ユネスコ「教育の未来」プロジェクト(概要)
Futures of Education - Learning to Become -
高まりゆく複雑で、矛盾した、不確実な世界における教育の再考の要望や、教育の未来に関する議論でのユネスコのリーダーシップ発揮に関する国連事務総長の要望を受けて、ユネスコでは教育の未来に関するグローバル・レポートを準備中(2021年公表予定)。
持続性の未来、知識の未来、学習及び指導の未来、仕事・スキル・能力の未来、シティズンシップ・民主主義・社会的一体性、公教育の未来、高等教育・研究・イノベーションの未来。
「教育の未来」に係る国際レポート作成に当たって、世界の政治、ビジネス、経済、科学技術、人権、社会運動、芸術・文化、哲学・倫理の分野から19名(議長を含む)で構成される国際委員会を設置。日本からは、元文化庁長官の青柳正規氏(東京大学名誉教授)が選出。
• 高まりゆく複雑で、矛盾した、不確実な世界において教育はどのように再考される必要があるかについて包括的に検討する。
• レポートに分析や勧告を発表し、様々なレベルにおける政策対話や活動のための議題を提供する役割を果たす。
• 今後の教育政策や教育実践のための観点や戦略を提案する。
日程 |
内容 |
場所 |
2019年9月25日 |
サイドイベントで「教育の未来」に関する国際委員会のマンデート発表。 |
国連本部(ニューヨーク) |
2020年1月28日、29日 |
第1回会合 |
ユネスコ本部(パリ |
未定(2020年) |
第2回会合 |
未定 |
2021年3月 |
第3回最終会合 |
アディス・アベバ |
2021年11月 |
「教育の未来」に係る国際レポート発表(第41回ユネスコ総会 |
ユネスコ本部(パリ) |
「教育の未来」レポートは、ユネスコの以前の国際レポート(※)にも根付く学習への人文主義的なアプローチに基づき作成される予定。(これまでの作成レポートにより、ユネスコは未来の教育・学習の国際的議論の先導者となった。)
2021年の国際レポート”Learning to Become”の提案は、この一連のプロジェクト活動の継続と1972年のレポート”Learning to Be”概念からの出発の両方を示している。“becoming”の観点で考えることが、潜在性を強調し、決定論を拒否し、新しいことへの柔軟な寛大さを表す、哲学的・社会的な考え方を訴えている。
”Learning to Become”の考えはまた、不平等の存続、継続的な暴力の蔓延、脆弱な惑星での増加する緊張、といったことに対し直接的に注目し、人類がまだなったことのない何かになることを求めるものである。
(※)- Rethinking Education 2015 『教育を再考する』
(佐藤禎一 国際医療福祉大学大学院教授(当時)が上級専門家グループ委員。)
- Learning: The treasure within 1996 『学習:秘められた宝』
(天城勲 元日本ユネスコ国内委員会会長が委員。)
- Learning to Be 1972 『未来の学習』(日本人委員は無し。)
国際統括官付