日本ユネスコ国内委員会第5回文化・コミュニケーション小委員会 議事録

1.日時

令和4年2月24日(木曜日)16時30分~18時00分

2.場所

オンライン開催(Webex)、文部科学省国際課応接室(12階)

3.出席者

(委員)
羽田委員長、佐藤委員長代理、井上委員、大枝委員、小浦委員、肥塚委員、小長谷委員、西藤委員、佐野委員、高橋委員、芳賀委員、蓮生委員、細谷委員、松本委員、丸尾委員、吉田委員
(関係団体)
大分県臼杵市食文化創造都市推進室 首藤室長
大分県臼杵市産業促進課食文化創造都市推進室 佐藤政策監
(関係省庁)
文化庁 文化資源活用課文化遺産国際協力室 守山室長補佐
文化庁 地域文化創生本部暮らしの文化・アートグループ 安井チーフ
(事務局)
田口事務総長(文部科学省国際統括官)、町田副事務総長(文部科学戦略官)、河村事務局次長(国際統括官付国際戦略企画官)、堀尾事務総長補佐(国際統括官補佐)、原事務総長補佐(国際統括官補佐)、新免ユネスコ協力官、その他関係官

4.議事録

【羽田委員長】  それでは時間になりましたので、これから今日の文化・コミュニケーション小委員会を開催させていただきます。
 本日は、委員の皆様方、御多忙中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 会議に先立ちまして、事務局は、定足数の確認及び事務連絡をお願いします。
【新免ユネスコ協力官】  現在出席の委員が15名で、全委員の過半数でございますので、定足数を満たしております。
 本日は、議題2に関しまして、文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室の守山補佐、また、議題3に関しまして、大分県臼杵市の佐藤政策監及び文化庁地域文化創生本部の安井チーフに御説明をお願いしております。
 なお、報道関係者の取材を受け付けておりますので、あらかじめお知らせいたします。
 一般からの傍聴につきましては、YouTube配信にて御覧いただいております。
 オンライン会議でございますので、委員の皆様、説明をお願いしております皆様におかれましては、発言の初めに、お名前を名乗っていただきますようお願いいたします。また、御発言、質疑以外は、音声をミュートにしていただきますよう願いいたします。
 最後になりますが、御意見、御質問等ございます場合には、画面下の挙手ボタンを押していただければと思います。御不明な点等ございましたら、遠慮なく事務局までお問合せをお願いいたします。
 以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまより第5回文化・コミュニケーション小委員会を開催させていただきます。
 本日の議事進行を務めさせていただきます委員長の羽田です。どうぞよろしくお願いします。
 本日の議事につきましては、全て公開とさせていただいております。御発言は議事録としてホームページで公開されますので、御承知おきください。
 議事に先立ちまして、委員及び事務局の異動がございましたので、事務局から御報告をお願いします。
【新免ユネスコ協力官】  初めに、委員の異動について御報告いたします。配付資料の参考1を御覧ください。
 昨年の12月1日付で新たに5名の委員に御就任いただいております。当方からお一人ずつお声かけさせていただきますので、一言御挨拶を頂ければと存じます。御出席の委員のみ、お声かけさせていただきます。
 それでは、初めに松本千恵子委員、よろしくお願いいたします。
【松本委員】  群馬県ユネスコ連絡協議会の事務局長をしております松本と申します。
 こういう会議に参加するのもリモートでも初めてなので、とてもどきどきしています。これから文化・コミュニケーション小委員会ということで、いろいろな会議も進められると思うのですけれども、今日は取りあえず聞かせていただくということで、よろしくお願いいたします。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。
 続きまして、丸尾直彦委員、よろしくお願いいたします。
【丸尾委員】  皆さん、こんにちは。
 大分県ユネスコ協会連盟の丸尾と申します。
 現場、高校の教員も兼ねてやっております。これからいろいろなことを勉強させていきたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。
 続きまして、吉田達哉委員、よろしくお願いいたします。
【吉田委員】  四国愛媛県新居浜市新居浜ユネスコ協会の会長を仰せつかっております吉田達哉と申します。
 小さな町でユネスコ活動を細々とやっておりますけれども、ぜひともよろしくお願い申し上げます。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。
 順序が逆になってしまって失礼いたしました。小浦久子委員、よろしくお願いいたします。
【小浦委員】  神戸芸術工科大学の小浦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。このユネスコ国内委員会の活動について十分まだ理解できていませんので、委員会を通して積極的に考えていきたいと思いますので、今後、どうぞよろしくお願いいたします。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。
 もうお一方の新委員でございます野間省伸委員は、本日御欠席でございます。
 続きまして、事務局の異動について御報告いたします。
 昨年10月1日付で河村裕美国際統括官付国際戦略企画官日本ユネスコ国内委員会事務局次長が着任しております。
【河村国際戦略企画官】  よろしくお願いいたします。
【新免ユネスコ協力官】  以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございます。
 それでは、田口国際統括官から、一言、御挨拶を頂きたいと思います。
【田口国際統括官】  ありがとうございます。
 文部科学省国際統括官の田口と申します。日本ユネスコ国内委員会の事務総長を務めております。本日は御多忙のところを、羽田委員長をはじめ委員の皆様には会議に出席いただき、本当にありがとうございます。
 本日は、昨年12月付で、再任・新任が行われておりますので、その後初めての委員会の開催ということになります。2022年度に向けた新しい審議サイクルに入りますが、委員の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 昨年9月に開催した前回の委員会では、2年に一度のユネスコの総会に向けた対応について、皆様から意見をいろいろ頂戴いたしました。どうもありがとうございます。
 本日の委員会では、初めに、議事次第ございますように、ユネスコの各文化事業について、「世界の記憶」をはじめ、昨年9月のこの会議以降の動きを報告させていただきます。「世界の記憶」につきましては、一部報道もされてございますが、新しい制度がスタートした後、11月末にユネスコに国内推薦案件を申請しており、今、ユネスコの審査を待っているところになってございます。
 それから、昨年9月以来の変化としては、ユネスコ創造都市につきまして、やはり11月に大分県臼杵市が、新しくユネスコ創造都市に加盟することになりました。今日、御説明を頂くことになってございます。
 それと併せまして、この創造都市については、文化庁や地方自治体の取組というのが別途ございまして、連携の在り方などについて、本日、御意見を賜りたいと考えてございます。文化、それからコミュニケーション分野は、ユネスコの「人の心の中に平和の砦を築く」というユネスコの理念を最も直接的に表す分野であると考えております。本日も、委員の皆様の大所高所からの率直な御意見を頂戴できますようお願い申し上げます。
【羽田委員長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続いて、本日の会議の議事及び配付資料について、事務局より説明をお願いします。
【新免ユネスコ協力官】  本日の議題は、4点ございます。議題1が「世界の記憶」について、議題2が文化庁ユネスコ関係事業について、議題3が「創造都市ネットワーク」の推進について、最後に議題4のその他でございます。
 配付資料の番号は、議題と連動してございます。資料1が「世界の記憶」について、資料2が「佐渡島の金山」の世界遺産への推薦について、資料3-1から3-3が大分県臼杵市さんの資料と文科省の資料、そして文化庁の資料でございます。また、参考1から参考4までは必要に応じて御覧いただければと思います。
 なお議題1は審議案件、議題2は報告案件、議題3は審議案件でございます。
 以上でございます。
【羽田委員長】  それでは、議事に入らせていただきます。
 議題1「世界の記憶」について、これは、今、御説明ございましたように、一部審議していただくことがございます。
 この委員会は、ユネスコ「世界の記憶」について、国内案件のユネスコへの推薦の審査は担当しておりませんが、ユネスコにおける取組の一つでありますことから、文部科学省から状況の御報告をお願いすることにしております。その上で、こちらは審議がありますけれども、「世界の記憶」の普及啓発について御審議をお願いしたいと思います。
 まず、事務局から説明をよろしくお願いします。
【新免ユネスコ協力官】  議題1では、資料1の1枚目と2枚目、特に9月に開催させていただきました、前回の本委員会以降のユネスコ「世界の記憶」の動きを中心に、事業の御説明をさせていただきます。
 その上で、3枚目で普及啓発に関する御説明をさせていただきます。
なお、普及啓発や広報に関しましては、次回以降も継続的に御意見、御提案、もしくは御協力いただきたいと考えております。
 それでは、説明に移ります。
 まず、1枚目、資料の2ページ目になります。
 これが「世界の記憶」の全体像の資料でございますけれども、世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進するといったことを目的としまして、1992年にユネスコが開始した事業でございます。今年でちょうど事業開始30年になります。
 人類史において特に重要な記録物を国際的に登録する制度、いわゆる登録事業といったものが、その3年後、1995年からスタートしております。
 ユネスコ執行委員会において、登録を決定します国際登録といったものは、登録に係る審査は2年に1回、1か国からの申請は2件以内となってございます。
 ほかに日本が関係するものとしましては、「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会(MOWCAP)等が登録を決定いたします地域登録といったものがございます。
 続きまして、2の具体的な内容でございます。
 対象は、(1)に記載のとおり、手書き原稿や書籍、新聞、ポスターから、例えば映画・フィルムとか写真等まで幅広い記録物が対象となっております。
 続きまして、(2)登録状況でございますが、現在、国際登録は429件、地域登録は56件ございます。そのうち日本からの登録案件は、国際登録7件、地域登録1件でございます。詳細につきましては、ページ番号で6ページ目、参考資料を御覧いただければと思います。
 続きまして、2ページ目に戻ります。
 2の(3)制度改正でございます。
 この「世界の記憶」に関しましては、2015年、いわゆる南京事件の登録を契機に、制度改正がユネスコにおいて取り組まれ、2021年4月に加盟国政府を通じて申請すること、当時国からの異議申立て制度を新設し、問題があれば当事国間で対話を行い、帰結するまで登録を進めないことなどを含みます制度改正が決定されたところでございます。
 続きまして、資料1の2枚目、ページ番号3ページ目になります。
 こちらは「世界の記憶」の国際登録、もしくは地域登録の事業の再開についてまとめた資料でございます。この国際登録や地域登録といったものは、どちらも人類史において特に重要な記録物を登録するといったような点で共通しますけれども、相違点としましては、決定の主体が、国際登録の場合はユネスコ執行委員会、アジア太平洋地域における地域登録の場合は、いわゆるMOWCAPといったところであるというところがございます。
 そのほかの相違点としては、1か国からの申請件数の違いや、その記録物のインパクトや影響力の範囲などがあろうかと考えております。
 初めに、資料の上段の1「国際登録に関する制度改正後の動き」の御説明をさせていただきます。2021年7月、改正後の制度の下で、ユネスコが国際登録に係る公募を開始しました。これに伴い、8月に国内においても、募集を開始したところでございます。
 その後、国内の審査委員会及び関係省庁連絡会議を経て、浄土宗大本山増上寺三大蔵、智証大師円珍関係文書典籍の2件を我が国からユネスコへの推薦案件として決定したところでございます。こちらは、昨年の11月末にユネスコに2件申請書を提出してございます。
 今後は、ユネスコ内の審査を経て、2023年にユネスコが登録案件を決定予定です。
 続きまして、2の「地域登録に関する制度改正後の動き」でございます。
 国際登録の改正に合わせて、ユネスコ加盟国を代表する各国のユネスコ国内委員会を通じた申請、異議申立て制度を新設し当事国間で対立する案件は対話を行い帰結するまで登録を進めない、といったことを含む制度改正が、MOWCAPの地域登録におきましても決定されました。ちょうど先週にあたる、2022年2月15日、MOWCAPにおいて申請受付が開始されました。それを踏まえ、2月18日、国内における申請受付を開始したところでございます。
 今後、審査委員会及び関係省庁連絡会議を経て、我が国からMOWCAPへの推薦案件の決定がなされます。こちらは、1国につき3件以内として決定予定でございます。その後の動きとしましては、2022年秋にMOWCAP総会において登録の可否が決定予定でございます。
 最後に3枚目、「世界の記憶」に関する国内広報・普及啓発についてです。
 ユネスコ「世界の記憶」が始まり30年を迎えますが、我が国では必ずしも認知度が高いとは言えないと認識しております。登録済みの案件の中には積極的に「世界の記憶」を活用しているような事例もあろうかと思いますが、必ずしもそのような活用が進んでいないとも思っております。
 各種の登録案件は、歴史の資料として、各管理者の方々が中心となり、ホームページやSNS、もしくはチラシとか展覧会などで広報活動を多々行っておられるといったことを承知しておりますが、「世界の記憶」の意義や趣旨なども含めての発信については、様々あるのだろうと認識しております。
 例えば、発信に関しては、管理者さんがユネスコ「世界の記憶」事業の趣旨等も含めて、機関や自治体のホームページの分かりやすいところに掲載していたり、もしくは周年行事や、5周年、10周年を記念した企画展の際などに、趣旨等も含めて記載したチラシを作成、配布しておられるケースもございました。
 この「世界の記憶」意義や重要性、広報ですけれども、引き続き各機関の皆様の発信に期待するところでありますが、同時に、文科省としても、今後、各機関の皆様に課題をお伺いするなどして、推進していきたいと考えております。
 そこで文科省では、国内における「世界の記憶」への認知度とふさわしい案件をユネスコに推薦できるようにするため、令和4年度から新規事業で、「世界の記憶」に関する国内広報と研修に関する事業を行いたいと考えております。現在国会審議中であり、現在、政府予算案として計上しているところでございます。
 この国内広報・普及啓発事業につきましては、まず、登録のメリットといったものを明確にすることが大事であると考えており、日本の文化財の国内における認知度向上や、世界的に発信やアクセス強化の好機にできればと考えております。
 例えば、申請者側のメリットとしましては、記録物の認知度向上、保存アクセス強化の基盤整備の契機になろうかと思いますし、政府においても、海外に向けて我が国の文化発信の強化につなげていければと考えております。
 そのための実効性のある広報・普及啓発活動としましては、例えば、メディアとのタイアップ、SNSの活用、文科省ホームページの充実、セミナーの開催など、いろいろ考えられると思っております。
 説明は以上です。皆様に御議論、御所見を賜りたい点としましては、委員の皆様方が考えられる「世界の記憶」の登録メリットについて、御意見をお伺いできればと考えております。また、実効性のある広報・普及啓発活動についても、幅広く御所見を賜ればありがたいと思っております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【羽田委員長】  ありがとうございました。
 前半の御報告、御説明についての御質問、それから、今、最後のほうにありました国内広報・普及啓発について、御意見あるいは御助言がある方は、挙手ボタンを押していただけますでしょうか。
【新免ユネスコ協力官】  芳賀先生、細谷先生の順でお願いいたします。
【芳賀委員】  芳賀です。「世界の記憶」の選考委員でもありますので、一言だけ確認をいたしたいと思います。
 今、新免さんから、「世界の記憶」の第1の目標は、「記録物の認識を高め、保存やアクセスを促進する」とありました。すなわち、「登録」は目標ではありません。そういう意味で、広報・普及啓発こそ本当の目的であることを改めて確認したく思います。
 ありがとうございます。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。まさに芳賀委員のおっしゃるとおりであり、「世界の記憶」事業の目的のために、登録業務のみならず普及啓発等をしっかりやっていきたいと思っております。
 続きまして、細谷委員、お願いいたします。
【細谷委員】  どうもありがとうございます。
 御説明もあったように、これも周知のごとく、これまで非常にトラブっていた制度なのです。5年以上ですが、南京事件とか慰安婦問題が出てきてしまって、とにかくもう日本としては火消しに追われて、制度改善にやっとつなげたということで、今回、普及啓発について我々の意見を伺っていただいているというのは、恐らくは、非常にネガティブな期間が続いた後、今後は前向きに取り組んでいくという政府の御姿勢の表れかとは思うのですが、そういう前提でコメントさせていただきますと、この制度の基本目的、世界の歴史に大きな影響を持ったものを記録に残していくと同時に、危機に瀕したものを保護していくという側面、両方あるのだろうと思うのです。両方、実は両立するよりも相入れない面もあって、開発途上国の支援の面が多分にこの制度にはあると思うのですけど、我々日本のような先進国にとっては、恐らくは危機には瀕してなくても、非常に価値の高いもの、あるいは有名なものを登録していくというのが恐らく戦略じゃないかなと思います。
 その意味で一つ伺いたいんですけれども、これ、世界遺産とか無形遺産と違って、後発の制度ですので、まだもうあちこちから我も我もとたくさん申請が上がってきているという状況ではないのかなと拝察しているのですが、つまり、もっと掘り起こしていかなければいけないという。
 そこで伺いたいのは、関係省庁連絡会議というのは持っていらっしゃるということなのですけれども、記録物というのは非常に多岐にわたっていて、いろいろまたがっていると思うのです。それは、博物館であり、美術館であり、図書館であり、公文書館であり、省庁の担当、体制としても非常にまたがっていて、私がまず思いますのは公文書です。公文書は、まず内閣府の国立公文書があって、各自治体にももちろんあるわけですが、そうすると、総務省を通した全国の自治体にどこまで周知されて、どれだけの協力が得られているか、それから図書館でいえば、もちろん、まずは国会図書館があって、国会の協力が必要なわけです。
 伺いたいのは、それらのほかの行政機関からの積極的な関与が今までどれだけ得られているかという、ちょっと率直なところを教えていただきたいと思います。
 その上で、政府サイドでいろいろ横断的に、積極的に掘り起こしを図った上で、かなりのものはもちろん出てくると思うのですけども、ただ、この制度についてまわる一つの大きな注意事項というのは、世界遺産の関係機関はまさにそうなのですけれども、たくさんになり過ぎると、一旦離陸した後は、もうとにかく、みんな登録競争になって、世界的にもそうですし、国内もそう。たくさんになり過ぎるということ、まだそこまでこれは行ってないんでしょうけども、ですから、もう出てくる中から精選して、いいもの、本当に戦略的に大事なものに絞っていくということが、念頭にあっても遅くないんじゃないかと思います。
 それで、私、非常に素人的なコメントになるんですけど、本当に世界的に有名な、これこそ日本の本当の記録物、誰でも知っているようなもの、というのをどこまで優先してやるか。例えば、かつて議題に上がったことがあるらしいですけど、『源氏物語絵巻』とか、あるいは、今まで知られてなかったけれども、非常に価値のあるもの、どちらにウエートを置くかというと、非常に単純に言いますと、私は前者じゃないかと。
 それで、まさに普及啓発の観点から言いますと、それは何だって普及啓発する価値があるわけですけれども、一般の人が広く認知するに至るものというのは、まずもって非常に有名なものということが前提条件になるんじゃないでしょうか。それがこの制度全体のレベルアップ、基本基盤強化につながっていくと。
 今まで、これ要するに南京事件とか、そういうマイナスのことばかりがニュースになってきた制度、プラスのことをニュースにするためには、本当にそういう、今回の2つは非常に価値があるものだと思うのですけど、もっともっと有名なものからまず精選してやる必要があると思う。
 それで、一つ、これはちょっと突飛なアイデアかもしれませんが、普通に、我々、専門家、委員会、政府、各省庁が推薦して挙げるもの、それがユネスコに行って登録されても、一般の人はほとんど知らないわけです。何か専門家たちが決めちゃっていて、時々ニュースになっている程度の認識しかない。
 推薦リスト、選択肢をたくさん入れたリストを例えば公表して、その中から、今年、政府として推薦するに値する2件はどれがいいかという、一般国民レベルのアンケート調査とか人気投票をやってみたらどうか、思いつきですが、例えばですけど、私、それぐらいのことしないと、本当の認知度、広く広まることにならないと思います。例えばNHKでシリーズで取り上げてもらうということも、もちろん、もっと大事なことかもしれませんけれども、そこは多角的にいろいろ戦略的に考えていただいたほうがいいと思います。
 以上です。少し長くなってすみません。
【羽田委員長】  すみません。これ、次の議題の説明の方が、ちょっと時間が限られていますので、今たくさん手が挙がっているんですけれども、その方々に全部御発言いただいていると、多分、時間的にとても厳しくなってしまうと思います。
 大変申し訳ないんですけれども、それぞれ、今、手を挙げていらっしゃる先生方、手短に要点だけお話くださって、そこで1回切らせていただきます。その後、次の議題、時間が限られている方にお話しいただいた後で、もう一度ここに戻っていきたいと思います。ちょっといろいろややこしくて申し訳ありませんけど、よろしくお願いします。
 まず、佐野先生、蓮生先生、それから小浦先生ですか、この3人の方に御発言いただいて、ごく短くお願いいたします。
【佐野委員】  では、佐野から行きます。
 細谷先生が、アンケート調査をしたらいいんじゃないかというふうにおっしゃって、たまたま私、自分の母校の高校で、高校生に「ユネスコって聞いたことある?」みたいなことをちょっとアンケートを取ったら、20%ぐらいの人しか知らないというんですか、ちょっと遠慮して、そういう結果になったのかななんて思うのですけれど、ほとんど「ユネスコってどういうことやっているところが知っている?」という問いに対して説明できた人が本当20%で、それが世界遺産だけだったんです。
 なので、この「世界の記憶」というのは、一般の人にどれだけ知られているのかなというのが、まず、そこを知ることが大切じゃないかなと思います。それを知った上で、どういうふうに普及啓発、具体的な方法を、どういう方法がいいかというのを探っていったほうがいいんじゃないかなと思います。
 以上です。
【羽田委員長】  蓮生先生、お願いします。
【蓮生委員】  ありがとうございます。
 昨年の執行委員会の文章211EX/10DECISIONによって承認された「世界の記憶」事業に係る一般指針に関して言及して、ちょっとお話しさせていただきます。
 この中に3つの主な目的が示されていて、1つが「保存のための適切な技術へのアクセス」2、「普遍的アクセスを支援すること」、3つ目に「記録遺産の存在の重要性によって、人々の関心を高めて、人々が文化財における互いの相互理解を調整すること」という目的が書かれています。
 この3つの目的のうち、最初の2つが重視されがちですけれども、最後の3つ目の目的にもう少し目が向けられるべきではないかというふうに考えています。
 もう一つ、それを助ける手段として、この同じ211EX/10DECISION実施表の中のガイドラインの7.10、「世界の記憶」、このプログラムの立てつけに関する記述がございまして、その中に、記録遺産の保存の必要性への関心を引く手助けとして、3種類の登録制度があるということが示されています。国際登録と地域登録だけでなく、国内登録の制度です。
 この国内登録の制度に関しては、現在どうなっているのかに若干、疑問を感じているんですけれども、私が知る限りでは、たしか担当窓口が2010年に設けられたけれども、その後、選定が行われていないのではないかと思います。この点、ちょっと質問ですけれども、教えていただけないでしょうか。
 もしも何もなされてないということならば、ユネスコ側は、この3つの3本立てという立てつけをガイドラインで提案しているわけですから、それに関して日本としては、今後どういうふうにしていくのかということを含めて議論がなされるべきではないかというふうに考えております。
【羽田委員長】  ありがとうございます。
 大変申し訳ないですが、小浦先生、ちょっと申し訳ございません、今ここで次のユネスコのもう一つの議題、報告、文化庁ユネスコ関係事業の担当の方に入っていただかないと、その方が出てしまわれるようになりますので、大変申し訳ないのですけれども、一旦切らせていただいて、今までの先生方の御質問についての答えも含めて、この後に回しまして、議題2、文化庁ユネスコ関係事業について、文化庁の守山補佐から御説明をお願いしたいと思います。ちょっとイレギュラーになって申し訳ありません。守山補佐、よろしくお願いします。
【守山補佐】  どうもありがとうございます。
 文化庁文化資源活用課の守山でございます。申し訳ございません、先生方の御質問・御発言を遮ってしまったようで、大変失礼いたしました。ごく手短に御説明をさせていただきます。
 文化庁からは、世界遺産の推薦につきまして御報告させていただきたいと思います。
 報道でも大分出ておりますけれども、今年度、世界遺産の推薦方法として、佐渡の金山を推薦するということで文化審議会から答申を頂きまして、こちらを2月1日にユネスコに提出をいたしました。
 多々報道もなされているところですけれども、文化庁といたしましては、佐渡の文化財としての価値、世界遺産の登録基準に当てはまるというところを、長年、地元のほうでずっと取組が続けてこられまして、その取り組まれた文化財としての価値、また、保護の在り方、そういったものを審議会で評価を頂いたということで、これは、非常に世界遺産の基準に照らして、登録にふさわしいということで、提出をさせていただきました。今後につきましては、こちら、今画面のほうにも出ております、お配りした資料にも書かせていただいておりますとおり、イコモスの審査を経まして、来年2023年、6月から7月頃に開催される次の次の世界遺産委員会において審議がなされるという運びになっております。
 以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございます。
 先ほど最初に申し上げましたけれども、世界文化遺産の推薦等の審議は、この委員会の担当ではございませんけれども、ユネスコの取組の一つとして、ここで御報告いただいております。
 この件、まず終わらせてしまいたいと思いますので、もし何かこの今の御報告につきまして、御質問、御意見ございましたら、挙手をお願いします。
 大丈夫でしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、この件は御報告させていただいたということで、議題2は終わりということにさせていただきます。ありがとうございます。
 守山さん、ありがとうございました。
 議題1のほうで、今まだ1人、御質問いただいておりませんでしたので、まず、その御質問いただいた後でまとめて、まず小浦先生のほうから御質問いただいた後で新免さんから、またお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【小浦委員】  ありがとうございます。
 私も、この「世界の記憶」については、実は、あまりよく知らないというのが実際のところです。つまり、こういった何か機会があったりとか報道に触れなければ、ほとんど、今、一般的には認識されていないのではないかなというふうに思ったので、お聞きしたかったのは、どういう手続と選定基準でこの「世界の記憶」というものを選んでいて、これを登録することによって、国として、どういった日本の文化的価値というものを発信していこうとしているのか、ということです。何かそういった戦略的なものを持っていないと、広報もしにくいと思うのです。
 先ほど細谷先生が、有名なところから行くほうがいいんじゃないかという話もありましたが、それも一つの価値の考え方だと思うのです。どういう日本の記憶としての価値を戦略的に発信していくのかというのが要るんじゃないかと思って、その辺りのことをお聞きしたいと思いました。よろしくお願いいたします。
【芳賀委員】  芳賀です。
 資料1の6ページ目に、日本関連の既に登録されている案件の一覧があります。これからの広報・普及啓発活動には、これらの案件の団体にキャパシティ・ビルディング活動にどんどん参加してもらいたいと思います。
 例えば「山本作兵衛」は登録まで無名でしたけれども、この間は、非常に好評であった佐倉の国立歴史民俗博物館の『ジェンダーの日本史』展の最後の辺りに非常に大事な案件として展示されていました。
 それから、「舞鶴への生還」は、舞鶴市が市を挙げて各種活動を精力的に行っています。「東寺百合文書」のデジタル化は大変にすばらしいものです。「上野三碑」も整備が非常に進んでいます。
 これらの方々の団体に、どういった良いことがあったのか、あるいはざっくばらんに困ったことでもいいかと思いますが、そういうことをぜひ発言していただきたいと思います。
 以上です。
【羽田委員長】  それでは、まとめて新免さんのほうからお答えいただけますでしょうか。
【新免ユネスコ協力官】  委員の皆様、貴重な御意見、御質問、御提案、ありがとうございました。
 まさに、多くの皆様が仰ってくださったとおり、知られていないという問題意識があります。多くの方に知っていただくことによって、例えば素晴らしい案件の掘り起こしができ、日本として価値のある案件を対外的にも発信できるといったことを考えてございます。
 まず、御質問の1つ目でございますけれども、細谷委員からお話がありました、様々な関係機関への周知、省庁もそうですし、各地方にも公文書館がありますといったお話がございました。
 まさにそのとおりでございまして、幅広く行き届く形で募集を開始しております。具体例で申し上げれば、博物館や図書館などの社会教育施設は、地方自治体の場合、基本は教育委員会が所管になりますが、公文書館の所管は教育委員会とは異なります。そこで文科省から全国の教育委員会に周知する際には、明示した形で、公文書館の所管部局にも周知いただくよう付記し周知をお願いするなど、実際に各方面に届く形での周知に努めているところでございます。
 これから一層幅広く広報していく必要があると考えております。
 また、アンケートについてや、実態をもっと知るべきではないかといったお話が細谷委員に加えて佐野委員から、また芳賀委員からは、既に登録されている団体さんに率直にお話をお伺いしたらどうかといったお話がございました。
まさに、実際に登録済の団体さんにお話をお伺いするなどしながら、実態把握や効果的な方策を検討・実践していきたいと考えております。
 続きまして蓮生委員から、国際登録と地域登録以外に、国内登録がある旨お話をいただきました。実態としましては、現在、国内登録は、日本では行っておりません。すでに動いている国際登録や地域登録を通じて、まずは「世界の記憶」の認知度を高めていくことが大切であると考えております。
 最後に、小浦委員から、我が国の戦略といった大きな御質問を頂きました。先ほどお示しさせていただきました資料にも、例示でございますけれども登録のメリットの明確化といったような部分をお示ししており、十分ではありませんが、一つの回答になるかもしれません。申請者と政府の側、見るべき観点が異なることを鑑みて、このような記載をしておりますが、現在はこのようなことを考えております。
 長くなり失礼しました。以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございます。
 この件、もう少しまだ議論したいところなのですけれども、今日は次に重要な審議案件がございますので、引き続き、この件については意見交換の機会をまた持ちたいと思います。また、報告もしていただくようにしたいと思います。
 議題の3に参ります。
 創造都市ネットワークの推進についてです。
 こちらの審議案件ですけれども、ユネスコ創造都市につきましては、昨年9月に開催しました前回の委員会でも取り上げました。有識者の佐々木先生や、ユネスコ創造都市に既に加盟している札幌市、そして、旭川ユネスコ協会、さらに文化庁からは文化芸術創造都市の推進について御説明いただきました。
 その後、昨年の11月に、大分県の臼杵市が食文化の分野で、このユネスコ創造都市への加盟が決まりました。そこで今回は、大分県の臼杵市からユネスコ創造都市登録までの経緯、現在の取組、今後の展望についてお伺いし、その後、文科省と文化庁から、ユネスコ創造と創造都市の活性化、それに関連する取組の方向性について御説明をいただきます。その後で、まとめて意見交換や質疑の時間を取りたいと考えております。
 では初めに、臼杵市の佐藤政策監、よろしくお願いいたします。
【佐藤政策監】  皆様、こんにちは。臼杵市の政策監をしております佐藤と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 昨年の6月、国内委員会で推薦を頂きまして、無事、創造都市ネットワークの食文化分野で加盟することができました。この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、私のほうから資料に沿って、臼杵の活動について御報告を7、8分使ってさせていただきます。よろしくお願いします。
 データのほうをよろしくお願いいたします。
 5項目についてお話をさせていただきます。世界地図に食文化分野で13都市が加わりましたので、地図に落としております。
 まず1項目の「創造都市ネットワーク加盟に向けて」ということで、昨年の1月に「豊かな食の郷土づくり研究会」に参加をしております。食文化による地域の活性化を図っている各都市との情報交換の場に参加をいたしております。
 同じく、昨年の1月に、「創造都市ネットワーク日本」にも加盟をしております。
 6月、国内委員会から推薦を頂いて、6月29日に推薦状を受けて、翌30日にユネスコ事務局のほうに申請書を提出して、11月8日に新規加盟が決定して、認定を頂いております。
 次に、2項目目の創造都市推進協議会についてですが、市を挙げて食文化創造都市として持続可能なまちづくりを進めていくために、協議会組織を設立して推進を、今、図っております。中野市長が会長、商工会議所の小手川会頭が副会長ということで、各専門家の方々にアドバイザーになっていただいたとともに、協議会構成団体の実務者によるワーキンググループを設置して推進を図っております。
 主な活動内容としては、一番下に4項目ありますが、創造都市ネットワークへの加盟申請に関することや、創造都市推進プランの策定、また、創造都市プロジェクトの実施、また、プロモーション活動を行っております。
 こういった方々に組織に入っていただいております。
 次に3項目、今後、臼杵市が継承していくべき、また、発展させていくべき食文化、食産業を3点紹介させていただきます。
 まず1点目が、発酵・醸造文化です。臼杵を取り囲む山々、石灰岩の層から染み出た地下水、非常にミネラルバランスのよい地下水が豊かな水源に恵まれております。そういった水を使って、400年以上前から、醸造文化、発酵食品文化が行われていると言われております。今なお臼杵の産業となっております。味噌・醬油は全国一の生産量を誇っております。
 臼杵市は、3つの味噌・醤油メーカーがございますが、400年を超える歴史があると言われているカニ醤油さんをはじめ、フンドーキン、フジジンさん、これは全国区の銘柄の商品を製造しております。両者も160年、140年の歴史のあるメーカーであります。
 味噌の製造量、大分県は全国で6番目の県、醤油は7番目の県であります。そのうち、臼杵市が、それぞれフンドーキン、フジジンさんが協同組合という形で、県内の各社と組合をつくって製造しておりますので、県内の99%の味噌は臼杵市が作り、醤油は臼杵市が90%を製造している状況です。御覧のように、味噌・醤油の生産割合は、非常に臼杵市が多いのですが、研究所によって各会社の研究所で新商品の開発や、また、フンドーキン醤油さんにつきましては、ハラール対応に醤油をAPU(立命館アジア太平洋大学)と協働で開発をしたり、また、マレーシアでのハラール対応の新商品を製造する拠点を構えたりということもしております。
 味噌・醤油メーカーのほかにも、酒造メーカー、お酒を造る会社も4社ございまして、4社とも地元の農産物を使った酒造りを強く推し進めております。4社によってブレンドの焼酎を造ったり、4社で合同して蔵出しイベントもしております。
 食文化の2つ目ですが、質素倹約を旨とする郷土料理でございます。江戸時代から続く質素倹約の精神が、今も臼杵市民には残っておりまして、もったいない精神といいますか、そういったもので育まれてきた郷土料理が、今でも市民に親しまれております。
 これは、「きらすまめし」といいまして、おからに残り物の刺身や中落を混ぜた郷土料理です。お酒のつまみに非常に合う郷土料理です。
 もう一つ代表的なものとして「黄飯。全国各地に黄色いごはんが残っている地域がありますが、臼杵も、南蛮貿易が盛んであったということを含めて、クチナシの実を使って色をつける黄色い御飯が、今なお郷土料理として残っております。赤飯のかわりに色づけして豪壮に見せたと言われております。
 ほかにも、そういった郷土料理のほかに、市内の飲食店では本膳料理が今なお提供できる料亭もございます。全国にも3か所しか本膳料理を提供できる店がないと言われておりますが、そのうち1か所が臼杵市にあります。また、精進料理も、日常生活の中にしっかり溶け込んでおりまして、禅寺の和尚さんが提供する料理店なども、今、ございます。
 3つ目が、循環型社会の構築を目指した有機農業でございます。
 まず有機農業、地産地消型の有機農業を十数年前、15年前から振興しておりまして、土づくりにこだわる農業をしていこうと。水源涵養の森づくりと併せて、環境保全の農地にしていこう、そして、臼杵市で土づくりにこだわり、有機栽培された農産物を市長が認証する独自認証制度を作って、市民の皆さんに認知を広げて、地産地消を広げております。
 まずは土づくりからということで、臼杵市が堆肥センターを運営して、完熟堆肥を製造しております。地域の原材料、草や木を主原料として、地域の豚糞を混ぜて自然の腐葉土に近い堆肥を造っております。
 こういう土づくりセンターの全景があります。太陽光パネルにて動力を補っております。
 土づくりセンターの様子です。地域のシルバー人材センターが刈った草や、伐採した剪定枝、こういったものを主原料として堆肥を造っております。
 こういったヤードに積まれた堆肥は、月単位で切り返しを行って、ヤードをずっと行って、6か月間の期間で完熟堆肥を育成しております。
 これは切り返し行っている様子です。80度ほどの熱で発酵を続けていきます。
 農家の方がトラックでこういうふうに買いに来て帰ります。また、農林振興公社が、運搬、そして散布作業も請け負って行っています。
 こういった土づくりにこだわって、また、有機栽培された農産物を臼杵市長が認証する「ほんまもん農産物」認証制度という「マルほ」のシールを貼って市民の誰もが直結するように直売所等で販売されています。
 飲食店の方も生産現場に出向き、こうやって「ほんまもん農産物」の利用が、今、広がっております。
 小学校の収穫体験、また、植付け体験、収穫体験も年間50回ほど行って、食育の活動を積極的に行っております。
 給食で食べられている様子です。「給食畑の野菜」という取組もありまして、地元野菜の活用50%を目指して、今は40%ほど使われておりますが、地元利用で、食材の利用を給食でも進めております。
 これは、SDGsとの関連を示した図となっております。
 今後、大きな活動の課題といたしまして、市民の意識醸成、まだまだユネスコのこと、また、創造都市ネットワークの指標等、知られておりませんので、もっともっと広げて市民の皆さんに参加していただいて、また、参画していただくように広げていくことが大きな課題であると考えております。
 こういった3つの方針、食文化の掘り起こしや、多様な文化群人材との連携、文化による産業の振興・創出を方針として活動を行っております。
 今年度、この8つのプロジェクトを推し進めております。ユネスコに申請前段階、昨年の4月から、こういったプロジェクトを行っております。
 プロジェクトの様子の一環ですが、市民の皆さんの食への理解を進めるために、映画ウイーク、1週間にわたり食の映画祭をしたり、こういった映画を市民の皆さんに見ていただいております。
【羽田委員長】  佐藤さん、すみません、もう10分たっていますので、もし必要なことがあれば、1つだけ説明していただいても。
【佐藤政策監】  分かりました。
 最後に、こういった活動をして、今後、ユネスコ創造都市ネットワークの活動ということで、市民の皆さんへの食文化の意識醸成や、市民の皆さん、事業者の方がより多く参画していただけるような取組を進めてまいりたいと考えております。
 以上で報告を終わらせていただきます。ありがとうございます。
【羽田委員長】  すみません、時間が限られていまして、全部は御説明いただけませんでしたけれども、委員のお手元にもファイルがあると思いますので、もし必要あれば、また、後で御覧いただければと思います。
 それでは、続きまして、国際統括官付の新免補佐、こちらの文部科学省のほうから御説明をお願いいたします。
【新免ユネスコ協力官】  文科省からは、資料3-2の61ページと62ページ目、この2枚に沿って説明させていただきます。
 初めに、ユネスコ創造都市の概要でございます。2004年に始まったユネスコの事業で、現在90か国以上295都市、国内では10都市が登録されております。詳細は、お手すきの際に64ページ目の参考1をご覧いただければと思います。
 続いて、ユネスコ創造都市に関するこれまでの取組を説明いたします。まず、各地方自治体は地元の民間団体・企業等と連携しながら、文化の創造性を生かした地域創生や国際交流等に資する取組を実施、まさに先ほど臼杵市さんのお話のとおりのようなことをなされていると承知しております。
 それ以外に、ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)の国際会合への参加や、国内加盟都市間のネットワークの会合を年1回開催し、各都市の取組及び課題の共有、意見交換を実施されているということでございます。その際、合同イベントの実施でありますとか、共通SNSによる情報発信なども行っているということでございます。
 文科省においては、ユネスコ創造都市に関する対外的な窓口(国内公募・選定・申請等)を行ってまいりました。
 続きまして、文化芸術創造都市の概要を説明いたします。こちらは2007年以降、文化庁では、各自治体さんを支援しており、現在は、2013年に発足しました「創造都市ネットワーク日本」(CCNJ)というネットワーク組織を通じた支援が中心であると承知しておりますが、それ以外に、個別自治体への事業支援、文化庁長官表彰、関連の深い取組として、東アジア文化都市の交流を促進する事業などを文化庁として実施しているということでございます。
 続きまして、62ページ目になります。
 こちらは、今後の方向性をまとめたものでございます。3のマル1「ユネスコ創造都市における今後の取組」としては、UCCN国内ネットワークの活性化に向けて、例えば他の地方自治体さんが創出された好事例を研究したり、もしくは、国内及び国際交流を活性化していくことが大切だろうと考えております。
 ここで論点の一つとしまして、UCCNの国内ネットワークの活性化、また、その先にあります、創造性を核とした都市間の国際的な連携に向けてどのような方策が考えられるか、あとはCCNJとの連携をどのように実施するかといったようなことを挙げました。
 続いて文科省の今後の取組でございます。現在考えておりますのが、こちらのマル2のAとBです。
Aが既にユネスコ創造都市の登録をされている地方自治体さんに対する支援でございます。
 矢印以降でございますけれども、ユネスコ創造都市の取組を積極的に配信したり、ユネスコ関連の他の取組との連携促進、フォローの実施といったことを考えております。
 続きまして、Bでございます。こちらは、今後ユネスコ創造都市への登録を希望される地方自治体さん、例えば文化芸術創造都市さんの中におられましたら、そういった自治体さんを支援する方策を進めていきたいと考えております。CCNJや文化庁との連携を深め、我が国としてふさわしいユネスコ創造都市の育成・創出といったものを後押ししていきたいと考えております。
 例示として、お手元の資料に記載のとおり「ユネスコ未来共創プラットフォームポータルサイト」といったような各種取組を掲載しているようなサイトに小まめに情報を掲載したり、人材育成という観点でユネスコスクールとの連携などを記載しましたが、他にも様々考えられるかと思います。
 最後に文化庁に関する記載箇所については、これから文化庁から、説明いただく予定です。
 皆様に御議論いただきたい点、議知見を賜りたい点としましては、これまでの説明や資料の内容のほかに、国として取り組むべきこと等ありましたら、御意見を頂きたいと考えております。
 以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、文化庁のほうから御報告いただきます。地域文化創生本部の安井チーフ、よろしくお願いいたします。
【安井チーフ】  ありがとうございます。文化庁地域文化創生本部の安井でございます。
 それでは、文化庁より御説明させていただきます。66ページ、資料3-3、「創造都市ネットワーク日本(CCNJ)」を通じた文化芸術創造都市の取組の推進。前回9月の委員会で御説明させていただきました資料と同じものと、要件を絞った概要と、その後の審議を中心に御説明させていただきます。
 資料の中段ほどに赤帯のタイトルで記載の、文化庁において推進しております「文化芸術創造都市推進事業」についてでございます。こちら、文化芸術の持つ創造性を、地域振興、観光産業振興等に活用する「文化芸術創造都市」の取組を支援するために実施しているものでございます。
 この文化庁の支援におきましては、2013年に発足した文化芸術創造都市に取り組む自治体間のネットワーク組織であります「創造都市ネットワーク(CCNJ)」を中心としまして、全国的・広域的ネットワークのさらなる充実・強化を進め、文化芸術創造都市間の相互連携、交流、情報交換のプラットフォームを形成していくことにより、地域の文化芸術資源を活用した取組のさらなる活性化を目指しているところでございます。
 こうしたCCNJの取組が国レベルで取り組んでおります国際的な創造都市事業であります、国際統括官付の「ユネスコ創造都市ネットワーク」や、文化庁で実施しております「東アジア文化都市」の事業などと連携を強化していくことで、さらなる効果が期待できると考えております。
 ここからは資料には記載がございませんが、直近のCCNJの動きについて御報告をさせていただきます。
 CCNJには、現在、「ユネスコ創造都市ネットワーク」の国内加盟都市の全てが加盟をされておりまして、CCNJ内において創造都市の世界的なプラットフォーム機能の強化を進めようとする議論がなされているところでございます。
 具体的な動きといたしましては、ユネスコ創造都市ネットワークの国内加盟都市や、東アジア文化都市の開催都市といった、こうした国際的なネットワークを活用しまして、国際的にも先進的な文化芸術創造都市政策の研究や、国際的な発信力の強化、こういったことを志向する自治体間が、相互連携、交流、情報交換できる場を作りたいということで、次年度やろうとしておるんですけども、国際ネットワーク部会という新しい部会をCCNJ内に発足をさせようという、こういう動きが、今、ございます。これが、来る3月3日に開催されますCCNJの総会にて確認がなされて、次年度以降、この動きが実現するという見込みとなっております。
 ここからが、先に文部科学省のほうから御説明がございました資料3-2の「今後の取組における具体的な取組案と関連いたしてまいりますが、文化庁ではこうしたCCNJ内の動きと連動しまして、国際ネットワーク部会を一つの窓口としまして、ユネスコ創造都市ネットワークの国内加盟都市と連携しながら、こうしたところをはじめとした、国際ネットワークに加盟する自治体様、また、そうしたネットワークに関心を示した自治体様に対して、文部科学省と連携しながら、ユネスコ創造都市ネットワークに関連する情報発信などをしていくことで、これまで以上に自治体と軌を一にして、一層効果的に取組を推進していくことができるのではないかと、このように考えてございます。
 文化庁からの追加の説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【羽田委員長】  どうもありがとうございました。
 それでは、時間が限られておりますけれども、ただいまの臼杵市、文部科学省、文化庁からの報告・説明につきまして、御質問、御意見を頂きたいと思います。挙手をいただけますでしょうか。
【新免ユネスコ協力官】  佐藤委員、細谷委員、芳賀委員、大枝委員の順でお願いいたします。
【佐藤委員長代理】  ありがとうございます。ユネスコ協会連盟の佐藤です。
 今後の方向性への御提案、ありがとうございました。文科省と文化庁が連携して、分かりやすい推進体制をとることについては、大賛成であります。私のほうから、2点意見を述べたいと思います。
 1つ目は、推薦都市の選考方法についてであります。北京のオリンピックでも、審査の公平性が注目されました。現時点で、選考方法が明定されたものがないのであれば、継続性とか、質の確保の観点から、また、内外から求められた場合に説明が可能なように、選考手順や評価要素、適格基準を明確化した規定が必要だと考えます。
 そして、書類審査だけでは分からない感動とか驚きを実感する現地訪問、現地の市長等の現地の熱意、期待される今後の発展性を確認して、世界に日本の文化を発信する創造都市として推薦することが望ましいというふうに考えます。
 2つ目ですけれども、推進体制であります。ユネスコ創造都市ネットワークは、知名度が低く、市民にも知られていないことが課題であります。現在、創造都市の推進は、地域の振興策として、市と地元企業が中心となって進められておりますが、市民の参加によって、ユーザーとしての意見の反映、そして、広く知らしめる広報の役割を活用すべきだと考えます。官民、そして市民が一体となって推進していくことができます。
 体制としましては、国内委員会は、トップダウン型のオペレーションは行わないで、基本的な仕組み作りと、ベストプラクティスの紹介とか、現地支援を行うこととして、具体的な活動は、各都市の創造力や知恵を生かすことがよいと思います。その理由は、やらされ仕事に創造性は期待できないからであります。
 また、先ほど説明がありましたけれども、制度の都市への周知・加入促進には、CCNJの協力が極めて効果的だというふうに思います。
 一方、都市の体制としては、教育委員会を含む行政、地元企業、各地のユネスコ協会等、市民から成る推進委員会等の協力体制を作り、意義を共有した上での連携が重要だと思います。持続的に盛り上げるためには、現地の創造意欲を生かして、統一したテーマの下に、市民が参画するイベントが有効と考えます。
 また、世界のネットワークを利用して日本の文化を発信して、情報交換、そして総合検査を行うことがあります。ただし、具体策は現地に任せることがよろしいかと思います。
 それから、人材の多くはユースの世代でありまして、持続可能な地域づくりのためには、世代横断的な人材育成の視点や、ユネスコスクールの浸透が重要だと思います。
 以上、2点述べさせていただきました。どうもありがとうございます。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。
 細谷委員、お願いいたします。
【細谷委員】  ありがとうございます。今度は1分ぐらいでやめますので、1点だけです。
 佐藤委員もおっしゃったように、このプログラムはやっぱり広報・啓発が大事だと思います。それで、具体策は自治体自身に任せるべきというのも、おっしゃるとおりだと思うのですが、やっぱり具体的なやり方が大事だと思うのです。
 一般により広く知ってもらうこと、それから、より自治体からの応募を増やすことも目的だと思いますので、とかく最近はネット広報が中心になりますが、ネットの最大の特色は、ただ載っけていてもアクセスは増えないというのが経験則ですので、そこは本当に戦略的にやる必要がある。
 それからやはり、伝統メディアです。特にテレビ。どうやってテレビで取り上げてもらうかって、簡単ではありませんが、これが大事です。
 意外に一ついいかもしれないと私も思いますのは、ユネスコ事務局におりましたので、ユネスコ事務局の責任者ないしハイレベルな人を招待して日本に来てもらう。その自治体に。みんな喜んで来ますから、そうしたら、メディアは取り上げますので、知事も会ってくれます。
 その3つだけ、申し上げさせていただきます。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。
 芳賀委員、お願いいたします。
【芳賀委員】  急いで2つ。
 1つ、特に食分野に関してですが、地元のおいしいものを食べるということは、フードマイレージにすぐれていることです。フードマイレージは、食料の輸送料掛ける輸送距離、単位はトンキロという概念です。農水省もたしか0キロメートルフードなどの施策があったと思いますが、特に食分野のユネスコ創造都市は、それらとの連携も深めていただきたいと思います。
 2つ目、松浦晃一郎委員が既に御指摘なさっていることですが、ユネスコ創造都市には7分野あります。しかし、いまだに日本から文学分野の都市はありません。ぜひ御検討ください。
 以上です。
【新免ユネスコ協力官】  ありがとうございました。
 最後に大枝委員、お願いいたします。
【大枝委員】  大枝です。
 臼杵市の御説明、大変興味深く伺いました。ありがとうございました。醤油と味噌の関係で2つ、個人的な興味でお伺いしますが、1つは、醤油業界というのはキッコーマンですとか、ヒガシマルとか、ヤマサ醤油ですとか、結構、大手醤油メーカーが存在しておりまして、それで臼杵市の醤油メーカーは、やはり、そういう大手メーカーにコストでは勝てないと思うのですけども、どういう商品戦略といいますか、あるいは商品差別化をするとか、あるいは営業戦略を持って、生き残るために利用活用されているのかということをお伺いできればと思います。
 もう一つは、これ醤油も味噌も共通だと思うのですけども、やはり、創業家の方が代々経営している会社が多いと思うのですけども、臼杵市の場合、世の中で醤油・味噌に限ったことではないんですが、やはり中小メーカー、後継者がいないで廃業するということが非常に昨今多いんですけども、臼杵市の醤油・味噌メーカーの後継者問題、どれぐらい深刻な状況なのかというのが分かれば教えていただければと思い以上です。
【羽田委員長】  ありがとうございます。
 最初の3人の方々は御意見で、今の大枝委員は質問だったと思います。まず、質問に簡単に佐藤さんのほうからお答えいただけますか。
【佐藤政策監】  まず、1つ目の、各醤油メーカー・味噌メーカーの戦略ですけど、味噌も醤油もそうだと思うのですけど、地域、地域で味があって、大分県民が愛する味を昔から造っているということ、特徴ある九州向きの醤油・味噌を造っています。かなり品目数が、フンドーキンさんもフジジンさんも、アイテム数がかなり多くあります。様々なアイテム、味噌・醤油以外にも、醤油をベースにした商品、特にドレッシングや、その他ユズコショウとか、様々な商品展開をして、地域市民、県民に愛される商品作りを目指しております。
 一方では、先ほど申しましたように、APUの学生との共同開発により、ハラール対応醤油を製造したり、また、ハラール対応の商品を造っていくために、A社に製造拠点を造ろうということも、今、行っております。
 もう1点、カニ醤油さんは、カニで味噌・醤油を造っておりますが、ここも商品アイテムがかなり多くて、地域の方になじみのある、特徴のある商品づくりを行って、継承をし続けております。
 後継者問題としまして、非常に地元では主要産業でもありますし、味噌・醤油メーカーへの就職、地元に残って就職していこうという方も非常に多くございますので、研究開発含めて、後継者問題については、今、特に問題なく継承できているのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございます。それでよろしいでしょうか。
 それでは、ほかの委員の方々から頂いた御意見について、委員間で意見交換ございますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、また文部科学省の新免さんのほうから、御意見にお答えいただけますでしょうか。
【新免ユネスコ協力官】  貴重な御意見、御提案、ありがとうございました。
 まず、1つ目の佐藤委員のお話でございますけれども、持続的に盛り上げていく、振興していくためには、市民の皆様のお力、地元団体さんや企業さんのお力が不可欠だというお話は、まさにおっしゃるとおりだと思っております。
 今回、時間の関係で御説明ができなかったのですが、前回9月7日の文化・コミュニケーション小委員会のときに、旭川ユネスコ協会の林会長様からお話しいただき、有識者の佐々木先生、ユネスコ創造都市の札幌市さんからも同様のお話を頂戴しておりました。今回、佐藤委員にお話いただき、改めて非常に大事なことであると感じております。
 また、細谷委員とも共通するお話でございますが、クリエイティブ(創造性)、イマジネーション(想像性)の両方の「そうぞうせい」を担保し高めていくためには、ある程度の大枠はありつつも、詳細は各地域の創意工夫こそ大切にすべきであるという点、そのとおりだと思っております。大きな枠組みをCCNJさんや文化庁などと連携しながら構築し、推進していきたいと考えております。
 続きまして、芳賀委員からお話しいただきましたフードマイレージのお話、こちら食文化に関連してということかと思います。食文化ですと、ユネスコ創造都市以外のユネスコ関係の事業ですと、例えばユネスコ世界ジオパークや、ユネスコエコパークといったようなものもございまして、そこで地元の食の振興なども兼ねながら、各事業の本来の意義を広めていくといったようなことがございまして、こういったものとの連携など、様々な可能性があると思っております。
 あともう一つ、文学については、その分野における我が国の自治体登録はございません。御地元の自治体さんでありますとか、もしくは、関連する皆様で御関心をお持ちの方がおりましたら、ぜひ、お声がけを頂ければありがたいと考えております。
 最後にもう1点よろしいでしょうか。
 議題1に戻って恐縮でございます。小浦委員から頂いた御質問の1つをお答えできていなかった部分があると認識しています。どのような選定基準になっているかという部分でございます。
 こちらは、「世界の記憶」事業の一般指針といった、ユネスコが定めているものに則っております。例えば世界的重要性とか、希少性・真正性といったいくつかの項目が一般指針に明示されており、こういった項目に基づき、国内の申請書を作成しております。審査の流れとしては、申請者から提出された申請書に基づき、専門的な観点等から、委員に審査していただいております。
 最後は、私の不手際で、別な議題への回答を、このタイミングでしてしまい、大変失礼いたしました。以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございます。
 私も一言申し上げたいと思うのですけれども、この委員会の主な議題としては、ユネスコ創造都市の問題があるわけですけれども、これはユネスコ側が期待しているのは、やはり国際的なネットワークの充実だということだと思います。
 その点で、もちろん、まず国内のネットワークの活性化は非常に重要なのですけれども、いかに私たちがやっていることを国際的に見せていくか、あるいは国際的に意味があるものにしていくかという、そういう観点がとても重要で、ここがやっぱりその日本の自治体だけではなくて、私たちみんなそうなのですけれども、あまり得意じゃない分野になります。
 ここを、文部科学省あるいは国がどういうふうに支援できるのか。特に、佐藤委員がおっしゃったように、魅力自体は、実際やる人たちに任せておけばいいというのは、まさにそのとおりだと思うのですけども、それを国際的にうまく伝えるための何か手助けだとか、あるいは方策みたいのがあれば、お考えいただくのがとても意味があるかなというふうに思っております。
 以上でありますけれども、この議題は、これでよろしいでしょうか。いずれにしましても、今の委員の皆様方からの御意見を参考にしていただきまして、今後さらにそのユネスコ創造都市の取組の活性化について文部科学省のほうで取組を進めていただければと思います。
 また、加盟を希望する地方自治体の後押しができるように、各方面との連携を深めていただくこともお願いしておきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、最後に議題4でありますけど、その他です。事務局のほうから御説明をお願いします。
【新免ユネスコ協力官】  本日は貴重な御意見をいただきまして、また、活発な御議論をありがとうございました。
 ユネスコ国内委員会の総会は、3月11日金曜日の13時から15時30分の間で開催予定でございます。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【羽田委員長】  ありがとうございます。
 多々不手際がありまして、時間が足りなくなるんじゃないかと思いましたが、まだ若干、時間がございます。何か全体を通じまして、御意見、御質問、ございましたら、挙手をお願いします。
 芳賀先生、よろしくお願いいたします。
【芳賀委員】  昨年12月に文化庁文化審議会より、文化庁長官に答申「博物館法制度の今後の在り方について」が手交されて、おととい2月22日、その内容を踏まえた「博物館法の一部を改正する法律(案)」が閣議決定されて、国会に提出されました。
 1951年に同法が策定以来の70年以上経ての大きな進歩です。特に第一条には、博物館法の目的について、「社会教育法に加えて文化芸術基本法の精神に基づくこと」が追加されました。つまり、文化芸術により生み出される様々な価値を文化芸術の継承・発展及び創造に活用との観点です。
 もちろん、これはユネスコとの直接の関連はいたしません。しかし、同じ文化財の保存管理、振興施策ですので、今後、博物館との連携を、井上さんなどを中心に、ぜひ深めていただきたいと思います。
 以上です。
【羽田委員長】  ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問、ありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、1分か2分か早いかもしれませんけれども、これで本日の文化・コミュケーション小委員会を閉会といたします。
 本日は御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございました。また、次回どうぞよろしくお願いします。
 

―― 了 ――

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