日本ユネスコ国内委員会第11回文化・コミュニケーション小委員会 議事録

1.日時

令和6年8月27日(火曜日)10時00分~11時28分

2.場所

オンライン開催

3.出席者

(委員)
井上洋一委員長、大枝宏之委員、片岡真実委員、川村泰久委員、黒川廣子委員、小浦久子委員、肥塚見春委員、西藤清秀委員、佐藤美樹委員、芳賀満委員、蓮生郁代委員、松本千恵子委員、吉田達哉委員
(関係団体)
流尾正亮岡山市市民生活局文化振興課主査
(関係省庁)
木南秀隆文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室室長補佐、西和彦文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室主任文化財調査官
(事務局)
渡辺その子国際統括官(日本ユネスコ国内委員会事務総長)、匂坂克久国際統括官付国際交渉分析官(日本ユネスコ国内委員会副事務総長)、本村宏明国際統括官付国際戦略企画官(日本ユネスコ国内委員会事務局次長)、岡田健裕国際統括官付ユネスコ協力官(日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐)、その他関係官

4.議事


【井上委員長】  皆様、おはようございます。本日は、御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 会議に先立ち、事務局は定足数の確認及び事務連絡をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】  出席の委員が13名で、全委員18名の過半数ですので、定足数を満たしております。
 また、本日は報道関係者の取材及び一般からの傍聴を受け付けておりまして、Webexにて傍聴いただいております。
なお、御出席の委員におかれましては、カメラをオンにしていただき、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いします。
 また、委員の皆様には、お手数ですが、御発言いただく際にはお名前を名のった後、御発言いたきますよう、よろしくお願いいたします。
【井上委員長】  ありがとうございました。それでは、ただいまより第11回文化・コミュニケーション小委員会を開催いたします。
 本日の議事につきましては、全て公開とさせていただきます。御発言は議事録としてホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
 では、議事に先立ちまして、事務局の異動がありましたので、御報告いたします。
【岡田ユネスコ協力官】  それでは、事務局の異動について御報告いたします。
 本年7月11日付で渡辺その子国際統括官/日本ユネスコ国内委員会事務総長が、4月1日付で私、岡田健裕国際統括官付ユネスコ協力官/日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐が着任しております。
【井上委員長】  ありがとうございます。それでは、渡辺統括官から一言御挨拶いただければと思います。
【渡辺統括官】  7月11日付で統括官を拝命いたしました渡辺でございます。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 もう十数年前になりますのけれども、こちらでユネスコに関わらせていただき、その後、パリのユネスコ日本政府代表部に参りました。ちょうどそのときは、文化関係ですと平泉の遺産の登録、それから、登録はまだその後になるのですが、ル・コルビュジエの世界遺産を各国の代表といろいろ調整したことを覚えております。国内では、ユネスコ創造都市ネットワークのお話が、金沢市様ですとか、横浜市様ですとか、いろいろな方の御関心をいただいたことを記憶しております。
 またユネスコ関係に携わらせていただいて、非常に感慨深く思っております。委員長の下でしっかりと御議論いただくのを楽しみしております。どうぞよろしくお願いいたします。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 続いて、本日の会議の議事及び配付資料について、事務局より説明をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】  本日の議題については、今画面共有をさせていただいております議題1から5までを予定しております。本日の資料でございますけれども、配付資料が資料1から資料4の4点、続いて、附属資料が1点、参考資料が1から4の4点ございます。
 まず配付資料でございますが、資料1として、第10回「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会総会について、資料2として、第46回世界遺産委員会についてとなっております。それぞれ議題1及び議題2において、国際統括官付及び文化庁から御報告いたします。続けて、資料3、ユネスコ創造都市ネットワークと創造都市ネットワーク日本・国際ネットワーク部会との連携については、資料名と同じ名称の議題3で使用いたします。こちらは御報告といいますより、委員の皆様に議論を深めていただきたいと考えているものでございます。続いて、資料4、文学創造都市おかやまの取組でございますが、こちらは議題4において、岡山市様より御発表いただきたいと考えております。この議題につきましても、委員の皆様に御議論いただきたいと考えております。
 また、今回から新たに附属資料を作成しております。ユネスコの中期戦略における文化・コミュニケーション分野の位置づけに始まり、そうした戦略の下、直近のユネスコ執行委員会でどのような議論がなされ、また、どのような国際会議が開催されてきたのか、今後の予定も含めまして記載をしております。適宜御参照いただきますと幸いでございます。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 それでは、議事を始めます。まず、議題1の第10回「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会総会についてです。
本委員会では、「世界の記憶」について、ユネスコへの申請に当たっての審査等は担当しておりませんが、ユネスコの文化・コミュニケーション分野における取組であることから、御報告をいただくこととしております。
 それでは、事務局から報告をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】  第10回「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会(略称MOWCAP)の総会について御報告いたします。
 資料に記載しておりますとおり、2年に1回の開催となっておりますが、去る5月、ウランバートル(モンゴル)にて開催されました。議題は、投影しております資料の中ほどのとおりですが、特に重要な議題として、「世界の記憶」の地域登録に関する審議・投票及びビューロメンバーの選出がございました。参加者は、各国の代表など150名程度でございまして、我が国政府からは、私、岡田が出席いたしました。また、特定の国の代表ということではなく、MOWCAPのビューロメンバー・副議長として、本小委員会の芳賀満委員も御出席されております。
 2ポツの結果ですが、日本からの活動報告として、この資料に記載の1ポツから4ポツの事項を報告いたしました。特に3ポツの広報のための動画・リーフレットについては、進行役の副議長から取組に対する賛辞をいただいたところです。リーフレットの表紙は、こちらに記載しております。
 そして、2つ目のアジア太平洋地域登録の結果でございますが、今回は計20件が申請されました。日本関係の案件はございませんでした。資料に記載のとおり、申請後、MOWCAP登録小委員会と申請者との間で、審査側と審査の受け手という関係よりも、むしろ共にブラッシュアップしていくといった間柄でコミュニケーションが重ねられたと、登録小委員会のメンバーから発言がございました。また、そういったコミュニケーションの結果、当初は3件程度しか登録推薦できるような状態になかったところ、全20件を登録相当として推薦することができたといった発言がございました。その後、投票に移りまして、全20件が登録されました。その中には、開催国モンゴルのチンギス・ハーン家の家系図などがございました。
 そして、3つ目のビューロメンバーの選出については、6年ぶりの選挙となりました。議長はKim氏が無投票で再任、副議長は5名から3名を選ぶ選挙となり、芳賀委員を含め3人が当選されました。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告について御意見、御質問のある方は、挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。なお、指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】  芳賀委員、お願いいたします。
【芳賀委員】  本委員会の委員で、日本の「世界の記憶」審査委員会の委員長で、それから、今紹介がありましたとおりに、「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会(MOWCAP)の副議長に再任されました芳賀です。
 今、岡田協力官からの御報告にもありましたが、日本からのMOWCAPへの申請はありませんでした。これは国益にも反し、非常に残念なことです。ですから、今後、「世界の記憶」の地域登録だけでなく国際登録のためでもありますけれども、プール制度といいますか、申請案件の候補を集めた制度を考案していただき、是非是非日本からもアジア太平洋地域にも申請があるようにお願いいたします。

【井上委員長】  芳賀委員、ありがとうございました。そして、再任おめでとうございます。是非引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、ほかの委員の方、何か御意見ございますでしょうか。
 では、ないようですので、次に移らせていただきたいと思います。
 続きまして、議題2の第46回世界遺産委員会についてです。
本委員会では、世界遺産についても、ユネスコの申請に当たっての審査等は担当しておりませんが、ユネスコの文化・コミュニケーション分野における取組であることから、御報告いただくこととしております。
 それでは、文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室の木南秀隆補佐から御報告をお願いいたします。
【木南補佐】  文化庁文化資源活用課の木南でございます。よろしくお願いいたします。
 資料は、今映していただいておりますこの資料に沿って概要を御説明させていただきます。まず、第46回世界遺産委員会会合について概要)としまして、1、開催概要、期間は今年の7月21日から7月31日、場所はインドのニューデリーで行われております。
 それから、2、主な審議結果として、大きく5点挙げております。
 まず、1点目でございます。世界遺産一覧表への記載に係る審査ということで、今回、推薦書提出資産のうち、不記載勧告などが出された3件が取り下げられておりまして、このため、27件について審議がなされ、「佐渡島の金山」を含む24件を新たに記載し、重大な境界線変更(拡張)2件を承認するということが決定されております。これによって、世界遺産は総計1,223件となっております。
 我が国から推薦しました「佐渡島の金山」については、評価基準ⅳによって、世界の他の地域において採鉱等の機械化が進んだ時代に、高度な手工業による採鉱と製錬技術を継続したアジアにおける他に類を見ない鉱山の遺跡ということで登録がなされております。
 次に、(2)資産の保全状況に係る審査でございます。こちらは124件が保全状況審査の対象となりました。そのページの一番下の丸にありますが、我が国の世界文化遺産のうち、今回保全状況審査の対象となりましたのは、琉球王国のグスク及び関連資産群でございます。こちらに関しましては、2023年6月に実施されたユネスコ・イコモス及びイクロムによるリアクティブモニタリングミッションの報告を受けて、2019年10月の火災によるOUV及び重要なアトリビュートへの影響は最小限であるということが確認されております。
 次のページに移らせていただきますが、(3)としまして、危機遺産一覧表の更新でございます。こちらの世界遺産一覧表記載に係る審査及び保全状況に係る審査における審議の結果、パレスチナ案件である1件の資産が新たに危機遺産一覧に追加され、セネガル案件の1件の資産が解除されまして、危機遺産は56件となっております。
 次に、(4)第3期定期報告ということでございまして、ヨーロッパ及び北アメリカにおける定期報告書第3サイクルの結果報告などがなされております。
 最後、(5)としまして、第47回世界遺産委員会についてということで、次回の世界遺産委員会につきましては、2025年7月6日から16日、ブルガリアのソフィアで開催予定ということが決定されております。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御報告につきまして、御意見・御質問のある方は、挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。なお、指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】  黒川委員、お願いいたします。
【黒川委員】  質問です。「佐渡島の金山」の世界遺産の登録についてですけれども、報道を読んでいますと、明治以降のものに関する部分は除外されるとか、その理由をお聞かせいただけますか。
【井上委員長】  木南様、お願いできますでしょうか。
【西主任文化財調査官】  替わりまして、私、同じく文化遺産国際協力室の西と申します。よろしくお願いいたします。
 今の御質問ですが、もともと近代に関わる部分は、主張する価値としては入っておりませんでした。ただ、先生がおっしゃるのは、北沢地区という、資産範囲の中の一部分について、諮問機関から、そこは地下に近世の遺構があるわけですが、その上に近代の施設がたくさんありますので、全体としては近代の遺構が、overwhelmという言い方をしておりましたが、混ざっている、そちらのほうがかぶさって、そちらのほうが強いということで、このエリアについては除外が適当という評価結果がございました。
 これにつきましては、地元等と調整の上、日本政府として、その部分は範囲から除外するということを説明して、これを前提として認められたという経緯でございます。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
【黒川委員】  承知しました。
【事務局】  それでは、西藤先生、いかがでしょうか。
【西藤委員】  西藤です。一つお教え願いたいのですが、今回の世界遺産委員会で、ウクライナの世界遺産の状況とか、そういうものは報告されているのでしょうか。ここには何も記載がないので、もしよければ、何か情報があればお教えいただきたいなと思いました。
【井上委員長】  御質問ありがとうございます。
 これに関しても、文化庁の方、いかがでございましょうか。
【西主任文化財調査官】  ウクライナの遺産につきましては、いわゆる危機遺産に登録されており、危機遺産については、毎回必ず議論がなされるということになっております。ただ、中身としては、あまり新たな情報があるということよりは、現況が確認されたという状況です。
【井上委員長】  西藤委員、よろしゅうございますか。
【西藤委員】  もしよければ、現況というのはやはりひどくなっているのか、少し何かあれば教えていただければと思います。
【井上委員長】  ありがとうございます。
 文化庁の方、分かる範囲でお教えいただければありがたいんですが。
【西主任文化財調査官】  ありがとうございます。
 詳しくは会議資料等々を確認しないとというところではございますが、特に新たな状況というのはあまりなかったように記憶はしております。ただ、よろしければ、公開されています会議資料の保全状況審査の部分にその記載がございますので、私のほうで整理して、西藤先生宛てに御送付をさせていただく、あるいは、事務局経由でというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
【西藤委員】  ありがとうございます。勉強不足で申し訳ございませんでした。
【井上委員長】  いえいえ。それでは、恐れ入りますが、文化庁から事務局へ資料をお送りいただきまして、この問題は大事なことなので、委員全体へ共有したほうがいいと思いますので、事務局のほうから委員の皆様にお送りすることをお願いできますでしょうか。
【岡田ユネスコ協力官】  承知いたしました。
【井上委員長】  文化庁の方、それでもよろしゅうございますでしょうか。
【西主任文化財調査官】  事務局を通じてお送りできるようにいたします。
【井上委員長】  よろしくお願いします。
 西藤委員、これでよろしゅうございますでしょうか。
【西藤委員】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【井上委員長】  そのほかに、いかがでございましょうか。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、議題3に移らせていただきます。議題3のユネスコ創造都市ネットワークと創造都市ネットワーク日本・国際ネットワーク部会との連携等についてです。こちらは、皆様に意見交換をいただきたい案件でございます。まずは、事務局から説明をお願いいたします。
【岡田ユネスコ協力官】  資料1ポツ、経緯を御覧いただければと思います。
 昨年、令和5年9月4日の本小委員会におきまして、ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)と創造都市ネットワーク日本(CCNJ)との連携について、2つの黒ポツに記載の御意見をいただきました。「UCCNとCCNJの関係性はどうなっているのか」、「何らかの形でこの2団体が相乗効果を生み出していける仕組みがあるとよい」、こういった意見でございます。
 こうした御意見を受けまして、前回、2月16日の本小委員会では、資料の点線で囲っておりますところの丸1と丸2、すなわちCCNJ参加団体に対するUCCNの広報、そしてUCCNとCCNJ国際ネットワーク部会の連携強化、この2点を対応方針として御説明いたしました。
 こうした流れを受けまして、本年4月より、私ども国際統括官付、文化庁、CCNJ国際ネットワーク部会の幹事である京都市様、そして本年のUCCN国内ネットワーク会議の開催市である丹波篠山市様など関係者の間で、この連携の具体化に向けた協議を開始したところです。
 資料、次のページをお願いいたします。大きな字の2ポツ、今後の連携についてでございますが、第一弾の動きといたしまして、本年UCCN国内ネットワーク会議とCCNJ国際ネットワーク部会の同日開催を行う予定としております。このことは、UCCN国内ネットワーク会議の開催市である丹波篠山市様の御協力の下、初の試みとして計画を進めているものでございます。
 会議内容の詳細などは調整中でございますが、文部科学省国際統括官付としても、この記念すべき第1回の合同開催の会議におきまして、UCCNの概要、あるいは、加盟のメリット、加盟申請に必要な準備等、情報発信を行いたいと考えております。
 なお、前回、2月16日の小委員会でお示しした対処方針のもう一つ、すなわちCCNJの参加団体に対する情報発信については、今表示しております14ページの下の段のとおり、今年の7月に実施しております。
 それでは、資料、次のページをお願いいたします。話題変わりまして、3ポツ、マンガ・アニメについてでございます。こちらも、前回2月16日の小委員会におきまして、UCCNの新たな分野、すなわち8つ目の分野としてマンガやアニメを追加できないかという御提案をいただいたことを受けまして、去る3月20日、当時の渡辺国際統括官からユネスコのオットーネ文化担当事務局長補に直接打診をいたしましたところ、先方から返答がありました。その返答と申しますのは、この4つの黒ポツに書いてあるところでございます。「新しい分野の追加は考えてはいない。ユネスコ内部では、以前、アーキテクチャを追加することは議論になったが、最終的には、デザイン分野の一部に含むという結論に至った。マンガ等は文学の分野あるいはデザイン分野の一部になると考えられ、いずれの分野に加盟するかは都市次第である。なお、フランスではデザイン分野での加盟都市がコミックの都市として活動している例がある。」といった返答でございました。
 この返答を受けての対応案でございますけれども、短期的、言い換えれば、当面の間については、マンガ・アニメをテーマとしてUCCNへの加盟を目指す都市があれば、このオットーネ事務局長補からの回答にありましたように、文学あるいはデザイン分野での申請をアドバイスしたいと考えております。
 中長期的にということになりますと、国内の都市の具体的な動向、特に加盟に向けた動き、さらには、UCCNはネットワークということでありますので、海外の状況、すなわちマンガ・アニメを軸としたまちづくりということで、国際的にネットワークを構築できるような状況にあるか、そういった点を踏まえながら対応を考えてまいりたいと考えております。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明を受けまして、およそ20分程度となりますけれども、御議論を皆様としていきたいと思っております。御意見、御質問のある方は、挙手ボタンを押していただきますようお願い申し上げます。指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】  佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員長代理】  ありがとうございます。ユネスコ協会連盟の佐藤です。
 今回、具体的な御提案をいただきまして、本当に感謝しております。まず、UCCNとCCNJの連携につきましては、文化庁とか自治体などと調整されて、両者の同時開催ということでありますので、それを機に、ユネスコの意義の浸透とか、今後の普及に大変有益な機会となることが期待できます。
 UCCNは、私達のほうですね。これ、11都市が参加しておりますけれども、一方のCCNJは170、たしかそのぐらいの都市が参加していると思います。だから、CCNJの各都市にも、UCCNのミッションとか国際交流などのメリットの理解促進を期待できると思います。具体的には、例えば、今回旭川では10月にデザイン部門の国際会議が予定されておりまして、世界32都市から参加というふうに聞いております。この2つの制度の良いところを伸ばしていって、相乗効果を期待していきたいと思います。
 ところで、ユネスコ創造都市の普及を考える上では、2つポイントがあると思います。1つは、ミッションの再確認、2つ目は、国と自治体、民間の果たすべき役割の整理が重要だと考えております。UCCNの推進主体は自治体であります。ちょっと古い話になりますが、三、四年前の話ですけれども、加盟自治体の担当者の会議がありまして、市民参加もうまくいっている旭川市の担当者の方から、市民の代表として、ユネスコ協会も推進委員会のメンバーに加えてはどうかと発言をいただいたそうであります。しかし、ほかの都市から、「ユネスコ協会というのは、街頭で募金をしている団体でしょう、そんな団体の参加は必要ない。」というふうに退けられたと聞いております。UCCN加盟自治体であっても、このように関心事は経済面中心に向けられておりまして、UCCNのミッションとか市民参加に関心はないのかなと失望した記憶があります。しかしながら、今後はこの実態から出発するということです。現状認識はこのようなものだということであります。 それから、この場におきましても、私のほうは、国から自治体への市民参加について働きかけをお願いしましたが、明確な反応はないままで、代わりに、現場の運営マニュアルの作成が提案されました。しかし、これは国がやるべきことではなくて、現場の創意工夫に任せる事項であります。国は、自治体へのユネスコ精神とかUCCNのミッションを指導する役割を担っていると考えます。
 今回の提案は、そのような過去を踏まえて、自治体への具体的なアクションをいただいておりまして、大変ありがたい内容だというふうに思います。是非、ユネスコ精神とかミッションの確認、それから、市民の草の根運動となるようなユネスコ協会の参加の提案をお願いしたいと思います。
 最後に、マンガ・アニメについてであります。こちらもUCCNの分野について、ユネスコ本部に確認いただき、大変ありがとうございます。文学・デザイン分野の一部に該当する可能性があるという情報は、今まで考えていなかった画期的なUCCNのアプローチだと思います。私たちの調査でも、マンガ・アニメによる都市づくりを考えていても、UCCNにはマンガ・アニメ分野がないので登録に関心を示していないという自治体が多いと想像しております。
 それを踏まえて、今回の情報でありますけれども、自治体にUCCNの登録の可能性があるということをどのような方法で知らせるかということであります。やはり文書と会議などの場で知らしめることが必要だと考えております。是非検討をお願いしたいと思います。
【井上委員長】  佐藤委員、貴重な御意見をありがとうございました。ほかの委員の方、いかがでございましょうか。
【事務局】  松本委員、お願いいたします。
【松本委員】  私が2月16日の小委員会にマンガを8番目の分野にしてはどうかという意見に賛同いたしまして、民間ユネスコ協会の立場でアンケートなどを取らせていただきました。高崎ユネスコ協会の松本と申します。自己紹介が遅れました。すみません。
 佐藤委員もおっしゃいましたように、マンガ・アニメというものが第8分野としてなるということを、直接ユネスコに打診していただきましてありがとうございます。今の段階ではできないという、その見込みがないということではありますけれども、中長期的に見れば、それをやっていく可能性はあるのではないかというところで、ちょっと話をさせていただきます。その資料に関しては、国内委員会の文科省担当官の方にお送りしておりますが、届いていて、読んでいただけたものと想像しております。
 まず、コンテンツ産業が15兆円規模で、半導体に匹敵するということを伺っています。マンガ・アニメはその重要な要素ですから、どの自治体もマンガ・アニメでまちおこしをするという気持ちがあります。実際に電話で10以上の行政に確認しましたけれども、何らかの枠があるなら入りたいという気持ちがあり、その中で、もう既にお渡しをしてあるリストの中に、8行政が、このリストの中に自分の所属分野と担当の名前を掲載してもよいと承知してくださった自治体があります。ですから、そちらの自治体は、実は連絡を待っている状態ではあるのです。私は一国内委員の立場で電話をしましたので、これから先は、もう国内委員会、文科省担当の方にお任せするところであります。11月末で私の任期も終わってしまいますので、その点、どうぞよろしくお願いしますという気持ちです。
 CCNJとUCCNの連携した会議が初めて開催されるということですけれども、マンガ・アニメについては、外務省、文化庁、経産省、経団連、ユネスコバンコク事務所の事業、ACCUにもマンガ・アニメについての取組があります。これら省庁との連携で、海外のマンガ・アニメ拠点ともつながりを持てると考えます。
 まず国内拠点ですが、熊本県の高森町が最もふさわしいと考えます。高森高校にマンガ学科を創設し、競争率が2023年1.8倍、2024年2.4倍になり、廃校危機を回避いたしました。そこに中心となって力を貸したのが、株式会社コアミックスという会社で、ここは熊本に拠点をつくり、熊本コアミックス社を設立し、高森を拠点に、世界から漫画家を募集しまして、育てる仕組みをつくっており、今、実際に10名ほど育てております。この町は産学行政が協働して、盛り上げていこう、つくり上げようとしている勢いがあると思います。
 ユネスコバンコク事務所では、コアミックスと連携し、2022年、サイレントマンガコンクールを行い、指導者向けテキストを作成しています。サイレントマンガはせりふがないので、海外の文字を知らない人への教育にとても有効とのことで、ユネスコバンコク事務所を中心として、東南アジアの諸国で現在も利用されています。日本ではACCUが日本語翻訳を担当したということです。
 コンテンツ産業の市場規模は急速に巨大化しております。各省との連携を行えば、海外の拠点都市の情報を得られ、新しい分野ができる可能性はあると思っています。
 まず、1、CCNJネットワークがアジアにもつながっていると私はネットで調べたんですけれども、それでしたら、その中にマンガ・アニメ創造都市ネットワークをこっそりつくっちゃう。文化庁に諮り、CCNJにマンガ・アニメ分野で都市に登録を呼びかけてもらう。私が作成したリストを利用し、登録を呼びかけ、CCNJ内でマンガ・アニメ都市のネットワークをつくる。
 2、それと同時に、UCCNデザイン分野内でマンガ・アニメネットワークをつくる。高森町にCCNJネットワークの創造都市になっていただく一方で、UCCNデザイン分野にも登録していただき、デザイン分野内のネットワークを使って、フランスにありますコミックに特色のある都市と連携を図ってはどうだろうか。それから、世界でも最大規模のコミックフェスを行っているロサンゼルスにもデザイン分野に登録してもらい、連携を取れれば、かなり独立できる下地ができるのではないか。また、外務省は、アルジェリアのアルジェとマンガ・アニメでのつながりがあるとネットで検索して調べましたので、アフリカとも連携の可能性があるのではないか。
 というのをデザイン分野でつくりまして、それを2つ合わせて、マンガ・アニメ分野を創立するように働きかけていくことはできないだろうかというのを、私、中長期的に考えました。それで可能性はあると考えるのですが、まず、それについて、中長期的なことですので、どのようにも考えられるとは思いますけれども、いかがでしょうか。
【井上委員長】  松本委員、いろいろとありがとうございました。
 具体的に精力的に各自治体への問合せもしていただきながら、具体的な提案を幾つか示していただきました。これに対して、事務局から回答をお願いできますでしょうか。
【本村国際戦略企画官】  佐藤委員、松本委員、貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございました。
 今の松本委員からの御提言ですけれども、まずは、我々のほうに詳細な資料をお送りいただきまして、ありがとうございました。
 松本委員から送られてきたリストに掲載いただきました自治体に関しましては、今後の会議の案内などを含めまして、必要に応じて我々としてもコミュニケーションを行っていきたいと思っております。
 8番目の分野をつくるというところに関しましては、今回御報告させていただいたとおり、ユネスコのオットーネ事務局長補からは、まずは文学分野、デザイン分野で申請してほしいという話があったわけですけれども、この創造都市ネットワークの事業自体が世界的なネットワークを前提としておりますので、日本だけではなく、マンガ・アニメでまちおこし、文化を主導していきたいという、数多くの都市が世界に存在しないと、中長期的に考えても、8番目の分野を設けるというのはかなり時間を要することだろうと思っております。おっしゃるとおり、日本だけではなく、世界各都市において、このマンガ・アニメでまちおこしをしていきたいという自治体を増やして、日本とつながりを持っていただくというのが、中長期的に見て有益ではないかと考えております。
 また、佐藤委員からお話がありました市民参加の部分、今回、旭川市がデザインの分野で国際会議を開催されますけれども、今後、既存の11のクリエイティブ・シティーズ及び今後クリエイティブ・シティーズに申請を考えている自治体も含めて、市民参加、例えば、ユネスコ協会との連携というのは非常に重要だと考えておりますので、我々としてもUCCN、CCNJの会合の場において、市民参加、ユネスコ協会との連携等を我々からもアナウンスさせていただければと考えております。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 まずは松本委員、今の事務局からの御意見ですが、いかがでございましょうか。
【松本委員】  松本です。リストを見ていただいて、ありがとうございます。
 実は、ほかの方々は、個人としてはそのリストに入れるのは困るけれども、国内委員会とか、そういう規模の大きいところから、何といいますか、私ではちょっと力不足でして、より権限のあるところから連絡があったら是非欲しいという方が、リストには名前は挙げないけれども、という連絡先がございますので、そちらもお送りいたします。どうぞ、そちらにも連絡してあげてください。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 今の御意見に関しましてですけれども、先ほど佐藤委員からの御指摘もございましたように、事務局からユネスコへ問い合わせていただき、マンガ等は文学分野またはデザイン分野の一部になれるというふうなところ、ここを確認していただいたということは、まず我々の提言に対しての、いい方向への第一歩を踏み出せたのではないかなというふうには思います。今、松本委員が御指摘くださった具体案、そして、今、事務局からも申し上げましたとおり、各都市への呼びかけというものは今後していかなければいけないことだろうと思いますけれども、こういうことにつきましては、ロビー外交というようなものも必要になってくるのではないかなと私は思っておりますので、引き続き、いろんな呼びかけとともに、さらに、マンガというふうなものを、文学分野、デザイン分野で、まずはここに手を挙げてくれる都市がどれだけいるのかということも確認する必要があるのかなというようなことを思っている次第です。要は、この両輪で運動として日本からの提案を今後も推し進めていくという方向へ持っていったらどうかと思っている次第であります。

【事務局】  片岡委員、お願いいたします。
【片岡委員】  片岡です。よろしくお願いいたします。
 お話を伺っていて、UCCN、これらの参加都市をどのくらい増やしたいと思っていらっしゃるのかという、そのターゲットのイメージが分からなかったので、さらにかなり積極的に増やしたいと思われているのか、これまでを見ると、2年に1都市ぐらい増えているのかなというようなスピード感なので、そのくらいでよろしいのか、その辺りを一つ質問させていただきたいと思いました。
 それを踏まえてですけれども、マンガ・アニメが文学もしくはデザインに含まれるというのは、大変良いニュースなのかなと思いました。日本を代表する視覚文化の一つですから、それはもう少し打って出たほうがいいのかなと思っていまして、個人的には、どちらかというと、文学のほうなのかなとは思います。
 あと一方で、クラフト&フォークアートという分野についても、近年では、例えば、100年前に起こった民芸運動などが再評価されているところもあり、例えば、このMINGEIというのがそのままアルファベットで世界に通用するような言葉にもなっていますから、こうしたところについてももう少し強化できるのではないかなというふうに思いました。
 そうなると、公募をして待っているというよりは、やはり事務局の側から特定の都市、例えば、マンガミュージアムのようなものを置いている都市もありますし、それから、著名な漫画家の出身地で固有の漫画家の記念館のようなものを持っているような都市もありますから、そうしたところを選んで、あるいは、クラフト&フォークアートでしたら、民芸で有名なまちもたくさんありますし、ので、そうした特定のところに絞ってお誘いをしていくということが必要なのかなというふうに思いました。
【井上委員長】  貴重なコメントありがとうございました。
【事務局】  それでは、蓮生委員、お願いいたします。
【蓮生委員】  恐らくタイミング的に少し前の議論のほうに戻ってしまうかと思いますが、すみません。手を挙げていたんですけれども、入れてなかったようで、申し訳ございませんでした。
 まず初めにマンガ・アニメについてですが、渡辺元国際統括官におきましては、ユネスコ本部に実際確認していただきまして、本当にありがとうございました。
 そしてまた、佐藤委員、松本委員のイニシアティブによりまして、日本国内の地方の興味・関心について、実際の数値に基づくフィールド調査、アンケート調査を行っていただきまして、現在の地方の状況、関心の高さというものを数値的に表していただきまして、ありがとうございました。
 特にそれと関連して、松本委員によるCCNJを活用して、CCNJの中に一つのカテゴリーとしてマンガ・アニメ等をつくり、そのネットワークを強化することを通して盛り上げていくという具体的な御提言、非常に価値の高いものだと思います。是非、それを推進していく具体的な活動を、また方策を私たちも考えていけたらというふうに思っております。
 一方で、グローバルレベルにおいてですが、グローバルレベルにおいては、現在のところ、独立した8番目のカテゴリーとしては、マンガ・アニメを創出することは考えていないということが事務局側からの現状での回答ではございましたが、このような国内の盛り上げを、またそれを海外に波及させていくことによって、既成事実をつくっていき、その後、UCCNの中で数が増えることによって、一つの勢力となることにより、将来的にはカテゴリーとして独立させるということも夢ではないのではないかと思っております。これを一つのルートとして、あるいは、一つの戦略として捉えて、具体的に動いていくということが重要ではないかというふうに考えております。
是非代表部をはじめとしたグローバルレベルの御協力を仰ぎたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【井上委員長】  蓮生委員、ありがとうございました。貴重な御意見、事務局のほうでも受け止めさせていただきまして、引き続き活動を続けていきたいなと思っております。
【事務局】  芳賀委員、お願いいたします。
【芳賀委員】  ありがとうございます。芳賀です。
 ユネスコは新しいマンガ・アニメ分野の追加は今は考えていないということです。その追加のためにこれからいろいろと働きかけるにも時間がかかるでしょう。また、片岡委員のおっしゃるとおりに、マンガ・アニメはデザイン分野ではなく、私も文学分野のほうに属すると思います。
 さて、今後の対処方針としては、蓮生委員のおっしゃったように、事態をどんどん進めるべきです。つまり具体的には、「文学・マンガ・アニメ」という分野をつくらせる。「文学」の後に「丸ポツ」マンガ「丸ポツ」アニメという分野名を追加させる。同時に、日本がこの文学の分野にマンガ・アニメを積極的に登録にしていく。そのためには、例えば、今思いつくのは、ポーランドのクラクフにも北斎漫画に由来するManggha博物館とかがありますから、そういう都市と一緒に働いて、マンガをとにかく文学分野に登録させて既成事実を作ってしまうということを具体的にしたら良いかと思います。
 ただし、多分、そのときに問題になるのが、「リテラチュア」というのと、漢字文化圏の「文学」というのの概念の違いです。「リテラチュア」は言語表現を意味すると思われます。一般的には視覚的ではない、アルファベット等の文字で表されている言語表現という概念です。そこで、我々としては、マンガ・アニメは「造形言語」であり、そういう「言語」もがあるんだということを主張すべきです。
 一方、中国の「文学」は、論語にあるように、書物による学問という意味ですが、マンガは書籍形態ですから、今はインターネットその他ももちろんありますけど、そういった論語での概念での文学という概念にマンガは入るんだ、ということを理論立てて主張していく。
 その2つを理論として、文学・マンガ・アニメという分野名をつくり、同時に、文学分野に日本とポーランドその他がどんどんマンガ・アニメを登録して、既成事実化を進めるべきだと思います。
【井上委員長】  芳賀委員、ありがとうございました。マンガをどう位置づけていくかというふうなこと、今の言語表現と併せて、視覚表現というふうなものも合体したものをどのように世界に訴えていくかというふうなことだろうと思います。貴重な御意見ありがとうございました。
【事務局】  小浦委員、お願いいたします。
【小浦委員】  小浦です。よろしくお願いします。
 先ほど片岡委員が少し御指摘されていましたけれども、UCCNに対して、日本としてどれぐらいの都市を申請していくのかという話題があったと思うのですけれども、それというのは、ある意味、ユネスコのミッションとして求めていることはベースとしてあるけれども、同時に、日本として、この創造都市というものを、ユネスコのミッションを踏まえた上で、どう情報発信していくかという、ある種の政策というか、提言を持つべきではないかなというのを聞きながら思いました。
 確かに活動の主体は自治体ですけれども、どういった都市がどういう活動をしているかというのはグローバルに見られるわけで、それをある程度一つの国の情報発信として戦略的に考えるということもあるのかなというふうに思いました。
 もう一つは、CCNJとはやはり活動の目標というものも違うと思うので、そこをうまく役割分担しながら働きかけていくということが大事かなというふうに感じました。
 CCNJの今度一緒に会議をする国際ネットワーク部会というのがどういう位置づけなのか、書いてあることは読んだら分かのですけれども、実際活動として、CCNJの中でどういう位置づけで、連携して会議をすることによって、CCNJとUCCNの関係においてどんな可能性が広がるのかというようなこと、もし考えておられるところがあれば教えてください。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 それでは、時間が迫っておりまして、次に、創造都市ネットワークに加盟登録された岡山市様が控えておりますので、今の御質問に対しては、短めに事務局からお願いできれば幸いでございます。
【本村国際戦略企画官】  委員の先生方、様々な貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございます。
 最後のCCNJ部会との連携のところ、国際ネットワーク部会ですかね。CCNJの中に国際ネックワーク部会というのが設置されておりまして、今現在18団体が加盟しております。UCCNに加盟している都市が11都市ですので、それ以外の都市も入っております。中には、将来的にUCCNを目指したいという団体も入っておりますので、本日いただいた御意見等も我々は踏まえて、必要に応じてCCNJの皆さんとも共有させていただいて、今後の申請の際の参考にさせていただければと思っております。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 先ほど申し上げましたように、岡山市様が待ってくださっておりますので、この議論に関しましては、この辺で打ち切りたいと思うのですが、これだけは言っておきたいというふうな御意見ございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。御理解いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、続きまして、議題4の岡山市におけるユネスコ創造都市ネットワークの取組に移ります。
皆様御承知のとおり、昨年10月、岡山市が、文学分野でユネスコ創造都市ネットワークに加盟されました。今回は、岡山市からこれまでの取組や今後の展望についてお伺いし、これからの議論の参考にさせていただきたいと思います。
それでは、遅くなって恐縮でございますけれども、岡山市様から御発表をお願いしたいです。岡山市市民生活局文化振興課の流尾正亮主査から御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【流尾主査】  先ほど御紹介いただきました岡山市役所文化振興課の流尾と申します。非常に議論が活発にされている中で、中断するような形になってしまい申し訳ありません。
 岡山市では、先ほど御紹介もありましたとおり、文学創造都市岡山ということで、昨年の10月の末にユネスコ創造都市ネットワークの文学分野に認定をされるということができました。申請に際しては、このユネスコ国内委員会の先生方にもいろいろアドバイスをいただいて、それを踏まえて修正したもので提出をさせていただきました。また、文科省の皆様にも大変たくさんのアドバイスを非常に限られた時間の中でいただきまして、おかげさまで、何とか認定をされたものだというふうに思っております。改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。
 岡山市では、文学による心豊かなまちづくりというのを目指しまして、ユネスコ創造都市ネットワークにも申請をしまして、文学賞をはじめ、これまでの取組を取りまとめるような形で事業を進めてまいっておりますので、その取組内容について概要を御報告させていただきたいと思っております。
 最初のページでは、「文学創造都市おかやま」というふうに銘打って取り組んでいるユネスコ創造都市ネットワーク関係の事業について、数字が拾えるものを中心に、一旦お示しをさせていただいております。この後で具体的な事業の内容について御紹介させていただけたらと思っております。
 事業の分野として、ここに1から9まで書かせていただいておりますけれども、1つ目、市民の郷土の文化に対する誇り・愛着の醸成ということで、事業数、取組件数、それから、参加者数というのを延べ人数で書かせていただいております。最初の愛着の醸成というところについては、文学フェスティバルであるとか、児童養護施設と大学との連携の取組などを行っております。
 2番の国内外への情報発信というところについては、新たに作成するローカルマガジンの発行であるとか、国際的な事業の取組、それから、ポスター・リーフレット・動画等の作成、学生の交流などといったものを含んでおります。
 3番の創造活動の活発化については、ライター・イン・レジデンス、いわゆるアーティスト・イン・レジデンスの作家版というものをやってましたり、それから、作家を育成するような、書き手を育てるような取組というようなことを行っております。
 その下の4番、5番については、特に行政が申請をする主体になった事業ではありますけれども、民間団体との連携をしっかり進めていこうということで、連携した取組であるとか、少し文学が関係するような、もともと取り組んでおられる取組を仲間に入れるような提携事業であるとか参加事業といった名前で、様々な民間団体、市民団体の方々が取り組まれることも文学の取組の仲間だということで、一緒に取り組むようなことを進めております。
 6番は大学における講義ということで、大学から声がかかりまして、地域づくりであるとか政策面の事業が中心ですけれども、そういったところでの講義をさせていただいております。
 7、8、9については、実施している賞であるとか、募集をかけているようなものを御紹介させていただいておりまして、岡山市が、児童文学を中心に賞がありまして取組を進めておりますので、市民の童話賞というもの、それから、市民の文芸という、童話プラス詩であるとか、書であるとか、様々なより広い分野の取組ですけれども、そういったところの大きな図を書かせていただいております。
 9番目の愛LOVEおかやま川柳というのは、商工会議所さんが中心になって進めている、市の愛着を増していきましょうという取組と連携させていただいておりまして、そちらのほうが2万3,000首以上の応募がありまして、現時点では国内で最も多い川柳の募集がかかっているということなので、市ともしっかり連携してやりましょうということで、多くの方に周知をさせていただくということも含めて、協力をして取り組んでいるというところです。
 一番下に連携事業等というので2点書かせていただいておりますけれども、こちらについては、ユネスコに申請を出す際に、国内委員会の審査をいただいた際に、岡山の取組の中で欠けているのではないかというふうに御指摘をいただいた、特に2点ございましたので、それについて書かせていただいております。
 1つは、市の庁内連絡会議というのを立ち上げておりまして、特に御指摘があったのが、市の教育委員会との連携が少ないのではないかということがありましたので、学校分野を担当している学校指導課、それから、図書館等を中心に、生涯学習施設、公民館もそうですけれども、中心に取り組んでいる生涯学習課、それから、岡山市は10年以上前からESDという、こちらもユネスコの関連事業ですけれども、教育分野の事業に継続して取り組んでおりますので、こちらの担当をしているSDGs・ESD推進課というところと、文化振興課、我々の文化・文学を担当している部門との連携会議を立ち上げて、情報共有等を行っているというところです。
 具体的に学校の取組まで今行っているわけではないんですけれども、教育委員会とまずは情報共有をしていったというところが加盟後の動きとなっております。
 それから、もう1点、岡山ユネスコ協会、民間のユネスコ協会様がおられますが、こちらも継続して活発に活動されておりまして、こちらの連携がないのではないかという御指摘もございまして、改めて連携・連絡を取り合っておりまして、市のほうから岡山ユネスコ協会の総会に参加をしたりということもしておりますし、今年がユネスコ協会30周年という、再設立をされてからの30周年というふうに聞いておりますけれども、30周年の記念行事をされますので、そこに少し文学と創造都市ネットワークをテーマとして入れていただきまして、シンポジウムを共同で開催させていただくということになっております。これに限らず、様々な事業で連携をしていきましょうという話をさせていただいているところです。
 ユネスコの認定をされるに当たって、される直前にロゴマークを作成して、市民の方々、県民の方々に周知をさせていただこうということで考えて作成しております。本の背表紙を開いたような形で、しおりが下にちょっと出ているようなものになっておりまして、あと、岡山で多く生産されている桃をイメージして作っていただいたと。また、色味に関しても、日本で古来から使われているような朱色であるとか、それから、もえぎ色といった色であるとか、そういったような色にも配慮をしつつ作成をしたというものでございます。
 文学創造都市おかやま推進会議というのを、民間の方々中心に十数名で構成されている会議を開催しております。事務局としては、岡山市の文化振興課が担っておりますけれども、こちらの会議の中で、民間の商工会議所であったり、新聞社様であったり、地元の出版社、独立系の本屋様、それから、書店の中継ぎをされているような事業者の方々を中心に入っていただいて、全体の方針に承認をいただいたりとか、予算についても御相談をしたりしております。
 具体的な事業については、市が事務局として取り組むものももちろんあるんですけれども、主なものについては、参加いただいているメンバーの方々に担っていただいて、そこに対して、市が予算面であるとか、例えば会場の部分であるとか、そういったところを協力するというような形で、あまり行政主導になり過ぎないようにというような形で、コミュニケーションを取りながら進めているいうところです。
 岡山市内には吉備路文学館という文学の施設もございますので、こういったところは特に中心になって、委員のメンバーにもなっていただいておりますけども、進めているところです。
 こちらの施設は、地元の第一地銀である中国銀行さんというところがあるのですが、そちらがメセナ事業的な形で設置をしているところですので、そういった銀行・金融機関とも連携を今後進めていけたらいいなというところで考えております。
 昨年、認定を岡山市がされて以降、韓国の富川市という、こちらは岡山市の姉妹都市でもある、ソウルの近くにあるまちですけれども、こちらの文学賞のほうに招待を受けまして、我々、参加をさせていただき、文学賞の会に出席させていただくのと、それから、ほかの都市、5都市、6都市ぐらいですか、参加されていたので、情報交換会、実績の紹介などを受けて勉強させていただいたということもさせていただいております。
 そして、人材育成の事業の一つとして行っているんですが、ライター・イン・レジデンス、アーティスト・イン・レジデンスも開催しております。乗代雄介さんという作家様に来ていただきまして、その方々が滞在して作品を書いていただくということと併せて、その来ていただくタイミングで、自分で作品を書きたいという方に向けての書き方、小説の練習といったようなワークショップを昨年度、年3回開催いたしまして、今年度もまた年3回というような形でさせていただいております。
 ここに参加した受講生の方々が、有志で自分たちが書いた作品を出版する、自費制作の同人誌のようなものですけれども、そういったものを作成するというような動きも出ておりまして、我々事務局としては、ワークショップを単にするだけではなくて、そういった作品として成果物が出てくるということが非常によかったなというふうに考えております。
 こちらは川柳作家の時実新子さんという方で、昭和の川柳作家様なんですけれども、川柳会の与謝野晶子とも呼ばれた方でして、この方が市内出身ですので。ということで、地元の町内会の方であるとか、醤油蔵を持たれている会社さんが中心になって盛り上げていただいて、この方の句碑を設立したということがあります。
 非常にありがたいのが、こういった民間発の自分たちがやりたいというような動きがあって、そこに文学を絡めていただいたり、市も、我々文化振興課だけではなくて、これは区づくりというか、区役所があるんですけれども、区役所の地域づくりの部門を巻き込んで、ここの、実際場所としては国交省の河川事務所の所管の領域ですので、市も横断的に文学をきっかけにして地域づくりに貢献するというようなことができているのがありがたいなというふうに言っております。
 おかやまZINEスタジアムという、文学で、独立系書店さんを中心に事業として取り組んでいるものですけれども、先ほど申し上げたような同人誌、業界ではZINEというふうに呼ぶらしいのですが、このZINEスタジアムということで、コミケの文学版というような感じですけれども、これを町なかの閉校になった廃校の小学校の体育館で開催をしているというところです。
 50組の出店を想定していたんですけれども、それに対して70組以上の応募があるということで、当初想定していた以上にいろいろクリエーターが多くおられて、実際に自分たちが作ったものを販売されるということをされているということが我々も分かりまして、非常に滞留時間も長いイベントになっていて、1日で800人、900人ぐらいが来られるんですけれども、滞留時間が長いので非常ににぎわっていたような形でした。
 先ほどのZINEスタジアムと同様に、町なかで様々な取組をしましょうということで、表町という市内の大きな商店街の中での古本の販売市をしたりしております。
 それから、これも文学フェスティバルというイベントの一環でやっておりますけれども、文芸小学校という、これは独立系書店が中四国・関西域から集まって行うような販売イベントを行っております。
 このユネスコ創造都市ネットワークに認定されたということで、例年開かれている総会が、今年はポルトガルのブラガというところでありましたので、中心にある岡山市大森市長と、それから、右に写っておられるのが、先ほどお話に出たユネスコのオットーネ事務局長補ですけれども、一緒に出席をして、岡山を認定してくれてありがとうというような話もさせていただいております。
 時間がかなり迫ってしまっているので、ざっと御紹介だけ。こちらは国際貢献事業ということで、アジアの紛争地域のほうに絵本を届けましょうというワークショップを、子供たちの参加を受けて県立図書館で行ったものです。
 次は、文学、演劇、それから、脚本等々がある舞台というのも併せて文学だろうというふうに捉えていまして、様々、演劇とか舞台芸術の取組も、文学創造都市おかやまの事業に位置づけて行っております。
 また、8月13日ですけれども、アイルランドのダブリンというところがユネスコ創造都市ネットワークのメンバーでもありまして、それから、大使館のほうから御紹介もありましたので、こういった海外の作家さんのトークイベントなども行っております。
 最後ですけれども、やはり若い世代にも分かっていただく、伝わるようにということで、動画も作成しまして、こういったところで幅広くPRができたらというふうに思っております。
 まだまだ岡山市としては認定されて1年というところですので、足らない部分であるとか、ほかの創造都市から勉強しているというような段階ですけれども、様々いろいろ取り組んで、振り返りもしながら、また、御意見もいただきながら進めていきたいというふうに思っております。
【井上委員長】  流尾さん、本当に時間的制約がある中で、様々な取組をコンパクトに御発表いただきまして、ありがとうございました。
【流尾主査】  ありがとうございました。
【井上委員長】  それでは、ただいまの御説明を受けまして、短い時間で委員の方々には大変恐縮でございますけれども、11時25分をめどに、皆様方、御意見あるいは御質問をいただきたいと思いますので、挙手ボタンを押していただきますようお願い申し上げます。指名は事務局からお願いいたします。
【事務局】  芳賀委員、お願いいたします。
【芳賀委員】  急いで2つ。
 1つは、最後の動画YouTubeを拝見いたしました。清楚な文学少女というステレオタイプが少し気になりましたけれど、しかし動画の最後のところで、自分で文学を縦書きに原稿用紙に書いているのは非常に感心しました。日本文学はやっぱり縦書きじゃないといけないと思います。横書きのコンピュータ画面ではなくて。大変によかったと思います。
2つ目。創造都市におけるマンガ・アニメの登録に関してですけど、何か岡山県から協力とか援助を受けることができたらいいなと思いました。勿論岡山市と岡山県というのは違うのでしょうが、例えば、岡山県出身の青木雄二氏の『ナニワ金融道』とかはあまり世界的には有名ではないですけど、岡山県出身の岸本斉史氏のマンガ・アニメ『NARUTO』とかは非常に有名で世界中の人が知っていますから、これから国際的な場で、創造都市おかやまの取組を紹介するときに、ちょこっと『NARUTO』をその紹介に入れてくれるとか、そういうことをして援護射撃をしてくださるとありがたいと思います。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
【事務局】  片岡委員、お願いいたします。
【片岡委員】  岡山は、現代アートの分野でも、「岡山芸術交流」ですとか、あるいは、近隣にも直島があったりとか、かなり国際的にも知られている地域なので、定期的にそうした芸術祭などがあるときに、積極的に何かその一部でもコラボレーションされるようなことがあると、別の分野の方たちにも広がりがあるのではないかなと思いました。文学的な素材をテーマにして作品を作っている現代アーティストも少なくありませんから、そうした試みも可能性はあるのではないかなと思いました。
【井上委員長】  ありがとうございます。
 ほかの委員の方、いかがでございましょうか。
 もしないようであれば、今、芳賀委員と片岡委員のコメントにつきまして、流尾様のほうから御意見等ございますでしょうか。
【流尾主査】  ありがとうございました。
 芳賀委員からは動画をお褒めいただいて、ありがとうございます。ちょっとステレオタイプだというところは反省ですけれども、我々としては、読むだけではなく、自ら作り出すというところを、最後、本当に受けるだけではない、能動的な動きというのを出したいということで、広告会社と一緒に話し合って作ったものになりますので、その点も見ていただきたいなと思っております。
 それから、マンガについては、我々も外部の委員会の皆さんの中で、マンガについての御意見も出ているところです。ただ、岡山市の中には、少し著名な漫画家というか、おられるはおられますけれども、マンガを推しにしてしまうと、ほかの、それこそマンガミュージアムがあるような自治体と比べるとちょっと弱いなというところがあるので、どちらかというと児童文学中心にやっているので、そちらを中心にいきましょうというふうに委員の方と話になっているという点はあるのですけれども、先日の海外の会議に出た中でも、やはり日本はマンガ・アニメーション、すごいよねというような話は話の中で出てきておりますので、やはり海外からの関心も非常に高いというふうに思っております。
我々もマンガを何らかの形で、作家の方含めて、県内含めて、生かしていけるようにということをこれからも考えていきたいと思っております。
 それから、片岡委員からございました芸術祭とのコラボについてですけれども、岡山で3年に1回行っております「岡山芸術交流」というのは、同じ文化振興課の中で所管をしてやっておりますので、極力コラボしてやっていきたいというふうに思っております。
 ただ、ディレクターの方々のこだわりも非常に強くて、我々として提案をするけれども、なかなか難しい部分もあるので、そこは粘り強く交渉をしていきながら、何らか文学を入れていただけないかなというふうなことは思っております。
 先ほどもおっしゃった、ベネッセのほうで、福武財団のほうでやっておりますほうで言いますと、犬島という島が岡山市内にございまして、そちらのほうは、三島由紀夫先生のモチーフの展示もございますので、そういったことも福武財団の方とは少しお話をしたことがあるんですが、うまい形でコラボレーションしていくことができないかというのも引き続き探っていきたいと思っております。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 ほかの委員の方、何か御意見ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、今、岡山市様のほうから発表いただきましたけれども、ユネスコ創造都市ネットワークに登録されることがこの目的ということではなくて、やはり引き続き岡山らしい文学創造都市というふうなものをさらに世界に広げる、そして、世界とのネットワークをつくり、すばらしい都市づくりに役立てていただければと我々一同願っておりますので、引き続き、どうぞ頑張ってください。
【流尾主査】  ありがとうございました。
【井上委員長】  今日は、お忙しいところ、ありがとうございました。
【流尾主査】  ありがとうございます。
【井上委員長】  どうもいろいろとありがとうございました。
 これまでいただきました委員、いろいろと御意見ありがとうございました。
 文部科学省におかれましては、これまで出されました各委員の方々からの御意見などを参考に、ユネスコ創造都市の取組の活性化を図り、また、加盟を希望する地方自治体の後押しができるよう、各方面との連携を深め、そして、引き続き様々な支援を講じていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、最後、議題5のその他に移ります。
 委員の方々から何かございますでしょうか。芳賀委員、先ほどは失礼いたしました。世界遺産について、芳賀委員が挙手ボタンを押していただいたのですけれども、芳賀委員、何か世界遺産についてコメントございますでしょうか。
【芳賀委員】  PDFの11など一部の書類は、むしろ英語のママで表記してくれたほうがありがたいです。そのほうが後で使えます。例えば、佐渡島の世界遺産登録の経緯に関して国際的に英語でどう表現されているか、ワーディングされているのかは、今後の会やその他で重要なので。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 では、事務局のほう、よろしくお願いいたします。
【事務局】  蓮生委員、お願いいたします。
【蓮生委員】  ありがとうございます。
 最後になりますが、一つ、今回、附属資料として、ユネスコ文化及び情報・コミュニケーション分野の最近の国際的な動きについてという資料を国際統括官のほうから御準備くださいまして、私どもに情報共有をしていただきまして、本当にありがとうございました。こういった取組、非常に感謝しております。今後も是非続けていただけたらありがたいと思います。
 それに関連してですが、附属資料の中に、UCCNの活動に関するユネスコの内部監視局、インターナル・オーバーサイト・サービスによる監査報告書というものが提出されたという記述がございました。これに関して、一つだけ申し上げさせてください。
 現在、日本においてUCCNの加盟都市が個々の活動を行っているわけですが、グローバルなネットワークとしての相乗効果をどのように見いだしていくのかというのは、常に大きな課題としてあったと思います。
 この点に関して、このエグゼクティブボード、実行委員会の報告書の中では、今までその具体的な方法や手段、いわゆるフレームワークなどが個々の地方自治体にはなかなか見いだせなかった現状を踏まえて、当報告書においては、ユネスコの事務局がそれに対してもっと積極的に関わるよう、いわゆる情報提供及び示唆等を行うようということを勧告していた点が非常に注目されます。
 これは日本の自治体にとっても、先ほど岡山市さんの例を見ても、恐らくそういったところは大きな関心事であり、悩み事でもあると思いますので、これは非常によい方向への動きの表れだと思いますので、是非この辺り、代表部にもフォローアップをしていただきたいというふうに思いました。
【井上委員長】  蓮生委員、ありがとうございました。
 事務局、これに対して、何か短くコメントございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 ありがとうございます。もしないようでしたらば、最後に、事務局から事務連絡をお願い申し上げます。
【岡田ユネスコ協力官】  次回の日本ユネスコ国際委員会総会でございますが、9月6日金曜日、14時から16時に開催予定でございます。
【井上委員長】  ありがとうございました。
 それでは、これで本日の第11回文化・コミュニケーション小委員会を閉会いたします。
 本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。

―― 了 ――

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