日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会(第139回)及び人文・社会科学小委員会(第121回)合同小委員会 議事録

1.日時

令和2年6月26日(金曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

オンライン会合 (ZOOM)

3.出席者

(自然科学小委員会委員)
 礒田博子(委員長)、大島まり、大野希一、河野健、立川康人、西尾章治郎【敬称略】
(人文・社会科学小委員会委員)
日比谷潤子(委員長)、礒田博子(自然科学小委員会委員と兼任)、小林真理、野村浩子、藤田みさお【敬称略】
(文部科学省(日本ユネスコ国内委員会事務局))
 大山国際統括官(事務総長)、亀岡文部科学戦略官(副事務総長)、大杉国際戦略企画官(事務局次長)、植村国際統括官補佐(事務総長補佐)、その他関係官

4.議事録

【礒田委員長】  おはようございます。
 本日は、御多忙のところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻になりましたので、事務局は定足数の確認をお願いいたします。
【植村国際統括官補佐】  本日の出席委員は、まず、自然科学小委員会が現在6名、人文・社会科学小委員会は5名で、それぞれ委員の過半数ですので、定足数を満たしています。
 なお、本日、報道関係者の取材を受け付けておりましたが、結局、取材の希望がありませんでしたのでお知らせします。
 また、一般からの傍聴は御遠慮いただいておりますが、今回の議題に関係の深い機関として、内閣府、外務省、林野庁、経済産業省、気象庁、環境省、海洋研究開発機構、日本ユネスコエコパークネットワーク及び日本ジオパークネットワークの方々にはオブザーバーとして傍聴いただいております。
 以上です。
【礒田委員長】  それでは、ただいまより、第139回自然科学小委員会・第121回人文・社会科学小委員会合同小委員会を開催いたします。
 本日の議事進行をいたします、自然科学小委員会委員長の礒田でございます。
 本日は、自然科学小委員会・人文・社会科学小委員会の合同小委員会となっておりますが、人文社会科学小委員会の日比谷委員長と御相談の上、本日の司会を私が務めさせていただきます。
 本日の議事のうち、議題5関しましては、事前にお伝えしておりますとおり、非公開とさせていただきます。非公開の部分を除いて、御発言は議事録としてそのままホームページ等で公開されますので御承知おきください。
 議事に先立ちまして、委員及び事務局の異動がありましたので、事務局から報告をお願いします。
【植村国際統括官補佐】  配付資料の参考資料1と2を御覧ください。
 まず、本日御欠席ですが、昨年12月1日付けで角南篤委員に御就任いただいております。
 続きまして、事務局の異動を御報告いたします。
 本年4月に文部科学戦略官/日本ユネスコ国内委員会副事務総長として亀岡雄が着任しています。次に、国際統括官補佐として、堀尾多香が着任しています。さらに、国際統括官付ユネスコ第三係長として、岡本彩が着任しています。最後に、昨年度より在席しておりますが、今年度より国際統括官補佐の私、植村正樹が自然科学小委員会及び人文・社会科学小委員会の担当となっております。どうぞよろしくお願いします。
 以上です。
【大杉国際戦略企画官】  それでは、私どもの大山統括官から一言御挨拶を申し上げます。
【大山国際統括官】  先生方、おはようございます。改めまして、国際統括官の大山でございます。本日、まずは、御出席ありがとうございます。
 本日の自然科学小委員会、それから、人文・社会科学小委員会の合同の小委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 本日、大変御多忙のところ、また、コロナでこういった状況の中でお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 ユネスコの活動に関しましては、日頃より大変御尽力、御協力いただいておりますこと、心より感謝を申し上げます。
 さて、最近のユネスコの活動については、本日の議事の中で、事務局からも詳細な説明をさせていただきたいと存じますが、ユネスコにおいては、様々な形で新型コロナウイルスへの対応がなされているところでございます。教育、科学技術、文化の分野でテレビ会議の形で大臣級のハイレベル会合が開催されるなど、コロナ禍において国際機関としてのリーダーシップを発揮して、こういった緊急事態において、「人の心の中に平和のとりでを築く」ために様々な取組が試みられ、進められているところでございます。
 科学の分野では、3月末にオープンサイエンスの役割と国際科学技術に関するハイレベル会合が開催され、また、地域のレベルでは、5月に開かれました、科学に関するアジア太平洋地域会合に、本日も御出席の立川委員に御参加いただいたところでございます。先生、ありがとうございました。こちらのアジア太平洋地域会合での議論も踏まえまして、ユネスコ科学関係者による新型コロナウイルスに対するアジア太平洋行動勧告が取りまとめられたところでございます。
 今後、コロナ禍、あるいはコロナ後の世界にどのように貢献できるか、ユネスコの役割、日本の役割は何かといったことをしっかりと考えながら、国内外でのユネスコ活動の推進に一層取り組みますとともに、我が国の取組についても、引き続き国際的にも、また、国内にもしっかり発信していければと考えてございます。
 委員の先生方におかれましては、一層の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきたいと存じます。
 本日も、是非忌憚のない御議論、御意見、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
【礒田委員長】  続いて、本日の会議の配付資料について、事務局より説明をお願いいたします。
【植村国際統括官補佐】  本日の資料は、電子媒体にて事前にお送りしておりますが、議題1については資料1、議題2については資料2-1から2-3まで、また、議題3については資料3から5、議題4については資料6、議題5については資料7をそれぞれ用意しております。また、合わせて附属資料1から10及び参考資料1から8を用意しております。
 以上です。
【礒田委員長】  ありがとうございました。
 続きまして、議題1、「新型コロナウイルスの流行に係るユネスコの動きと我が国の対応について」に移ります。
 資料1について、事務局から報告をお願いします。
【大杉国際戦略企画官】  礒田委員長、ここから議題1、2、3までは、事務局からの説明が続きますので、ここまでまとめて御説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。
【礒田委員長】  よろしくお願いいたします。
【大杉国際戦略企画官】  それでは、議題3まで続けて御説明をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 まず、議題1でございますけれども、「新型コロナウイルスの流行に係るユネスコの動きと我が国の対応について」ということで、資料1を御覧いただければと思います。
 コロナ危機の影響で、まず、各種会合が延期となっておりますけれども、逆にオンラインベースの様々な会合は活発に開催されているという状況でございます。
 まず、延期となった会合につきまして、資料1の1ページ目を御覧いただければと思います。執行委員会自体も3月末に予定されていたものが、来週から始まりますけれども、各国からの参加はなかなか難しいということで、パリの代表部ベースでの議論ということになろうかと思います。
 それから、IHPの政府間理事会、MABの東アジアのネットワーク会合、それから、MABの国際調整理事会、IOCの執行理事会等々も御覧のような形で延期が決定されているところでございます。
 一方で、様々な分野でユネスコの方では活動しておりまして、まず、教育分野では、例えば、休校状況のいち早いデータ収集、公表でありますとか、大臣級のハイレベル会合の開催、こちらは萩生田大臣も出席をさせていただいております。
 それから、ユネスコがユニセフ等と協働しまして、ガイドラインの策定も行ったりしているところでございます。全国の学校の参考になるようにということで、ガイドラインの策定及びその普及のためのウェビナーも毎週のように開催されているという状況でございます。
 民間企業も協力した国際教育連合というものも、2ページにございますように開催されているところでございます。
 また、3ページにございますように、「科学関係」ではオープンサイエンスの役割とハイレベル会合の開催ということで、こういう危機下であるからこそ、オープンサイエンスの重要性を議論すべきということで、附属資料1にございますような成果がまとめられているところでございます。
 アジア太平洋地域においては、日本の信託基金を活用して、ウェビナーが開催されました。こちら、日本ユネスコ国内委員会を代表して立川先生に御出席をいただきまして、昨年の建議やIHP分野での日本の取組などを発表していただいたところでございます。
 ICHARMの小池センター長にもICHARMのコロナウイルスに関する取組の御紹介をしていただきました。
 そのほか、文化分野、国内委員会間の情報共有ということで、世界から250人ほど参加したウェビナーなども開催されているところでございます。
 附属資料にございますけれども、各分野の事務局長補から、分野ごとのユネスコの取組の状況が公表されております。附属資料の3と4になりますので、また後ほど御覧いただければと思いますけれども、自然科学の分野においては、コロナ危機への対応ということで、国際科学協力、あるいは水、それから、疫学、復元生態学の重要性という柱の中での様々な取組、それから、人文・社会科学分野においては、こういったときの知識の生成の重要性や思考、アイデアの実験室としてのユネスコの役割の確認、差別と戦うということ、それから、倫理的な側面に根差した科学分野の活動の強化ということが、こういったコロナ危機下であるからこそ重要だということでまとめられているところでございます。
 元の資料1の4ページに戻っていただきまして、ユネスコ執行委員会特別会合が代表部ベースで開催されております。なかなか今後の執行委員会の開催の仕方ということにとどまってしまって、本来であればコロナ危機下の対応に時間を掛けて議論したかったということでございますけれども、そこまで時間が及ばず、こちらのコロナ危機への対応は、来週から始まる執行委員会に持ち越されているという状況でございます。
 そして、国内の対応ということで、教育分野、文化分野、それから、ICHARMの取組です。
 ICHARMでは、こういう感染症の拡大下において水災害が起きた場合に被害軽減のためにどうしたらいいかということも御検討いただいているところで、先ほどのアジア太平洋地域の会合でも、こういった成果を発表いただいたところでございます。
 その他、民間ベースでの取組もまとめさせていただいております。
 続きまして、議題2になりますけれども、ユネスコ執行委員会の対応ということで、来週月曜日から7月10日までと日程を変更して、先ほど申し上げたように、なかなか日本からは参加できませんけれども、代表部ベースで対応させていただく予定でございます。
 主な議題としては、資料2-1の別添として、全ての分野を網羅するような形で付けさせていただいております。資料2-2を御覧いただければと思います。科学の主要議題ということになります。世界ジオパークに関する議題が登録、ジオパーク計画の評価ということで議論される予定になっております。
 それから、科学及び科学研究者に関する2017年勧告の実施に関する次期協議の準備ということで書面が準備されているところでございます。
 執行委員会の一番大きな議題は、資料2-3になりますけれども、中期戦略、予算というのが、今回一番大きな議題になってこようかと思います。
 既に委員の先生方の御意見を集約させていただきまして、アンケートに回答させていただいておりますけれども、総論としては、コロナ危機への対応、新しい課題にも対応できるよう、しっかりとリソースを組み替えながら対応していくこと、また、恣意的な政治性をできるだけ排除していくということ、それから、科学分野ですけれども、特にAIの倫理に関する議論が展開されておりますので、これに対する人間中心の考え方に立脚した整理ということ、それから、「国連海洋科学の10年」をきっかけに多様なセクターや国連コミュニティを巻き込んでいくということでございます。
 続きまして、議題3、資料3の御説明になります。
 昨年おまとめいただいた建議ですけれども、既に2月の総会で建議のフォローアップ状況を御説明させていただきましたが、その後の状況も含めてまとめさせていただいているところでございます。
 資料3の2枚目に2として、「『国連海洋科学の10年』に向けた活動の活性化」、次のページには、「ユネスコ活動のメリットを生かした地域創生や多文化共生社会の構築」ということで、資料を御用意しております。
 まず、「『国連海洋科学の10年』に向けた活動の活性化」というところでございますけれども、お手元に資料5として少し御参考の資料を付けさせていただいております。資料5が、もともとユネスコから出されたゼロドラフトに対して、IOCの分科会委員、それから、関係省庁の意見をまとめさせていただいたものでございます。ビジョン、科学的目的、方向性、行動の階層、承認プロセス、データ、能力開発、「国連海洋科学の10年」への関与の方法、実施枠組み等々について、もともとゼロドラフトに対して御意見を頂いておりました。
 それに対して、新しく一次ドラフトというものが公表されております。
 まず、変更点でございますけれども、ビジョンについては、新しく「人々と我々の海に直結した持続可能な開発のための変化をもたらす海洋科学の解決」ということで、かなりシンプルな形でまとめられております。
 また、国連海洋法条約のフレームワークにおける実施、それから、関係機関の拡大、ローカル、リージョナルな巻き込み、アウトカムとして海洋リテラシーや海洋教育も含むという形で整理がなされております。
 その他、目標構造の整理や議論の成果として、ドラフトとして、非常に洗練されたものになってきているかなというところでございます。
 来年から、いよいよこの「国連海洋科学の10年」がスタートということです。「国連海洋科学の10年」を広めていくにはどんな場があるのか、どんな工夫があるのかということも、是非委員の先生方から御知見を賜れればと思っております。
 その他、ユネスコエコパーク、ユネスコ世界ジオパーク関係のフォローアップということも、先ほどの資料3に載せさせていただいております。附属資料9では、アジア太平洋地域でのユネスコエコパーク地域内で作られた産品などを推奨していくためにエコラベルが、国によっては様々な取組をされておりますので、こちらのグッドプラクティスも参考までに付けさせていただいているところでございます。
 長くなりましたが、冒頭、コロナ危機の対応、執行委員会への対応、建議のフォローアップということで資料を御紹介させていただいたところでございます。
 これらに対して御質問、御意見がございましたら、是非よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【礒田委員長】  ありがとうございました。  今ありましたけれども、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
【大杉国際戦略企画官】  河野委員、お願いいたします。
【河野委員】  ありがとうございます。河野でございます。
 「国連海洋科学の10年」に関しまして、例えば、国内でこれに貢献するためのプロジェクトであるということを国として是認する仕組みは何かございますでしょうか。
 現在、私たちも海洋の研究者として、何か一つプロジェクトを立ち上げようということを検討しているのですが、この認証プロセスがいま一つつまびらかではなくて、特に条件として、国として是認していることが必要かと思うんです。今、そのアナウンスがないので、もし何か考えておられるようだったら教えていただきたいと思います。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。事務局からお答え申し上げます。
 私どもとしても、何らかの仕組みが必要であると考えておりますが、例えば、ロゴの使用ですとか、そういうところも含めて、ユネスコからはまだゼロドラフトの状況でしたので、なかなか国内的な議論も進められないというところでございました。
 今回、ドラフトが改訂されまして、徐々にいろいろな仕組みが明らかになってまいりましたので、これを踏まえまして、本日の議論、また、この後、政府間海洋学委員会(IOC)分科会などを開催させていただきたいと思いますけれども、日本ユネスコ国内委員会としてどんなことができるのか、また、国内委員会だけではできないこともたくさんございます。今回のゼロドラフトなどは、文部科学省海洋地球課の方といろいろ連携を図っておりますけれども、そうした学術面、あるいは政府全体の仕組み、これらとどのようにつなげていくのかというのを、是非、今日の御議論を踏まえて進めていきたいと思っております。
【礒田委員長】  ほかにございますでしょうか。
【野村委員】  野村ですが、よろしいでしょうか。
【礒田委員長】  はい。お願いいたします。
【野村委員】  今もお話があった、21ページの「国連海洋科学の10年」の第一次ドラフトのところですけれども、重要ステークホルダーとして、民間企業への働き掛けというのは極めて重要ではないかと思っております。
 今、ESG投資で、企業に対して環境に対する責任を問うというプレッシャーが掛かっています。その中の一つとして、地球温暖化に対するCO2の排出削減は少しずつ定着してきたかと思いますが、それにもう一つ海洋に対する責任、きれいな海、安全な海に対する責任みたいなものも指標の一つとして語られるようになると、ESG投資を通して企業に対して責任を問うというプレッシャーが強まるのではないかと考えています。
 そのCO2の排出と同じぐらい認知してもらうためには、なぜそれが必要なのか。きれいな海、安全な海、健全で回復力のある海を失うとどういうことになるのかという情報発信をもっと行って、重要な指標であると認知度を高めることが必要ではないかと思います。  以上です。
【礒田委員長】  ありがとうございます。
 ただいまの御意見について、事務局からいかがでしょうか。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 民間企業との連携は、恐らく今、もう既に海洋科学研究の分野で連携している企業もあれば、SDGsという観点から、様々な形でつながっていける企業という多様な可能性があるのではないかと思っておりますので、そういったことも念頭に、今後の進め方を検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【礒田委員長】  ほか、ございますでしょうか。御意見、御質問などございましたらお願いいたします。
 それでは、次に進んでよろしいでしょうか。
【野村委員】  すみません。補足で、企業とSDGs推進を連携していらっしゃるとは思うのですが、大手企業、上場企業への働き掛けという意味で、ESG投資の中の重要な指標に組み込むということが重要ではないかということを強調したいと思います。
 以上、すみません、補足です。
【礒田委員長】  事務局の方、いかがでしょう。
【大杉国際戦略企画官】  ESG投資の指標となりますと、なかなか日本ユネスコ国内委員会だけでは判断ができないことになりますので、こういった御意見があったということは担当省庁に伝えたいと思います。ありがとうございます。
【礒田委員長】  大変貴重な御意見だと思います。海洋に関わらず、人間と生物圏(MAB)計画やユネスコ世界ジオパーク、いろいろなところでそういった企業との連携については非常に重要な課題かと思っております。
 ほか、ございますでしょうか。
 では、事務局の方で、次に進んでよろしいでしょうか。
【大杉国際戦略企画官】  はい。お願いいたします。
【礒田委員長】  では、続きまして、議題4「ユネスコ加盟70周年を契機とした今後のユネスコ活動の充実について」というところに移ります。
 資料6につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【大杉国際戦略企画官】  それでは、議題4ということで、資料を用意させていただいているんですけれども、基本的には幅広く様々なアイデアを頂ければと思っております。
 資料は6になりますけれども、「ユネスコ加盟に係る周年行事について」ということでございます。来年は「国連海洋科学の10年」のスタートの年でもあり、また、日本がユネスコに加盟して70周年という重要な年にもなってまいります。これを契機として、日本のユネスコ活動の活性化を、さらにどのように図っていくかということを9月上旬の総会で、再度御議論を頂ければと思っておりますけれども、その前に小委員会としてのお考えを少しまとめさせていただければと思っております。
 御参考まで、資料6は、今まで周年行事でどのようなことをやってきたかという御紹介ですけれども、ユネスコ加盟50周年のときは、皇太子同妃両殿下をお迎えしてイベント、式典をさせていただいたということでございます。当時、記念切手の発行などもございましたが、こういったことは、恐らく次は100周年になるのではないかなと思いますけれども、70周年としてどのようなことをやっていくかということでございます。
 参考まで、資料6の2枚目ですけれども、ユネスコ加盟60周年の際は、日本ユネスコ協会の運動全国大会において、講演等のイベントを行わせていただいたということでございます。
 既に小委員会を幾つか開催させていただいておりまして、文化活動小委員会、コミュニケーション小委員会、普及活動小委員会、それから、教育小委員会においては、ポストコロナ、アフターコロナの中でユネスコが果たす役割は何であるかということであるとか、あとは、大々的な式典というよりも、こういった形でオンラインで若者も巻き込みながら工夫をして実施していくのがいいのではないかということ、また、新しいステークホルダーを巻き込んでいくための契機とすることがいいのではないかという御意見をいただいているところでございます。
 これらに捕らわれず、70周年をどのようにユネスコ活動の活性化に生かしていくかということで、是非活発な御議論を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
【礒田委員長】  ありがとうございました。
 それでは、この件につきまして、何か御意見等、自由な形でということですので、是非よろしくお願いいたします。
【藤田委員】  すみません、藤田からですけれども、どちらかというと希望なのですが、この資料6というのは、これまでのユネスコが周年行事として何をやってきたかという過去のことをまとめた資料だと理解していいんでしょうか。例えば、1ポツの(2)にしても、7月2日、開催されたと書いてあるんですけれども、これが何年に開催されたのかも分からなくて、50年にこれをしました、60年にこれをしましたということで、いつ開催されたのかもきちんと書かれていなくて、これに基づいて、はい、70年を検討してくださいという資料で、どこから議論していいのかというのが少し戸惑うんですけれども、もう少し具体的な記載でお願いできればと思います。
【大杉国際戦略企画官】  事務局でございます。
 来年度、70周年ということで、50周年は20年前になりますので、2001年ということで間違いないかと思いますけれども、年を追記しておらず、大変申し訳ありませんでした。50周年当時ということで、そのまま書かせていただいてしまっていて、大変申し訳ございません。
【藤田委員】  50周年は非常にたくさんのことが行われたけれども、60周年は同じぐらいの行事はしなかったという資料なのでしょうか。項目数が50周年と60周年で随分違っていて、私も国内委員会に参加させていただいて、そんなに回数を参加させていただいているわけではなく、全体像が見えないので、少し教えていただきたいなと思ってお聞きしております。
【大杉国際戦略企画官】  50周年と60周年に実施された事業を網羅する形で掲載させていただいております。先ほど申し上げたように、50周年という四半世紀の記念と、その間の60周年、70周年とで、そういった形で少し開催の温度差はあるということはこの資料で御覧いただけるのではないかなと思います。
 もともとこの資料は、70周年を議論するのであれば、50周年、60周年で何をやったのか、資料としておいてほしいという委員からの御要望がございましたので御用意をさせていただいております。加えて、これに70周年をどのような形でやっていくのかというのは、是非、今回の小委員会で御議論をいただきながら、総会で一定の方向性をお出しさせていただきたいということで、その総会の議論のための粗ごなしのような皆さんの率直な御意見、藤田委員から頂いたような全体像が分かりにくいということも含めて、本日頂ければ、しっかりと御説明をさせていただきたいと思っております。
【藤田委員】  はい。
【大杉国際戦略企画官】  それでは、小林委員、よろしくお願いいたします。
【小林委員】  東京大学の小林です。
 文化活動小委員会・コミュニケーション小委員会合同小委員会でもこの件を議論させていただいて、それは、先ほど御説明いただいたとおりですけれども、何となく今、この段階で何を言えばいいのかなという形で皆さんが戸惑われているのは分かる気がしていて、私も文化活動小委員会・コミュニケーション小委員会合同小委員会のときにそのように感じたからなのです。
 それで、改めて時間がたって、この周年に何をするのかということを考えてみたときに、一つお聞きしたいのは、これまでの周年のときに何か周年誌をまとめるようなことをしてこられたのかということです。
 というのは、私も日本ユネスコ国内委員会に参加させていただきながら、何となくユネスコの活動がようやく見えてきたというか、何をしているのかということが分かってきたみたいなところがあります。いろいろな活動をされてとても発信されていると思うのですけれども、まとまった形で見られるものがないのではないかという気がしています。
 もちろん今、いろいろな情報がウェブで見られる、それから、今日も非常に大量の資料を頂きまして、これだけのことがいろいろとされているのだというのは分かるのですけれども、日本ユネスコ国内委員会としてやってきたことを振り返ったり、これからも日本がユネスコに貢献していくためにも、日本ユネスコ国内委員会だけのことでもいいと思うのですが、これまでの活動を1回おまとめいただくというのはいかがかということを思ったりしました。
 それは、確かに100周年に向けてやるべきことなのかもしれないのですけれども、ユネスコが危機的な状況にあるのだとしたら、変な話ですけれども、なくなってしまってからこれをやるのは意味がなく、まだ余力があるという言い方は大変失礼ですけれども、今こそ今までのこと、少なくても70年間をまとめるというのでもいいのではないかなということを思いました。
 以上です。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 そういった今までの歩みをしっかりまとめていく必要性は普及活動小委員会などでもいただいております。
 日本ユネスコ協会は、割と定期的に何十年ということで活動の成果をまとめるということをしてきておりますけれども、日本ユネスコ国内委員会全体としては、50年のときに冊子があったようですが、その後、恐らくまとまった形では整理していないと思います。おっしゃるように、大掛かりにまとめていくのは50年、100年ということかもしれませんけれども、その間として、少しそれまでの歩みを振り返るような、委員御自身にそれが伝わらないということは、委員以外の方に伝えることはなかなか難しいと思いますので、そういったユネスコの活動、日本の貢献ということを分かりやすい形で伝えられるような工夫は必要かなと思っております。ありがとうございます。
【立川委員長代理】  京都大学の立川でございます。
【大杉国際戦略企画官】  お願いします。
【立川委員長代理】  今、小林先生がおっしゃったことに私も同意をいたします。ユネスコの70周年のとき、政府間水文学計画(IHP)は50周年を迎えました。そのときに結構大変だったんですけれども、ジャカルタのユネスコ地域事務所がすごく頑張ってくれて、みんなで50周年を振り返るような冊子を作りました。こういう冊子があると、新しい方をどんどん入れていかなくてはいけないので、そのときにどういうことをやってきたんだということを示す非常にいい資料になっています。これは、確かに骨の折れる仕事ではあるかと思いますが、非常にやる価値があると考えます。よろしくお願いします。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。できれば全ての先生方、一言ずつコメントをいただければと思っております。
【藤田委員】  京都大学の藤田です。
 お二人の先生方がおっしゃったこと、まさにそのとおりだと思います。もしそういう資料があったら、何を議論していくのか、ユネスコの今の課題は何か、ミッションは何かということがもっと共有されて、議論も積極的に活発に行われていくのではないでしょうか。なので、もしそういったものが編纂されるのだとしたら、70年を振り返って、社会が変わって、ユネスコの役割もどんどん変わってきたと思うので、そういった役割、ミッションがどのように変わってきているのかということと、何を達成したかということと、これから何に取り組まなければいけないのかということが明確に書かれているようなものがあると、委員全体で共有して社会に発信するときにも非常に役立つのではないかなと思います。
 以上です。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 野村委員、お願いいたします。
【野村委員】  今の3人の委員の方に同感で、これまでの流れを振り返るときに、ESDとSDGsの関係をもう一度整理した方がいいかと思います。
 私が委員になったときに一番混乱したのが、このESDとSDGsの関係で、このユネスコに関わっていらっしゃらない方は、今もよく分からないと思うのです。今、SDGsが相当浸透してきたところでもありますので、70年の流れの中でESDがどう変化してきて、SDGsという言葉が登場したのは途中からですが、それとどう関係しているのかというのが一目で分かるような年表のようなものがあってもいいのかと思います。
 それから、ほかの委員会で随分お話も出ているところですが、コロナの時代で、今日もそうですけれども、オンラインで日本中、世界中とかなりつながることが分かりましたので、この周年行事は、是非、日本全国にあるユネスコスクールをつないで、「あっ、ここにもこんな仲間がいるんだ」ということを知ってもらう機会として、さらには、世界とも瞬時につながるという、そんな楽しさを特に子供たちに味わってもらえるといいと思います。
 以上です。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 できれば皆さんお一言ずつと思いますが、いかがでしょうか。
【西尾委員】  大阪大学の西尾ですけれども、いいですか。
【大杉国際戦略企画官】  お願いいたします。
【西尾委員】 日本ユネスコ国内委員会の委員はある任期をもって代わっていきます。そこで、私が気掛かりなのは、委員が代わるたびに同じことを何度も繰り返して、日本ユネスコ国内委員会において議論がなされてきているのではないかということです。先ほどから意見が出ている、将来の100周年に向けて70周年までで何をやってきたかということをまとめる折には、これまでに主にどういうことが議題になって、どういう結果になったかということの大きな流れをまとめておくことが重要だと考えます。そうすることで、 委員の交代によって、同じ議論を繰り返すことをある程度避けられ、より発展的な議論ができると思います。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 それでは、河野委員、お願いいたします。
【河野委員】  ありがとうございます。
 記念誌のようなものは、IOCでも周年に作ることになっていますので、皆さんおっしゃることに私も賛成です。
 そのほかに、これを機会に、日本ユネスコ国内委員会がどのような活動をしているのかを一般の人が見やすいようなホームページにして掲載してはいかがでしょうか。前も同じことを言ったかもしれないですけれども、日本ユネスコ国内委員会と検索すると文部科学省のホームページに行くんですね。そこで、ESDのポータルサイトはあって、それなりに見やすくなっているんですけれども、そのほかは全部行政文書が出てきたり、議事録が出てくるだけで、活動そのものを少し見て、ああ、こんなことをやっているんだなと分かる方法はないんですね。
 日本ユネスコ協会連盟の方は非常にきれいなホームページを作っておりますけれども、70周年を機会に、また来年度、コロナがどうなっているかよく分かりませんから、人が集まるということもできないかもしれないので、この際、ホームページを充実するという方向に進むのも一つのいいアイデアではないかと思います。
 以上です。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。 ほかに御発言いただいていない委員、いかがでしょうか。
【大野委員】  よろしいでしょうか。
【大杉国際戦略企画官】  はい。大野委員、お願いいたします。
【大野委員】  今までの議論の中の委員の先生方の御意見に賛同しております。
 特に私がいいなと思ったのは、日本のユネスコ活動の優良事例を紹介してはどうかということです。特にオンラインの開催ですので、若い人が頑張って地域で取り組まれている事例をこのオンラインの中で共有していくというのはすごく意義があることかなと思っています。
 表彰すると制度を作らなければいけなくて結構大変だと思うので、そこまでのことはしなくても、各地の優れた取組を共有し、みんなでさらに発展させていくような場があるといいなと思っています。
 以上です。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
【大島委員】  よろしいですか。
【大杉国際戦略企画官】  はい。大島先生、お願いします。
【大島委員】  少し重なるところがあるんですけれども、やはり若い人をターゲットにされているということであれば、先ほどホームページの充実の話も出ていたんですけれども、やはりSNSなどを利用して、特につながるという意味でオンラインでやるということも出ていますので、少しSNSを使った発信なども検討していただけるといいのではないかなと思います。
 私も、先ほどホームページを見せていただいたんですけれども、なかなか難しいなというのが感想なので、ホームページの充実としては、先ほど出ていたようなユネスコ自体がどういうことをやっているかというのが分かりにくいということで、冊子の話が出ていましたけれども、それをコンパクトにホームページで発信するということと、何かうまくSNSを活用して、オンラインでいろいろなイベントをやるということをトータルで考えていただくと、より発信力が強まるのではないかなと思いました。
 以上です。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございました。
 一通り委員に御発言いただいておりまして、後は両委員長、いかがでしょうか。日比谷委員長、いかがでしょうか。
【日比谷委員長】  皆様の御意見を伺っておりまして、私も最初に委員になったときのことを半分懐かしく思い出していたんですけれども、非常にはっきり申し上げて、全体が何をしているかということは分かりにくかったです。習うより慣れろという感じで、委員会に出ていると、そのうちにああいうこともしている、こういうこともしているというのが分かってきて、それから、以前からお付き合いのある委員もいらっしゃいますから、そういう方々と雑談などをすると何となく分かってくるという感じでしたので、新しい委員向けということもありますけれども、やはり外向けにどういうことをしているかというのがぱっと分かりやすく、それはウェブサイトなのか、冊子なのか、いろいろなやり方はあると思いますが、それは是非必要かなと思います。
 あとは、教育小委員会でも申しましたけれども、若い人がつながっていくことは非常に大事だと思います。それから、こうやって時差とか、いろいろなことはありますけれども、世界中の人が本当につながるようになりましたので、是非いろいろなところに住んでいる、特に若い人が一緒に何か作り上げていくような活動が企画できればよろしいのではないかと思います。
 以上でございます。
【大杉国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 礒田委員長、御進行もしていただきながらでございますけれども、もし御意見としてございますれば。
【礒田委員長】    自然科学小委員会の方で、例えば、私は人間と生物圏(MAB)計画のユネスコエコパークを担当しておりますが、リマ宣言以来、地域における経済活動が非常に大きな課題になっております。そのときに、やはり地域で活動される方々の努力だけでは難しいことが多く出てくる。恐らく、これはユネスコエコパークだけではなく、ユネスコ世界ジオパークや水資源の管理などの防災といったところも全て肝要だと思うんですけれども、そういうときに、先ほど、野村委員からもありました、企業との連携ということが非常にキーになってくるのではないかと思います。
 このたびの広報において、こういう活動について非常に多くの蓄積がある、しかし、こういった困難もあるということを発信する形で、企業からの御協力などもいただけるような機会になればと考えております。
 簡単ですが、以上になります。
【大杉国際戦略企画官】  礒田委員長、ありがとうございました。
 一通り御意見を賜りましたけれども、主に普及、分かりやすさ、そもそも委員に対してもですけれども、外向けにということでも御意見を頂きました。ほかの観点から御意見のおありになる方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
 70周年に向けてということでは、頂いた点を総会にもしっかりつないで対応していきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、礒田委員長、次の議題5に移っていただいてもよろしいでしょうか。
【礒田委員長】  承知しました。
 続きまして、議題5「日本ユネスコ国内委員会の機動的・効率的な運営について」に移ります。
 本議題は、冒頭お伝えしましたとおり非公開とさせていただきます。取材の方及びオブザーバー機関の方は御退席をお願いいたします。
(傍聴者等退席)

<議題5 日本ユネスコ国内委員会の機動的・効果的な運営について>
今後の日本ユネスコ国内委員会の機動的・効果的な運営について、委員からの御意見をいただいた。(本件については9月に開催される総会において審議予定。)

<議題6 その他>
【礒田委員長】  最後に、議題6の「その他」として、事務局からございますでしょうか。
【大杉国際戦略企画官】  こちらからは特にございませんけれども、委員の先生方から、もし何か御指摘等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 特段ございません。
【礒田委員長】  ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から今後の予定について、お知らせをお願いいたします。
【植村国際統括官補佐】  本日は、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。
 今後の予定ですが、令和2年9月上旬に第147回日本ユネスコ国内委員会総会を開催する予定となっております。詳細については、追って御連絡させていただきます。
 以上です。
【礒田委員長】  それでは、これで閉会いたします。本日は御多忙の中、御出席いただきありがとうございました。

 

―― 了 ――

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