資料1 日本ユネスコ国内委員会第123回自然科学小委員会及び第114回人文・社会科学小委員会合同小委員会議事録

1.日時

平成26年2月10日(月曜日) 10時00分~12時00分 

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎2階 文化庁第2会議室

3.出席者

〔委員〕

青野 由利、井手 明子、井原 正登、植松 光夫、黒田 玲子、重 政子、鈴木 邦雄、寶 馨、観山 正見、長 有紀枝、加藤 淳子、西園寺 裕夫、羽入 佐和子、林 梓、見上 一幸、吉見 俊哉〔敬称略〕

〔関係省庁〕

文部科学省:木下研究開発局環境エネルギー課環境科学技術推進官ほか関係官

〔事務局〕

加藤国際統括官、岩本国際交渉分析官、籾井国際戦略企画官、本村国際統括官補佐、堀尾ユネスコ協力官ほか関係官

4.議事

 【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 それでは、定刻になりました。本日は御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 今、定刻になりましたので、事務局の方に定足数の確認をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 本日は、出席の委員が自然科学小委員会委員7名、人文・社会科学小委員会委員8名で、委員の過半数を満たしておりますので、定足数を満たしております。
【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 それでは、ただいまから、第123回自然科学、第114回人文・社会科学合同小委員会を始めさせていただきます。
 第131回総会は平成24年9月13日に開催されたものでございますが、こちらにおいて会議の公開手続が改正されまして、この手続は小委員会等においても準用することとされておりますので、本小委員会におきましても、原則インターネット等での開催の案内を行うとともに、本小委員会は原則として公開するということとし、委員長が認める場合は非公開とすることができるとされております。
 会議の報告書については、公開部分は議事録となりますので、よろしくお願いいたします。
 また、議事に先立ち、御報告を申し上げます。人文・社会科学小委員会の青柳正規委員長が、文化庁長官御就任に伴い、昨年7月8日付けで国内委員を退任されたため、人文・社会科学小委員会委員長席が空席となっておりました。この会議に先立ち開催されました第113回人文・社会科学小委員会におきまして、新委員長として私、吉見俊哉を選出いただきました。せん越ではございますが、どうかよろしくお願い申し上げます。
 なお、本日は終了後に、引き続き第124回自然科学小委員会のみを開催の上、同小委員会の下に設置されている政府間海洋学委員会(IOC)分科会及び国際水文学計画(IHP)分科会の委員人事について検討を行います。人事案件の審議となりますので、公開規則第1項に基づき、本小委員会の議事は非公開とさせていただきます。
 人文・社会科学小委員会委員、並びに事務局関係者以外の傍聴の方々の皆様には、恐縮ですが、次の自然科学小委員会開始前にお声掛けしますので、御退席いただきますようお願い申し上げます。
 なお、今回は合同会議といたしますので、議事進行につきましては、前半を人文・社会科学小委員会委員長である私が行い、後半を自然科学小委員会の委員長の鈴木委員長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 それでは、委員の異動報告に移らせていただきます。議事に先立ちまして、委員の異動がございましたので、事務局から御報告をお願いいたします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 それでは、配付資料の参考1及び2を御覧ください。こちらの方で自然科学小委員会と人文・社会科学小委員会の委員名簿を付けさせていただいております。
 まず、昨年12月1日付けで、自然科学小委員会委員につきましては、再任として重政子委員、観山正見委員に再任いただいております。新任委員といたしまして、青野由利委員、井手明子委員、黒田玲子委員に御就任いただいております。
 また、人文・社会科学小委員会委員につきましては、再任として、黒田一雄委員は本日御欠席でいらっしゃいます。そして、林梓委員に再任いただいております。新任委員といたしまして宇佐美誠委員、本日は御欠席の連絡を受けております。長有紀枝委員、羽入佐和子委員に御就任いただいております。
 以上でございます。
【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、本日の会議の配付資料について、事務局から御説明をお願いいたします。

事務局から配付資料について説明。

【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 よろしゅうございましょうか。
 それでは、資料がそろっているようですので、議題1に入らせていただきます。昨年7月に開催された自然科学小委員会及び人文・社会科学懇談会会議の議事録、及び昨年8月にメールで審議をさせていただきました、それで開催をさせていただきました人文・社会科学小委員会の議事要録をお手元に配付させていただきました。既にこれらの議事録・議事要録は事前に照会し、内容を確認させていただいてますが、更にお気づきの点があれば、後ほど事務局まで御連絡ください。特にございませんね。
 それでは、議題2に移らせていただきます。議題2、「日本ユネスコ国内委員会の活動に関する報告について」に入ります。前回の国内委員会総会、25年9月10日以降の日本ユネスコ国内委員会自然科学・人文・社会科学分野の活動に関して、事務局から報告をお願いいたします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 それでは、資料自委123・人社委114-(2)を御覧ください。こちらの方に自然科学及び人文・社会科学の活動に関してまとめさせていただいております。
 まず、サステイナビリティ・サイエンスでございますが、昨年9月19日に「サステイナビリティ・サイエンスに関する国際シンポジウム」をパリのユネスコ本部にて開催いたしました。こちらの方にはユネスコ加盟国の代表部や研究者等、約150名が参加し、また、自然科学と人文・社会科学の両局長も参加して、サステイナビリティ・サイエンスについて事例発表や意見交換と議論を行っていただきました。その結果、フロアからも活発な意見が表明され、地球規模の課題について、自然科学と人文・社会科学がともにその解決を考えていくことの必要性について、十分な共通理解を醸成することができたと思います。
 その後に続いて行われましたユネスコ総会、ユネスコ執行委員会におきまして、そのシンポジウムの成果もありました結果、各国からサステイナビリティ・サイエンスに対する理解を支持する発言等が多くありました。ユネスコ総会につきましては、また後ほど報告させていただきますので割愛させていただきます。
 次に、政府間海洋学委員会(IOC)につきましては、昨年11月26日~28日にタイのバンコクにて開催され、14か国から約40名の専門家が出席いたしました。こちらの方は植松IOC分科会主査、また深澤IOC分科会調査委員が招待講演者として出席されております。
 WESTPAC諮問グループ及び国際科学シンポジウム国際科学運営委員会の合同会合が昨年の12月16日~17日にベトナムのニャチャンで開催され、これは本年4月22日~25日に開催されますWESTPAC第9回国際科学シンポジウムの準備状況や会期中に予定されておりますWESTPAC25周年記念行事についての情報共有及び意見交換について議論が行われました。
 続きまして、4ページですが、国際水文学計画(IHP)でございます。こちらが昨年のユネスコ総会におきまして、我が国は、IHP政府間理事会の理事国の任期が来ましたので新たに理事国に立候補したところ、選挙が激戦になったのですが、IHP分科会主査である寶先生の御協力や外務省、代表部等が積極的に働きかけを行って、無事に理事国に選任されております。なお、アジア・太平洋諸国からは、中国、インドネシア、日本、韓国が選出されております。
 続いて、第21回IHP東南アジア・太平洋地域運営委員会が昨年9月30日~10月2日までの3日間、韓国にて開催されました。こちらの方で寶IHP分科会主査が、この運営委員会の議長に選出されております。
 続きまして、5ページですが、第23回IHPトレーニングコースが昨年の12月2日~13日に京都大学宇治キャンパスにて開催されております。こちらは1991年より毎年実施して、毎回5~10名のアジア・太平洋地域のIHP事業を担う水分野の専門家の人材育成を行っている事業でございます。
 続いて6ページですが、IHPにつきましては、2013年は国連により「国際水協力年」と決定されており、昨年は関連イベントが多くございました。その活動の一環としてユネスコから記念出版物『Free Flow:Reaching Water Security through Cooperation』が刊行され、寶委員もこちらに論文を投稿されております。寶先生から本日、その原本をお持ちいただいておりますので、回覧させていただきますので、どうぞ御覧ください。
 それから、ユネスコにおきましてパキスタンの洪水プロジェクトに平成23年から協力を行っておりますが、そちらについても引き続き協力がされているところです。
 続いて、8ページに移ります。人間と生物圏(MAB)計画につきまして、昨年10月25日~26日に福島県只見町において、最初の日本ユネスコエコパークネットワーク会議が開催されました。こちらの方は既存のところ等がこれから活動を活発化させていくということで、担当者による現状報告や今後の課題についての意見交換を行いました。
 続いて、現在、既存地域で移行地域を設定するために検討いただいていますが、大台ヶ原・大峰山ユネスコエコパークにおきまして、本年1月17日に大台ヶ原・大峰山ユネスコエコパーク保全活用推進協議会が関係市町村の首長さんたちをメンバーにして発足されました。
 続いて、9ページでございますが、白山の方につきましても、白山ユネスコエコパークの関係自治体がメンバーになり、白山ユネスコエコパーク協議会が設立され、第1回会合が開かれております。
 アジア・太平洋地域のネットワーク活動として、東アジアBRネットワークというものがございます。そちらが第13回の際には、昨年10月21日~25日にモンゴルにて開催されております。
 このエコパークにつきましては、国内でもまだまだ認知度が低いということで、昨年、パンフレットを作ったところでございますが、ようやくホームページの方にも掲載できましたので、委員の皆様方においても御活用いただければと思います。
 そのほか、科学事業といたしましてユネスコがサポートするプログラムとしてジオパークネットワークがございます。人文・社会科学の事業といたしまして生命倫理委員会がございまして、こちらの方は昨年6月19日~21日に韓国にて国際生命倫理委員会が開催されております。
 社会変容のマネージメントという、MOSTというものが人文・社会科学の政府間プログラムでございますが、そちらの方に昨年のユネスコ総会において我が国が理事国に選出されておりますので、また今後、この委員会でも御議論いただきたいと思います。
 12ページからにつきましては、そのほかの国際会議等一覧、また13ページはユネスコ関係者の来日等が記載されております。
 以上でございます。
【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 ありがとうございました。ただいまの報告について、何か御質問、御意見ございませんでしょうか。かなり事項がたくさんございましたので、どんな点でも、委員の先生方、御質問等ございましたら事務局の方に頂きたいと存じます。
【植松委員】 
補足説明をさせていただきます。3ページ、政府間海洋学委員会の件でございます。今、東京オリンピックですが、IOCというのは海洋学の関係です。それで、今回、バンコクでインド洋・太平洋フォーラムというのが開催されました。これにつきましては、後押しというか、支援をしたのは韓国です。それで、現在、IOCの議長は韓国のビュン議長が担当されているのですが、韓国の後押しがあったということで、日本も是非、目に見えるような形で、こういったフォーラム、WESTPAC、IOCの方をこれからも支援していきたいと考えております。
 特に、その次のWESTPACの諮問グループ、国際科学シンポジウムの運営委員会(ISSC)というものがありますが、これは4月にニャチャンでWESTPACのシンポジウムが開催されます。この4月というのは、本当は3月だったのですが、日本の海洋学会が3月の末にあるということで4月に変えていただいたというような経緯があります。そういったことで日本も全面的に協力をするという形ですが、現在、日本海の呼称問題ということもあって非常に難しいところですけれども、東南アジアの諸国も含めて解決していきたいと――文書ができませんけれども、お知らせしたいと思います。
 以上です。
【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 ありがとうございました。今の植松委員の御意見に対して、何か追加でも結構ですし、また別の観点からでも構いませんが、何かございますでしょうか。ほかに御意見、よろしゅうございますか。特に御意見があれば、また後ほどサステイナビリティ等に関する議事案件もございますので、その中で御発言いただければと思います。この活動概要とも絡んでくるところかと思います。
 それでは、議題の3に移らせていただきます。「第37回ユネスコ総会自然・人文社会科学関係議論の概要」に入ります。昨年11月に行われました第37回ユネスコ総会について、全体の結果、自然科学・人文社会科学関係議論等について、事務局から報告を行います。
【堀尾ユネスコ協力官】
 それでは、資料の自委123・人社委114-3と参考資料3を御覧ください。
 資料114-3におきまして、自然科学委員会と人文・社会科学委員会の概要をまとめさせていただいております。自然科学委員会におきましては、主な議題といたしまして、2014~2017年度の事業予算計画――通称37C/5と呼んでおりますが、その議論が行われました。我が国として、この国内委員会の方からサステイナビリティ・サイエンスに関する提言を2年前の総会のときにユネスコに提出し、今後のユネスコの中期戦略及び事業計画にきちんとサステイナビリティ・サイエンスを位置付けていくということを目標に、これまでこの委員会を含めて御議論いただいてきたところですが、そちらは先ほどの活動報告で申し上げましたシンポジウムとか、各国に対する説明とか、この総会には金澤副会長にも御出席いただきまして、金澤副会長にも会議で発言いただいたり、各国の代表部、参加者とも意見交換を行っていただきまして、無事に、その成果もあり、会議におきましては多数の国からサステイナビリティ・サイエンスや自然と人文社会科学の統合的アプローチというものは必要であるという支持発言がありました。こちらの事業計画の最終版につきましては、まだ文書は出ていないのですけれども、そういった会議で各国からかなりの支持の発言がございましたので、無事に入るものと考えております。
 そのほか、各国からは国際水文学計画(IHP)や政府間海洋学委員会(IOC)、そして人間と生物圏(MAB)計画の取組について、引き続き重要視する発言がございました。
 また、ユネスコの2年前の総会でパレスチナの加盟が認められたことからアメリカが拠出金を停止いたしておりまして、その影響で非常に深刻な財政難に陥っております。それがまだ引き続き解消されていないということから、財政難による活動の縮小の影響が非常に懸念される発言もございました。
 自然科学の分野におきまして、ユネスコ・世界グローバル・ジオパーク・イニシアティブというものが――ジオパークというものが現在ユネスコの正式プログラムではないのですが、サポートプログラムという位置付けになっておりまして、国内でもそうですけれども、イギリスとかポルトガル等、各国においても活発化しているということで、これの正式化を求める動きが数年前から起こっております。
 それで、多くの国が正式プログラム化について賛同のコメントを出してはいるのですけれども、やはり正式プログラム化に向けての課題というものが何点か挙げられて、主なものといたしましては、世界遺産や生物圏保存地域、国内では通称ユネスコエコパークと呼んでいますが、それらの既存プログラムとの整理、財政的課題、また、ユネスコプログラムとしての質の管理。そして、ジオパークは現在、アジアやヨーロッパには多いのですけれども、南米とかアフリカにはまだないので、そういったまだない地域の登録が可能になるように、きちんと考えていくべきだという意見がございました。これについては、まだ課題について今後整理をしていくということでワーキングが立ち上がり、また執行委員会等で議論されていく予定になっております。
 次のページに移りまして、人文・社会科学委員会におきましては、同じく2014年~2017年の事業計画についての審議があり、こちらの方でもサステイナビリティ・サイエンスについての重要性を支持する発言が多くございました。
 そのほかの議題といたしまして、1974年に採択されております科学研究者の地位に関する勧告というものがございますが、これを少し改定しないといけないのではないかという議論が起こり、それに対して賛同する国が多く、今後、その改定に向けての議論が行われていく予定になっております。
 そのほかにつきましては、会議の最後におきまして、各国から人文社会科学については非常に重要なので、今後もしっかりやっていくようにというような発言が行われております。
 これが自然科学と人文・社会科学に関する分野の報告でございますが、参考3の方で少し全体的な報告をまとめてございます。今回の総会におきましては、一般政策演説として上野政務官が出席し、各国に対して持続可能な開発のための教育、ESDの一層の推進を強調するとともに、本年11月に行われますESDに関するユネスコ世界会議への各国閣僚級の参加を呼び掛けております。また、ESDにつきましては、次期中期戦略及び事業予算の中で明確に位置付けられ、国連ESDの10年の後継プログラムというものが採択されております。
 また、ボコバ事務局長が本年、4年間の任期が満了になり、その2期目の選挙が行われ、2期目として再任をされております。任期は4年でございます。
 以上でございます。
【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 ありがとうございました。ただいまの報告について、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。どうぞ。
【籾井国際戦略企画官】
 事務局から補足でございますけれども、本日初めて会議に参加される委員もいらっしゃるということで、個別の事業はたくさんあるのですが、特に本日の議論に関わりが深いサステイナビリティ・サイエンスについて、中身を少し補足させていただければと思います。
 資料の参考4を御覧いただきたいのですけれども、こちらが先ほど堀尾から言及のありました、2011年にユネスコ国内委員会からユネスコの事務局に対して出されたサステイナビリティ・サイエンスに関する提言でございます。
 中身については、詳細は後ほどお読みいただければと思いますけれども、まず問題意識といたしまして、1ページの一番下の段落でございますけれども、地球規模の諸課題――これは例えば温暖化であったり、エネルギー問題であったり、いろいろな問題がございますけれども、そういう諸課題の解明に当たっては、自然科学の知見というのは当然不可欠だけれども、価値観を変えることも含めた真の問題の解決には、人文・社会科学を含めた全ての学問領域の協力が不可欠であるということ。こうした科学全体を、「持続可能な地球社会という目標を達成するため」のものとなっているかどうかという視点から問い直して、持続可能な地球社会の構築につなげていかなければならないということで、2ページ目の「サステイナビリティ・サイエンスとは」というところですけれども、こうした持続可能な地球社会の構築に向けた統合的アプローチによる科学的取組を「サステイナビリティ・サイエンス」と呼ぶということで言っております。
 少し分かりにくいですけれども、ポイントといたしましては、地球規模の課題解決に向けた取組。その解決策を考えていくに当たっては、自然科学の分野では当然、今まで技術的な面で相当議論がされてきているけれども、そこに人文・社会科学の知見というのも取り入れて一緒に考えていく必要があるということでございます。
 このサステイナビリティ・サイエンスの用語自体は、この提言の中にも書いてありますけれども、国内委員会が提言する前から、実は2001年のICSUの場などでも言われていたものですけれども、より人文・社会科学の重要性を強調し、さらに推進の場としてユネスコが適切であるという提言を行ったのが日本ユネスコ国内委員会の提言の意義でございます。
 本日は、この提言を踏まえまして、先ほどユネスコ総会においてもC/4、C/5、具体的な事業計画の中に盛り込まれたことを受けまして、今後、では、具体的にどうやってこれを推進していくかということを後半御議論いただきたいと考えております。
【吉見人文・社会科学小委員会委員長】 
ありがとうございました。もう半分、議論が後半に入っているような気もいたしますけれども、サステイナビリティ・サイエンスについては後ほどじっくりお時間を取っておりますので、それ以外の点で何か御不明な点、先ほどの事務局からの報告についてございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。ありがとうございました。
 それでは、ほとんど事務局が、私が持っている議事進行表に10時28分と書いてあって、3分ぐらいの誤差で進行しておりますので、この見通しの正確さに先ほどから驚いていますけれども、この議事次第に従って進めさせていただきます。
 最初に申し上げましたとおり、ここで進行を鈴木自然科学小委員長にお願いしたいと思います。バトンタッチでございます。鈴木先生、よろしくお願いいたします。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 それでは、後半の議事進行を担当いたします鈴木です。よろしくお願いします。
 早速ですが、議題4、「サステイナビリティ・サイエンスについて」に入らせていただきます。平成23年に日本ユネスコ国内委員会がユネスコに提言をしておりましたが、先ほどのユネスコ総会の報告にもありましたように、ユネスコの中期戦略及び事業予算計画の中にサステイナビリティ・サイエンスが位置付けられました。今後、提言を出した立場として、このサステイナビリティ・サイエンスをどういうふうに推進していくか、どのような方策で進めていくかということをいろいろ議論いただきたいと思います。
 具体的な議論に先立ちまして、お手元の資料、自委123・人社委の114-4を御覧いただけますでしょうか。「国際科学諮問委員会」という表題のところでございます。この国連事務総長科学諮問委員会は、科学と政策との連携強化を目的として、昨年の10月、国連事務総長の下に設置されたものであります。国連の開発目標の設定プロセス等について、事務総長に科学的知見からの助言を行う役目を持つ諮問委員会として、そのメンバーにここにいらっしゃる黒田玲子先生に御就任いただいております。今年の1月30日~31日にベルリンで、この第1回の会議が開催されたということで、黒田先生も御出席いただいております。
 今後の国際社会の持続可能な在り方、また科学の貢献をめぐる議論というのは、我々が提言しておりますサステイナビリティ・サイエンスの推進に非常に参考になると思いますので、せっかくの機会ですので、諮問委員会での議論について、黒田先生からその御報告、御意見等を伺えればと思います。よろしくお願いします。
【黒田委員】
 まず、この委員会がどういうものか、余り御存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、今、委員長から御説明がありましたように、2012年の1月30日の国連での「地球の持続可能性に関するハイレベル・パネル報告書」というのがあって、その中のリコメンデーション51の中に、国連の事務総長がユネスコの事務局長に対して勧告をする、検討してほしいというようなことで、チーフアドバイザーを作るか、SABといいますが、Scientific Advisory Boardを作るかということを検討してほしいということで、2012年の5月24日にユネスコの特別小委員会が国連の事務総長に対して、Scientific Advisory Boardを作るのがいいというレポートを提出した、それでもって作られたというものです。
 実は大量の書類があって、どうするか迷ったのですが、一応堀尾さんに送っておいたのですけれども、これを全部、皆さんにお配りするのもいいかどうか分からないですが、第1回は、12月から潘基文が忙しいということで、既に延びて1月30日、31日にベルリンで開かれました。ドイツユネスコが物すごく大変なお力を注いでくださって、非常に立派なオープニングセレモニー、それに引き続きディスカッションを行いました。
 送ったのが遅かったので、多分御覧になれなかったかなと……。
【堀尾ユネスコ協力官】
 まだこの会議のアップがウェブにされていなくてですね……。
【黒田委員】
 そうですね。ちょっとまずいかなという。
【堀尾ユネスコ協力官】
 はい。なので、そこのところ、一応、議事次第案についてはコピーはさせていただいています。ただ、それも配っていいのかというのは、確認ができませんでした。
【黒田委員】
 私が確認をしました。それで、ユネスコの本部の方から、オーケーだけれども、フィードバックをしてほしいということでした。つまり、ジャパニーズ・コミュニティーがどう思っているかをフィードバックせよと、そういうことで限定的にですけれども、送っていいという許可を私は得たので、それで、昨日の夜に慌ててお送りしたのですけど、その返事がパリから来たのが昨日だったのですみません。
 それで、Terms of Referenceもオープンにしてもいいと言われたのですけれども、一応どういうことかというのを簡単にまず説明をして、それから、皆さんが御興味のあるサステイナビリティ・サイエンスについて、それはほんの一部なのでお話ししたいと思いますが、まず、Terms of Referenceというのは何でしょう、日本語に直すと運営規約、委嘱事項説明書みたいなものだと思うのですが、科学と政策のつなぎを強化するとか、最新の科学が国連のハイレベルでの政策議論に反映されるようにする。それから、サステイナビリティ領域で、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、ヒューマニティーズという異なったミッションを持った国連内の多くの機関が、どうやったら一番効率的に一緒に仕事ができるようになるかアドバイスをする。国連がサポート、奨励すべきサステイナブル・ディベロップメントのための科学の優先順位を事務総長に勧告する。それから、planetary boundaries、tipping points、environmental thresholdsなどの概念に関する評価と要約も含め、サステイナブル・ディベロップメントに重要な最新の科学に関して国連事務総長へアドバイスをする。
 国連以外のフューチャー・アースのような1国、多国間研究プログラムによるものとの知識のギャップを同定する。特定の評価の必要性を検討し、現存のIPCC、IPBES――IPBESは生物多様性です、IPCCはclimate changeですね、intergovernmental panelなんですけど、IPCCとIPBESなどがやれるか、あるいは国連の中に活動を新たに作るべきか、IPCC、IPBES以外にも作るべきかを検討する。
 社会への公開性、科学の社会による理解に関連事項のアドバイスをする。サステイナビリティと責任ある倫理観のある科学の発展に集中して、民主的なグローバル・ガバナンスへの洞察を提供する。
 その他、国連の事務総長が諮問することという、物すごく壮大なTORが来ています。この中で、当面はリオ+20の成果物のGSPレポートやplanets under pressureやフューチャー・アースなどのそのほかの大規模な分野横断的な活動から出てきているものの中からテーマを選択して集中する、こういうTORが私たちの任務になっています。
 すごく大変で、できっこないような任務で、特にプライオリティーを付けるということは、それぞれを理解しないとプライオリティーは付けられないので大変ですし、フューチャー・アースの方からは説明したいというプレッシャーが来るというような、そんな感じにはなっています。
 そこで、今、PRELIMINARY PROGRAMMEをお送りしていますが、一番最初にこれはドイツのSteinmeier大臣、それから潘基文とイリナ・ボコバさんが最初にスピーチをされるというオープニングセレモニーがありました。
 もう一つ、このときの模様が公電で出ていると思いますが、行ってませんか。
【堀尾ユネスコ協力官】
 プレスリリース……。
【黒田委員】
 プレスリリースでしたか。
【堀尾ユネスコ協力官】
 今、コピーを取っています。すみません。
【黒田委員】
 すみません。それは私ではなくて、公電で外務省経由で来ていて最終的に私に回ってきたという、何かそういうものですけれども、そのときに、このオープニングセレモニーに関しては、もう公開されています。
 SABに選ばれたのが、きょう、最初からお配りされた中の26名でして、人文科学、それからサイエンスを含んでいて、これは一本釣りをしたので国の代表ではないということですけど、ジェンダーバランスと、それから地域バランスというのは取っていると思われます。
 この予定が、私たちも知らされていなかったのですが、パネルディスカッションというのがあると聞いていて壇に上がりましたが、実は突然にして話が変わりまして、ドイツのテレビの有名なリポーターみたいな、インタビュアーの人が1人1人に意見を聞いていくと。その人がヒストリアンには、「ヒストリーはどういうふうにSABに貢献できると思いますか」というような意見を1人1人聞くというパターンに突然に私たちに知らされないで変わりました。例えば公電に出ている文書は、ヒストリーが何とかと語ったというのは、「ヒストリーはどうですか」とヒストリアンに聞いたから、そういう答えが出てきていると。
 その方もあがったのか、一番最初の人に聞き忘れたというハプニングもありましたが、一応26名に聞いて、私は科学と社会の関係みたいなことを聞かれたので、私は、私たちの提言が科学者、あるいは国連の中の政策を決める人、あるいはゼネラルパブリックにトラストをもらえるようなものを出していくことが重要ではないかと。それをやるのは、やはりサイエンティストのリスポンシビリティーではないかという発言をして、一応オーディエンスは拍手をくれました。でも、それはおもしろくなかったので、ヒストリーが重要であるというのと、あと、ノーベル賞を取った人なんかのコメント、2人ぐらいのものがピックアップされて公にリリースされています。
 それがセレモニーで、その後でワーキング・ミーティングというのが30日の午後から始まりました。ここにセッションI、II、III、IV、Vと書いてありまして、セッションIが「The overall role and functions of the SAB」、セッションIIが「Strengthening the linkages of science to policy」、それから、翌日31日、セッションIIIが「Linkage of science to high-level policy discussions within the UN system」、セッションIVが「Priorities and up-to-date issues on science for sustainable development」で、「Concluding session」となりましたけれども、割とこの枠を超えて、皆さん、それぞれの分野の専門家なので、言いたいことを言ったというか、ボコバさんがずっと議長をなさったのですが、ブレーン・ストーミングだから、まあ、言いたいことを言ってくださいという感じで、皆さん、それぞれの意見を言いました。
 それで、最終的に何が決まったかということをもう少し話すのですが、その前に、これ、サステイナビリティ・サイエンスの中に入っているので、実はバックグラウンド・ドキュメントというのをドイツユネスコとユネスコ本部が一緒に作ったのだと思います。なかなか立派なもので、実はembedding up-to-date and リガレス science high-level policy discussions within the United Nation systemというものの中に――私、訳せなくてすみません、先ほどのTerms of Referenceも一生懸命訳していますけれども、in linking science high-level policy discussions maybe benefits from new opportunitiesということで、新しいopportunityで、私たちのSABのディスカッションと、それから国連のハイレベル・ポリシー・ディスカッションをつなげるのではないかの一つに、emerging researchというのがあると書かれていて、such as the theory of complex systems and sustainability science might offer new insights on how to integrate scientific knowledge within another types of knowledge which are relevant sustainable developmentと書いてあって、サステイナビリティ・サイエンスを非常に新しい切り口で、国連の私たちのScientific Advisory Boardにもディスカッションには大変いいのではないかと書いてありました。私、これを読んだときに大喜びをして、実は皆さんにもお話をしましたが、少しだけ残念だったのは、そのバックグラウンド・ドキュメントにサステイナビリティ・サイエンスが後ろの方に書かれているところでは、日本のことが全然出てきていないということです。
 Sustainability Science,first evoked in the seminal paper Sustainability Science by Kates et.al.in 2001ということで、『サイエンス』に2001年にKatesという人がサステイナビリティ・サイエンスということに対して論文を発表していると。
 それから、先ほども籾井企画官から御紹介いただきましたように、ICSUの2001年のアムステルダムの中で、これはドイツの間違った名前を書いていますが、私は全部、これを調べましたが、「Challenges of a Changing Earth」というタイトルのドキュメントのところでサステイナビリティ・サイエンスが書かれていて、さらに2010年に、先ほどの『サイエンス』の記事を書いたKatesという人がハーバード・ケネディスクールの一つのテーマにサステイナビリティ・サイエンスというのを取り上げています。
 結構ディスカッションしていて、私は実はサステイナビリティ・サイエンスの国内委員会の委員をやっていて、一字一句、一生懸命になってdefinitionも考えて、サイエンスにするか、サイエンシズにするかというようなことまでディスカッションしたものですけれども、実はほかでもdefinitionはずっと議論されていたということは全く知らなくて、SABになってこのドキュメントを読み、自分でいろいろ引用文献を読んでいて初めて知ったのは、少しショックでありました。それに日本の努力がここに全然書かれていない。一応日本は、先ほど紹介があったように、11月に行ってお話をしたという成果もありますけれども、でも、金澤先生いわく、そのときはもう予算化は多分かなり大丈夫だったという話もあるのですけど、どれだけ予算が付くか分かりません。それで、ドイツユネスコのメラーさんに少し話をしましたが、いや、ドイツユネスコもサステイナビリティ・サイエンスはすごく推進したい、こういう話をなさいました。だから、日本もすごく押しているのだから一緒にやろうという話はしました。でも、何でここに書かないんだって、詰め寄る場でもなかったので詰め寄れませんでした。
 それから、実際の会議の中で何回か私も発言をしたのですが、その1回のときにお金がないという話がすごくあったので、このペーパーにも書いたように、私たちの活動とサステイナビリティ・サイエンスは非常にオーバーラップするところがある。サステイナビリティ・サイエンスはC/5にも入っていると聞くし、何だったらそちらから少し予算をもらいながら一緒にやるようなことはできないだろうかという話をしたところ、ボコバさんは、日本もやったけど、中国も韓国もこの活動に結構熱心だと、こういう御発言がございまして、何となく日本は、こんなに一生懸命頑張っているのに――日本にいると、日本が提言して、それで予算が決まってと私たちはストーリーを聞かされて、私もずっとそう思って聞いていましたけど、向こうに行くと違うな。でも、何となく頑張って、日本のプレゼンスを一層推し進めなければと思って、言える機会は結構使ってボコバさんにも言いましたし、それからメラーさん――ドイツユネスコの担当の人に言いました。
 ただ、随分、受取方が、私が日本で見て、一生懸命になって日本が一字一句、日本が初めて出して予算になったって、ずっと私は思っていたし、金澤先生もそう思っていたとおっしゃったのですけど、実はそうではなくて、アカデミックには2001年に定義が随分、論文になって出ていて、2010年のハーバード・ケネディスクールのテーマにもなっていて、それからICSUでも出されていてということで、日本の努力がこれに全然書かれてないのは、私はいまだに少し不満です。
 ですから、もう少しメラーさんと仲良くなったら、何で書かなかったんだって言いたいなと思っていますけど、それが現状であるということは、やはり世界の中で――ここの中にいると日本万歳、すごいんだ、やったという報告だけになってしまうけど、実は海外では違う。でも、だからこそ日本はもう少し頑張って、これだけ努力したからプレゼンスを認めてほしいという活動をしないといけないなとしみじみと感じました。
 例えば『サイエンス』もKatesで引けば、すぐ出てきますので、何だったら後で皆さんに……、私、そのためにパソコンを持ってきたのですけど、別なパソコンにそれを落としていたというのをうっかり勘違いして、先ほどから少し慌てて探していて見つからない。朝から見つからなくて、パソコンをそのまま持ってきたのですけど、もう一つ別のデスクトップのパソコンに落としたということに今気が付きましたので、すみません、少し間に合いませんでしたが、その辺の資料も全部落としましたので、もし参考にしていただくならありがたい。だから、日本国内だけではなくて、やはり世界の中でのサステイナビリティ・サイエンスということを置いて私たちもディスカッションしなければいけないかなと思いました。でも、それ以外、サステイナビリティ・サイエンスは大きく取り上げられませんでした。
 そして、何が決まったかということですが、SDGs、それからclimate changeのサミットも2015年にありますよね。それから、ポストMDGsのための議論もすごく進んでいるので、私たちがゆっくり考えていることはできないということで、ポリシー・ペーパーというものを出すことにしました。最初、ボコバさんが三つのサブテーマを決めました。この辺はまだ全然アップデートしてないし、議事録も来てないし、私の印象だけで話しています。Three focus strengthということで、イリナ・ボコバさんが三つを出して、それにクロスカッティングも必要だろうといって、もう一つ作るという話になっていますが、三つです。それで、このポリシー・ペーパーというものを約3か月ぐらいで出さないと、SDGs、ポストMDGsには間に合わないのではないかというような議論が出てますが、まだサマリーも何も出てきていません。
 一つが、what type of sciences needed for sustainable developmentということで、モデレーターとしてアメリカのSastryとAbrahamseとNobreという人、配られたものの後ろに委員のリストがあると思いますが、Nobreはブラジルだと思いますね。最初の人はSouth Africaの人ですが、その3人がモデレーターに決まりました。でも、これも少しずれているかもしれませんので、確認をもう一度取っています。
 2番目がWhat are the linkages that are needed to bridge gaps between science and societyということで、2番目のグループができて、モデレーターのAveryという方はアメリカのオーシャングラフィックの人です。それから、もう1人、Daarさんだという人だと思うのですけれども、オマーンの人ですけれども、トロント大学の先生。そして、私がモデレーターに指名されました。
 3番目がガバナンスで、modality、それからsolution making to integrate science and policyということで、これはIvanovaというブルガリアの人ですね。それから、IPCCのパチャウリさん、この2人が決められて、クロスカッティングについては何となく決まらないうちに終わってしまった。どこに入ってもいいし、複数入ってもいいと言いながら、ネットワークをこれから、今、構築しているところなのでと言って、その後、何も来てはいませんが、こういうことで動こうとしてます。
 それから、ボコバさんも忙しいし、潘基文はこれ以上おいでにならないと思いますが、コ・チェアを決めました。コ・チェアはIPBESで、マレーシアの首相顧問であり、元ICSUのエグゼクティブボードメンバーであったザクリーです。ザクリーがコ・チェアになったので、恐らく次回はザクリーが司会をするのではないかと思います。ボコバさんは非常によくまとめ、よく意見を出してくれて、とてもいい会議だったと思います。会議の模様とかも少し落としてきましたが、またこの次の機会があったときに、きちんとプログラムのお話をしたいと思います。
 ということで、サステイナビリティ・サイエンスに関連したこと、それからSABワーキングミーティングの全体像については以上です。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 ありがとうございました。黒田委員の御説明に何か御質問等があれば、お願いします。
 この後で全体としてサステイナビリティ・サイエンスの議論を少しいたしますので、そのときまた続けましょうか。どうもありがとうございました。
 それでは、具体的に、このサステイナビリティ・サイエンスというものを進めていく議論というところで、まず最初に、サステイナビリティ・サイエンスに関する動きとともに、資料について事務局から説明をしていただき、その後、これを推進するために具体的にどう進めていくかの議論になると思います。その後、議題4の(3)で、国際的な動きとして、またユネスコの中期戦略の中にも位置付けられている、先ほどから出ておりますフューチャー・アースについて、文部科学省の研究開発局環境エネルギー課からフューチャー・アースとは何か、また、それに伴う国内の動きについて説明を頂き、フューチャー・アースの動きの中にサステイナビリティ・サイエンスのアプローチをどのようにインプットしていくか、議論をしていきたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 それでは、資料の自委123・人社委114-5(1)及び(2)、参考4の提言と参考5、「サステイナビリティ・サイエンスの推進に向けたメッセージ」と参考6と参考7を御覧ください。
 まず、サステイナビリティ・サイエンスの動きについて、5(1)にまとめてございますが、サステイナビリティ・サイエンスというものにつきましては、先ほど企画官の籾井から説明させていただきましたが、参考4でございますが、平成23年8月に国内委員会で御議論いただきまして、ユネスコへの提言ということでまとめております。黒田委員からも先ほど日本がという御指摘を頂きましたが、確かにICSU等、数年前から提言はされているところではございますが、こちらの方でサステイナビリティ・サイエンスについては、まだ十分に進んでいない。そこを進めていくのに、きちんとユネスコが最適なプラットフォームとしてやっていかないといけないだろうということで提言が出されております。
 ただ、サステイナビリティ・サイエンスといっても、なかなか理解が進まないということで、副会長の金澤先生とサステイナビリティ・サイエンスのワーキングで人文・社会科学の方でも御議論いただきました鈴村先生の共同ペーパーとして参考5でもう少し分かりやすい形で、なぜサステイナビリティ・サイエンスを進めないといけないのかというところをメッセージという形でまとめていただいております。
 具体的にサステイナビリティ・サイエンスとは何かと簡単に言うとということで、参考6に定義というものを、「喫緊の地球規模課題に対して、細分化した学問領域にとどまらない、人文・社会科学を含む学問分野の知を統合した、持続可能な社会の構築に向けたアプローチによる科学的取組」であることとして、先ほど黒田委員からユネスコの方でもSABにおいても日本の貢献が見えないということを言われて、私もかなりショックを受けてはいますが、少なくともユネスコの会議におきましては、このサステイナビリティ・サイエンスをきちんとユネスコの次の中期戦略、事業計画には入れていかないといけないということを提言を出した2年前から各執行委員会等で発言をし、昨年の春に行われた執行委員会ではサステイナビリティ・サイエンスというのがよく分からないという議論もあったので、その後、ワークショップや9月のシンポジウム等を開き、サステイナビリティ・サイエンスの重要性を訴えてきたところです。
 その効果もあって、各国にもサステイナビリティ・サイエンスを推進していかないといけないという支持発言があったのですが、ボコバ事務局長の話のように、サステイナビリティ・サイエンスの取組自体は、名前を使っているかどうかは別として、いろいろなところであるのではないかと思いますけれども、そこのところを今後どういうふうに具体的に進めていくかということを日本としてこれからやっていかないといけないと考えているところです。
 それで、具体的にどういうふうにしていったらいいかというところを資料の自委123・人社委114-5(2)に少しまとめさせていただいておりますが、現状としては、いろいろと動きはあるけれども、具体的な方針ということを提言を出した国として、きちんと引き続きユネスコや国際社会においてやっていく。
 大きくレベルとして三つほどあるのではないかということで、今後の進め方案として出させていただいておりますが、ユネスコ加盟国への普及・理解促進というところで、日本が出しております信託基金を活用したケーススタディの実施。
 あと、ユネスコの既存の科学事業における推進。具体的には国際水文学計画(IHP)や政府間海洋学委員会(IOC)、人間と生物圏(MAB)計画等におけるサステイナビリティ・サイエンスのアプローチをきちんと明確に位置付けていくということ。
 あと、ドイツが非常に関心を持っているということや、昨年の4月に行ったアジア・太平洋地域でのワークショップではマレーシアがホスト国をしていただいたり、あと、ユネスコ執行委員会中に金澤副会長とインドネシアの代表部と意見交換を行ったりと関心を持っている加盟国がございますので、そういった関心の高い加盟国と連携したシンポジウムを開催するなど、ユネスコの加盟国への普及・理解促進というものを進めていく必要があるだろうと思っております。
 また、国際的な議論へのインプットといたしまして、先ほどの黒田委員の国連事務総長の科学諮問委員会とか、フューチャー・アースというもの――これはまた後ほど担当課の方から説明いただきますが、そういったフューチャー・アースという国際的な動きの中の位置付け。こちらの方は資料5(1)の裏にもありますが、中期戦略の中でStrategic Objective4から7のところにも少し書いてございますが、「サステイナビリティ・サイエンスは、ユネスコが連携パートナーとなるフューチャー・アース(10年間の国際的研究枠組み)において、実証的な政策形成を可能にするもの」ということで位置付けているということもあって、フューチャー・アースとの関係と。
 あと、そういった海外に言っていくだけでなく、やはり日本においてもきちんとサステイナビリティ・サイエンスの推進をしていかないといけないのではないかというところで、自然科学、人文・社会科学の小委員会及び関連の分科会において、具体的にどういった進め方をしていくのかというところを御議論いただくということ。
 あと、国内の各種取組、特に科学政策におけるいろいろな取組があるのですが、そこの担当課と関係部署からヒアリングをして、その中でサステイナビリティ・サイエンスをどのようにインプットしていくかというところを議論していった方がいいのではないかということで、少し案を書かせていただいております。
 (3)の2のところでは、具体的には、事務局案としては、まずフューチャー・アースということと、科学技術基本計画は次の第5期が今後議論されていきますので、そこにもきちんと位置付けていくということなどがありますが、それ以外にもまだまだ既存の取組等ございますし、各委員の先生方が御出席されている委員会や取組でこんなものもした方がいいのではないかというところがございましたら、是非御意見を頂ければと思っております。
 以上です。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 ありがとうございました。
 この件について、御意見等を頂ければと思います。特に資料5(2)という形で、具体的なサステイナビリティ・サイエンスの推進の方向性についてまとめたものでございます。はい、どうぞ。
【羽入委員】
 十分に理解しているとは全く思えないので質問ですが、先ほど黒田先生から御報告いただいたことと、それから、今の今後の進め方について多少の方向性の一元化というか、方向性を同じくするということが重要ではないかという気が少しいたしました。
 先ほど黒田先生のお話では、例えばサブテーマとして三つあるとおっしゃっていて、恐らく、それは科学的なというか学問的な議論と、それから、それをどうやって政策に落としていくかというか、具体化していくかという、そういうレベルまでの話が含まれているのではないかと思いますと、今後の進め方のいわば一つの方向性のようなものとして、それに沿った三つなのか、二つなのか、あるいは四つなのか分かりませんけれども、そういった方向を考える必要はないのかなと今お話を伺っていて思いました。
 つまり、具体化する、サステイナビリティ・サイエンスをどうやって社会の中で、あるいは政策提言にまで持っていくかとか、それを国際的なレベルで提言するかというようなことを考えた上で、この進め方を議論するのが必要ではないかという気がいたしました。感想のようなものですけれども。
【観山委員】
 黒田先生に随分頑張っていただきまして、ありがたいのですが、やはり歴史とか、国際的な中で、どこがどういうふうに言ったかというのはずっと言い続けないと、世界の中で歴史は残らないので、黒田先生、サステイナビリティ・サイエンスについて、もしもそういうことを言うのであれば、日本が言ってきたんだとずっと言い続けないと。
 非常に単純な質問ですが、2001年に『サイエンス』にどなたか書かれたというサステイナビリティ・サイエンスと、ここで我々が議論して言っているサイエンス並びに人文科学の統合としての知の活動というものと定義は同じですか。
【黒田委員】
 同じです。
【観山委員】
 同じですか。
【黒田委員】
 同じです。だから、別に日本が初めてではないという言い方をされてしまう。だから、日本が日本がと言う前に、やはり世界の中での位置付けを見てから戦略的に日本がと言わないと、非常にみっともないことになる。私、本当に日本が初めて提言したと信じていたので、すごいショックを受けましたが、2001年のICSUの総会でもサステイナビリティ・サイエンスという言葉は出ているし、2010年のそれがこのバックグラウンド・ペーパーに書かれているわけなんですね。日本のことは出てこない。もちろん、これはユネスコではないといえばそうなんですが、そのKatesの2010年のそういう……。
 だから、人文なんかと一緒にしないといけないし、スペシフィックなものをやったり、provide more funding for research or individual sustainable development topicsではなくて、こういうものが必要だということはもう前から言われていて、2010年のスクールでもそれをトピックスにやっているということがこのペーパーに書かれているということも結構ショックでしたね。そこはleading the sustainability science and technology CID working paper number213 2010というもので、centers programmesという形で2010年にもうパブリッシュされています。
 はっきり言うと、こんなことを言うとユネスコに大変申し訳ないですけど、金澤先生も行って少しびっくりされたとおっしゃっていて、何かもう先にどんどん進んでいるというか、予算も付けるから心配するなと言われたというようなことをおっしゃってショックを受けたということだったので、金澤先生もこのペーパーについては全然知らなかったと言われていたので、やはりみんなが同じことを言っているというのは私はすごいショックを受けて、最初読んだときは、やったぞ、日本の提案がこんなに大きく取り上げられているとすごく喜びましたが、実は戦略を変えないといけないかなと。
 努力は多分認めてくれていると思いますので、ユネスコの中でこれを取り上げる。今まではICSUとか、少し違うところで、あるいはハーバード・ケネディスクール、いろいろなところでやっていた。でも、定義から日本が作ったみたいな言い方をしたら絶対まずい。それよりもユネスコの場で、ユネスコというものを使って、いかにサステイナビリティ・サイエンスを広げていくかということに日本がイニシアティブを取ったというスタンスにしないと、定義から日本が作って、日本が提言して、日本が言ったから、みんなが賛成したという言い方をすると、うまくいかないのではないかなという感触を得ましたし、今、皆さんにバックグラウンド・ペーパーを――これも委員限りにしてください、ほかに回さないでいただきたいです。一応オーケーは取りましたが、その理由は、ジャパニーズ・サイエンス・コミュニティーがどういうふうに取るかというフィードバックが欲しい、その条件でオーケーをもらったという感じになっていますので委員限りにしていただきたい。
 でも、一応、できるだけ情報公開したいということですけど、例えば今のことは、アネックスが付いているものですから、United system priorities related science for sustainable developmentという三つ目の――四つ書類が入っていて、ばらばらで申し訳ないですけど、後ろの方の3ページ目の上から二つぐらい、「What framework conditions are needed for Science for Sustainable Development?」というのがあって、そこに書かれています。
【籾井国際戦略企画官】
 これまでの経緯のところを若干補足させていただきたいと思いますけれども、日本からサステイナビリティ・サイエンスの提言がされたことが国際社会の場で十分に認知されてないというところについては、今後どうやって発信していくかということについて十分に検討していただいて、より効果的な発信の在り方を考えていく必要があるのかなと思っております。
 ただ、その前提といたしまして、国内委員会が提言したときの経緯でございますけれども、全く今までサステイナビリティ・サイエンスとか、サステイナブルな社会の構築に向けた科学の役割について認知されてなかったというところからはスタートしておりませんで、先ほど参考4で提言をお配りしておりますけれども、その3ページの一番上の段落、「しかしながら、これまでの検討は、持続可能な開発に貢献する科学という個別の学問領域における取組が主となっていて、今日求められている知の統合にまで結びついているとは言えないと我々は認識している」と書いてございますとおり、いろいろな分野でそういう認識が出てきているのは確かだけれども、さらにもう少しそれを強めていく必要があるという認識の下に、この提言を出しております。
 したがって、全く最初から日本ユネスコ国内委員会が提言したとは位置付けておりませんで、今までの議論はあったけれども、よりそれを知の統合とか、人文・社会科学と自然科学との連携という部分を強調していくべきだと。そして、何よりもユネスコがそこに積極的に絡んでいくべきだということで、この提言は出しております。
 それから、ユネスコの予算の件に関しましては、実は、金澤先生が行かれたのは総会ですけれども、この議論はずっとその前から続いておりまして、ユネスコ事務局と日本の政府との間でさんざんやりとりをして最終的に盛り込まれるということになっておりますので、そこは対外的にどこまでそれが発信されているかどうかという課題はもちろんありますけれども、そこに関しては、やはり日本のこの提言があったということは評価してもらっていいのではないかと考えております。
 ですので、今後どうやって発信していくかということを考えていくに当たっては、当然もっと大きな国際社会の議論というのは考えていかないといけませんし、改めてほかの分野でどういう議論がされているかというのは考えていく必要はあるのかなと思います。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 時間の関係もあるので、きょう結論を出す話ではないですが、基本的にサステイナビリティ・サイエンスというのをユネスコ本部も積極的にやっていこうという流れがあって、日本がそれのある部分でイニシアティブを取ってどんどん推進していこうと。これに関しては、皆さん、共通の理解が得られていると思うんですね。
 それから、それを推進するときに、一つは、新しい分野と考えるかどうかという話で、ある程度既存の分野なんかの文理融合的な領域として統合という形が出てますが、積極的にサステイナビリティ・サイエンスという視点から、いろいろな事業とか、学問、政策を推進していこうというような観点だと思うのですが、その辺はよろしいでしょうか。
 では、それを具体的にどういうふうに推進していくかというところになりますと、この委員会の下にIOCであるとか、IHPであるとか、MABとか、ESDも含めて、いろいろな小委員会等がありますので、そこでサステイナビリティ・サイエンスの視点からどう関わっていけるか、あるいはポストESDとしてサステイナビリティ・サイエンスを位置付けるかどうかというところを少し議論をしていただいて、また本委員会等で議論するという話はどうでしょうかね。きょうはある程度情報をいろいろ頂いて……、今の話でよろしいですかね。
【黒田委員】
 はい。ただ、サステイナビリティ・サイエンスばかりやるのではないですけど、コンセプトはサステイナビリティ・サイエンスのコンセプトが全部に入っていると言ってもいいと思います。SABのメンバーがヒューマニティーからヒストリーからソーシャル・サイエンスからナチュラル・サイエンスも入っているというところからしても、本当にサステイナビリティ・サイエンスだなと。ただ、もっとポリシーに近いのかもしれない。
 だから、このサステイナビリティ・サイエンスは、サイエンスをやるのか、もっと政策に近い、あるいは一般の人に近いリンケージをやるのかとか、その辺のことを私はディスカッションしてもサステイナビリティ・サイエンスは必要だということはとっくに、このペーパーができたとき、あるいは2年前の日本の国内委員会でも固まっていて、まだ分からないと言っている人がいるということもそのとおりかもしれないけど、それは重要だと進めているところもあるんだという理解の下に、学問をどうのこうのということだけではなくて、いろいろな分野で実際にどういうふうにやっていくと、その学問がみんなの幸せにつながるかということで日本がイニシアティブを取れるといいかなと。どちらが先にとか何とかといっても、絶対それは勝てないというか、もう定義はとっくに皆さん、ディスカッションしてましたという言い方をどうしてもされてしまうので、そこのところをやはりうまく考えて、せっかくこれまで努力してきたので、そのプレゼンスをしっかりとしたい。日本で思っているよりはプレゼンスがなかったということです。
 これはユネスコの総会の中では違うのかもしれません。ただ、国連のSABの中では、私が一生懸命になって、でも、日本が一生懸命やってという話もしましたけれども、少し違ったのを非常に寂しく思いました。ですから、それに目をつぶらないで、それを踏まえて、では、どうやってプレゼンスを高めようかということのために、私たちは少し頑張らないといけないかなと思います。
【岩本国際交渉分析官】
 黒田先生に御努力いただいたとおりでございますが、言うまでもなく、国連システムの中でユネスコというのは一つの専門機関で、なかなかユネスコで言っても、まあ、ボコバ事務局長が出席したにもかかわらず、そういう認識だというのは、私どもとしては、執行委員会ですとか、いろいろな場で袋だたきに遭いながらでもサステイナビリティ・サイエンスを守ってきた者としてはなかなか悔しいですが、さはさりながら、この提言が求めていた中期計画ですとか、中期予算に盛り込むという目標は一応達成したわけであります。
 では、これからどうするかというのは、まさにこれから御議論いただくわけですが、一つは、そういったサステイナビリティ・サイエンスというICSU等に端を発しながらも政府間の国際機関でも取り上げるに至ったもの、いわば役人も入ってそこまで合意形成ができたというもの、それを加盟国にも普及・理解をもっと広めてもらわなければいけないのが一つ。あと、国内、これは今後、科学技術基本計画でございますとか、そういったことが出てくる。あるいはESDの世界会議もございますけれども、そういったところでどういうふうになっていくのか。これは単にユネスコ国内委員会だけが頑張っていればいいというものではない、だから、どうするかというお話でございます。
 それとあと、世界に向けてどうするか。これからお話があると思いますけれども、フューチャー・アースというところで、まさに日本発というか、今やもう日本というクレジットは付かないかもしれませんけれども、サステイナビリティ・サイエンスというものをどう盛り込んでいくのかということになるのかと思うわけでございます。
 ただ、そのときに、羽入委員がおっしゃったように、ドイツで議論になった三つの視点といいますか、サステイナブル・ディベロップメントに対して、科学がどういうふうに必要とされているかとか、科学と社会の問題であるとか、あと科学をいかに統合していくか、その辺はある意味、科学コミュニティー自体も考えていただかなくてはいけないし、私ども役人がどうこうする話でもないので。ただ、そういうことがあるということはしっかりにらみながら、資料5(2)に書いた今後の進め方みたいな線でやっていけばと思っているわけでございます。
【寶委員】
 事務局にお尋ねですけれども、参考5は既にどこかで公開しているペーパーですか。
【堀尾ユネスコ協力官】
 はい。これは総会とかでも金澤先生と鈴村先生に御了解いただいて……。
【寶委員】
 配っているんですね。
【堀尾ユネスコ協力官】
 はい、配付しております。
【寶委員】
 これで「Backgrounds of proposing the promotion of Sustainability Science」と書いてあるので、サステイナビリティ・サイエンスをプロモーションするプロポージングなので、まあ、中身は十分読んでいませんけど、中にdefinitionとかあると思うのですが、2001年とか2010年に既に出されているアイデアとここのdefinitionにそごがなければよろしいですし、このペーパーに2001年とか2010年の既に海外で得られているものを引用しておけば、全然知らないまま進めていたわけではないということになるとは思いますけどね。
 黒田先生に少しお尋ねしたいのですが、先ほど三つのサブグループがあるとおっしゃった。
【黒田委員】
 プラス1で、クロスカッティングが一つ入ると思います。
【寶委員】
 そうですか。それで、特に先生のサブはUN全体ですから、特にユネスコとして、そのうちどれに重点を置いたらいいのか、あるいは全部やらないといけないのか、そのあたりはいかがですかね。先生、サブグループ2ですから、これをやるとして、先生の勝負されるところをサポートするというのも一つの手かと思いますが、いかがですか。
【黒田委員】
 そうですね。でも、私はほかも所属できるので、ポリシーとの関係もおもしろいかなと思っていますけど、一応モデレーターに指名されているので、ポリシー・ペーパーを書くところは、やはり皆さんの御協力が必要なので、やっぱりどこか、ユネスコかどうか分からないけど、日本として、それこそ外務省から文科省、JSTもユネスコもみんな入って何か少し考えていただくと、それはすごくありがたいなと思います。
【寶委員】
 先ほど羽入先生からもお話があったように、ここでの議論とサブとがある程度整合性を持っていった方がいいと思いますので。
【黒田委員】
 そうですね。きょう、委員限りでお配りしているものは、そういう日本のコミュニティーがどういうふうにサブにやっているかということをフィードバックしたいというのが条件なので、例えばサステイナビリティ・サイエンスを日本は非常に推し進めてきていて――少なくとも日本だけがやったと言ったら絶対駄目ですけど、やってきたものであって、それに関して、いろいろサブテーマ――three strengthといいますが、それに関して、こういうディスカッションをすることにしたというようなことを言うということは非常に日本のプレゼンスも上がるし、サブとしても非常に助かるのではないかなと、今、少し思い付きですけど、寶先生の考え、羽入先生がおっしゃったことも本当にそうかもしれないと。
 ケーススタディをなさるというのは、どのくらい具体的にお考えなのかな。
【堀尾ユネスコ協力官】
 信託基金を使って……。
【黒田委員】
 はい。
【堀尾ユネスコ協力官】
 そこは、まずジャカルタ事務所に、これまでもずっと出してきておりますので、ジャカルタ事務所の方では少し具体的なケーススタディ。あと、本部の方でも、ジャカルタ事務所はアジア・太平洋地域のビューローですので、やはり世界全体にということであれば本部の方でも必要なので、本部については、現在、もう少し世界的なケーススタディを本部で収集してということで議論しているということと、あと、MABのプロジェクト。MABが既にそういった自然科学コミュニティーを巻き込んだという形でもあるので、MABとか、あと、人文・社会科学の方でも少し必要なので、そこについては今、人文・社会科学局の窓口の人とどういったことがということを話をしているところです。
【黒田委員】
 ドイツが非常に積極的なんですよ。ですから、何かお株を取りそうな雰囲気で……。
【堀尾ユネスコ協力官】
 実はドイツも、もともとESDもそうですけれども、サステイナビリティということに対して非常に関心が高くて、そういった意味もあって、こちらの方から、サステイナビリティ・サイエンスを執行委員会とか総会できちんと位置付けていくときにドイツにもサポートを求めて、かなり議論をして、それで、ドイツもこれは合うから一緒にやっていこうということで……。
【黒田委員】
 ドイツはサポートしたなんて気分ではなくて、自分たちがやっているという言い方をしました。そこが少し認識が違っていて、「我々は」という感じで言われたので、少しむっとしました。
【加藤国際統括官】
 大事なこととして、日本のユネスコ国内委員会は、ユネスコの事業計画に入れるということにかなりコンセントレートして活動してきたわけですけれども、実はサステイナビリティ・サイエンスの考え方を使った具体的な科学とポリシーのインターフェースというのは実はあちこちでもう既に行われ始めていて、特に去年の4月には、アジア・太平洋地域でのそういった取組について、まさに先ほどお名前が出たザクリーさんと国連大学の武内先生が中心になってオーガナイズしてやって、結構ローカルな課題について、実は我々がサステイナビリティ・サイエンスと称しているアプローチを使っているという非常に有益なプログラムが行われているわけなんですね。だから、そういう意味では、ドイツでも既にやっているかもしれない。むしろこれから大事なのは、そういうものをピックアップして、まだやってない人たちによく見えるようにして、それで、どうやったらそれをうまくできるか、やっていくことであると思うんですね。
 だから、そういう意味で、先ほどの羽入先生のお話では、これは科学だけの営みではなくて、当然、政策とのインターフェースもあり得る、考えてやらないといけない話ですし、そういう意味で、きょうこれから準備しているフューチャー・アースも一つ、具体的なイメージを皆さんに持っていただけるのではないかと思います。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 御質問はまだあるでしょうが、こちらで用意しているのでフューチャー・アースに関して少し説明をするということになっております。
 概要等に関して、あるいは国内の動きに関して、文部科学省の研究開発局環境エネルギー課の木下環境科学技術推進官から御説明いただいて、その後、また若干時間があれば議論をしたいと思います。それでは、お願いします。
【木下環境科学技術推進官】
 ただいま御紹介にあずかりました木下でございます。持続可能な地球社会の構築に向けてという観点で、まさしく同じ視点を持ってフューチャー・アースという事業に取り組んでおります。これから御紹介させていただきたいと思いますが、まず研究開発局は何をやっているかというところを簡単に御紹介させていただきながらと思っております。
 研究開発局は、例えば原子力であるとか、宇宙、海洋、地震、防災というような研究開発を中心にやっている局でございます。その中で私がおります環境エネルギー課と申しますのは、持続可能な社会に向けて、エネルギーの分野ですと、例えば新しい蓄電池の開発であるとか、環境の分野ですと、気候変動に関連して例えば地球をよく見て、その観測データを今度はシミュレーションして気候変動予測をして、それを社会に有益な情報として提供していくという研究開発を進めております。その中の一環として、単に研究で終わらすのではなくて、それを具体的な社会の課題解決に役立てていこうという観点から、このフューチャー・アースという活動に我々も課として今取り組んでいるところです。
 昨年から積極的に取り組み始めておりまして、理念等はサステイナビリティ・サイエンスと同じですので、こちらの事務局とは緊密に連携を取らせていただいておりますし、ここにお集まりの委員の何人かの皆様とは、既にいろいろな場で御支援を頂いているところです。そういった前提で御紹介をさせていただきたいと思います。
 ツーアップになっておりまして、下のページにフューチャー・アースとは何だというのを簡単に書かせていただいております。先ほど申し上げた持続可能な地球社会の構築に向けて研究者――ここでいう研究者というのは、どちらかというと自然科学の研究者、私の課ではそうなりますけれども――が自然科学の研究者だけではなくて、人文・社会科学の研究者、それから企業であるとか、市民団体、自治体という人たちと連携をして取り組むことによって、持続可能な社会の構築に貢献を目指そうということを考えて活動をしております。
 めくっていただきまして、フューチャー・アースは決して国内発の活動ではございませんで、国際的な議論の中で始まっているもので、我々はそれに賛同して検討に参画をしております。
 具体的な構想がありましたのは、2ページ目の下の主要マイルストンのところでありましたが、リオ+20のところで、先ほどから名前が出ておりますICSUというところが中心となりまして、このフューチャー・アースという構想が発表されました。昨年の7月に暫定事務局が発足いたしまして、来年2015年の1月から本格的に始動できて、10年間の計画として始まるようにということで、今、鋭意検討が進められているものです。
 こちらはどちらかというと科学者を中心とした取組でございまして、2ページ目の左上にWCRPとか、IGBPとか、DIVERSITASとか、IHDPとありますけれども、気候変動予測であるとか、生物多様性の分野というところで個別に行われていました研究プログラムを社会に役立てるということで改変をして、この四つを統合・融合させてフューチャー・アースという形で発足させようとしております。
 ここのスポンサーというか、ここを応援していただいている、推進役となっているのが、先ほどのICSUのほかに全部で8機関ございます。2ページ目の上の右の図ですね、ここにはユネスコも入ってございます。ユネスコであるとか、WMO、UNEPというもの、それからBELMONT FORUMとかIGFAというファンディング機関の集まりというものが、このフューチャー・アースを主導しているということでございます。
 フューチャー・アースのポイントは3ページ目のところでございまして、ステークホルダーと協働して研究を進めていき、それを社会に普及をさせていこうという取組でございます。研究者だけで研究内容を決めて研究をし、研究成果を発表するのではなくて、どこに課題があるのかということをステークホルダーの人から意見を聞きながら、そして研究計画を立て、研究を実施し、その研究を当初課題を持ってということで相談にいらしたステークホルダーの方の課題解決に役立てていくということを目指して進めております。
 4ページですけれども、では、どういったテーマで研究を進めていこうかということで今議論が進んでいる最中です。まだコンセプト段階です。ここでは大きく分けて三つのテーマが今掲げられております。一つ目がダイナミックな惑星(Dynamic Planet)、二つ目がグローバルな開発/発展(Global Development)、三つ目が持続可能性に向けての転換(Transformations towards Sustainability)ということです。
 一つ目は、気候変動や人口増加などが社会や生態系にどう影響を与えているか。どちらかというと自然科学的な観点が大きいのかもしれません。その研究成果を元に、経済界や自治体は持続可能な発展に向けてどう貢献できるか。そして、さらに地球温暖化が進んだ場合、どのような方法で社会を維持させていけばいいのかという形で、相互に研究活動を連携させて社会に定着をさせていこうとしております。
 これに対して、どのような形で今取り組んでいるかというのが5ページ目ですけれども、私のおります文科省研究開発局の方では、昨年、「持続可能な地球環境研究に関する検討作業部会」を設置いたしまして、昨年8月に中間報告を取りまとめたところです。まだこの時点ではフューチャー・アースというのは何物かも分からないので、まずその分析であるとか、検討、翻訳というのが非常にこの作業の多くを占めたところでございます。そのうち、文科省ではJSTと一緒になりまして、具体的に研究活動を支援していくためのファンディングを進めていこうということにいたしまして、現在、26年度予算要求をしているというところでございます。また、どのような形で研究を進めていけばいいのかという観点から、昨年の10月と12月に文科省とJST共催で、トランスディシプリナリー研究に関する検討ワークショップを開催してございます。
 それから、次のページは日本学術会議でございます。研究者主導の取組でございますので、研究者の集まりであります学術会議も本件には積極的に関わっております。学術会議の中でも「フューチャー・アースの推進に関する委員会」を昨年6月に設置をいたしまして、特に研究者の側からフューチャー・アースとはどうあるべきかというのは、ここで議論されているところです。
 また、フューチャー・アースは、先ほど暫定事務局ができたと申し上げましたけれども、来年からの本格的な発足に向けて事務局の誘致をどこがするかというので今国際調整中で、学術会議は今これに関心があると手を挙げておりまして、同じく関心を持っているアメリカ、カナダ、フランス、スウェーデンと一緒に、どういった形で事務局誘致ができるか、調整をしているという段階でございます。
 また、資料には書きそびれましたけれども、先週は京都で学術会議主催で、その他JST等々と共催で、フューチャー・アース・イン・アジアという研究者中心のワークショップを開催などもしております。
 7ページ目、少し見慣れない三角のトライアングルが書いてありますけれども、これを少し使って、どの段階でどんな議論がされているかというのを御紹介させていただきたいと思います。先ほど黒田先生から御紹介がありましたような国際社会へのアプローチというのは、この三角形の一番上の青い部分、フューチャー・アース本部を中心に今検討が進められておりまして、先ほどございましたようなサステイナブル・ディベロップメント・ゴールズですね、2015年にポストMDGsという枠組みと一緒に議論される予定のところにどう打ち込むかというのを、先月もニューヨークでいろいろとロビー活動をしていたということです。
 また、既に始まっているフューチャー・アース関連の活動といたしましては、この緑の部分でベルモント・フォーラムということで、国際的な優先的な課題を研究者で特定して進めていくという活動も進めております。また、今、文科省で先ほどファンディングの検討をしておりますと言ったのは、この黄色の部分はどうあるべきかということを検討しております。オレンジの部分は、どちらかというと科研費であるとか、今既にあるファンディングと理解いただければと思います。
 最後、8ページ目と9ページ目に、ワークショップはどんなことをやりましたかということを御紹介させていただいております。産業界、自治体、メディアの方等を集めて、約30名の方に御参加いただきまして、先ほどの黄色の部分の研究というのはどうあるべきなのか、どのように行うと社会の課題解決、持続可能な地球社会の構築に貢献できるのかということで議論しております。
 どのような議論があったかというと、まだ具体的な、こんな研究をすればいいというところまでは議論は深まっておりませんで、まず共通の認識をどう取っていくかということで、ステークホルダーはどう定義していくのかという話であるとか、日本が優先的に取り組むべき課題・研究というのはどうあるべきかというので活発な議論を頂いたところでございます。
 私からは以上です。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 ありがとうございます。時間がなくなってまいりましたが、このトランスディシプリナリーの検討ワークショップは見上先生と国内委員の宇佐美先生が委員ということで、よろしくお願いします。
 以上が大体こちらで用意した資料全てですが、全体としてサステイナビリティ・サイエンスを今後どういうふうに進めていくかというところで、ほとんど時間がないのですが、特にきょう御発言を……。はい、どうぞ。
【吉見人文・社会科学小委員会委員長】
 私、人文社会系といいますか、文系の人間なものですから、先ほど来お聞きしていて、一つ、全く素人の意見として留めておいていただければ結構ですけれども、サステイナビリティというときのサステイナビリティの概念の広がりというものについて少し気になるところがございます。普通に素人的に考えますと、生物多様性であるとか、エネルギーであるとか、自然環境であるとか、地球環境であるとか、そういったことが中心になるのでしょうけれども、それだけですと、どうも人文社会系といいますか、文系は脇役かなという感じがどうしても普通にするんですね。
 ただ、先ほど資料4の中を見ますと、「サステイナビリティ・サイエンスは」というところで、持続可能な地球社会の構築に向けてということが書かれていて、要するに人文系、社会系も全部一緒にやるんだという話になっている。とすると、人文社会系が脇役でないということは、この「地球社会」ということの社会というところの彫り込みを、もう少し深くしていただきという気持ちがございます。
 先ほどのフューチャー・アースというところでは、「地球社会」ではなく「地球環境」となっていて、「地球社会」と「地球環境」というのはかなり違うんですね。つまり、社会引く環境、人文社会はそうだなみたいな感じがありますけれども、ただ、社会というところに含めて考えると、例えば自然環境の問題だけではなくて、日本が非常に強い分野でいうと防災というのがあります。災害科学とか防災で、日本ぐらい災害が多い国はないですから、津波、地震に対して相当な蓄積があると思いますし、これはサステイナビリティ科学に果たして入らないのかというと、私は入っていいのではないかと素人的には思うのですが……。
 それから、それ以外にも、例えば文化のサステイナビリティということがあるのではないかと思います。文化的な資源や文化的な環境、文化的な遺産というものを地球規模でどうやって残していくのか、記憶をいかに継承していくのかという話になってくると、これは人文社会系の相当深い議論になってまいりますし、社会のサステイナビリティということもあって、それぞれの集落や村落、あるいは都市の社会がどのようにサステイナブルであり得るのかということ。
 このまさに社会の問題に踏み込むのか、それとも自然環境の問題としてサステイナビリティ・サイエンスを考えるのかということは大きな違いで、自然環境の問題ならば、やはり人文社会系は少し脇役というか、支えはしますけれども、どちらかというと刺身のつまかなという感じもしますが、社会そのものの問題とか、文化の問題になってくると非常に深く関わってくる。その辺、はっきりさせていただくと幸いでございます。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 その辺は統合ということで、両方に大きな足を載せているという解釈で進めていると思います。
【井原委員】
 参考5のメッセージの中の2ページ目の終わりに、今おっしゃったようなことが書かれていると思いますが、二つのタイプがあると。第1のタイプは、恐らく私の理解ではフューチャー・アースというのが第1のタイプかなと思いましたが、第2のタイプというのが、今、吉見委員長がおっしゃられたことを含んでいるのではないかと私は判断、理解しているわけですが、疑問は、第2のタイプが非常に具体性に欠けているんですね。だから、何を言っているのか、よく分からないというのが私は……。
 もう少し具体的に、例えば大気汚染は日本は克服してこうであると主張すると、今度中国が反論するかもしれませんが、そういう具体的に、では、日本はどういうことを実現しているんだというのも含めて、第2のタイプをやっていった方が私はいいのではないかなと。そうでないと、何となく空論といいますかね。私は工学出身なので、どうしても具体性がないと納得いかないところがあります。
 以上です。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御意見を踏まえて、今後いろいろ議論をする機会がございますので、きょうはこの辺ということで、今後ともサステイナビリティ・サイエンスを積極的に推進するということで、いろいろな取組をしていきたいと思います。よろしくお願いします。強引に議題を切ってしまいましたが、すみません。
 それでは、議題の5ということで、その他事項に入ります。事務局から今後の日本の国内委員会関係の行事について説明を頂ければと思います。
【堀尾ユネスコ協力官】
 今後の進め方として、きょうはフューチャー・アースについてでしたが、また引き続き御議論を頂きつつ、少し国内の関係部署等からヒアリング等を行いながらしていきたいとは思いますけれども、次のところは、こちらの案としては基本計画を上げていますが、その後のところはまだ未定ですので、そこも引き続きということでよろしいでしょうか。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 各方面で積極的にこれを議論して、どう組み込むかというのをやっていただくという方向性でよろしいですね。
【黒田委員】
 比較的ゆっくりしていられないような気がします。特にSDGとかが動いていますので、もしも本当にこれを国際的に入れていこうと思ったら、具体的な計画を比較的早く考えていただくことが重要かなという気もするけど、ユネスコはユネスコのペースがあるから、私はどちらかというと国連のペースで言っているから違うかもしれない。
 先ほど更に配られたページの3ページの上から2番目のパラグラフを先ほど少しお話したかったので、その参考文献を見てください。これは本当に取扱注意にしてください。皆さんと情報共有したいということで担当事務局からオーケーは取っているものの、皆さんのフィードバックが欲しいということでもって配るんだということなので、日本のサイエンス・コミュニティー、あるいは日本のユネスコで構わないと思いますけれども、特にサステイナビリティ・サイエンスに関連して、こういう貢献ができるのではないかみたいなことを入れたらとてもいいのではないかなと、そういう気持ちもあってお配りしています。すみません。
【籾井国際戦略企画官】
 今後の進め方でございますけれども、3か月でポリシー・ペーパーを作るという話と、きょう頂いた御意見を踏まえて、今後の進め方につきましては、黒田先生と吉見委員長、鈴木委員長と御相談しながら、また御連絡させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 よろしくお願いします。
【黒田委員】
 すみません、たくさん余計なことをしゃべってしまって。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 いえいえ。それでは、国内委員会関係の行事について。
【堀尾ユネスコ協力官】
 では、今後の関係行事につきまして、参考8でございますが、こちらに関係行事をまとめてございます。ESDに関しましては、本年11月10日~12日に愛知県名古屋市で閣僚級会合及び全体取りまとめがございます。席上に少し置かせていただいておりますが、ESDの世界会議のバッジができましたので、是非委員の皆様方には付けて……。
【籾井国際戦略企画官】
 世界会議の正式なロゴマークということで、余りデザイン性は自慢できないのですが、よろしくお願いいたします。
 それで、もう少し数がございますので、配布など御希望ございましたら、事務局の方までお申しつけください。
【堀尾ユネスコ協力官】
 ESDにつきましては、そういった形で11月にかなり関係会議がございます。
 ユネスコの関係会議としましては、4月2日~15日にユネスコの執行委員会がパリでございます。また、4月22日~25日にIOC/WESTPACの国際科学シンポジウム、6月10日~13日に人間と生物圏(MAB)計画の国際調整理事会――こちらの方で日本から出しております新規の2件、福島県の只見と南アルプス、そして拡張申請を行っております志賀高原についての審議が行われる予定です。また、6月18日~20日に第21回国際水文学計画(IHP)の政府間理事会がございます。6月23日~7月4日には第47回政府間海洋学委員会(IOC)の執行理事会がパリでございます。裏面に行きまして、秋には10月8日~22日に第195回ユネスコ執行委員会が予定されています。
 国内の会議といたしましては、ここに書いてあるとおりでございます。3月18日に国内委員会、全体の総会がございますので、こちらは国内委員全員に御案内させていただいているかと思いますが、是非御出席いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【鈴木自然科学小委員会委員長】
 その他、特に報告、審議すべき御提案等ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 冒頭で申し上げたとおり、この後、自然科学小委員会のみを開催の上、IOC、IHPの分科会の委員の人選等の検討を行いますので、この件に関しては非公開で行いたいと思います。関係の方々はお残りいただきたいと思います。
 それでは、本日、御多忙中、御出席いただきまして、ありがとうございました。

── 了 ──

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