資料3-4 ユネスコ事業・予算(40C/5:2020-2021年)案の概要(教育分野抜粋)

 ユネスコ事業・予算(40C/5: 2020-2021年)は、中期戦略(37C/4: 2014-2021年)と整合性をとっており、また、事業・予算(39C/5: 2018-2021年)の後期2か年分(Second biennium 2020-2021)として調整したもの。

1. 全体の主な構成

40C/5-第1巻-決議案(Draft Resolutions)

2020-2021年の予算割当決議案(Draft Appropriation Resolution for 2020-2021)
政策全般及び方向性(General Policy and Direction)
事業(Programmes)
  主要事業(Major Programme)1 ― 教育(Education)
  主要事業(Major Programme)2 ― 自然科学(Natural sciences)
  主要事業(Major Programme)3 ― 社会科学(Social and human sciences)
  主要事業(Major Programme)4 ― 文化(Culture)
  主要事業(Major Programme)5
  ― 情報・コミュニケーション(Communication and Information)
事業関連サービス(Programme-Related Services)
参加事業及びフェローシップ(Participation Programme and Fellowships)
法人サービス(Corporate Services)

40C/5-第2巻-事業・予算案(Draft Programme and Budget)

パート1 ― 政策全般及び方向性(General Policy and Direction)
パート2 ― 事業及び事業関連サービス(Programme and Programme-Related Services)
 2.A ― 事業(Programmes)
  主要事業(Major Programme)1 ― 教育(Education)
  主要事業(Major Programme)2 ― 自然科学(Natural sciences)
  主要事業(Major Programme)3 ― 社会科学(Social and human sciences)
  主要事業(Major Programme)4 ― 文化(Culture)
  主要事業(Major Programme)5
  ― 情報・コミュニケーション(Communication and Information)
 2.B ― 事業関連サービス(Programme-Related Services)
 2.C ― 参加事業及びフェローシップ(Participation Programme and Fellowships)
パート3 ― 法人サービス(Corporate Services)

2. 主要事業(Major Programme)1 ― 教育(Education)の内容

40C/5-第1巻-決議案(Draft Resolutions)

事業(Programmes)

主要事業決議案1(Draft resolution for Major Programme1) ― 教育(Education)

1.事務局長に以下の点に係る権限を与える:
・ 第39回ユネスコ総会で決議された教育分野の活動計画の2020-2021年における継続実施。
・以下の戦略的目的のための、ユネスコのグローバルレベルの優先事項(男女平等の促進及びアフリカのニーズへの対応)への貢献、若者のニーズや行き届いていない社会的弱者の階層への対応。

  • 戦略的目的1:加盟国における万民のための質の高い、包摂的な生涯学習を育成するための教育制度の開発の支援。
  • 戦略的目的2:学習者が創造的で対応能力のあるglobal citizensとなるようにすること。
  • 戦略的目的3:教育2030アジェンダの主導及び調整。

・上記目的のための2020-2021年における予算の割り当て。

2.事務局長に以下の点について要請する:
・本決議により権限が与えられた活動の実施。
・ユネスコ総会で採択されたプログラムの執行及び以下の期待される結果に係る理事会への定期報告。

 主要活動ライン1:SDG4実施における加盟国支援

  • 制度全体に及ぶ生涯学習アプローチを通じて、公平で質の高いECCE、初等中等教育へのアクセスを進めるための各国における教育政策・計画の改善。(SDGターゲット4.1, 4.2に貢献)
  • 男女問わず若者や成人に就業・起業・生涯学習のための関連スキルを与える、公平でニーズに応えた職業訓練制度の創設。(SDGターゲット4.3, 4.4, 8.6に貢献)
  • ICTを通じた拡大・スケールアップや男女問わず若者や成人の土台となるスキルや生涯学習の獲得をモニタリンングするための政策や計画の改善及び世界レベルでの取り組みの動員。(SDGターゲット4.6に貢献)
  • 全ての男女が公平で手が届きやすく、質が保証された高等教育へのアクセスが増加し、研究の認証を向上するための、各国の政策及び能力の改善。(SDGターゲット4.3に貢献)
  • 資格を持つ、やる気のある教員の供給を増加するための教員政策の立案及び/または実施、教員研修プログラムの改善。(SDGターゲット4.c, 4.1, 4.2に貢献)
  • 健康的な生活、持続可能な開発の促進、グローバル・シティズンシップに応えた世界との繋がりに必要な知識、スキル、価値、態度を学習者に与えるための各国における能力強化。(SDGターゲット4.7, 4.a, 12.8, 13.3, SDG 3に貢献)
  • 各国の教育制度全体において男女平等に取り組むための能力強化。(SDGターゲット4.5, SDG 5に貢献)
  • 危機に直面した人々(難民、国内難民、移住者、障害者等学習で課題を抱える人を含む)へ特に配慮した、脆弱な状況に置かれている人々の学習機会の増加。(SDGターゲット4.5, 4.aに貢献)

 主要活動ライン2:SDG4-教育2030の調整・レビュー/モニタリングの主導

  • ユネスコの世界レベルのリーダーシップ及びマンデートを通じて効果的に調整されたSDG4-教育2030。(SDGターゲット4, 17に貢献)
  • 教育2030アジェンダの調査、展望及びモニタリングにより、SDG4達成促進のための証拠、勧告、見識の効果的作成。(SDGターゲット4, 17に貢献)

・主要活動ライン及び期待される結果に係るレビューを含めた戦略的結果報告の第209回ユネスコ執行委員会での公表。
・ユネスコにおける全体戦略的資源動員の分析を含めた資源動員に係る報告準備及び同報告の第209回ユネスコ執行委員会での公表。

40C/5-第2巻-事業・予算案(Draft Programme and Budget)

パート2 ― 事業及び事業関連サービス(Programme and Programme-Related Services)
2.A ― 事業(Programmes)

主要事業(Major Programme)1 ― 教育(Education)

・教育は、持続可能な開発のための2030アジェンダの中心。2020-2021年期間中は、この観点を引き続き促進し、2018-2021年の4年プログラムのために採択されたプログラムの方向性を維持する。承認された39 C/5プログラム主要活動ラインと期待される結果は維持される。2018年12月に取りまとめられた戦略的優先分野により今後のユネスコ活動のためのロードマップが示され、その目的に向けて教育局は、教育を通じた男女平等を進めるための活動のスケールアップ及び移民等のための学習機会の拡大を予定。

・ユネスコは、教育の未来に係る新しいグローバルレベルの報告を作成し、2021年に公表予定。同報告は、公共政策の議論を引き起こし、持続した研究・予測機能を構築することを目的とする。本活動は、期待される結果10(研究、予測、モニタリング、報告関連)に貢献。

・ユネスコの戦略では、女子・女性の教育に焦点を当て、教育政策や計画をより良く情報提供するためにデータの男女差に取り組み、法的枠組み及びジェンダーに対応した政策や計画を改善し、女子や女性にやる気を与える質の高い介入を保証し、安全でジェンダーに変革をもたらした教育制度をつくる。本戦略は、教育局の期待される結果7(男女平等関連)下での教育局の活動プログラムの一部であり、この2年間におけるターゲット人口のためのプログラム提供のための指導枠組。

・移民等のための包摂的で質の高い教育教育を受ける権利も戦略的に重要。長期的開発観点により、社会的再統合及び調和のための継続的解決策とともに指導予定。期待される結果8(インクルージョン等関連)の下、4つの主軸(法的政策・計画の強化、教育を通じたインクルージョンの文化の醸成、スキル・資格の認証のためのメカニズムの強化、危機的状況における人道的開発の結びつきの構築)により指導予定。

・これらの戦略的分野への対応のために、教育局では、教育の未来・革新チームと移民等のための教育セクションを設置予定。

・また教育局は、本部・地域事務所・カテゴリー1機関・他の教育分野より柔軟かつ期限付きで専門知識を結集予定。これにより教育局における共同提供や迅速な立案を行う。

・上記の戦略的領域等を考慮の上、40 C/5の実施は、次期のユネスコ中期戦略(2022-2029)や2030年達成に向けた準備のための教育のプログラムの方向性への移行を示す。本2か年(2020-2021年)は2030年までのプログラムの位置付けを改善する。

【MLA1:SDG4実施における加盟国支援】

(※MLA:主要活動ライン。Main Line of Actionの略。)

・ 公平で質の高いECCE、初等中等教育の提供(SDGターゲット4.1及び4.2に貢献)
期待される結果1:
制度全体に及ぶ生涯学習アプローチを通じた公平で質の高いECCE、初等中等教育へのアクセスを進めるための各国における教育政策・計画の改善。

・ 就業・起業のための、手が届きやすく質の高い職業訓練へ(高等教育段階も含む)の平等なアクセス(SDGターゲット4.3, 4.4, 8.6に貢献)
期待される結果2:
男女問わず若者や成人に就業・起業・生涯学習のための関連スキルを与える公平でニーズに応えた職業訓練制度の創設。

・ 若者や成人のための土台となる生活スキルの獲得(SDGターゲット4.6に貢献)
期待される結果3:
男女問わず若者や成人の土台となるスキルや生涯学習の機会拡大やスケールアップ、モニタリングを世界レベルで取り組む政策や計画の改善。

・ 質の高い高等教育の提供(SDGターゲット4.3に貢献)
期待される結果4:全ての男女が公平で手が届きやすく、質が保証された高等教育へのアクセスが増加し、研究の認証を向上するための各国の政策や能力の改善。

・ 資格を持った教員の増加及び資格を持った教員への支援の増加(SDGターゲット4.c,4.1, 4.2に貢献)
期待される結果5:資格を持つ、やる気のある教員の供給を増加するための教員政策の立案及び/または実施、教員研修プログラムの改善。

・ 持続可能な開発の促進に必要な知識、スキル、価値、態度の獲得(SDGターゲット4.7,4.a, 3, 12.8, 13.3に貢献)
期待される結果6:
健康的な生活、持続可能な開発の促進、グローバル・シティズンシップに応えた世界との繋がりに必要な知識、スキル、価値、態度を学習者に与えるための各国における能力強化。

・ 教育における男女平等(SDGターゲット4.5, 5に貢献)
期待される結果7:
各国の教育制度全体において男女平等に取り組むための能力強化。

・ 危機に直面した人々(難民、国内難民、移住者、障害者等学習で課題を抱える人を含む)へ特に配慮した、脆弱な状況に置かれている人々の学習機会の増加(SDGターゲット4.5, 4.aに貢献)
期待される結果8:
危機に直面した人々(難民、国内難民、移住者、障害者等学習で課題を抱える人を含む)へ特に配慮した、脆弱な状況に置かれている人々の学習機会の増加。

【MLA2:SDG4-教育2030の調整・レビュー/モニタリングの主導】

・ 教育2030アジェンダの主導(SDGターゲット4, 17に貢献)
期待される結果9:
ユネスコの世界レベルのリーダーシップ及びマンデートを通じて効果的に調整されたSDG4-教育2030。

・ 教育2030アジェンダのレビュー及びモニタリング(SDGターゲット4, 17に貢献)
期待される結果10:
教育2030アジェンダの研究、レビュー及びモニタリングにより、SDG4達成の促進のための証拠、勧告、見識を効果的に作成する。

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