日本ユネスコ国内委員会 第101回普及活動小委員会 議事録

1.日時

平成31年1月23日(水曜日) 10時00分~11時30分 

2.場所

 文部科学省12階 大臣官房国際課応接室

3.出席者

委員(敬称略)

安達仁美、石井尚子、市丸祥子、及川幸彦、岡崎環、片山勝、木間明子、野本祥子、松代隆子、箕浦有見子

4.議事

【安達委員長】  おはようございます。それでは、若干早いですけれども、揃いましたので始めていきたいと思います。本日は、御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 では、定足数を確認させていただきます。
【徳留専門官】  本日出席の普及活動小委員会委員ですが、10名出席いただきまして、委員の過半数、7名以上ですので、定足数を満たしております。
【安達委員長】  それでは、ただいまより第101回普及活動小委員会を開催いたします。
 国内委員会の規定に基づき、本日の会議は傍聴の希望者に対して公開いたします。また、御発言は議事録に掲載され、ホームページ等で公開されますので御了承ください。
 では、まず前回、7月20日の会議以降の委員及び事務局の異動がありましたので、事務局から報告いたします。恐れ入りますがお名前を呼ばれた方は一言、御挨拶をお願いいたします。
【徳留専門官】  それでは、本日お配りしました配布資料の参考の1を御覧ください。ユネスコ国内委員会普及活動小委員会の委員名簿でございますが、昨年12月1日付けで新たに国内委員として任命されました4名が本委員会の方に配属となっておりますので、御紹介差し上げたいと思います。
 上から3番目のまず、市丸祥子委員でございます。
【市丸委員】  皆様、はじめまして。そしてこんにちは。私は福岡県久留米市の久留米ユネスコ協会の市丸祥子と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
【徳留専門官】  続きまして、片山勝委員でございます。
【片山委員】  皆さん、おはようございます。このたび、委員に任命されました長浜ユネスコ協会の会長をしております片山勝と申します。7年前に公務員を退職いたしまして、ユネスコ活動に少し力を入れていこうかなという気持ちでおります。今後ともどうぞよろしくお願いします。
【徳留専門官】  続きまして、木間明子委員でございます。
【木間委員】  朝日生命ユネスコクラブの事務局長を務めております。東京都ユネスコ連絡協議会でも事務局次長を務めております。よろしくお願いいたします。
【徳留専門官】  続きまして、箕浦有見子委員でございます。
【箕浦委員】  おはようございます。岐阜県ユネスコ協会から参りました。青年部結員の担当をしていまして、毎年カンボジアにスタディーツアーに行っております。よろしくお願いします。
【徳留専門官】  また、昨年10月に文部科学省国際統括官日本ユネスコ国内委員会事務総長として大山真未が着任しております。
【大山国際統括官】  皆様、おはようございます。改めまして、昨年10月に着任いたしました国際統括官、それから日本ユネスコ国内委員会の事務総長を務めております大山と申します。お集まりの皆様方におかれましては本日、大変御多忙のところお集まりいただきましたこと、それからそれぞれのお立場、それぞれ各地でユネスコ活動に大変熱心にお取り組みいただいておりますことを、まずは心より感謝を申し上げたいと思います。本日、普及活動小委員会ということでございますが、ユネスコ活動につきまして広く皆様に知っていただくと、普及広報という活動、非常に重要だと思っておりますので、忌憚のない御意見を賜れればと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【徳留専門官】  以上でございます。
【安達委員長】  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の会議の配布資料について、事務局より説明をお願いいたします。
【徳留専門官】  本日の配付資料ですが、お手元の議事次第にございますように、配付資料の資料1から資料5までお配りしております。また、参考といたしまして参考1から参考4をお配りしております。また、冊子といたしまして、ユネスコと日本ユネスコ国内委員会という冊子、また日本ユネスコ協会連盟と三菱UFJ銀行が行っていますユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトのパンフレットと、中に募集要項がございますので御参照いただければと思います。以上です。
【安達委員長】  ありがとうございます。配布資料について委員の方から補足等はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議事を進めていきたいと思いますが、議事に先立ち、本日は委員の改選後、初めての普及活動小委員会の開催となりますので、この小委員会の位置付けや期待される役割について、事務局より説明をお願いいたします。
【徳留専門官】  それでは、まずこの普及活動小委員会についてですけれども、こちらは日本ユネスコ国内委員会の専門小委員会の組織規程の中で、普及活動小委員会については普及活動に関する事項を調査・審議することということが所掌事務として定められております。
 具体的にどのような内容があるかといいますと、基本的にはユネスコ活動に関する法律、本日お配りいたしました参考2のところにございますが、2ページ目の第六条、所掌事務の範囲及び権限というものがございまして、例えばその中で第1項の六号、ユネスコの目的及びユネスコの活動に関する国民の理解の増進に関する事項や、あるいは第七号、民間のユネスコ活動に対して行うべき助言、協力又は援助に関する事項、また6項の国内委員会は集会の開催、出版物の頒布その他ユネスコの目的及びユネスコ活動に関する普及のために必要な事項、又、7項にございます、ユネスコ活動に関する民間団体又は個人に対して必要な助言を与え、協力することということが書かれているところでございます。
 なお、国内委員会といたしましては、今回、普及活動小委員会におきましては各地域のユネスコ協会の代表の方が参加していただいておりますけれども、地域の要望を伝える、あるいは国内委員会の意見を地域に持ち帰るということだけではなくて、国内のユネスコ活動の普及、推進に関する皆様の忌憚のない御知見を頂ければと考えるところでございます。以上でございます。
【安達委員長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、議題の1に移っていきたいと思います。議題1は最近のユネスコ活動の普及活動についての報告、意見交換の時間といたします。初めに、ユネスコ国内委員会における最近の普及活動について事務局よりお願いいたします。
【徳留専門官】  こちらにつきましては資料の1から4を使いまして御説明差し上げたいと思います。まず、始めに資料1でございますが、こちらは第5回ESD日本ユース・コンファレンス及びその後のESD日本ユースの活動の報告でございます。
 日本ユース・コンファレンスは平成30年の10月13日から14日の1泊2日で、公益財団法人の五井平和財団さんと協力して実施いたしました。参加者といたしましては、全国各地でESDに取組むユース、約50名を集めまして、主に学生、学校教員、自治体等の職員、またユネスコ協会連盟の青年部からも参加をいただいているところでございます。こちらも第1回から大体、毎年50名程度で行っておりまして、今まで5年間でユースを大体250名ぐらいが参加しているというところでございます。
 結果概要を御覧いただければ内容が分かるかと思いますけれども、基本的にはユースの方が集まって、ESDに対する取組について各参加者の意見を言っていただくとともに、最終的には8つの共同プロジェクトを策定して、それを実施しているというところでございます。なお、その共同プロジェクトの報告あるいは情報交換を行うESD日本ユース・プラットフォーム会合が来月、2月17日に東京で開催される予定でございます。
 続きまして、資料の2を御覧ください。こちらは第10回ユネスコスクールの全国大会の開催の報告でございます。こちらは昨年12月8日に横浜市立みなとみらい本町小学校で行いました。参加者は約800名近くの参加者を集めまして、主にユネスコスクールの教員、あるいは教育、行政、研究関係者、国内外のユネスコの関係者、NPO企業、又、学生、児童、生徒等も参加したところでございます。
 プログラムにつきましては次のページを御覧いただければと思いますが、概要につきましてはまず、浮島副大臣から挨拶を差し上げた他、今回、ユネスコの本部から教育部のチェ部長、そしてユネスコ本部北京事務所、バンコク事務所の職員、又、韓国、中国、モンゴルのユネスコ国内委員会からユネスコスクールの担当官を招へいいたしまして、出席いただいたところでございます。
 更に、特別対談におきましては安西日本ユネスコ国内委員会会長、宮内横浜市教育委員、又、杉村日本ユネスコ国内委員会教育小委員会委員長に参加いただきまして、「未来をつくる人材育成の在り方を考える」ということで議論いただきました。その後のパネルディスカッションでは「ESDがつくるワタシたちの未来」ということで、ユネスコスクールを卒業した6名の卒業生に集まっていただきまして、ESDの実践を通じて学んだこと、あるいは今後の抱負などということを語っていただいたというところでございます。午後からはテーマ別に分科会が開始されまして、有識者によるワークショップ、学校教員の事例発表などが行われたところでございます。
 なお、最後に今回、国内委員会の関係者の方に多く参加いただきまして、及川先生がユネスコスクール/ESD推進功労賞を受賞したところでございます。当日のプログラムは次のページを御覧いただければと思います。
 続きまして資料の3ですけれども、ESD推進ネットワーク全国フォーラム2018ということですが、こちらは11月30日から12月1日までESDの活動支援センターを主催といたしまして、文科省、環境省が共催して行ったところでございます。こちらはESDの関心を持つ、ESDを実践している民間の団体の方を中心に約400名弱を集めて、2日間に渡って実施いたしました。この中でESDの関係省庁のセッションでは「持続可能な社会づくりのための消費者行動」をテーマに、文科省、農水省、環境省、消費者庁の施策説明とディスカッションが行われた他、分科会では地域と学校を結ぶESDの実践や、地域を活用したESDの具体的な活動の内容などについて自由発表を含めて活発な意見交換が行われたというところでございます。
 最後に資料4でございますが、これは日本ユネスコ国内委員会の広報大使の活動報告となっております。広報大使は、本日お配りしたユネスコ国内委員会のパンフレットの一番後ろの載っておりますけれども、平成30年度、31年度としてさかなクンと平野啓子さん、そして末吉里花さんの3名を任命したところでございます。そのうち、さかなクンにつきましては8月1日の「こども霞が関見学デー」のトークショーに参加していただきまして、今年、伊豆がジオパークに認定されたことから、伊豆に関するお魚のクイズ等を出していただいたというところでございます。又、その中でユネスコの理念やESD、国内でのユネスコ活動について子供たちに知ってもらう契機となったというところでございます。
 続きまして下の方ですけれども、こちらは平野啓子さんの活動でございますが、昨年12月に伊豆半島の世界ジオパークの認定記念シンポジウムに参加いたしまして、基調講演を行ったとともに、トークセッションに参加していただいたところでございます。
 続きまして、次のページですけれども、こちらは末吉里花さんの活動でございますが、1つはユネスコスクールの訪問をいただき、事業視察、研究発表会に参加していただいたところでございます。また、先ほど御紹介いたしました第10回ユネスコスクールの全国大会のパネルディスカッションにおいて進行役を務めていただきまして、ユネスコスクール卒業生の積極的な発言を引き出すなど、ユネスコスクール、ESDの普及に貢献していたというところでございます。以上でございます。
【安達委員長】  ありがとうございました。それでは、これまでの御報告を受けて、委員の皆様から何か御意見、御質問などありましたらお願いいたします。
 いかがでしょうか。10分程度、時間を取れたらと思いますが。
 どうですかね。特にユネスコスクール全国大会、参加された委員の方もいらっしゃるのではないかと思いますが、もし参加されたお立場で何か御意見などありましたら、いかがでしょう。及川先生、いかがですか。
【及川委員】  推薦で指名されましたので、補足させていただきたいと思いますが、10回目の記念大会ということで、1回目を渋谷で開催されてからほぼ毎回参加させていただき、いろいろな立場で関わらせていただいてきたのですけれども、この10年、ここまで来る中で非常に大きな進展といいますか、広がりがあったかと思います。1回目のときは、ユネスコスクールはまだ2ケタの前半くらいだったかな、50あるかないかの状況だったと思いますが、今や1,100超える世界でも有数というか第1位です。保有数世界第1の日本が開くナショナルワイドというか全国レベルの大会ということで、非常に量も質も充実してきたと思いました。
 その10年間の歩みを振り返りながら参加させていただいたのですが、その中で今回特に、良いところを、1点だけ絞ってお話しますと、先ほど事務局の説明にあったようにユネスコスクール10年推進して、そこで育ったユースといいますか、高校生から大学生、そして今社会人までの全国各地でESDを一生懸命やっている地域からノミネートされた若者が登壇してパネルディスカッションをやりました。それが非常に素晴らしかったと思います。
 これは私だけではなく、参加している全国の方々やいろいろな所属団体の方も、皆、口を揃えておっしゃっていましたし、ユネスコ本部のチョイ部長にも会って、印象を聞いたらば、そのことをまず真っ先に挙げていましたので、非常にそういう意味では素晴らしいなと思いました。
 特にユネスコスクール、ESDで育って、自立心とか自立性はもちろんですけれども、コミュニケーション能力であるとか、それから提案力であるとか、企画力であるとか、ESDが育てたい資質・能力が、その子供たちを通して体現されたというか、皆さんに伝わったという、ある意味、言葉が当たっているかどうかは分かりませんけれども、彼女ら、彼女らしかいなかったのですけれども、彼女らがこれまでのユネスコスクール10年の取組の1つのエビデンスといいますか、成果としてあそこで体現されたというか発信されたのかと、つくづく思わされました。そういうような子供たちの姿が今後、どんどん発信されることが、きょうは普及活動ですけれども、そういうことにも繋がる。そういう姿を多くの人に知ってもらうということが、100回言葉で説明するよりも非常に効くのかなと思った次第でした。
【安達委員長】  ありがとうございます。私も参加したのですけれども、本当に卒業生の声というものはすごく響いてきて、こんなふうに成果として繋がっていくのだなということをすごく実感したところがありました。
 はい。木間先生。
【木間委員】  今回、初めて参加したのですけれども、本当に子供たちの発表は素晴らしくて、すごくいい取組になっていたと思いました。また、会場内にいろいろなブースがあって、関連する企業や団体の方が活動を紹介されていたり、協力企業による紹介の時間があって、舞台やスクリーンで取組が紹介されていたことから、企業もいろいろな形でユネスコスクールを支援しているということが目に見えて分かりました。それぞれのブースで、名刺交換し、お話を直接伺える機会もありました。私は企業内でユネスコクラブの活動を行っておりますので、その話をすると向こうの方も関心を示してくださいました。そんな機会を持てたこともすごく実り多かったと感じました。
【安達委員長】  団体同士の交流の場にもなったという、意見交換も。
【木間委員】  そうです。まだとっかかりではありますけれども、いろいろな企業・団体が取り組んでいるということも分かりましたし、交流のきっかけにもなったので、よかったと思っています。
【安達委員長】  ありがとうございます。石井委員もいらっしゃっておりましたが、いかが、もしありましたら。
【石井委員】  私も先ほど及川委員とかがおっしゃったように、パネルディスカッションがよくて、子供たちもとても一人一人がしっかりしていますし、末吉さんの司会運びがすごくて、どうしてもみんなしゃべりたくなるような会議の進め方だったので、とてもいいパネルディスカッションだったと思います。私は神奈川県に住んでいますけれども、近いところなのですぐ参加できたのです。遠くにいらっしゃる国内委員の方はなかなか参加することが大変だと思いました。厚木からも3名行ったのですけれども、本当に勉強になったということでみんな絶賛しておりました。又、そういう機会があったら参加したいと思いました。ありがとうございました。
【安達委員長】  ありがとうございます。全国大会の話が中心でしたが、もし、その他ありましたら、どうでしょう。ユース・コンファレンスですが、私、今回参加させていただきまして、過去も少し顔を出させてもらったのですけれども、今年も第5回ということで、また全国からいろいろな青年が集まってきておりました。プロジェクトを実際に今行っているところというところで、行動に移そうということで今動いておりまして、2月17日にプラットフォーム会合ということで、中間報告のような形で、過去のユース・コンファレンスの参加者も集まって、一堂に会してそういう会がまた開かれることになっています。これもだんだんと年数を重ねていっていろいろな広がりが出てきているところかなと思うところです。
 では、もしよろしければ次の議題に……。
【及川委員】  もう一ついいですか。
【安達委員長】  はい、お願いいたします。
【及川委員】  報告の中で出ていない、この資料3のESD推進ネットワーク全国フォーラムについて、多分、他の委員の方々出席されていないと思いますので、私からコメントさせていただければと思いますが、先ほど説明があったように全国のESD活動支援センターが主催して、この大きな特色は文部科学省と環境省が一緒にやっているということが大きなことですね。
 ESDは文部科学省、環境省それぞれ中心になって一生懸命やってきた、国連で10年間やってきたわけですが、その間、なかなかそこの交流がうまく図れなかったという10年間の反省を踏まえて協働で、全国レベルで一緒にやりましょうということでセンターができたのですけれども、是非私がここで提案したいというか、お願いしたいことは、ユネスコスクールの全国大会は先生方が中心ですけれども、こっちの全国フォーラムの方はNPO、NGO、企業、行政、マルチステークホルダーといわれる多様なセクターが一堂に会する会なのですね。こういうところにも是非国内委員の皆様も参加いただくということが非常に大事ではないかなと思います。
 というのは普及活動をする場合にどうしても協会レベルで物事を考えてしまいがちなところも無きにしも非ずなので、地域でやるとか全国の多様なセクターと繋がることが今後の普及活動にとって、私は非常に大きなキーになると思っています。そういう意味で国内委員の方、それから各ユネスコ協会の方々がここに参加されて、何人かは参加されている方にお会いしましたけれども、是非情報収集しながら今後どういうふうな団体、あるいはどういうふうな取組と連携、協働、あるいは繋がることでより活動が発展したり普及していくのかということを考える機会になろうかなと思います。
 私もフォーラムの最後の総括を担当させていただいたのですが、本当に、今年3回目になりますけれども、徐々に多様性も増えてきましたし、参加者も増えてきましたが、まだまだ教育委員会、教員、そしてユネスコ協会の方々の参加が少ないということも指摘させていただいたので、そういうことも踏まえて今、お話させていただいています。以上です。
【安達委員長】  ありがとうございます。次の議論にも繋がるような大事な御指摘だったと思いますが、本当に多様なユネスコ活動の形があるということを思うところです。民間のユネスコ協会での活動以外にもユネスコスクールもあれば、こういう諸団体が行っているESDの活動もあるし、あと大学のユネスコクラブも活動しておりますし、いろいろなところでいろいろなセクターが動いている中で、国もユネスコ活動をどう普及していくのかというところがこの委員会で議論していくところなのかと思います。
 では、議題1については以上でよろしいでしょうか。では、今のお話なども踏まえながら、議題2に移っていきたいと思います。
 議題2に移ります。昨年7月の普及活動小委員会でも審議いたしましたが、我が国におけるユネスコ活動の更なる広報普及に向けて、本日の委員会でも意見交換を行いたいと思います。では、始めにお手元の資料5に基づき、事務局から説明をお願いいたします。
【徳留専門官】  資料の5を御覧いただければと思います。事前にこちらの方、メールでお送り差し上げたところでございますけれども、昨年7月の普及活動小委員会で御議論いただきましたけれども、これからのユネスコ活動の普及に関する基本的な方針を普及小委員会として取りまとめていこうという目的で作成したものでございます。前回の小委員会では骨子案という形でお配りしましたけれども、それから先日の委員会の議論、又、様々な関係者の意見などを伺った上で、事務局としてこちらの案として取りまとめたものでございます。
 内容としては大きく2つに分かれておりまして、まず1つ目が我が国のユネスコ活動の広報普及の現状と課題というところが1ページ目にございます。内容といたしましては、戦後70年に渡ってユネスコ活動が民間を中心に政府と一体となって、実践と広報普及が行われてきたということ。その結果として、民間によるユネスコ活動が全国的な発展を遂げた他、例えばESDの実践、あとは地域横断的な取組による自然の利活用、例えばユネスコのエコパーク、あるいはジオパークのような話、又、学術協力を基盤とした科学の普及、海洋科学とか水資源等の話、又、御承知のとおり世界遺産へ向け文化遺産の保存、活用など、様々な分野のユネスコ活動が行われてきたことによって広く知られるようになったというところでございます。
 一方で、民間のユネスコ協会の数が302から278に減った他、会員の高齢化、活動の縮小などが課題になっているということ、又、ユネスコスクールにつきましても地域的な偏在が認められるということ、そして何より企業をはじめ一部のステークホルダーへのアプローチが十分ではないということが課題として挙げられるのではないかということです。その上で2015年からSDGsが策定されて、国際的にもSDGsの達成に向けた取組が進められていますが、そのようなSDGsの取組、あるいは様々な社会規範や達成目標が生まれて、国内で主流化していく中で、それとユネスコ活動の意義や目標をどのように位置付けて、どのようなメッセージを誰に発信していくかということを明確に実施していく必要があるのではないかということでございます。
 次の2ページ目に、具体的な広報普及に向けての内容が書かれております。(1)は戦略的な発信の強化といたしまして、主などういうことをやっているかという具体的な方策例として挙げているところでございます。1つ目はユネスコ活動に関する認知度など、エビデンスに基づいた戦略的な発信が必要であるということで、そもそもエビデンスがないということなので、認知度の調査の実施、あるいは調査結果の分析を行うことが必要ではないかということ。
 2つ目としてはユネスコ活動の目標、あるいはこれまでの成果及び現在、特に主流となっているSDGs、あるいはESDとの繋がり等について見える化をして、分かりやすく発信することが必要だということ。これは特に企業団体さんがSDGsに対して高い関心を持っている中で、民間企業との連携も必要でありますし、そのような中で民間企業との協力を得て資金調達を行うなど、ユネスコ活動の戦略的な民間企業等の目線に立ったユネスコ活動の戦略的発信等も必要ではないかということが書かれております。
 具体的な方策例といたしましては、ユネスコ活動に関する様々な主体・層のうち、特に学校現場、あるいはこれからの活動になるユース、又、先ほど申し上げた民間企業の3者を主な重点ターゲットとしてジャーニーマップ、これは後ろに添付してあり、これは後ほどまた説明したいと思いますが、ジャーニーマップ等の手法を用いて戦略的な巻き込みを図るということ。また、先ほど課題で出ましたユネスコ活動の地域的偏在の改善を図るということ。例えばユネスコスクールの少ない地域においては重点的に学校にアプローチをかけることによってユネスコ活動の推進、あるいはユネスコスクールの加盟促進を狙うということも必要ではないかと考えております。
 3つ目はユネスコ国内委員会の委員、あるいは広報大使による発信機会の拡充が必要ではないかということでございます。広報大使につきましては従来、SNSあるいは自らのブログなどを通じて発信しているところでございますが、さらにその機会を充実させることが必要ではないかということ。あと、各国内委員会の委員の皆様におかれましても、例えばSNSあるいは様々な刊行物の中でユネスコ活動の意義みたいなものを発信する機会があれば、それを活用していただくということも、意識して発信していただくことも必要ではないかと考えているところです。
 (2)は戦略的な広報普及を推進する連携体制の構築ということですが、これは先ほど及川先生もおっしゃられたとおり、ユネスコ活動、あるいはユネスコ活動に関するような、資するような、内容といたしましては、文科省、外務省、民間ユネスコ協会ではなくて、各関係省庁、又、地方自治体、大学、民間法人、民間企業など、様々な主体が多く関わっているというところでございますので、その中で様々な主体の連携が必要ではないかということ。
 具体的な方策例といたしましては、例えば広報カレンダーみたいなものを作成して、それを関係機関と共有することによって、1年間ユネスコに関する活動がどこでどういうものが行われるかということを見える化すること。あともう1つは、国内委員会が中心となりますが、多様なステークホルダーのユネスコ活動、ユネスコに資するような活動に関しての情報を一元化して、それを例えばメールマガジン、あるいはニュースレター等を作成して発信する。あるいはユネスコ国内委員会のホームページ、ESDのポータルサイト等がございますので、そこで随時広報するというようなこともできるのではないかということです。3つ目としては国内委員会の委員の会議体としての活動ではなくて、より国内委員会の委員の能力、人脈を活用した幅広いユネスコ活動のネットワークの構築を目指していくことでございます。
 最後は報道機関への広報的な情報発信ということですが、世界遺産など一部の分野を除いてマスメディアによる報道が少ないということが現状ですので、報道関係者への効果的な情報発信ということが不可欠ではないかということ。具体的な方策例といたしましては、報道対応について各関係主体と連携して効果的な広報が行われるような再検討を行うということ。あるいは記者発表資料の工夫とかも必要ではないかということ。あと2つ目は特に地方で行われるユネスコに関する活動については地方の記者クラブ等を通じて発表していくなど、地方紙など地域の広報媒体を有効活用していくことによって、地域からユネスコ活動を普及広報していくことが有効ではないかと考えているところでございます。
 別添の1につきましては、現在の日本のユネスコスクールの分布というところでございますが、一応全都道府県に少なくとも1校はユネスコスクールがあるというのが現状ですが、実際、大牟田市のように全校がユネスコスクールになっているような学校もありますし、あるいは東北地方ですと1つの県に1つしかないような状況もあることが現状でございます。
 次のページが我が国のユネスコ事業等への登録状況の例といたしまして、世界遺産あるいはユネスコエコパーク、ユネスコジオパークといった登録事業もございますし、又、あまり知られておりませんが、ユネスコのクリエイティブ・シティズ・ネットワークというような文化に関する登録事業もありますし、あとはユネスコ学習都市に関するグローバルネットワークという生涯学習を重点的に行っているようなネットワークもあるということ、又、大学においてもユニツインやユネスコチェアといったユネスコに関する登録というか、ユネスコの方に申請して認定してもらう事業もあるということが現状でございます。
 続きまして別添の2が、先ほど申し上げましたジャーニーマップの例というところで、重点的な対象とするユースと学校関係者、それと民間企業のジャーニーマップの例を示したところでございます。こちらにつきましては、パーセプション、コンテンツ、手法と書いておりまして、左からPhase1からPhase5まであるということなのですが、パーセプションというのは例えばユースが現在どういうことを考えているかというところを書いたものでございます。Phase1のパーセプションとしてはまず、例えば今のユースが平和や持続可能な社会づくりということが大切だけれども、何をやっていいか分からないというようなユースに対して、どういう手法でどういう内容の情報を提供するとそれがPhase2に変わっていくかということを示したものでございます。
 例えばPhase1のパーセプションのユースに対しては動画、あるいは大学の授業、SNSなどでSDGsとユネスコ活動の概要みたいなものを伝えることによって、例えばユースがユネスコ協会のサイトを訪問していると。それによってユネスコ活動のことが分かっていくということで、それがPhase2に移っていくということです。それぞれのPhaseごとに対してどういうコンテンツ、どういう手法をそのPhaseのユースに働きかけるかと。それによって最終的にはPhase3、Phase4、Phase5というような形に移っていって、最終的な目標と、こちらは例ですけれども、例えばユネスコ協会の方に会員を登録するとか、あるいはユネスコ協会の事業に定期的に参加していくことによって、どんどん熱中して関わっていくといようなPhaseまで持っていくようにするために、どういう手法、どういうコンテンツが必要かということを示したものでございます。
 同様に学校教育の関係者につきましても、例えばSDGsというものがよく分からないということに対して、どういう手法、どういうコンテンツを入れていくかということ。最終的にはユネスコスクールへの加盟やユネスコ活動を軸とした学校の推進をしていくというところまで持っていけるかどうかということ。例3の民間企業についても、SDGsについて具体的に何をやるかというところを考えている企業さんに対して、SDGsとユネスコ活動の関係性を理解してもらうことから始まって、最終的にはユネスコ活動に参画してもらう。あるいはユネスコ活動に関するものに対してファンドレイジング、寄附をしてもらうようなPhaseまで持っていくためにはどういう手法、どういうコンテンツを考えればいいかということを例として示したものでございます。
 こちらの手法、コンテンツというものはあくまでもこちらの事務局の考えでございますので、もっとこういう手法があるのではないか、もっとこういうコンテンツを入れた方がいいのではないかという点があれば、是非頂ければと思っているとことでございます。このようなジャーニーマップなどを使って、戦略的にそれぞれのPhaseに対する個人、学校関係者、民間企業等に働きかけるというようなことを戦略的に示していくということが、広報普及に対しては必要ではないかというようなことで一例として挙げさせていただいたところです。以上が普及に向けての内容でございます。
【安達委員長】  ありがとうございます。それでは、本日はこの時間はこの議題が中心になっていくかと思います。事前にメールでも事務局から説明がありましたが、始めにこのペーパーが作られた背景と、これができた後どうなるのかというところをもう一度、事務局から説明をお願いしてもよろしいでしょうか。
【徳留専門官】  そうですね。まず、そもそも国内委員会における広報普及の戦略みたいなものというのが特に策定されていなかったというのが現状でして、誰に対してどのようなアプローチで広報普及していけばいいかというところが、明確になっていなかったというところから、戦略的にこういうことを取りまとめていこうというような話になったということが最初のきっかけでございます。
【安達委員長】  もう少し大きな声でお願いできますか。
【徳留専門官】  失礼いたしました。ということで今回、取りまとめて、具体的にどういうことをやるかということを示すためにこのような広報普及に向けた戦略というか、ペーパーとして取りまとめたところでございます。
 これからこれをどういうふうに使っていくかということですけれども、こちらに書いてある具体的な方策例というものがございますので、できるところから日本ユネスコ国内委員会、あるいは各地域のユネスコ協会さんやユネスコ活動を進めている関係団体が協力して進めていくというところが、これからのこのペーパーの使い方かと考えているところでございますし、またどこかのタイミングでこの具体的な方策例について、どれぐらい進んでいるかというフォローアップということも1つ、視野に入れて進めていきたいと考えているところでございます。
【安達委員長】  ありがとうございます。位置付けに関して何か御質問とかあれば。よろしいでしょうか。
【田村ユネスコ振興推進係長】  1点、補足よろしいでしょうか。
【安達委員長】  はい。お願いいたします。
【田村ユネスコ振興推進係長】  先ほど説明したジャーニーマップについて補足ですけれども、この資料の3ページ目の下の注にも書いておりますが、民間の広報の手法で使われている手法の1つでございまして、利用者、ターゲット、がパーセプションをPhase1からPhase5に順を追っていくということを、利用者の旅(ジャーニー)に見立てて、それをどういうふうにパーセプション、感覚、感じ方というものが変わっていくかというものを見える化していくという民間の広報の手法になっております。
 通常は顧客と、それからそれを売る側ということで作られるものなのですけれども、それを今回少し応用いたしまして、利用者、顧客側というのをユネスコ活動への参画を促すべきターゲット層というふうに見立て、売る側というものを、ユネスコ活動を実際にやっている関係機関と、少し見立てた形で応用して作っているというものでございます。以上、ジャーニーマップについての補足でございます。
【安達委員長】  ありがとうございました。それでは、この先議論を進めていきたいと思いますが、あらかじめ事前に事務局から皆さんにメールで連絡があったかと思いますが、大きく2つのことということで、御意見をということで出ていたかと思います。改めて申し上げますと、まず1つ目としてはSNSやWEBサイトをはじめ、広報普及に必要な多様な手法を確保できているか、それぞれの地域でどうでしょうかということが1つ目でした。
 2つ目が地方ESD活動支援センターや地元の企業をはじめ、地域の関係者との連携構築のためにユネスコ協会みずからが積極的に動き、情報発信をしたりコミュニケーションをとっているのかということについて、それぞれの地域での現状や、もしできているとしたらその事例について、もしいい事例があれば好事例を教えてもらえたらなと思います。また、できていなければ、何が課題なのかということについて出してもらえたらと思います。
 恐らく、今回出されているこのペーパーの、大きく見ていくとまず、一番初め1、我が国のユネスコ活動の広報普及の現状と課題で、2つ目に我が国のユネスコ活動の更なる広報普及に向けてという中で、その中で大きく(1)戦略的発信の強化、発信の強化という1つ目と、(2)として戦略的広報普及を推進する連携体制の構築ということで、大きくこの2つですね。(1)発信の強化、(2)連携体制の構築という大きく2つの柱があったかと思います。
 先ほど申し上げた2点というのは、まず1の一番初めに申し上げたWEBサイトやSNSなどでの広報普及に必要な多様な手法を確保できているのかということは、恐らく(1)に関連することかなと。2つ目のコミュニケーションをとれているのかということに関しては(2)の連携体制の構築というところに関するところかと思いますので、恐らくいろいろな情報も出てきますし、考えるべきことがたくさんあるかと思うので、1個1個話していけたらと思いますが、よろしいでしょうか。
【松代委員】  1つその前に、ペーパーを拝見いたしますと、送っていただいたものも事前に見せていただき、全体としてもっともなペーパーになっていると思いましたが、内容的には昨年のこの会議の席上、広報の御専門の方がお話くださっていたものを総括したという形になっていると思いますが、これは広報普及に向けてというタイトルになっています。この委員会は普及活動小委員会なので、普及というのが広報普及というのと普及活動というのが重なっているので、普及活動を主体とする私たちのメンバー、地域でやっている方、あるいは協会、ユ協としてやっている、私はユ協のメンバーとして参加しておりますが、活動の実施者と、それから広報をするということの、少しレイヤーが違うという感じがしましたので、もちろんこのような、今御提示いただいたような構想の中で広報の大きなプラン、あるいは具体的な戦略が決まる。あるいはコンセンサスが、国内委員会としてこういう広報の目的と戦略と、こういうふうにやっていこうということがこの先、具体化されると思いますが、その中で私たちの普及活動を地域や民間事業の人間としてやっているものを網羅して、あるいはそこの中の体系に取入れていただいて、広報をしていただくという言い方は語弊があるかもしれませんが、広報していくというその辺の認識を普及活動小委員会が広報するわけでは、広報計画を立てることでは、今回のペーパーを見ていただきますともっと大きなユネスコ、日本国内における活動全体を考えた、カバーされている御意見といいますか提言だと思いますので、その辺を一度整理した上で、私たち民間ユネスコがやっております活動をどのように位置付け、あるいは広報的にはそういう活動が戦略的に重要なのかどうかといったようなことも含めて示していただく、あるいは御一緒に考えていくということが必要なのではないかと思います。
 民間ユネスコ、それからユネスコ協会連盟でやっておりますことは、例えば寺子屋運動ですとか東日本の被災の方とか、及川先生が言ったような減災教育ですとか、それから地域のための未来遺産とか、「私のまちのたからもの」とか、教育関係者が多いのでユネスコスクールの学校との連携というものを個々にやって、実践している主体なのですね。ですので、その辺の自分たちの民間ユネスコのミッションと、それからそこの広報上、何を特化させていくか。あるいは他の人からどういうふうに見える、見ていただければ見えるのかというようなことは、私たちの民間ユネスコの関係者の中では共有できているのですね。
 例えばミッションとしては、ユネスコ憲章の目的のために教育、SDGsの中の特に教育といったようなものに軸足を置いた活動で平和の実現というものに貢献しようというようなことが共通認識でできているのですね。そうしますと広報全体をプランニング、あるいは考えていく上では、我々の民間でやっている仕事といったものをどういうふうに位置付けるのか。あるいはそれをどういうふうに広報という形に吸い上げていくかというようなことに、ここの委員会のミッションも、もう少し絞っていくことが、実際に私たちが機能すると、必要なのではないかと思いました。国内委員会の活動として学習者、リーダー、それから企業等々を含めた様々なステークホルダーに対して活動されていることはよく分かりましたし、私ども民間でもそのような対応をしております。
 それからもう1ついいですか、調査のお話が出ていましたけれども、協会連盟、お金がありませんので、一昨年末から昨年、デロイトトーマツさんの社会貢献として非常に総合的なリサーチ、分析、課題、それからどうやってNGOユネスコを活動していくかというようなことをレポートしていただいておりまして、それは恐らく、目を通していただいたかどうか分からないのですけれども、今後、広報のプランをお立てになる上で是非、参考にしていただければと思います。という前提で少し広報普及ということと、この普及活動でこちらがしていることとの、少しレイヤーの調整がいるのではないかなと。
【池原文部科学戦略官】  国内委員会では普及活動小委員会がございますが、広報の委員会は…
【松代委員】  ないのですよね。
【池原文部科学戦略官】  ございません。
【松代委員】  以前はあったように思いますが。
【池原文部科学戦略官】  今おっしゃったことは理解しておりますが、そもそもこの方針は、先ほどもご説明しましたたように、方針を作っていないということ自体が問題で、事業は非常にいろいろなところで熱心にやっていただいていると思いますが、それがもう少し広がっていく必要があるのと考えております。
【松代委員】  もちろんそうですね。
【池原文部科学戦略官】  そのときに、おっしゃったように実施と普及とそれから広報と、例えば協会の中でもどういう方がどういう担当をしてどう仕事をしていくかということがまだ整理できていないかもしれませんので、その辺についてはまたいろいろお話を伺いながら、民間の役割ももう少し議論の中で考えていきたいと、整理していきたいと思います。
【松代委員】  以前、広報委員会って国内委員会にあったと思いますが、たまたま私が勤めておりました会社の社長も委員を拝命していた時期がございまして、広報委員会というものが必要なのではないかなという印象は持ちますが、この委員会がそれとして一番適切なのかどうか、私は判断できない。
【池原文部科学戦略官】  繰り返しとなりますが、現在は普及活動小委員会しかございませんので、こちらで今議論させていただいているので、この審議、さらに深めていく中で、例えば広報委員会を作った方がいいということであれば、またそういう御相談もさせていただくということもあると思います。
【松代委員】  そうですね。広報普及ということとユネスコ活動の普及活動というものは混乱が起きないようにお願いしたいと思いました。
【池原文部科学戦略官】  検討させていただきたいと思います。
【安達委員長】  ありがとうございます。続けて何かもし御意見が、今の御意見に関連してあれば少し。
 はい。
【及川委員】  今のお話の部分、はっきりとクリアに理解できてはいないのですね。多分、他の皆さんもそうだと思います。どういうことが論点でどういうことが違うのかという。多分、広報普及という言葉がタイトルに付いていて、この小委員会が普及活動小委員会であるということで、そこに対するまず、ギャップといいますか、統一性や同一性、または、レイヤーが違うのか同じなのかという話もあると思いますが。
 普及活動、例えばこのタイトルを「我が国のユネスコ活動の更なる普及活動のための広報に向けて」みたいな、普及活動をするための一環の中で広報を進めていくのだというニュアンスで捉えれば、そんな、ここで話し合うことが是か非かというような話でもなくて、我々が活動を普及させるということは当然、広報が必要なわけですから、そこの部分は、ここの委員会の究極の目的は普及活動だとすれば、それに向けて広報をどうやっていくかということで議論すればいいだけの話ではいかなと、私は思いますね。そこで皆さんが多分、同じ認識であればですが。
 ここの2つの柱の1つ目の部分につきましては、1の発信の部分、さきほど議長が整理された発信の部分については広報が非常に大きなウエイトを占めるだろうし、2つ目の連携構築の部分は別に広報というよりは、これは活動を普及させるための1つの戦略ですよね。ですからそこの部分は、その2つが特に今我々のユネスコ活動なりESDなりSDGsなりがきちんと地域に、隅々まで広くまだ浸透しきてれていない、偏在化があるという、それは確かなので、そういうところを解決するためにこの2つの柱が重要ではないかという事務局の御提案なのだろうなというニュアンスで聞いていたのですけれども。
 ですからそこの部分の、広報と普及が合体したことに多分、混乱をきたしている部分があると思うので、そこの部分を整理することというか、区切りをつけることで今の議論はある程度、皆さんのコンセンサスを得た形で議論展開できるのかなという感じがしますけれども。
【安達委員長】  そうですね。いかがでしょうか。タイトルが広報普及に向けてというところで、広報のことを話すのかというところがあったのですけれども、あくまでも普及活動が今回のこの委員会の目的ではあると。そのための広報、普及するための広報をどうしていこうかということを1度このペーパーに落とし込んでみようかというところかと思います。具体的な方策というものを出していって、どんなことが挙げられるのかというところ、あくまでも例として挙がっているので、きっとこの他にもたくさん出てくるのかと思いますが、その辺多分、地域で活動をされている皆さんの経験とかお知恵とかを出していだけるといいのかという気がしますが。
【松代委員】  そのための調査活動というのをしましょう、情報収集しましょうということは非常に有意義だと思いますね。中期活動をやっている実践者からの情報収集というのは必要だと思います。こちらは本当にお世話に、マーケティングの基本的なフレームを提示していただいているので、それはよく理解できますけれども、具体的な施策といったものについては事務方だったり、まとめていく企画者といったものも必要なのではないかなと。私どもの、先生がおっしゃるように、議論を自由にするのはいいのだけれども、それをどうやって吸い上げて、あるいはどうやって位置付けていくかといったことはもう少し次の議論に必要なのではないかなと思います。
【安達委員長】  そうですね。実際に具体的な方策が挙がったとして誰がどんなふうにそれを進めていくのかというところまでは多分、今回のペーパーはそこまでは書かれていないと思うので、実際にどう行動するのかというところがきっと活動の部分になってくると思いますので。
【及川委員】  それを議論するのがこの委員会ではないですか。
【安達委員長】  そうですね。多分、その活動をどういうふうにするか……。
【及川委員】  そのいろいろな案を出してくれという事務局のお願いだと思いますけれども。
【安達委員長】  はい。片山委員。
【片山委員】  私も常に、我々民間の立場でユネスコ活動を行って、常にタイムリーに情報発信、いろいろなことが分かれば広報することは大事だと考えています。ですから、今の議事の進め方はこの方向でいいのではないかと個人的には思うわけです。
 また、近畿の全体を見渡しているわけではありませんが、近畿の状態から比べますと民間のユネスコ協会・クラブ、36ありますが、約半数がホームページを開設しています。残念ながら当長浜ユネスコ協会はアクセスができません。その課題は何かというと、ホームページビルダーなどを個人が、事務局は市役所の中にありますがそこまでは要求できませんので、簡単なアクセスはできますが、結論的には民間の誰かが自分のパソコンで立ち上げていくようなやり方で、ネックがあります。これは学校の事例ですけれども、ホームページ担当の教員がいれば更新ができるのですが、これは文科省もよく御存じだと思いますけれども、全然更新されないことが管理職の悩みでして、そういう人事を直接今の人事の担当に申したことも、私、個人的にございます。
 私が住んでいる長浜市は人口12万の小さな市ですけれども、教育委員会が平成30年度からFacebookを開設してくれました。私も早速それにアクセスしまして、お友達に、まず長浜ユネスコ協会の近況を情報発信をするようになりました。
 地方の、例えば我々でしたら中日新聞、京都新聞さんに書きそんじハガキの記事を出しますと、それをぱちっと写真に取りまして友達にシェアしてもらうわけですね。この広がりというのは結構あって、片山さん、分かりました協力しますというコメントなどが返ってくるのですね。そういう効果は、まだ初めて短いですけれども、少ないです。
 教育委員会のいろいろな取組が教育委員会みずから発信しますので、これってユネスコ活動と違うというような指摘や、教育委員会として是非とも取組んでくださいよというような提案が、教育委員会に物申すというか、情報発信ができるのではないかということで、今のところわくわくしています。どの程度できるか分かりませんが。
【安達委員長】  Facebookの活用ですね。
【片山委員】  活用は広がるのではないかなと。
【安達委員長】  はい。
【岡崎委員】  確かに我々がいろいろ会員の加入とかそういうことをやっているときに、ユネスコ協会って何をするのというふうによく聞かれるのです。そのときにユネスコ協会はこんなことをするのですよということを言うのですけれども、今は、先ほどの報告にあったように、活動がすごく多様化しているのですよね。ESDあり、今度はSDGsがあり、で片一方に世界遺産がありというふうに、すごく多岐に渡っていて、ユネスコはそもそも何の目的でこんなことをするのですよという、当然憲章にあるわけで、それとどういうふうに結び付いているかということをきちんと公式に広報していく必要があるのではないか。
 それは確かに地元の協会でホームページを作ったとしてもそこまで言えない。だから地元ではこんなことをしているのですよ。皆さん知ってくださいと言うけれども、そもそもユネスコはというふうなものがどこにあるのかと。あるいはユネスコがかつては『クーリエ』という広報誌を出していて、ユネスコの例えば条約とか勧告であるとか、そういうようなものを出していましたよね。だけど、それが全然、最近我々には分からなくなってきている。
【松代委員】  今まだ工事中かもしれませんが、ユネスコ協会連盟のホームページでかなり明確に出していくという、製作中と私は理解しておりますけれども。
【岡崎委員】  だから、私はそういうふうに言えば、公式にこれですよというものを出していく必要があるから、どうなのかな、国内委員会なのか、国内委員会ではどこなのかというような主体は分かりませんけれども、要するに公として出すという。そこのこの部分については、地域状況はここでこういう活動をしていますよというような、何かそういうことがないと実際に地元で活動している人たちが、一体俺たち何のためにやっているのよみたいな、結構苦労する部分が多いので、それが分かれば少々しんどくてもこう繋がっていけばここに来るのだというような情報発信が、私は、要るのだろうと考えます。
【及川委員】  今のお話、ごもっともだと思いますけれども、そこで本来の意味の階層というものがあると思います。全国レベルの機関、例えば日本ユネスコ協会連盟とか国内委員会のホームページ等は、今も事務局からこういう事業が実はあって、これはESDに繋がりますよ、ユネスコ活動に繋がりますよという説明がありますよね。だから、そういう個別の多様性というものは当然あっていいわけですよ。ユネスコは多様を重んずるのですから。
 でもその繋がりとか共通目標は国内委員会とか協会連盟のホームページなりFacebookでそれはきちんと整理する。各協会はむしろ多様性があってそれぞれ独自の取組があってしかるべきで、重点もあり、得意技もあり、地域性もあるわけですから、そこは統一するというよりは多様性があっていい。ただ、それが全国レベル、あるいは世界レベルでどう繋がるのかというリンクさえきちんと張っておけばいいのです。リンクを張ればいいのがWEBのいいところなので、そういうところを確認したければここをクリックすればそういうところが見られるとかいうように。
 むしろ私は、先ほどFacebookの話が片山委員から出ましたが、地域の方はすぐ反応ができる。すぐ「いいね」とかお友達になれる。すぐ拡散できるとかシェアできるとか、これは地域レベルにはそぐう気がします。もちろん全国レベルであってもそれはそれでいいのですけれども、全国レベルはなかなか図体が大きいとフットワークとかレスポンスがなかなか厳しいので、地方レベルであればやったことに対してダイレクトに「いいね」をもらったらうれしいじゃないですか。、「書き損じハガキがこれだけ集まりました。」、「素晴らしいね。」、「いいよ。」、「うちもある。」って。あるいは、「ESDの研修会がありました。これだけの人数が来ました。」といったら、「是非今度は私も行きたいです。」という反応が来れば、それはそれで非常にいいわけで、そういう多様性とレスポンスの良さを地方は求め、全国の組織であったり国内委員会であったりは体系や整理であるとか、きちんとした可視化であるとか、そういうところをやるというふうな、住み分けというかレイヤーできちんとやっていくことが大事だと思います。そうすれば今の悩みは双方とも、解決するのかと思います。
【安達委員長】  FacebookとかそういうSNSの話が出てきましたけれども、どうですかね。かなり広報に関しては有効な手段であるということは何となく普段、私も使っていて思うところはあるのですが、実際にそれを使ってらっしゃる地域もあれば全くそういうところに触れていない地域もあるのかと思いますけれども、皆さんの地域の様子を見ていかがでしょうか、SNSの活用という点で。
【木間委員】  東京都ユネスコ連絡協議会で、2016年に関東ブロック・ユネスコ活動研究会を東京で開催することになり、実行委員会を立ち上げたときに、若い人たち、青年たちにいかに多く参加してもらうかということが課題になりました。そのとき、青年たちに相談したときに、Facebookがいいということになりました。Facebookで情報が来たら自分の友達も見るので、周りの学生にもどんどん拡散していくのでFacebookがいいというお話がありました。
 実際に大学内ユネスコクラブが都内にも幾つかあるのですが、そこではクラブ紹介のWEBサイトをFacebookで作っています。そこで、東京都ユネスコ連絡協議会でFacebookを活用するかどうかを検討しました。最初は、経験のない人も多く、いろいろな反応に対してレスポンスをしなければいけないとか、懸念もあったのですけれども、関東ブロックの今回の研究会に限ってということで試験的に使ってみました。そしたら意外とうまくいきまして、「今、委員会でこういうふうに準備を進めています」などと紹介して勧誘していくこともでき、終わった後も開催時の写真をたくさん載せられました。今、東京都ユネスコ連絡協議会のFacebookも作りましょうということで、進めています。
【安達委員長】  ありがとうございます。作っていこうという方向で動きはじめている。
【木間委員】  ただ、一方でFacebookを活用していない人も大勢いますから、全員が参加できているわけではありません。若い人たちに参加を呼び掛けるという意味ではすごくよかったのですが、会員の中にはFacebookとかSNSを全く活用していない方や、メールも受取れない環境で、書類を郵送しなければいけないという方もいらっしゃるので、全員を網羅はできていないという状態です。
 ただ、WEBサイトに関しては東京都でいえば26協会・クラブのうち約20団体はWEBサイトを持っていて、関東ブロックで見ても、例えば県の国際交流協会などのWEBサイトに協会の紹介ページを置いているというような形も含めると、67協会・クラブのうち55団体以上はWEBサイトを持っています。WEBは有効な手段で、昔はいろいろな資料が送られてきたものを一生懸命印刷して会員に配ったりしていましたが、そういう手間もなくなりました。国内委員会で何か情報を発信するのであれば、WEBとかメールとかで送ると会員にも伝達しやすいと思います。
【安達委員長】  国内委員会のFacebookのページもありますよね。実際、存在していて、情報発信されていると思いますが。九州はいかがですか、市丸委員。
【市丸委員】  今、自分がやっとこの議論についていくだけで精いっぱいなのですけれども、本会議はユネスコ活動への理解者を増やすことを目的とされているととらえています。例えばユネスコスクールは今まで2桁だったのが今は、1,000を超えるようになった。一方、民間ユネスコ協会は今までの全盛期よりも30団体ぐらい減っていったという現実、そのギャップがあると思います。だからユネスコスクールとはある程度、知名度は高まってきたと思いますが、一方、各団体のユースユネスコ会員が減ってきていることをどう取組んでいくのかという議論であると思いながら聞いていたところです。
 ターゲットを誰にするのか。例えば若い人たちの興味・関心を持たせる手段をどうすればよいのだろうかと思っています。一方、ユネスコの運営には資金援助も大事です。企業をどう取込んでいくのかも、久留米ユネスコ協会は考えているところです。ユース会員加入と同時に支援団体も増やしています。
 また、ユースユネスコを取込むためには大学との連携をはじめました。小学校、中学校は結構忙しいようでなかなか難しいです。一方、大学は学生が成人になっているので学生たちも動きやすいだろうと思います。また、広報活動としてシニアが多いので、メールを苦手とされ、ニュースレターという紙媒体を配送しています。
 誰をどのように、メンバーを増やすのかそれとももっと認知度を高めていくのか。例えばSDGsが今提唱されていますが、それをどう浸透させていったらよいかを整理しながら、会議に参加しています。
【安達委員長】  ありがとうございます。柱の2つ目の連携体制というところも今、お話してくださったかなと思います。それであと、別添として出ているPhase、ジャーニーマップに関わるところも今、市丸委員のところから出てきたのかなと思いますが、どういうターゲット層に何を訴えかけていくのかというところですよね。何をもってどういうところを告知していくのかという面でのお話もあったかと思います。残りの時間が10分、15分ぐらいになってきましたので、前半でWEBサイトに関するところ、Facebookの話も出てきましたが、後半の2つ目の今、連携体制というところですね、もし御意見があったら出してもらえたらと思いますが、いかがでしょうか。
【岡崎委員】  昨年、中国ブロックのユネスコ活動研究会をしたのですけれども、そのときのテーマとして世界遺産を取上げたのですね。これ、宮島で、研究費がなかったので広島と一緒になって原爆ドームと厳島というものがあるので、世界遺産を何とか取上げようということで取上げてみたのですけれども、それは1つの意識とすれば厳島神社、宮島にしても広島にしても、来訪される方々がべらぼうに増えちゃっているわけですよね。観光客が。だからそういう中で、地元は結構地域振興、観光振興ということで潤っているかもしれないけれども、逆にユネスコというのは、ユネスコの世界遺産なのですよということをどのように皆さんに理解してもらえているかということを考えると、どうもそういうことになっていないのではないか。お客さんがたくさん来ればいよ、みたいなことになっているのではないかという気がして、そもそも世界遺産はそういう、確かに結果的にはまずくはないのだけれども、表面的だけに捉えられては困るみたいなことがあったのですね。
 そのときに中国地方でやりますから、例えばユネスコの登録しているジオパークであるとか、日本ユネスコ協会連盟がやっている未来遺産であるとか、それぞれにそういう登録された物件がありますよということで取上げてみたのですね。特に世界遺産の場合でいうと文化庁と環境省、かつては自然遺産と文化遺産というふうにやっていましたけれども、今はそういう意味でいうと景観という問題も入ってきて、景観となってくると今度は国土交通省も入ってくる。それから国土交通省の中では観光局もある。というようなことを考えるとこれは従来の枠組みでは考えられないような各省庁間の連携、それが各道府県に行けばその担当部署も連携しなくてはならないということが、私はあるのだろうと思います。
 そういう意味でいうとユネスコというものが一番大きな上に、上というか下というか、そこから派生する関係行政団体とか、それがすごくある。そこをどう結び付けていくかということをしなければいけないと思いますね。だから、世界遺産だ、世界遺産だといって混んでいるけれども、世界遺産って何よといったときに、ユネスコかみたいな話になってしまうわけで、逆にユネスコだから世界遺産なのですよみたいな、そういう連携の仕方を考えなければいけないのではないかと感じました。
【安達委員長】  なるほど。そうですね。石井委員お願いします。
【石井委員】  広報普及に向けてという事例を紹介したいと思っております。私の、神奈川県の鎌倉ユネスコ協会で、SDGsみらい塾というものを開校したのですね。これはとても珍しいというか、全国に先駆けてということで、昨年の11月から今年の7月まで毎月1回、9回シリーズでやっているのですね。私も参加しております。中学生、高校生、大学生、一般人の希望者を募集して、神奈川県やあるいは県外からも参加者があります。
 17の目標について、SDGsの17の目標、学識経験者や研究推進者の方が講義をなさって、それを聞いた後、ワークショップをして、参加者がグループワークをするのですね。で、SDGsについて学ぶのですが、とてもいいと思ったのは、SDGsはまだ認知度が低いので、クイズを入れたりワークシートに書いたりして、非常に楽しく分かりやすく学べるということが特徴かと思いますね。とにかく、なぜ今SDGsなのかということがとても理解できる。
 そしてグループの中で隣にいる大学生と話した時、どうしてここに来ているのと聞いたら、大学の先生が行った方がいいよとか、高校生もとてもそういう興味がある。よくテレビとかで最近聞くのだけれども、何かよく分からないので、参加したということ。そういうふうにして皆で、学生も大人も勉強していくっていいものだと思いますね。鎌倉は財源もあるので講師料とかも出せるのですけれども、そういうことを今、民間のユネスコ協会が立ち上げたのですけれども、そういうことを各地でやっていけたら皆が、地域の方がSDGsについて学べるのではないかと思いますね。そういうことを率先してやっていくのが私たちの役割かなと思いますが、とても難しいといえば難しいのですけれども。
 この前も言ったのですが、子どもたちに対してはもっと簡単な言葉かけで、例えばエネルギー、電気を使わないで夏を涼しくする方法を考えてみようじゃないかとか、食べ物を残さないで食べていますか、不必要なものを買っていませんか、ごみを分別して捨てていますか、水を無駄にしていませんかとか、何かそういう分かりやすい言葉で、あとは自分のことだけではなくて人のことも考えて生活していますかとか。大人の方に対しては、困っている人がいたらどうしますかとか、日本のことだけではなくて世界の国のことにも興味を持っていますかとか、投げかけ方は子どもとか大人、発達年齢に応じて違ってくると思いますけども、そういうSDGsのことを理解しながら何か身近なことでできることをやっていくことが、率先して、私たちはユネスコ人なので、平和のために、よりよい地球のために、もっと発信していっていいのではないかと思っているところです。
【安達委員長】  ありがとうございます。岡崎委員の方から、世界遺産の活動に関連して、多様なセクターとどう連携していくのかというところの必要性のことについてお話していただきました。石井さんの方からは具体的な事例を基にしてお話ししてくださいましたが、自分たち自身が率先してやっていくことが必要なのではないかというところでお話ししてくださいました。
【木間委員】  すみません。もう1ついいでしょうか。
【安達委員長】  はい。
【木間委員】  今、ユネスコスクールが増えてきまして、高校、大学にもユネスコクラブができて、その人たちが将来のユネスコ協会の会員になっていくことが期待されたりしているのですが、一番壁になっていることは、大学までユネスコ活動を続けてきた人たちが、就職したときに忙しくなってユネスコ活動から離れてしまうことだと思います。私はたまたま入社した会社にユネスコクラブが設立されましたので、会社の中で結構忙しい仕事をしながらも35年間、ユネスコ活動をずっと続けてくることができました。
 もっと他にも、多くの企業の中にユネスコクラブができたり、企業内ユネスコクラブだけをどんどん増やしていくということではなくて、地域のユネスコ協会と連携して企業の中で活動する仲間というのが増えていくと、この活動はもっと盛り上がっていくのではないかと思います。例えば、民間ユネスコ運動全国大会などに行っても、学生とシニア層はたくさんいるのですけれども、働いている同世代の人たちにはあまり会えなかったというさみしさがあって、そこが働き盛りの年代層にとって魅力につながっていないのではないかとも思えます。
企業に勤めていると仕事が忙しいので、仕事の他に土日などに地元のユネスコ協会に行って活動するのは結構大変です。ただ、企業の中で、例えば「バザーをやります」とか、「文房具集めます」とかいうと、結構品物は集まるのです。私たちも、地域のユネスコ協会と連携して活動したことがあります。社内で「カンボジアの子どもたちのために文房具を集めましょう、送りましょう」と呼びかけたら、たくさんの文房具が集まりました。ところが、これを送ると、送料が現地で文房具が買えるぐらいかかってしまうし、クラブ員は皆、仕事が忙しくて行くことができない。このとき、渋谷ユネスコ協会の若者たちがちょうどカンボジアに行くというので持って行っていただいたのです。そしたら、その文房具を使って現地の子供たちが絵を描いて、その絵を日本に持ち帰って、今度は渋谷ユネスコ協会の絵画展で飾ってくださいました。「これは朝日生命ユネスコクラブが贈った文房具です」と紹介文も入れて、絵を描いている子供たちの写真も飾ってくださったのです。これにより、私たちは現地に行けなくても密接に活動できたと感じました。
このように、企業内にクラブを作っていくと同時に、いろいろなユネスコ協会と企業が連携することも大切かと思います。企業との連携というと寄附とかスポンサーというふうに考えがちで、それも大切なのですけれども、それだけではなくて、その企業で働いている社員の共感を得て、一緒に活動していく仕組みも考えていくことを御提案したいと思います。本日の「我が国のユネスコ活動の更なる広報活動普及に向けて」の資料の中にも、「民間企業等の目線に立ったユネスコ活動の戦略的発信」について書かれているので、すごく期待しています。
【安達委員長】  ありがとうございます。きょう、参考資料で、ジャーニーマップで、個人と学校関係者と企業というので3つ例を出していただいたのですけれども、多分、今のお話で企業の中でユネスコクラブができたらいい。でも今はできていなくて、どうやったらできるのだろうかというところで、恐らくやりたい人がいて、作ろうという人がいて、動き出さないとそれが実現していかないようなところなのかと思います。
 と考えるとこのジャーニーマップでいうと一番頭の個人というところ、ユースと書いてありますけれども、一人一人がまさにこのPhase5のところですよね、これから熱中できる活動だからもっと深く関わりたいのだと思うようなことをやっていかなければならないのかなというところがありました。なので、例の2が学校関係者で例の3が企業となっていますけれども、学校の中の先生一人一人、また企業で働く一人一人が、個人がこの個人のPhase5までどうやってそれを持っていけばいいのかというところのための戦略を考えていく必要があるのかなということを皆さんのお話を聞いていて思ったところです。
 残り時間があとわずかになりますが、もしどうしてもという御発言あれば。
【及川委員】  こちらから、あと戦略について話……。
【片山委員】  戦略に関わって、いいですか。
【安達委員長】  はい。片山さんお願いします。
【片山委員】  3点だけ言います。中身はもう説明しませんが、
 ジャーニーマップ、非常によくできていると思います。2点目は、実は2日前に横浜のESDの研究大会に初めて参加したユネスコスクールの次期ユネスコ担当の先生会い、どうでしたかと感想を伺いました。で、自分のところがユネスコスクールなのだからもっとユネスコのことを発信してくださいよとお願いしました。何も我々だけではなくて、もう1,000校以上あるのだから、もっとホームページなどから、そこから発信してもらえればいいのではないかと。文科省の委託事業の報告、「平成29年度ユネスコスクール年次活動調査考察」で、「あなたの学校の取組は、SDGsの17の目標のどれにあてはまりますか」という質問があります。どの目標にあてはまる活動かをおさえもう1度これで発信してくださいと、こういうお願いをしました。 もうあと1点だけ。滋賀県の教育委員会より、「平成30年度 教育委員会の事務の点検・評価に関する報告書」が公表されています。
 報告書全体に対する学識経験者の意見の中で、「今後はSDGsの視点を教育の中にも取り入れて施策を進めていただきたい」という文言がありました。だから、滋賀県の教育委員会、平成31年度から5年間の教育振興基本計画が策定されますけれども、非常に期待します。文科省も是非とも研修会、中でも何が効果的かと申しますと、私、滋賀県の教育委員会の研修担当を3年間しておりましたが、初任者研修、管理職研修は必ずですね。今、それからこれは大学にお願いしなければならいのですが、必ずESD、SDGs、これを履修させてくださいと。ここまでお願いしていただけるとかなり学校現場、変わるのではないかと期待しております。
【及川委員】  私もなるべく簡潔に申し上げたいと思いますが、その前に、滋賀県の動きについては、私も知り合いの校長先生が教育振興基本計画の委員をされていまして、SDGs、ESDを県の振興計画に入れたと喜んで報告がありましたので、多分、来年大分進むのだろうなというふうなことです。
 私も2つ目の柱の、この様々な地域との連携構築みたいなものが2つ目の柱だということなので、それについてポイントといいますか、提案あるいはお願いを含めて、3点ほどお願いしたいのですけれども、1つは地域でユネスコ協会ががんばっていらっしゃることは重々承知しているのですが、先ほども申し上げたように、協会と地域の他のセクターの連携ですね。これがどれだけ図られているのかということが非常にまだ懸念されているところであります。そのための2つのアプローチがあると思いますが、1つは先ほど事務局からもあったように地域にESD活動支援センターがあるので、そのESD活動支援センターに是非、各地のユネスコ協会も参画してほしいと思います。
 実例を挙げれば、私は東北のESD活動支援センターの企画委員長をやっているのですが、その運営委員の中に仙台ユネスコ協会の会長さんが入っていいます。その成果もあって仙台ユネスコ協会は活動支援室の中で一生懸命この活動を、先頭を切ってやっていただいて、ESDの研修会とか、様々な事業を次々と今、立案して実行しています。さらに今年度それが、文科省にも来ていただきましたが、岩手で東北レベルのフォーラムを東北地方ESD活動支援センター主催でやったのですけれども、そのときには岩手のユネスコ協会の方々をお招きして、一緒にそこに参加してもらいました。岩手はユネスコ協会が多分、全国で一番多い数があるのですが、なかなかESDとかユネスコスクールにコミットできていないという現状があったので、この機会を利用して広げていくということがあったと思います。そういう実例がありますので、皆様の地域のユネスコ協会が、各地方の活動支援センターとかとどれだけのリンクがあるのかということが多分今後、問われてくるのだろうなということです。
 また、今のは、システムベースの話ですけれども、もう1つは、プロジェクトベースで協会連盟の事業として、「アクサユネスコ減災教育プログラム」というものをやっています。資料がないのですが、簡単に説明すると、それは非常にマルチセクターであり、私どもは自助、共助、公助という防災の3つの助けのさらに進んだ形でN助、ネットワークヘルプというものを提唱してやっているのですけれども、例えばファンドレイジング、すなわち資金は企業の生命保険会社から、それから事務局は連盟が担当し、企画立案、コーディネートは大学の専門家が行い、そして研修場所の提供は教育委員会が用意してくれて、実際の授業実践を見せてくれるのは学校がやり、さらにその地域との連携の部分はNPOがやりといように、連合して1つのプロジェクトを作っているわけです。そういうふうな形のものが今後、増えてくれば、おのずと連携というものができてくるわけですね。ですから、そういう少しネットワーク型の事業を今後、各地域で考えられる、あるいは全国レベルでやられるといいのだろうと思います。
 それから、大きな2つ目としては、先ほど事務局からエコパーク、ジオパーク、未来都市、いろいろ話が出たのですが、私は全国の地域を回っていますと、そのユネスコという看板、バッジを付けながらもそういうような事業が分断されているのですね。それがもったいないなと私は思っていて、ユネスコエコパークがあってもユネスコスクールとかESDに対する理解がないとか、ジオパークも同じです。あるいは創造都市でも同じように、ESDとかやるのでは全然ないと。せっかくユネスコという大きな看板を背負って地域を発展させようとしているのであるからは、そこにユネスコスクールとかESDとかSDGsの理念をちゃんと入れ込むようなメッセージ、アプローチを国内委員会、事務局として果たすべきであろうと思います。そこは、はっきり言ってまだできていない部分の1つであろうかと思います。
 3つ目は、今後、地域のユネスコ協会としても、これは連盟の事業にも同じことを言いたいのですけれども、寺子屋であるとか書き損じハガキであるとか、国際的な部分で伝統的にやってきた部分はあって、それなりに大きな成果を上げてきたとは思いますが、今の地域の行方を考えた場合に、高齢化が進んでどんどん人口も減って衰退化しているときに、地域にとってユネスコ協会が、魅力があるかどうかという問題だと思います。つまり地域にとって、若い人だけではなく地域の方々がそこに参画するような魅力のある事業は一体、何だろうかということです。また、そういう地域が少子高齢化している地域の実情を、ユネスコ協会ががある意味、体現している部分があると思います。
 とすれば、もう少し地域に密着したというか、地域の課題に即した、もっと言えば地域版SDGsみたいな形に向き合った活動を展開していく必要があると思います。、当然地域の人も若い人も、世界も大事だけれども、足元どうなのかというのが地域の今の実情であり、地域が持続不可能な状況になっているわけですから、そこに向き合った活動をしていかないと、なかなか地域のユネスコ協会は活性化できないと思います。。働き盛りの世代は地域を背負って働いているので、そういうことの事業が地域のユネスコ協会で展開されれば、当然それは協力してくれたり参画の意欲も高まったりすると思うし、ユース世代にしても、地域の未来を担うということでは参画してくると思います。その証拠に今、被災地とか、かなり持続可能性が厳しい地域にはIターン組の若者がいっぱい入ってきているのです。そのIターン組が入ってきているのにユネスコ協会には入らない。この部分のロジックをきちんと考えるべきだろうと思います。ですから、地方に魅力がないわけでもなくて、地方に素材がないわけでも、種がないわけでもない。その見せ方、持っていき方が、今後のユネスコ協会に問われているのかと思います。
【安達委員長】  ありがとうございました。時間が足りない感じで、もっと議論したいところがあると思いますけれども、時間が来てしまいました。
【石井委員】  だめ?
【安達委員長】  短ければですが、難しい。よろしいですかね。申し訳ありません。一旦ここで意見交換の時間は終了したいと思います。資料5についての、この後もし追加で御意見がありましたら、1週間後の1月30日を目途に事務局まで御提出いただければと思います。本委員会及び関係者の意見を反映して、事務局で加筆修正の上、2月7日の国内委員会総会で報告の予定となっております。
 その他、特に御報告、審議する案件、何かございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から今後の予定についてお願いいたします。
【徳留専門官】  今後の予定ですが、既に御案内をさせていただいておりますとおり、平成31年2月7日木曜日15時から、第144回日本ユネスコ国内委員会総会を開催いたします。場所はKKRホテル東京、竹橋の方になりますけれども、孔雀の間ですので、御出席いただける方におかれましては、お間違いのないようお願いいたします。以上です。
【安達委員長】  ありがとうございます。
 それでは、これで閉会いたしたいと思います。本日は御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございました。お疲れ様でした。


―― 了 ――

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