化遺産及び無形文化遺産につきまして、最近のトピックを御報告させていただきます。
資料につきましては資料2、13ページの資料を御覧いただければと思います。まず、世界文化遺産についてでございますけれども、世界文化遺産につきましては、我が国の多様な文化を世界に紹介するという観点につきまして、様々な時代、分野をできるだけ幅広くカバーするということも考慮しつつ、申請を行っているところでございます。
今般、「飛鳥・藤原の宮都」を推薦いたしました。概要のとおり、「飛鳥・藤原の宮都」は、日本列島においてはじめて生まれ、後代にも文化的影響を与えた古代国家の宮都の考古学的遺跡群ということで、東アジアの古代国家形成期において、中央集権体制かが誕生・成立した過程を、2つの連続する時代の宮都の変遷から示すことができる唯一無二の資産であるとして推薦してございます。
構成資産については、資料のとおりです。今後の審査に係るスケジュールでございます。今年1月にユネスコ事務局へ正式版推薦書を提出しております。今年の夏から秋頃にかけて、イコモスによる現地調査を経まして、令和8年、2026年春頃にイコモスの勧告、それから、夏頃に世界遺産委員会における登録可否の審議・決定というスケジュールとなっております。
続きまして、無形文化遺産について説明させていただきます。14ページを御覧いただければと思います。無形文化遺産につきましては、令和3年に文化財保護法が改正されておりまして、そこで無形文化財についても登録制度が新たに設けられ、生活文化の文化財も保護対象として位置づけられたところでございます。こうした状況を踏まえまして、条約における無形文化遺産の定義の広さに鑑みて、日本の文化の多様性や深みを世界に広く発信していくといった観点から、この「伝統的酒造り」につきましては、登録無形文化財から初めてユネスコ無形文化遺産へ提案したものでございます。昨年の12月5日、パラグアイで行われました政府間委員会において「伝統的酒造り」の登録が決定されました。これによりまして、先ほども御報告がありましたように、日本の無形文化遺産は23件となっております。
御報告は以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御報告について御意見、御質問のある方は「挙手ボタン」を押していただきますようお願いいたします。なお、指名につきましては事務局からお願いいたします。
【事務局】 川村委員、お願いいたします。
【川村委員】 本当にシンプルな質問ですけれども、資料の8ページに今、審査しているものを2件挙げておりますが、仏教の経典、それから、原爆の写真と映像の資料であります。今年の執行委員会、次回の執行委員会で登録の可否が決定される予定ということですけれども、今の検討状況を分かる範囲で伺いたいと思います。
【岡田ユネスコ協力官】 「世界の記憶」に関する、恐らく最初の事業説明のことかと思いますので、国際統括官付の岡田よりお答えを申し上げます。
審査状況ですけれども、例年ですと、こちらは2段階の審査がございまして、登録小委員会という審査、そして国際諮問委員会という審査がございます。そして、国際諮問委員会が審査した結果をユネスコ執行委員会に諮るということになっておりますが、例年、この国際諮問委員会の審査結果というのは、各加盟国に通知されることがございませんので、残念ながらまだ状況が分からないところでございます。
【川村委員】 出てきたところで初めて分かるという。
【岡田ユネスコ協力官】 さようでございます。
【渡辺国際統括官】 今後の流れを御説明いただいたほうがいいのではないですか。
【岡田ユネスコ協力官】 執行委員会は4月2日から17日に開催される予定です。ただ、この2日から17日の中のどの日でこの議題が議論されるかというのはまだ未定となっております。
【渡辺国際統括官】 世界遺産については、世界遺産センターでユネスコ執行委員会とは別の条約で行っておりますので、どういう方針になっているのかという点が見えてこないのです。現在、世界遺産が複合遺産も含めると1,000を超えるような状況となっている中、世界遺産の議論の場では、これからもどんどん増やしていきましょうなのか、どのような議論になっているのでしょうか。執行委員会で議論されるのは、海の遺産も世界遺産にしようというものですが、これについてはなかなか前に進んでおりません。
【青山係長】 今、お話のございましたユネスコでの方針でございますが、世界遺産にふさわしい遺産がある場合には今後も増やしていく方針であるというふうに、我々は認識しているところでございます。個別の議論につきましては、詳細に承知していないところもあるのでこの場での発言は差し控えさせていただきます。
【渡辺国際統括官】 どのように国際機関に対して、あるいはその条約の執行に対して関わるかということも、今は大きな議題にはなっておりませんけれども、皆様の御意見も随時いただければと思います。
【井上委員長】 ありがとうございました。
今の点は非常に重要な点なので、今後もそこのところを注視しながら、ぜひ皆様で議論していただければというふうに。思います。
【渡辺国際統括官】 井上委員はよく御承知かと思うんですけれども、かつて世界遺産の建築のところで、日本の木造建築が認められない状況が続いておりました。つまり、「石造りでつくったときから変わっていない」というのが真正性であるということでございました。ただ、日本を中心として幾つかの木造文化の国が申請するというのは、いわゆる「奈良宣言」ですが、当初の建築の手法・材料を踏襲し、それも真正性であるということを日本として認めたことによります。今はそういう意匠を1つ1つ解決して、ある程度安定的に運用されている状況ではございますけれども、例えば紛争地域下の遺産についてどうであるとか、日本からは少し遠い話題なのかもしれませんけれども、そういうことも含めて御検討いただく機会があればと思っております。
【井上委員長】 貴重な御指摘、ありがとうございました。それでは、佐藤委員。
【佐藤委員】 ありがとうございます。今回、新たに事業の概要について資料を作っていただきまして、本当にありがとうございます。分かりやすくコンパクトにまとめていらっしゃると思います。
昨年3月に、現下の国際情勢という中でまとめたユネスコ活動の推進についての提言がありますが、その際には前文の重要性と前文全体を理解するということについて指摘があったと思います。「平和の砦を築く」というのは書いてありましたけれども、そこだけが注目され過ぎてしまっているのかなと思っております。前文を読んで、何をユネスコが使命としているかということをもう少しかみ砕いて説明したほうが、何のために科学、教育、文化ということを我々が推進しいるのか、その目的は何なのかということが分かりやすくなると思います。
恒久的な平和のために、公正で健全な教育・科学・文化を我々は担っているのだという認識を持つことができると思います。今、現実は時計が逆戻りしていまして、また当時と同じような状況になっているのではないかということで、非常に危惧する次第です。我々は、ユネスコの使命が平和を目的としているということを強く認識して、各分野のそれぞれ専門的なことを研究していくべきだということを強く打ち出さないと、昔の話ばかりしていても、今の時代に対応させるということが必要だと思います。
【井上委員長】 ありがとうございました。佐藤委員は以前から、ユネスコ憲章の前文だけではないんだと。全体を通してしっかりと読み込み、それを解釈し、そして今、最後におっしゃったような、平和というものにつなげていくべきだろうと。そういう活動をユネスコというのはしっかりしていかなければいけない、そのようなことをいつもおっしゃっておりましたけれども、今日も新たな委員の方々がいらっしゃいますので、新たにその辺のところをまとめてお話しいただいたと思っております。貴重な御意見、ありがとうございます。
続きまして、議題3「世界の記憶」に移ります。こちらに関しましては意見交換をいただきたい案件でございます。まずは、事務局から説明をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】 事務局より失礼いたします。資料3を御覧いただければと思います。「世界の記憶」について、2点御報告いたします。
まず、ユネスコ「世界の記憶」に関する研修会についてです。この研修会は今年度で3回目となるものでございますが、「世界の記憶」事業の概要や申請に当たっての留意事項等について理解を図るために実施しているものです。今年度は去る2月26日、京都市にて実施いたしました。対象者は(3)に記載のとおり、「世界の記憶」への登録を検討している、または関心のある方々です。
主な内容ですが、本事業に関する文部科学省からの行政説明のほか、事例報告1として、「東寺百合文書」について、京都府立京都学・歴彩館の小森様から、事例報告2として、昨年のアジア太平洋地域登録に選定された「チンギス・ハーン家ハルハ・モンゴル世襲領主家家系図」について、モンゴルユネスコ国内委員会事務総長のBoldsaikhan Sambuu様からそれぞれ御説明をいただきました。海外の方をお呼びするのは今回が初めての試みでございました。また、同じく今回初の試みとして、対面参加の方には、「東寺百合文書」現物を視察いただきました。
結果概要について、申込みは71名の方から、実際には49名の方から参加をいただきました。本研修会も3回目と回を重ねてまいりましたが、前回とほぼ同人数の方に御参加をいただいたところです。参加後のアンケートの結果、大変多くの方から好評価をいただきまして、中にはモンゴルの方からお話のあった、まずは地域登録を申請して、その後国際登録を目指すという流れについて、大変勉強になったというようなコメントをいただいたところです。
話題が変わりまして、3ページを御覧いただければと思います。「世界の記憶」暫定一覧表の作成についてについて御説明いたします。(1)の問題意識のとおり、「世界の記憶」については、これまで国内の広報発信や信託基金を通じた国際的な支援に努めてまいりましたが、国内の現状を見ますと、アジア太平洋地域登録を中心に登録申請は低調であり、また、登録基準を満たす申請物も多くはないという状況です。また、公募開始から申請までの期間が短いことで、申請案件の世界的な重要性等に関する説明を詰める時間がないといった指摘もございます。こうした状況を踏まえまして、この「世界の記憶」の趣旨にふさわしい良質な案件を暫定一覧表として整理して、文部科学省として申請の後押しをする仕組みを整えてはどうかと考えております。
今後の進め方(案)でございますが、「世界の記憶」の次期申請サイクルの審査が終了するまでの間、恐らくこれは2025年秋までになるかと思いますけれども、この間は事務局、国際統括官付にて改正等の素案を検討したいと考えております。その後、本委員会とは別途、国際統括官の下に設けられております「世界の記憶」国内案件に関する審査委員会において、同委員会と暫定一覧表の作成体制との関係を含めて検討を深めまして、2026年度をめどに暫定一覧表の作成に向けた作業を開始できればと考えております。
私からの説明は以上です。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明を受けまして、大変短い時間で恐縮でございますが、時間の関係から5分ほどの時間となってしまいますけれども、皆様からの御意見、御質問のある方は、「挙手ボタン」を押して御意見をいただきますようお願い申し上げます。指名は事務局からお願い申し上げます。
【事務局】 それでは、黒川委員、お願いいたします。
【黒川委員】 世界遺産あるいは無形文化遺産とともに、大きな遺産事業と言われている「世界の記憶」ですけれども、こちらが世界遺産と無形文化遺産の条約が保護活動であるのに対して、「世界の記憶」は単なる選定事業にすぎないというようなことがネット上に書かれていたのが非常に気になって、先ほど御紹介いただいた研修が、オンラインで視聴できるということもあって、視聴したのですが、その目的として、適切な技術によって保存を促すこととか、普遍的なアクセスを支援することというふうに研修でおっしゃられていて、普遍的なアクセスの支援を具体的にどのようにされているのか。登録することのハードルも高いとは思うのですけれども、そういったこの事業における目的、どのようにそれを申請するためのメリットのようななものが分かりにくいのかなと感じまして、具体的にどういったこと、保存を促すのは多分、発信だろうと思うんですけれども、普遍的なアクセスの支援など具体的なことは行われているんでしょうか。以上です。
【井上委員長】 事務局、よろしくお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】 ありがとうございます。事務局よりお答えいたします。
今、黒川委員がおっしゃったとおり、「世界の記憶」の趣旨というのは、世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進していくということにあります。この保存やアクセスについて、まず、予算面での支援は行っておりません。現状としてはそのようになっております。一方で、申請をする中で、やはり申請の審査過程においては、保存やアクセスについてどのような取組をしているかというところは見られますし、まさに申請する過程、審査する過程において、そういった保存やアクセスについて管理機関、あるいは申請者の認識を高めて、そういったことを促していくというような仕組みになっていると考えております。
したがいまして、今、これまで登録されている申請物については、そのほとんどがオンラインからアクセス可能になっておりますし、この申請をする過程、審査の過程においてそういったことに意を用いていただいているものと思っております。また、別途これは国際的な協力になりますけれども、そういった体制が十分でない、特に開発途上国に対しましては、日本の信託基金、JFITを使った支援等も行っているところでございます。
【黒川委員】 ありがとうございます。
【井上委員長】 ほかにはいかがでございましょうか。
【小浦委員】 質問していいでしょうか。
【事務局】 小浦委員、お願いいたします。
【小浦委員】 登録基準を満たす申請物が多くないということが書かれているんですけれども、この登録基準というのが、どういったレベルというか、どういったところに重点が置かれているのかとか、よく理解できていないので、少し教えていただければと思います。
【岡田ユネスコ協力官】 ありがとうございます。この登録基準というのが、実は絶対的なものではございませんでして、相対的なものであるとユネスコの一般指針において定められております。相対的というのは、これまで登録されたものとの比較において決せられるということでございますが、その基準ですけれども、一番重要になってきますのは、世界的あるいは地域的な重要性でございます。その記録物がどのように、国際登録であれば世界、地域登録であればアジア太平洋地域に影響を及ぼしたものであるのか、それが失われると、人類にとってどのような損害があるのかというものが、非常に重要な基準になってまいります。
その他相対的な基準としては、希少性、どれぐらい記録物がレアなものであるのか、例えば、みんながどこにも持っているものなのか、それともそうでないのかということもありますし、あるいは真正性、それが本物といいますか、本当に作者が意図したとおり保存されているものなのか、それとも後に改ざんされてしまったものなのか、そういった基準もございます。ただ、一番重要なのは、その重要性というところであると認識しております。
【小浦委員】 ありがとうございます。ただ、その重要性というのもどのような分野であるとか、「世界の記憶」の場合はかなり対象が広いですよね。なので、それぞれによってその重要度の評価の仕方も変わってくるように思うのですが、その辺りは何か運用上、こういう取決めはあるんでしょうか。
【岡田ユネスコ協力官】 その辺につきましては、渡辺総括官から御説明いただきたいと思います。
【渡辺国際統括官】 事情を御説明しますと、世界遺産は「もう1,000を超える事例になってきていて、ルールづくりにおいても安定的な運用状態、むしろサチっているところに近い状態なのかもしれません。」という熟練した状態にありますが、世界遺産と比べて「世界の記憶」は、まだ新しいプログラムであって、当初は政府が関与しなくても、ユネスコに対して申請するということだけで認定されてしまったりというような、割と制度的に未熟な部分がございます。ほかの制度と同じなことがいいかどうかは別として、まだそういう運用になってから10年もたっていないようなものでございます。したがって、何が重要かという一番議論が分かれるようなところについても、いろいろな解釈がまだ成り立ち得るということで、割と自由な発想で、アーカイブスに相当するものを申請するというと、それが皆様の納得の下に通るというような運用が比較的されておりました。
したがって、委員長にそこの考え方を少し補足いただければと思いますが、結局のところアーカイブスでございます記録物として、その記録物アーカイブスとしての価値というものをここで認めていくというようなことだと私は理解しておるんですけれども、委員長、お願いいたします。
【井上委員長】 私も「世界の記憶」の委員を務めさせていただいておりますが、今、まさに渡辺総括官の御説明があったとおりの認識をしております。併せて松田委員も「世界の記憶」の委員になっていらっしゃいますので、松田委員から何か付け加えるところはございますか。
【松田委員】 まさにおっしゃるとおりだと思います。「世界の記憶」は基本的にはアーカイブス、すなわち文書からスタートしたものですが、ただ、最近は映像などもアーカイブスとして捉えるようになっていますし、最初からデジタルで作り出されたアーカイブスなどもあり、アーカイブス概念は広がってはいます。ともあれ、「世界の記憶」はアーカイブスから出発したものであって、その登録制度ではアーカイブスに対して価値評価をします。
【井上委員長】 ありがとうございます。どうぞ。
【小浦委員】 ありがとうございます。今、評価の価値観といったものを共有化していく途上というか、試行錯誤も続きながら、アーカイブができていっているという状況だという認識でよろしいですか。
【井上委員長】 そうだと思います。
【小浦委員】 ありがとうございます。
【井上委員長】 よろしゅうございますか。
時間が押して恐縮でございますけれども、非常に重要な問題意識が盛り込まれています、3ページの問題意識の3ポツでございますけれども、「申請期間が非常に短いではないか」というふうな御意見が様々な委員から出ておりまして、それゆえ良質な案件を積極的に発掘して、暫定一覧表というものを整理して、文科省として申請の後押しをする仕組みを整えてはどうかという、これは非常に重要な御指摘でございます。これに関して、重なって恐縮ですけれども、松田委員、一言御意見をいただければと思います。
【松田委員】 下の番号のページで言うと17ページの問題意識、3番目の箇条書のところですが、今、井上委員長がおっしゃったように、暫定一覧表のようなものを国内で準備する必要があると私は感じております。「世界の記憶」に関しましては、国際登録と地域登録がございますが、とりわけ地域登録のほうが、国内公募をかけても応募してくるような案件がなかったりしているような状況でございます。したがって、ここは文科省を中心として働きかけを行う、すなわち我々のほうでちょっと手助けをしながら暫定一覧表を作っていくという仕組みを整えることに私は賛成申し上げます。
ちなみにこの暫定一覧表ですけれども、「世界の記憶」の一般指針、ジェネラルガイドラインズの中では国内登録という制度もございますので、場合によっては暫定一覧表を国内登録と読み替える、すなわち登録を国内、地域、世界の3つに分けて考えるのも手かもしれません。ともあれ、暫定一覧表を設けることは賛成申し上げます。
【井上委員長】 ありがとうございます。
それでは、「世界の記憶」については、その委員会で議論したものをまたこの委員会でも御報告していただきたいと思います。
【事務局】 片岡委員、お願いいたします。
【片岡委員】 まさに今、御説明していただいたところを伺おうかと思っていたんですけれども、やはり広く認知度がないということですので、公募なものであるとは思いますが、何らかの後押しというか、支援するようなことも必要なのかと思いますし、とりわけ最初の段階で何件か、とても有名になるような、人々のアテンションを得るような事例を幾つかつくっていくことによって、この制度自体に注目を得るというような戦略も必要なのかと思いました。
【井上委員長】 片岡委員、本当に貴重な御意見、ありがとうございました。まさに同感でございますので、また引き続きよろしくお願い申し上げます。
それでは、時間が押しておりますので、この議論はここで打ち切らせていただいてよろしゅうございますか。
続きまして、議題4「ユネスコ創造都市ネットワーク2025年新規加盟申請国内公募について」に移りたいと思います。昨年10月に、ユネスコ創造都市ネットワーク2025年新規加盟申請の公募がユネスコより開始されました。これを受けまして、第12回小委員会でも書面審査をいただきましたとおり、昨年11月21日より、12月27日を締切といたしまして国内公募を開始、ワーキンググループで審査を行いました。この国内公募の結果につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。
【岡田ユネスコ協力官】 事務局より失礼いたします。資料4を御覧いただければと思います。
昨年10月のユネスコからの公募を受けまして、日本ユネスコ国内委員会として公募を行ったところ、福井県越前市からクラフト&フォークアート分野にて、香川県高松市から音楽分野にてそれぞれ申請がございました。これを受けて、これは委員交代前の体制での出来事ではございますが、本小委員会の下に選考ワーキンググループを立ち上げまして審査を行った結果、両都市の申請を承認することとなりました。両都市は日本ユネスコ国内委員会の承認状を添付の上、ユネスコへの申請を完了し、その旨、昨日3月3日、両都市及び文部科学省より発表しております。
資料の2ポツ、各都市の申請の概要を要点のみ失礼いたします。越前市については、越前和紙をはじめ、越前打刃物、越前箪笥など歴史的に培われた多様な伝統伝統品が現在も息づいていること、及び、加盟後、加盟都市と交流し、工芸や伝統芸能に関する国際的な発表や研究の機会を増加させ、後継者の養成や新規分野への進出を図ろうとしていることなどが評価されております。高松市については、町なかでの多様な音楽イベント等を通じて、全世代が心豊かに暮らせるまちづくりを実現していること、加盟後、国内外の音楽家と協働し、音楽をはじめとした文化・芸術によるまちづくりのさらなる振興を図ろうとしていることなどが評価されております。
今後の流れでございますが、5月下旬以降、ユネスコより加盟認定の結果発表が行われる予定です。
私からの説明は以上です。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明を受けまして、皆様から御意見、御質問を受けたいと思います。なお、大変恐縮なのですが、時間の都合がございまして、5、6分の議論になってしまいますけれども、御質問、あるいは御意見のある方、「挙手ボタン」を押していただきますようお願い申し上げます。指名は事務局からお願いします。
【事務局】 それでは、松田委員、お願いいたします。
【松田委員】 松田でございます。
越前市と高松市からの申請を認めることになったということでした。すなわち国内公募をかけたら2都市から応募があったということで、それはくしくも日本から申請できる2都市という枠と合致したわけです。それこそ先ほどの「世界の記憶」の中で国内公募をどうするのかという話にもつながるのですが、ぴったり2つの枠が埋まったというのはとてもよかったと思うのですけれども、水面下で働きかけのようなものをされたのか、あるいはたまたま2つの自治体が手を挙げたので、結果的に2都市の申請をすることになったということなのか、この辺り、少し経緯を教えていただけましたら幸いです。
【井上委員長】 事務局からよろしゅうございますか。
【岡田ユネスコ協力官】 実はいろいろなところで私どもこの事業を発信しておりまして、それはまた次の議題で出てまいるのもその一つでございます。
個別具体の名前は控えますが、幾つかの都市から本事業に応募したいという声はいただいておりましたが、準備の時間の関係等々がございまして、結果として2都市になったということでございます。1点補足すると、今回、例年に比して非常に公募が非常に早く開始されていましたので、その影響もあったのではないかと考えております。
【井上委員長】 ほかにいかがでございましょうか。
【若林委員】 その準備というのは、ユネスコ側が資料提出とかそういうので不備が多かったということですか。
【岡田ユネスコ協力官】 この事業は例年といいますか、前回のペースで言いますと3月頃に公募があったわけでございまして、これは推測でございますが、そういったスケジュール感の下に準備されていたところもあったのではないかと推察はいたします。ただ、今回、10月に突然の公募開始ということで、それゆえ今回は間に合わなかったというところもあったのではないかと考えております。実際にそうだったのかというのは聞いておりませんので、あくまで推測でございますが、そういった意味で、準備の時間がなかったということはあったのではないかと思っております。
【若林委員】 実際に応募があったのは2都市だけだったということですね。
【岡田ユネスコ協力官】 はい、そのように2都市から応募があったということです。
【井上委員長】 いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
付け加えておけば、この両都市については、それぞれの都市が本当に市を挙げて、市の中に加盟都市を目指すんだという強い意志をもって専門部署を設けて、非常に前から準備をしてくださっていて、そしてこれに応募してくださったという経緯もございます。ですので、本来であればもっと申請期間は長いほうがいいとは思うのですけれども、そういう短い期間の中でも、よくコンパクトにこういうふうな形にまとめられ、申請をされたなと感じております。
では、この議題に関しましては、これでよろしゅうございますか。
続きまして、議題5「ユネスコ創造都市ネットワーク国内ネットワーク会議・創造都市ネットワーク日本国際ネットワーク部会」に移ります。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】 事務局より失礼いたします。資料5を御覧いただければと思います。
こちらに少し経緯がございまして、2023年9月4日、さらに2024年2月14日の本小委員会におきまして、ユネスコ創造都市ネットワーク(略称UCCN)でございますけれども、これと国内の団体であります創造都市ネットワーク日本((CCNJ)との連携を促進するべきとの御意見を頂戴しておりました。こうした御意見を受けまして、今年度4月より、私ども国際統括官付、そして文化庁、それからCCNJの国内団体の国際ネットワーク部会の幹事である京都市、そして本年のUCCN、国内ネットワーク会議開催市である丹波篠山市など関係者間で、この連携の具体化に向けた協議を開始いたしました。この丹波篠山市の御協力の下、初の試みとして、UCCNの会議とCCNJ、国内団体の会議を同日開催することとなったものでございます。
概要の枠内に記載しておりますが、日時としましては1月16日から18日、丹波篠山市及び神戸市において開催されまして、このUCCNや、CCNJの国内のネットワークの加盟都市の代表者のほか、文化庁や文部科学省の担当官、そして、次世代ユネスコ国内委員会からも委員1名が参加いたしました。日程の中ではこの国際統括官付担当官からの説明の機会もいただき、UCCNの概要や加盟のメリット、加盟申請に必要な準備と情報発信を行ったところです。この会議ですけれども、UCCNとCCNJの各加盟都市間の交流はもちろん、UCCNを目指す都市にとって有意義な情報収集の場になったものと考えております。
ごく簡潔ではございますが、私からの報告は以上です。
【井上委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明を受けまして、誠に短くて恐縮なのですが、11時10分頃をめどに御議論いただきたいと思います。御意見、御質問のある方は、「挙手ボタン」を押していただきますようお願い申し上げます。なお、指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】 佐藤委員、その次に川村委員、お願いいたします。
【佐藤委員】 ありがとうございます。
過去を振り返りますと、5年前の状況というのは、なぜ知名度がないのだろうか、人気がないのだろうかということで、様々な工夫を考えていたことと比べると、さま変わりの知名度だと思います。それで、これは事務局の様々な発信があった結果だと思っています。本当にありがとうございます。とりわけ今回、UCCNとCCNJの協働、連携について御努力いただいた、これもかなり各都市に、行政に知れ渡ったということで、いい効果が期待されると思います。これはお礼です。
1つだけ、また注文で申し訳ないんですけれども、別の角度ですが、昨年度から持ち越しの宿題があったというふうに認識しています。何かというと、アニメを新しい分野として本部のほうに働きかけてほしいということが去年あったわけですけれども、実際、事務局のほうから交渉して確認していただいたところ、分野を増やす予定はないけれども、アニメというのは文学とかデザイン分野に該当するのではないかというような御示唆をいただきました。ところが、その後に建築分野が新たな分野として増えるということになりました。そうすると、建築を加えることについてはもちろん賛成ですけれども、何が情報として正しいのかということがちょっと不安になってきまして、アニメは文学、あるいはデザインで認知してもらえるものなのか、はたまた、そもそも駄目なのかとか、この辺は文科省の問題ではなくて本部のほうの問題ですけれども、現場で混乱しないように、ユネスコ本部に正確な情報提供をお願いしていただくようなことをぜひお願いしたいと思います。
【井上委員長】 ありがとうございます。それは非常に貴重な御指摘なので、事務局の統括官、いかがでしょうか。
【渡辺国際統括官】 ありがとうございます。私の前任のほうから、担当部署に行ったときに、「文学の中で考えていただくということでよいのではないか」という見解が示されたところでございますけれども、先ほどの岡本委員、芸大の中のアニメーション、メディアの中で、例えばそういう学部ができてきている、世の中だともっとたくさんできてきていますよね。それが国内特有のことであるのか、それからアカデミアの中で、特に芸大のような権威のあるところで、そういったものが定義されてきているということが一つ大きい動きになってきております。
したがって、分野として、建築学科みたいなものはもう疑うべくもなくあるわけでございますよね。なので、アニメーション、あるいはメディア芸術にとっても、世界の中でどのぐらいの認知が得られていくかということが一つ重要なことです。日本のコンテンツ産業、アニメーションをはじめとして、日本がその先頭に立っているということなのだろうと思いますから、どういうふうに認知を広げていくかということも、日本は最近、随分先頭に立っていないので、それこそどういうことをしたほうがいいのかというのは皆様に御示唆もいただきたいとおもいます。平たく言えば、要はもう少し幾つかの国でそういう声が上がってくる状況、そうすると、どこまで増やすかという問題に次はもうなってきますから、なるべく早くそれをやっていくということなのかと思います。そこは引き続き政府だけでできることでもないので、自治体関係の皆様の御関心も含めて、広めること、盛り上げるということが必要なのかと思っております。
【井上委員長】 ありがとうございました。確かに日本だけではなくて、具体的な仲間を広げるということが必要だと思います。
【岡本委員】 私自身はアニメーションの専攻におりまして、まさに今、お話の渦中にいるわけですけれども、アニメと日本では略しますけれども、世界の中ではアニメーションです。これは何かというと、日本の商業アニメだけではなく、アニメは古くは18世紀から興っているというものもありまして、非常に古いのです。日本のもののように日本人は思っていますけれども、フランス、ディズニーとかはもう本当に戦前からずっと取り組まれていますし、日本のアニメというふうな産業系の文化として定着したのは戦後なのです。なので、世界的にアニメーションという土台は非常にあるもので、かなりローカルなものでは全くない分野だと思います。
この創造都市の中の分野で言うと、建築という話がありましたけれども、メディアアートとかもあります。メディアアートと芸術分野の中で比べると、もしかしたらアニメーション自体もメディアアートよりもさらに大きい分野かもしれないです。なので、分野として独立すること自体は、いろいろな意味でもバックグラウンドとしては非常にあるものだと思います。ただ、先ほど分野の話で文学かという話がありましたが、今、世界中の映画祭の中でアニメーションというカテゴリーもあるぐらいなので、どちらかというと映画が一番近いのです。もっと広く言うと映像というところにあるんですけれども、映像という分野はなさそうですので、映画に属するほうがまだナチュラルには聞こえるだろうと思われます。
先ほど創造都市の話、「世界の記憶」の話がありましたけれども、話をしますと、戦後に生まれて、その後、産業系で非常に発展したアニメなのですが、その頃、戦後といえどももう第1世代が卒業し、ほとんどお亡くなりになりつつあるという状況にあって、それこそアーカイブ散逸の危機に直面しているわけです。漫画も同じですけれども、漫画、アニメにおける原画と呼ばれる、クリエーター自身が書いたもの自体がなくなりつつあります。なので、「世界の記憶」を拝見すると非常に古い分野が多いように思いますけれども、そういう新しいと言われる分野でも、かなりアーカイブ散逸の危機にあるということも含めて、アニメーションに着目していくという御発言がなされたというのは非常によいことかと思います。
【井上委員長】 貴重な御意見、ありがとうございました。また、この委員会でも引き続き、この問題については議論を続けていきたいと思っております。
時間がなくて恐縮ですけれども、川村委員、手短にひとつよろしくお願いします。
【川村委員】 2点だけです。先ほど佐藤委員が言われたとおり、今回の2都市の申請に当たりましては、私が担当する2回目になるんですけれども、その経験から感想を述べさせていただきますと、非常に質も量も上昇してきたということがありますので、これはひとえに事務局からの働きかけが奏功したのだと思いますので、感謝を申し上げるとともに、この傾向がずっと続くということを期待したいと思います。
それから、1点は質問になりますけれども、今回、ここのワーキンググループ等での審査期間が短かったような気がするのですが、あの期間で自治体とか申請者のほうで準備する、翻訳をするといった作業が大変だったのではないかと想像できるわけですけれども、これはルール上こういうふうに、この期間でやりなさいということを決められているのか、それともこれはネゴシアブルで、後で変更することが可能なのか、もし無理があるような制度であれば、ぜひ会議、執行委員会等で改善を提案していただきたいと思います。。時間を延ばすようにするというのも、一つの申請をよりスムーズに、より多く期待するというところにつながるかと思います。
以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございました。その点は本当に、ほかの委員からも出されていた意見ですので、この辺のことにつきましては、事務局で何かございましょうか。
【渡辺国際統括官】 公募の開始というのは国際的に決められていますけれども、その前に準備をすることは可能でございますので、私どももその内容をより周知させていただきつつ、公募があったらすぐに申請できるように申請都市としても準備をすすめていただきたいと考えております。ということで、ある程度は解決していくのではないしょうか。
【井上委員長】 ありがとうございます。今、統括官がおっしゃったことをもっと自治体に浸透させる必要があろうかと思います。どうぞ。
【岡田ユネスコ協力官】 当初は、10月31日に公募が開始されまして、締切が1月31日という非常にあり得ないようなスケジュールでございました。これについても各国から批判が寄せられ、3月3日まで延長されたという経緯がございました。そのため、このような声を上げていくということも非常に大事だと思います。貴重な御指摘ありがとうございました。
【井上委員長】 ありがとうございます。
それでは、次の方がお待ちでございますので、議論はここで打ち切らせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
続きまして、議題6「ユネスコ創造都市ネットワークデザイン都市旭川会議」に移ります。昨年10月にユネスコ創造都市ネットワークデザイン分野の分野別年次会議が旭川で開催されましたので、旭川市から会議の様子や成果についてお伺いし、ユネスコ創造都市ネットワークの発展や活性化の議論の参考にさせていただきたいと思います。
それでは、あさひかわ創造都市推進協議会の渡辺直行会長から御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【あさひかわ創造都市推進協議会】 皆様、こんにちは。旭川の渡辺と申します。今回はこのような機会をいただいてありがとうございます。
まず最初に、旭川のデザインというのはもともと皆様御承知のように、北海道の豊かな森林を背景に、100年以上も前に始まった旭川家具に由来し、1950年代には既に旭川家具の中でデザイン研究会なるものが発足しており、以来、この地域は家具産業とともにデザインが発展してきたという歴史があります。
旭川は人口30万少しの都市で、大雪山連峰の周囲には極めて豊富な森林資源、豊かな自然があります。
一方で、この地、北海道という地域は農業をアメリカに学んでおります。あるいは、ロシアの影響を受けたりとか、さらには先住民族であるアイヌ文化、最近また脚光を浴びていますが、我々の生活にも様々な影響を与えております。
先ほども申し上げましたように、1950年代から様々な形でデザイン活動をして今日に至っているのですけれども、ただ、つい最近までは、デザインというと家具産業と強く結びついているのはいいのですが、それ以上の広がりがなかったので、私どもとしては可能な限り産業横断的な、あるいは周辺地域も巻き込んだ活動にしたいという思いがあり、1997年には、旭川市が既にデザインビジョンなるものを編纂していました。
縁あって、2019年10月に旭川市はユネスコ創造都市ネットワークのデザイン分野で加盟認定を受けているのですけれども、ちょうどそのタイミングに、あさひかわ創造都市推進協議会なるものをつくって、デザインの活動にドライブをかけて、さらにユネスコ創造都市になろうという動きの中で、様々な方を呼んで勉強会も繰り返していました。
旭川は、我々、民間が中心になって盛んにデザイン活動を行って、その延長線上にユネスコ創造都市ネットワークのメンバーになったということがあります。そして、昨年10月には、UCCNのデザイン都市会議を旭川で開催することになりました。
最近は、旭川の今津市長も盛んにデザイン、デザインと言っていただいて、この写真の中心にいるんですけれども、昨年10月のサブネットワーク会議には、今、デザイン都市は全部で49あるのですが、その49都市の中で、21か国23都市から48名が旭川に来ていただきました。
このような形で、広くいろいろなところから来ていただいたということです。
これが会議の様子ですけれども、今回、旭川で開催するということですから、我々のテーマとしては、まず第1に、自然と五感で触れ合ってもらおう、それから、できるだけ若い人にも参画してもらおうということを目標にいたしました。これは会議の様子です。
これは神社で、旭川というか、日本の体験もしてもらおうと考えました。そして、日本の文化に触れてもらいながら、食べ物の残渣を利用して、サステナブルでありながらおいしい食事ができないかというトライアルをしたりだとか、あるいは様々な体験をしていただいたのですけれども、初日に旭川の山に入って、ナラの植樹をしてもらいました。木を300本ぐらい植えてもらいました。それから、様々な産業も見ていただきました。
これは主に市内の高校にお願いして、16校、170人の高校生の皆様に参加していただいて、ボランティアでお茶を参加者に体験していただいたりとか、あるいは市内を散策してもらったりとか、まちなかキャンパスといいまして、2015年から開催している旭川デザインウイークの一つのメインコンテンツですけれども、主に高校生が中心になって、さらに子供たちにSDGsを楽しく学んでもらうようなイベントのミニ版を開催したりして、参加者の皆様に喜んでいただきました。
これはパーティーの様子ですが、イタリアの世界的に著名な建築家であるミケーレ・デ・ルッキ様や、、今年開催される大阪万博のプロデューサーの一人である藤本壮介様のお二人にインスタレーションを作ってもらいました。
旭川駅にお二人がインスタレーションでこの会を盛り上げたりとか、様々なデザインの併催事業をしながら、何となく旭川を感じていただけたかなと思っています。
せっかく旭川で開催させていただくということもありまして、「デザイン都市旭川宣言」なるものを皆様の採択を得て、発表することができました。時間の都合で詳しくは話しませんが、デザインの目的は幸せを増やすことであるとか、あるいは自然との共生の上に、サステナブルで幸せなまちをつくろうとか、そういうことをうたっているのですけれども、さらに旭川を核に仲間を増やしながら、旭川で暮らしを幸せに、産業を元気にという方向に向かっていきたいと思っております。
そういう様々なイベントの中で、神戸、名古屋さんもデザイン都市なものですから、3都市会議を各所で開催したりもしております。
以上です。
【井上委員長】 渡辺会長、短い時間の中で会議の様子や成果につきましておまとめいただきまして、ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明を受けまして、皆様から御意見、御質問を受けたいと思いますが、時間の関係から大変恐縮ですけれども、お一人かお二人に限らせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
【事務局】 オンラインの皆様、いかがでしょうか。
【井上委員長】 よろしゅうございますかね。
それでは、渡辺会長、引き続きどうぞ頑張ってください。我々も応援しております。
【あさひかわ創造都市推進協議会】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【井上委員長】 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。
最後に、議題7「その他」に移ります。これに関しましては、各委員の方々から御意見を賜りたいと思いますけれども、何かございますか。
よろしゅうございますか。どうぞ。
【添石委員】 先ほど創造都市ネットワーク、そこに加盟するに当たって非常に努力し、それだけ価値あるものとして、関係者が本当に頑張った賜物かと思いますけれども、加盟することに非常に価値があると思うのですが、その後、その都市が変革を遂げていくのかとか、その後のネットワークがどのように生かされているのか。私は今日初めて参加するものですから、前向きな意見ですけれども、もし何かその現状が分かれば教えていただきたいと思います。
【井上委員長】 事務局の方から、よろしいですか。
【岡田ユネスコ協力官】 まさに加盟した後どのように都市が変革するのか、そして国際的なネットワークですので、そこにどのように貢献していくのかというのが非常に大事だと思っております。その一つの現れが今回の旭川デザイン都市会議だと思いますし、また国内的なところでと、毎年、UCCNの年次総会が開催されて、国内都市の交流が図られてきたというのは一つ実績としてございます。
一方で、こういった国際的な取組を我々として十分これまでフォローアップできていなかったというのを反省点として持っております。加盟して終わりではなく、こういったことがきちんと続くように我々としてもしっかりと後押しをする、見ていく、そして必要なことがあれば支援していくということをこれから心がけていきたいと思っています。
【井上委員長】 とても貴重な御指摘だったと思います。我々、委員会でも今おっしゃったことを念頭に置きながら、申請段階で、登録で終わりではなくて、今後どういうふうな展望を持っていられるのかというふうな未来像をしっかりと描き、それを申請書にうたっていただくということを、自治体の方とも共有をさせていただいているところでございます。ありがとうございました。
ほかに、よろしゅうございますか。
それでは、最後に事務局から連絡事項をお願い申し上げます。
【岡田ユネスコ協力官】 次回の日本ユネスコ国内委員会総会でございますが、3月11日火曜日、15時30分から17時30分に開催の予定でございます。
以上でございます。
【井上委員長】 ありがとうございます。本日は検討すべき事案が多くあったことから、皆様には十分な御議論の時間、あるいは御意見をいただく時間を十分に取ることができませんでした。このことにつきましてはおわびいたしたいと思います。
それでは、これで本日の第13回文化・コミュニケーション小委員会を閉会いたします。本日は御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
―― 了 ――
国際統括官付