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日本ユネスコ国内委員会 文化活動小委員会(第128回) 議事要録

日時

平成26年6月12日(木曜日)16時30分~18時30分

場所

文部科学省(中央合同庁舎第7号館)東館13階 13F1会議室

出席者(敬称略)

(委員)
内永ゆか子、岡田保良、長有紀枝、川井郁子、河野俊行、松山政司、吉見俊哉、林原行雄

(関係省庁)
外務省:門倉国際文化協力室外務事務官
文化庁: 中野国際課国際文化交流室長、石丸伝統文化課文化財国際協力室長

(事務局)
加藤国際統括官、籾井国際戦略企画官、杉江国際統括官補佐、山本事務官

議事要録

 議事開始に当たり,本委員会は,ユネスコ記憶遺産の平成26年申請の選定について審議を行うため,「日本ユネスコ国内委員会の会議の公開手続について」第5項が準用する第1項に基づき,公開することにより当事者又は第三者の権利,利益を害するおそれがあると認められることから,議事の非公開を全会一致で決定した。

1. 委員長代理の選任について

   「ユネスコ活動に関する法律施行令」第8条第5項の規定に基づき,河野委員長の指名により岡田委員が委員長代理として選任された。

2. 前回の議事録等の確認について

   公開手続にのっとり,議事が公開で行われた場合は原則議事録を公開し,非公開で行われたものについては,議事要録として公開することが確認された。第125回については,議題6及び7を除き,議事録を公開,その他については議事要録が公開される予定であり,第126回及び第127回については,非公開での審議のため,議事要録として公開されることとなった。

3. ユネスコ記憶遺産の平成26年申請の選定について

  (1) 選定主体の変更について
選定過程の客観性,公平性の確保に万全を期すため,「ユネスコ記憶遺産の平成26年申請の選定に関する方針」(平成26年4月14日文化活動小委員会決定)を改定し,選定主体をユネスコ国内委員会文化活動小委員会記憶遺産選考委員会(以下,「選考委員会」という。)からユネスコ国内委員会文化活動小委員会(以下,「文化活動小委員会」という。)に改め,かつ選考委員会委員及び該当する申請案件について利害関係者は,選定に係る審議には参加しないこととすることが決定された。

  (2) 利害関係者の確認について
 利害関係者がいないことを確認の上,定足数を充足していることが事務局より報告された。

  (3)審査に付すべき案件の選定について
「ユネスコ記憶遺産事業」の平成26年の審査に付する案件について,今回の選定の対象となった4件はいずれも非常に重要な文書であり,計画的に保存し,多くの人々に公開していくことが望まれるものであると認めた上で,申請書に記述された内容のみに基づいて,各主体から申請された案件を相対的に評価した結果,ユネスコによる審査に付すべき案件として,「舞鶴への生還」と「東寺百合文書」の2件を選定した。各申請案件について本委員会で出された主な意見は以下のとおり。     

◇舞鶴(まいづる)への生還 1945~1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録(申請者:京都府舞鶴市)
      ○ 舞鶴市の文化財にも指定されており,それに対応する保存管理がなされており,2014年からの施設整備が予定されている。
      ○ 舞鶴市と姉妹都市であるロシア・ナホトカ市の理解と協力があるなど,より広い視点から世界的な重要性が説明されている。ナホトカ市との協力についてのエビデンスが示されているとなお良い。
      ○ 絵画,日記,手紙など記録媒体の多様性は評価できる。
      ○ 既に公開は実施されており,デジタル化等の作業が進められていることが示されている。
      ○ 完全性の説明については改善の余地がある。

◇東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)(申請者:日本ユネスコ国内委員会文化活動小委員会ユネスコ記憶遺産選考委員会)
      ○ 和紙に墨書,桐(きり)箱保管という形態が,保存性の点でも,文書保管の点でも非常に有益であり,日本文化の優れた点を示す良い事例である。
      ○ 保存・管理体制がほかの案件に比べて一層優れている。
      ○ 全点のデジタル化が完了し,ウェブ上で公開されている。
      ○ 完全性の説明については改善の余地がある。

◇知覧(ちらん)からの手紙 知覧(ちらん)特攻遺書(申請書:鹿児島県南九州市)
      ○ 日本からの視点のみが説明されており,より多様な視点から世界的な重要性を説明することが望まれる。
      ○ 今回333点を限定して申請しているが,特攻攻撃は沖縄戦の時期だけではないことも踏まえ,なぜこの333点に限定したのか等,「完全性」「唯一性」の説明を更に補強することが望まれる。
      ○ 酸性紙劣化の問題が認識され,レプリカや活字化について触れているが,原品の紛失・劣化防止についての言及がない。
      ○ 南九州市の市例規による管理実績はあるが,今後の保存・管理の具体的なスケジュールが示されていない。
      ○ 世界の平和を願うという意味からも,保存しておくべき資料である。

◇全国水平社(ぜんこくすいへいしゃ)創立宣言と関係資料
        (申請者:公益財団法人奈良人権文化財団と崇仁(すうじん)自治連合会)
      ○ 「人権」というテーマは世界的に理解されると考えられるが,申請書を改善することが望まれる。

      ○ 3点残存するとされる全国水平社創立宣言のうち,法政大学大原社会問題研究所が所蔵する1点が申請案件に含まれておらず,完全性の要件を充足していない。
      ○ 複数の場所に分かれて所蔵されていることから,保存の在り方や公開性について更なる説明が必要である。
      ○ 「出版物」であることから,「希少性」「完全性」の説明を更に補強する必要がある。

    
なお,選定に当たっては,委員から以下のような意見が出された。
      ○ 今回は事前に本委員会として合意した方針に従い,2件を選定するが,選ばなくともよいという選択肢があってもよいのではないか。
      ○ 今回,4件を相対的に評価した結果として2件選定されたものであるが,各申請書については,例えば「完全性」の説明はそれぞれに改善の余地があるとの意見があった。
      ○ 今回の選定により,選定された案件がユネスコ記憶遺産として登録されることを日本ユネスコ国内委員会として保証するものでないこと,2013年の実績では80件の申請中,登録は56件など,申請されたものが100%登録されるものではないことを十分に説明する必要がある。
      ○ 今回の選定作業の経験を受けて,ユネスコに対して日本ユネスコ国内委員会がユネスコ記憶遺産の選考ルールを見直す議論を喚起してほしい。

※「ユネスコ記憶遺産の平成26年申請の選定に関する方針」(平成26年4月14日文化活動小委員会決定)では,「ユネスコ記憶遺産選考委員会においてユネスコの審査に付する2件を選定し,その結果について日本ユネスコ国内委員会文化活動小委員会の了承を得た上で,ユネスコに通知する。」とされていたが,今回の文化活動小委員会における同方針の改定により,選定の主体が選考委員会から文化活動小委員会に変更したため,平成26年5月20日開催の選考委員会における選定結果は,今回の文化活動小委員会には報告されなかった。 

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